【イベントレポ:前編…

9/1に第1回ジェンダー☆ラボ「日本メディアの歪んだ「ジェンダー問題」について考えよう!」を開催しました。

テーマは「ジェンダ✕メディア」

はじめにジェンダーの基礎講座として、ジェンダーイコール代表の田渕が「日本のジェンダー問題」について簡単に説明した後、
社会起業家の勝部元気氏と都議会議員のおときた駿氏のお二人をゲストに迎えてトークセッションを行いました。
モデレータ:篠原くるみ(ジェンダーイコール副代表)

メディア規制の必要性を論じる勝部元気氏と、表現の自由の重要性について発信されているおときた駿氏。

お2人とも日本のジェンダー平等社会に向けて活動されている方々ですが、ジェンダー✕メディアに関してはそれぞれの持論をお持ちです。

偏ったジェンダーロールを描写するメディアがなぜ無くならないのか?

それぞれの視点から企業のホンネや規制のリスク等日本のメディア問題にメスを入れていただきました。

非常に学びのある対談でこのイベント内だけにとどめておくのはもったいないと思いましたので、こちらでご紹介させていただきますね。


勝部元気氏のプロフィール

評論家/社会起業家、株式会社リプロエージェント代表取締役
1983年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。ジェンダー論、現代社会論、各種人権問題を専門とする若手論客として、WEB媒体、雑誌、TV等で評論家活動を展開。また、働く女性の健康啓発事業を行うソーシャルベンチャー「株式会社リプロエージェント」で代表を務めている。著書『恋愛氷河期』(扶桑社)。所有する資格数は70個。オフィシャルファンクラブ「Flat Shangri-La」。

〜勝部さんからのひとこと〜
普段は評論活動の他、社会起業をいろいろやっています。

おときた駿氏のプロフィール

早稲田大学政治経済学部を卒業後、外資系企業での7年間を経て、議員の道へ。
ネットを中心に積極的な情報発信を行い、ブロガー議員としても活動している。
2018年10月に新党「あたらしい党」設立。
9月~10月末まで実施したクラウドファンディング「あたらしい政党を作って、日本の政治を本気で変えたい!おときた新党を立ち上げます」では、支援総額約1,200万円、パトロン数1,034人のいずれも政界レコードを超えを達成。
2人の娘の父として公私ともに大奮闘中。著書に『ギャル男でもわかる政治の話』『東京都の闇を暴く』『贖罪 偽りの小池都政で私が犯した過ち』がある。

〜おときたさんからのひとこと〜
北区生まれの北区育ちです。
現在34歳で2児の父親をやっています。妻も江東区議会議員で政治家をやっています。
お互いに全く同じ職業をしているはずなのに、世間のイメージは全く違う。世間から求められる役割も全く違う。
同じ職業で同じことを目指しているはずなのに、どうしてこうも求められていることや周りの目が違うんだろう。
ジェンダーって一体何なんだろう。と普段思ったりしています。

「赤ちゃんがいればがんばれる。」という母親描写のCMについて

篠原:子育てをしていない人やこれから子育てをする人、そして自分の子供たちがこういったCMを見ることで、「赤ちゃんの面倒はママが見るもの」というメッセージとして受け取られることを危惧している。

勝部:このCMは、ジェンダーの話に加えて「苦労酸味」という文脈も入っている。
「苦労したあなたは、そのままですばらしい」といった、苦労した母親=それがあたりまえに変換されやすい。
事実、日本ではそう捉えられている部分が多分にある。
「苦労をしていないお前が悪い、手抜きしている母親はだめだ。」というメッセージと表裏一体。
だからモヤっとする人が多いのではないかと思う。

母親がしっかりしていなければいけない。子供を放置していたら、そこに父親がいたとしてもなぜか母親だけが叩かれる。
そういう社会になっているからこそ、母親がものすごいプレッシャーを感じる世の中になってしまっている。

篠原:最近Twitterで「◯時を過ぎたらママ閉店」といった投稿が炎上していた。
私自身は子育てをしているから投稿者の気持ちがわかるが、経験していない人からすれば、「私だったらもっとうまくできる」と思ってしまう部分もあると思う。
もし自分が子供を産んでいない時代だったら、「ひどい母親だな」と思っていたんだろうなとも思う。
日本にはその辺のせめぎ合いがまだまだある。

保育園のスタンプにジェンダーバイアス!?

おときた:自分の子供は、下の子がまだ1歳9ヶ月。子育てをしていて、まだまだ子育ては女性のものと感じてしまうことがある。
自分は保育園の送り迎えを結構やっている。そこの保育園では「キッ◯リー」という連絡帳アプリを利用しているが、そこで使える「おはようございます」とか「よろしくお願いします」などのスタンプが全てママのアイコンになっている。
全部ママのアイコンだから、自分が使ってよいのか戸惑ってしまう。
キッ◯リーを開発した会社をはじめ、企業にとって「保育」というものはまだまだ女性のものという認識を持たれていると思う。

メイク落としに男性を登場させたビ◯レのCM

おときた:こちらはジェンダーバイアスに気を遣って作ったのかというと、たぶん商業的な理由と半々だと思う。
一般的にはメイク=女性のものという意識があると思うが、メイクアップアーティストはほとんど男性であることが実情。
さらにメイク落としは男性も結構使っていて、男性のマーケットも若干ある。
そのため、マーケットの都合上「1割位は男性を入れよう」といった、商業的価値観によって作られている可能性がある。

企業はそういうのに非常にめざといし賢いので、そういうところまで見ている可能性があるということを知っておいてもらいたい。

勝部:逆に言うと、メ◯ーズ(オムツブランド)はペルソナを絞りすぎている。作った時はそれでも良いが、世間の目を考えずにそのまま出してしまっている点が問題なのかなと思う。

おときた:ビ◯レとメ◯ーズとの違いからいうと、化粧品業界は時代の最先端を走っているという意識やプライドがある。
それに対してオムツや保育はまだまだ遅れている。そういった業界の違いもCMの作り方に差が出てしまっているのかなと思う。

篠原:2014年〜2016年にジェンダー炎上系CMが多数出ていたが、最近は落ち着き、逆に最近の白物家電等では無理くりな感じで男性が出てきている。
洗濯機用洗剤のCMでは障害者なども出てきていて、ダイバーシティを意識しだしている流れが見える。

各国のメディア状況は?〜アメリカの場合〜

篠原:日本ではすごいミニスカートを履いている女の子が、アメリカではあえてスカートをめちゃくちゃ長くしている。
短いスカートは有害だと判断されている。
アニメのドラ◯もんの場合、日本では「ぬいぐるみを持ったしずかちゃん」が普通に描写されるのに対し、アメリカでは、ぬいぐるみが本に変わっている。
そもそもしずかちゃんは小学4〜5年生の設定なのに、人形が出てきている時点でつっこみどころもある。
日本のアニメは人物描写のキャッチアップがまだまだ足りていない。

勝部:このドラ◯もんの問題は、女性が複数いる中で1人だけ人形を持っているのであればOKだが、1人しかいない女性が人形を持っているという点が性別役割を強調していて問題とされている。

各国のメディア状況は?〜イギリスの場合〜

篠原:イギリスでは、「広告基準協議会」というものがあり、そこで、広告におけるジェンダー表現の基準が提示されている。
例えば、痩せすぎのモデルを出すのはNGとか、家族が散らかしたものを母親だけが片付けるのはNG。
その他、男の子がするようなアクティビティを女の子がするのはふさわしくないといった描写はNGなど。
これは性別が逆でもだめ。簡単な家事に男性が失敗するという描写もNG。
割とカッチリとした規制を入れている。

ダイバーシティをねじ込むイギリスドラマ

The End of the F***ing World

篠原:NETFLIXで配信している「THE END OF THE FxxxING WORLD」というドラマは、ティーンエージャーが旅をする中いろんな事件を起こし、それを追う2人の刑事がいるという設定。
日本のドラマで刑事といえば、武田鉄矢のような年配の男性とイケメン男性の組み合わせなどが一般的だと思うが、
このドラマでは、2人とも女性刑事、さらに、1人が黒人、1人が白人(レズビアン)という設定になっている。
性別や人種などを非常に意識している。
むりくり多様性をねじ込んでいるようにも見える姿勢が先進的だなと感じる。

勝部:もし日本のドラマで女性刑事が出てくる場合、竹内結子さんや仲間由紀恵さんとか、いわゆる「ザ・美人女優」が多いと思う。
女性の場合は世間一般で美しいとされている人が起用されることが多い。
対して男性の場合は、イケメンもいるがイケメンで無い人もたくさん出てくる。
男性の中にはダイバーシティがあるのに、女性の中にはダイバーシティがないのが日本ドラマの特徴。

中編につづく〜

【セミナーレポート】…

えりこ
エシカルでスマートなビジネスツールを展開するFUMIKODA(フミコダ)をご存知でしょうか?
FUMIKODAは、動物性皮革を一切使用しない、日本の優れた技術力によって開発された最先端マテリアルと伝統工芸を用いた、エレガントで機能的なバッグや雑貨が人気のブランドです。普段からMacのPCを持ち歩いていて夜は会食・・・といったキャリア女性にFUMIKODAは大活躍します。

ちなみに、私自身も大ファンで、ビジネスバッグ、名刺入れ、財布からスマホケースまで全てFUMIKODAです。もはやFUMIKODA無しには生きていけない位・・・(笑)

今回はFUMIKODAの代表である幸田フミさんが主宰する「FUMIKODA SALON:July 2018」に参加してきました。
FUMIKODA SALONは、毎回幸田フミさんの抜群のセンスで選ばれたさまざまなジャンルの専門家によるご講話をいただき、その後素敵なシャンパンお料理を楽しみながらFUMIKODAファンたちとの交流を深めるイベントです。

講話テーマは「幸せな生き方と働き方」

今回のゲストは「幸福学」について研究をされている前野マドカ氏。
会が始まる前にマドカさんにご挨拶をして、先に少しお話しを伺うことができました。すると、なんとお子さんが小学生だった頃、PTA会長をされていたそうなんです。
現在、私自身が息子の小学校でPTA副会長であることもあり、とても話が盛り上がりました。

「幸せな生き方と働き方」をテーマにしたマドカさんのご講話は、子育ての秘訣も要所に散りばめてくださり、大変胸が熱くなる内容でした。
以下、一部抜粋ではありますが、少しご紹介させていただきます。

幸せの研究をはじめたきっかけ

マドカさんは、お子さんが小さかった頃は子供と向き合うために専業主婦を選ばれていたそうです。当時、公園で外国人のママ友に「自分の夢」について聞かれた事があったそうです。
海外では、子育て中であっても自分自身のアイデンティティを当たり前に考えることが当たり前。その時、子供の事しか考えていないというマドカさんに対して、周りから非常にびっくりされたとのこと。そこから自分の夢について考るようになったそうです。

長続きしない幸せと長続きする幸せ

幸せには「長続きしない幸せ」と「長続きする幸せ」の2つの種類があるそうです。
幸福学では、地位財(金、モノ、地位)による得た幸せは長続きせず、非地位財(安全、健康、心)によって得た幸せは長続きすると言われているそうです。
例えば、ガンになっても「良かった」と思える人がいるそうです。
それは、ガンになったことで、自分とは何か?ということを見つめ直すことができたり、自分よりももっと大変な境遇にいる事に気づけたから。
ちなみに、「人間とは、悲劇が起きた時に自分に対して問いかける生き物」だそうです。なるほどーーー。

幸せの4つの因子

幸せに影響する「4つの心的因子」について教えていただきました。

幸せの4つの因子

①自己実現と成長(やってみよう因子)
②つながりと感謝(ありがとう因子)
③前向きと楽観(なんとかなる因子)
④独立と自分らしさ(あなたらしく因子)

確かにこの4つの因子を全て持ち合わせている人って、周りから見ても幸せそうだなーと感じるでしょうし、このようにポジティブになれれば間違いなく幸せですよね!
ポジティブシンキングってやっぱり大事なんだなーと改めて感じました。
そして、「②ありがとう因子」を鍛えることで残りの3つもできるようになるそうです。
常にポジティブな人は普段から周りに感謝の気持ちを伝えていることが多いとのこと。
まずは感謝の気持ちからですね!私も早速実践したいと思います。

幸福度が高い人がもたらす効果

創造力:3倍
生産性:31%アップ
売上:37%アップ

幸福度が高い人はこのような効果があるそうです。
すごいですよね。
という事は、子供に先ほどの「幸せの4つの因子」を持たせることで、すごい大人になっちゃうんじゃない!?と夢が膨らみました。
そして、社会においてもこのような意識の人たちが増えると幸福が蔓延した社会になる訳です。
これって、今すぐ教育カリキュラムに入れた方が良いんじゃないかと思いました。
ジェンダーイコールの活動においてもぜひ取り入れたいです。

ちなみに幸せって人に移るそうです。でも鬱も移るそうです。そして肥満も喫煙も。。。
人間はその位影響されやすい生き物なんだそうです。

最後に

子供にとって、親からどんな言葉をかけられているかは成長過程において非常に重要な要素だそうです。
マドカさんは「解釈次第で人生は変わる。」と仰っていました。子供の行動も解釈次第で肯定的に捉えることができるはずです。
全ての言葉は肯定的にできるはず。子供にはとにかく否定的な態度を取ることはNG。
私は子供に対してついつい怒ってしまいますが、解釈を変えてみようと思いました。

ここで、マドカさんの夫さんが最近出版された本をご紹介させていただきます。

前野隆司著「幸せな人生を送る子どもの育て方」

マドカさんの夫さんは、幸福学研究の第一人者と呼ばれている前野隆司氏です。
私も早速この本を拝読しましたが、ずばり!!!子育て中の有無にかかわらず、幸福になりたい方にはぜひおすすめです。必ず何かご自身の生き方にヒントを与えてくれるはずです。

私は夫や子供に対する日頃の態度に反省し、まずはネガティブ発言を自分自身に対して禁止しようと思いました。(なかなかすぐに治るものではないかもしれませんが^ ^;)
まずは自分から変わらなきゃ。そして変わった自分を子供に見てもらって、幸せ因子が伝わると良いなと思いました!

マドカさん、素敵なご講話ありがとうございました!
そしてフミさん、いつもを素敵な出逢いをつないでくださり、心から感謝しています。

みなさまとのご縁に乾杯!!!

ありがとうございました!!!

FUMIKODA SALON参加者のみなさまとの集合写真♡

【セミナーレポート】…

えりこ
【グローバル 女性 働き方】越境3.0スペシャル座談会というイベントに、ジェンダーイコールメンバーの宮脇智子さんと共に参加してきました。
越境3.0コミュニティ」主催。
同団体は、「世界の課題解決」をテーマに、世界の色々な国の政府系案件を次々とプロジェクト化し、事業化に向けて進めているそうです。大変興味深いですね。

当イベントは、越境3.0コミュニティの女性メンバーをパネラーに迎えて「グローバル」、「女性」、「働き方」について語るという、ジェンダーイコールとも非常に親和性の高い内容で、私たちの活動を知る知人を通じてイベントの存在を知りました。

モデレータは年に数十回、香港・ドバイ・サウジアラビア・アゼルバイジャンなどを訪問し、日本人に「世界」を伝える活動をされている石田和靖氏。

時折石田さんのグローバルなトリビアネタを取り入れつつ、親業、趣味、仕事とをうまく両立している越境3.0コミュニティ女性メンバーの話を交えながら進行しました。

内容について一部ピックアップしてご紹介させていただきます。

タイムテーブル

14:00 主催者挨拶 越境3.0事務局長 飯塚裕司
14:10 講演「世界の女性の働き方、生き方」 石田和靖
14:40  パネルディスカッション「女性の未来の働き方」 石田和靖vs 越境3.0ママ起業家
坂上舞・江崎由香・神谷瑛美
 15:40  プレゼンテーション「グローバル✖︎女性✖︎働き方とは?」 坂上舞・江崎由香・神谷瑛美
 16:10  質疑応答・懇談会 参加者同士で意見交換
16:30 終了

 

 

女性に「黒いかぶりもの」を強要する中東男性の真意

中東といえば黒いかぶりものをしている女性が浮かんできませんか?

女性にあんなかぶりものをさせてとんでもないジェンダー差別な国だと思ってしまいますが、それには男性なりの言い分があるそうです。
「大切なものには黒いものをかぶせる風習があり、女性は大切なものだからかぶせる。」
「弱い女性を男性が守る。」
といったような意識から、極端に女性の行動が制限されているそうです。

個人的には「女性はモノか!」と思いますし、「男性側の横行を制限させる方法はなかったのか?」と言いたくなりますが、いろんな事情があるのでしょう。(そこは今回はあえて深掘りしません。)

ただ、同じイスラム教によっても国によって差異がありますが、ドバイなどでは、最近女性進出が目覚ましいそうです。

ジェンダーギャップ指数1位の国「アイスランド」

アイスランドは、ジェンダーギャップ指数1位、つまり世界で最も男女格差が少ないと言われる国です。
世界初の女性大統領を生み出した国でもあります。
女性が活躍している国は平和で景気が良く、新しいサービス、産業、アイデアが次々と生まれると言われているそうです。
アイスランドは人口が少ないから男女平等社会を造り上げることができたという人もいますが、
人口少なくても治安の悪い国もあります。
そう考えると、一概に人口にせいにはできないのです。

アイスランドの女性起業家は日本と仕事をしたがっている!?

石田さんがアイスランドを訪れた時に、現地の方が日本に興味がある起業家を呼んでパーティを開催してくれたそうです。
すると、参加者の9割が女性だったそうです。このことからもアイスランドの女性がいかに活躍しているかが想像できますよね。そしてアイスランドの女性起業家は非常に日本に興味を持ってくれているそうなのです。

それはなぜか!?

地球はアイスランドと日本のプレートで完成していると言われていて、アイスランドで生まれて、日本で完成しているそうです。
アイスランドの女性起業家たちはこの話をよく知っていて、普段から日本に対して親和性を感じてくれているんだそうです。

でも男性だと親和性のある国という理由だけではなかなかビジネスも一緒にやりたい!という発想までには至らない。
女性ならではの感性で、日本人と仕事したいと思ってくれているのです。

日本にもぜひその想いを普及させたいですね。

日本は男性が変わらなくてはいけない

ここで石田さんから、日本のジェンダー問題について少し触れてくださいました。
日本はジェンダーギャップ指数世界144カ国中114位。先進国の中ではダントツの最下位という汚点を更新し続けています。
石田さんは日本の女性が社会に出ていくためには男性が変わらないといけないと仰っていました。
「男性の考え方が化石のように固まっていて、そのような男性達が日本のトップにいるから変わらない。」
まさにジェンダーイコールが常々声を上げている問題について言及してくださり、とても心強く思いました。

パネルディスカッションスタート

さて、ここからは石田さんのモデレータにより、越境3.0コミュニティで活躍する3人の女性とのパネルディスカッションが始まりました。
まずはパネラー3名の女性の簡単なプロフィールをご紹介しますね。

■坂上さん
第1子を妊娠した時、当時勤めていた会社に報告したらクビを宣告された(マタハラ!!)
その後の再就職活動では、数々の企業に母親であることを理由に断られたが、外資系で再就職できた。
現在は退職し、海外に携わる仕事をしている。子供は6歳と2歳の双子。

■江崎さん
福岡でネイルサロンを3店舗運営する経営者。子供は小学生2人(6年と4年)。

■神谷さん
和装用髪飾りの製作販売をする個人事業主。子供は2歳と年中。

全員仕事と育児の両立を見事にこなしている女性で、多忙な毎日の中、スキマ時間をうまく活用してコミュニティの活動にかかわっている魅力的な方たちばかりでした。

海外に目を向けたきっかけは?

■坂上さん
高校の時に1年間アメリカの留学。これまでの訪問国数は22ヶ国。おすすめはスペイン。

■江崎さん
中2の時に経験した2週間ホームステイ。
出産後は子供を理由に海外にはしばらくいけないと思い込んでいたが、試しに1人で行き、その次に子連れで行ったことで自信がつき、海外に目が向くようになった。

■神谷さん
元々洋服が好きで、パリやアメリカにあこがれていた。しばらくその気持ちを忘れていたが、最近ふと思い出した。

■石田さん
予備校中に友人からラスベガスに誘われて激安ツアーで行ったことがきっかけ。運良くギャンブルに勝って、同年再訪。
その後、仕事で中東を担当したことで、中東に興味を持つようになった。これまでの訪問国数は51ヶ国。
唯一の後悔は学生時代にバックパッカーをやらなかったこと。今からでも時間があればやりたいと思っている。

アゼルバイジャンの可能性

みなさん、「アゼルバイジャン」という国をご存知ですか?
トルコ、イラク、イランなどに囲まれた、中東にある小さな国です。
日本人にはあまり馴染みのない国だと思います。
しかし、この国はなぜか超親日だそうです。石田さんが50ヶ国以上行った中でもNo.1の親日とのこと。
昔は自国の生産物であるエネルギー資源を輸出する力がなく、ロシアに依存していたことから非常に貧しい国でした。
しかし、2006年からカスピ海のエネルギーを自国で輸出できるようになったことで裕福になり、急成長を遂げているそうです。
石田さんは現地で日本人初のJAPANEXPOを開催し、1万人もの来場者が集まり大成功を収めています。
国営放送にも過去20回位出演したことがあり、現地ではかなり有名人だそうです。
アゼルバイジャン人は日本が大好きだから、とにかく日本人が何を考えているか知りたいらしい。
だから国営放送から何度もオファーが来るのだそうです。
余談ですが、現地の食料はほとんどが無農薬。虫が付きにくい気候だから農薬を使わなくても作物が育つそうです。
素敵ですね♡
アゼルバイジャンは非常にポテンシャルがあり、日本にとってビジネスチャンスが多く潜んでいるようです。
私も行ってみたくなりました。
ちなみにアゼルバイジャンは学費が無料だそうです。魅力的すぎますw

「越境3.0コミュニティ」について

今急速に発展しているAI技術によって、今後は人間がやっている作業のほとんどがAIに取って変わられることになります。

そうなった時に「人間にしかできないこと」とは何でしょうか?

それはアイデア出し、すなわち0から1にしていく作業が、唯一「人間にしかできない仕事」となるのです。

これまで右へ倣えを良しとされていた社会は様変わりし、人とは違う強烈な個性が求められる時代になります。
そこで活躍するのがコミュニテイです。

「越境3.0コミュニティ」は今年2月にスタートしたコミュニティです。テーマはプロジェクトを起こして海外と日本をつなぐこと。
コミュニティがプロジェクトをスタートさせます。
スキルをシェアリングエコノミーによって活用するイメージで、1人ではできなくても、みんなのスキルをシェアできるコミュニティの力でプロジェクトを進行させるのです。
自社では工場を持たずに作れるところに作らせるApple社のように、得意な人がやり、やりたい人だけが参加してプロジェクトを進行させるという仕組みです。
先にアウトプットを作ってその後、スキルのシェアリングエコノミーにより、インプットを入れていくのです。
みんなのつながりで化学反応を起こすのです。

ちなみに越境3.0コミュニティが手がけた、モンゴル政府から依頼された「馬肉プロジェクト」は発案からローンチまでたった1ヶ月だったそうです。
これからはスピード感が重要なのです。

トーマス・フリードマン著「フラット化する世界(上・下)」。これからは様々な物事がフラット化していくと予言している書籍ですが、
石田さんはまさにこれからこの本に書いてあるような世界が到来すると仰っています。
これからは世界がフラット化する時代。個性の強い変態が台頭する時代になるのです。
そのためにも個性を引き出してくれるコミュニティは非常に重要です。

その他田渕がメモった注目ワード集

●「仕事で忙しいから子供の面倒が見れない。」という男性の言い訳は本来おかしい。(石田さん)
●子供を大人の世界に入れることは重要。(石田さん)
●人間の生活を豊かにするには5つのコミュニティが必要。2つ家庭と仕事。他の3つのコミュニティの選び方が大事。(飯塚さん)
●コミュニティの中で本当にビッグプロジェクトが生まれていて、ぜひみなさんにも体感してほしい。(坂上さん)
●越境3.0はFacebookグループでやりとりしていて、その場で参加できなくても後からやり取りを見返せるので参加しやすい。(江崎さん)
●気軽に越境3.0に参加してほしい。すぐに仲良くなれる。(神谷さん)
●父親はもっと子供と接する時間を作る必要がある。(石田さん)
●父親が子供と接する時間が長いと子供の幸福度が上がるという研究結果がある。(石田さん)
●誘いがあったらとりあえずのっかる。女とか男とか関係なく、自分が動けば仕事は作れる。(江崎さん)

田渕まとめ

いかがでしたでしょうか?
本レポートに書いた内容はほんの一部です。
タイトル通り、「グローバル」、「ジェンダー」、「働き方」のテーマがミックスしていて非常に新鮮なイベントでした。
グローバルネタはやはりおもしろい!私もこれからはもっと海外にも目を向けようと思いました。
次回8/26(日)、越境3.0コミュニティ主催で、「親子で旅する世界地図」というワークショップを開催されます。
このワークショップは、
「ピラミッドってどうやって作られたの?」
「なんでオーロラって見える場所と見えない場所があるの?」
「なんでペンギンは南極、しろくまは北極にしかいないの?」
などなど、子どもたちの疑問を解決し、子どもたちが自分で考えて、地図を片手に世界を旅する企画だそうです。
詳しくはこちらから。

我が家は家族での参加を計画中。世界中を飛び回っている方達の話しにはリアリティがあり、聞いている側も非常にワクワクします。
今日感じたワクワクを、次回は子供にも体感させてあげたいなと思いました!

石田さん、司会者の飯島さん、登壇者の坂上さん、江崎さん、神谷さん、素敵な会でした!ありがとうございました!!!

最後に参加者全員で集合写真!

ハッピーシェアボード…

こんにちは!ジェンダーイコール田渕・篠原です。

ハッピーシェアボードの実践モニターとして、初めて同性カップルに挑戦してもらいました。
モニターになってくれたのはAiさんとTinaさん。
北区で多様性社会の実現に向けて取り組んでいるRainbow Tokyo 北区代表の時枝さんからの紹介していただきました!

実は女性の同性カップルにお会いしたのは初めてです。
すぐにお2人の相性の良さが伝わってきて、素敵なカップルだなーと思いました。
なんというか、同性だからこそ「あうんの呼吸」でわかりあえることってたくさんあると思うんです。
男女の場合、特に私たちのような活動をして変にジェンダーリテラシーが高いと、ちょっとした男性の行動でもすぐにジェンダー平等の観点から物事を見てしまう(笑)
だけど同性だとその観点は無用だなと新たな発見(!?)がありました。

女性カップルの家事分担はどのような結果になるでしょうか?
やりとりをレポートにまとめましたのでぜひご覧ください。


えりこ
お2人の出会いについて教えてください。
Ai
7年前に私が仕事でドイツに2年間赴任した際に出会いました。
その後、ドイツで一緒に暮らすようになりました。
2年後、ドイツ赴任が終わり、その時にTinaも日本に移住することを決めました。
えりこ
お2人の性格は?
Ai
比較的ざっくりな性格ですが、Tinaは時間にきっちりしています。
なのでたまにユルい感じの私に対してイライラさせてしまうことも(笑)
ドイツってすごく時間にきっちりしているんです。
えりこ
まるで日本人のようですね?
Ai
そうですね。そして私は昔10年ほどアメリカに住んでいたこともあり、
あまり日本のきっちり文化が身についていないんです(笑)
えりこ
なるほど(笑)
それぞれのお仕事は?
Ai
金融系のITプロジェクトマネージャーです。Tinaは某有名ホテルの受付業務で24時間の運営体制なのでシフト制で夜勤もあります。
えりこ
Tinaさんは来日してすぐにその仕事についたのですか?
Tina
今の仕事は1年位です。来日して2年間ほど日本語学校に通い、その後ホテルの専門学校を経て今の会社に就職しました。
えりこ
普段、家事分担はどのようにされているのですか?
Ai
特にはっきりした家事分担はありません。お互い仕事していますし、「できる方がやる」というスタンスです。
あ、でも今犬1匹、猫2匹を飼っていて、Tinaは大の猫好きなんです。なので、Tinaが不在の時の猫の世話だけは任されています。
料理は自分が主担当です。Tinaは料理が苦手(笑)
掃除に関してはTinaはあまり気にならないタイプですが、私は意外と気にするタイプ。
ペットを飼っていることもありコロコロは必需品です。
えりこ
ありがとうございます。ではいよいよハッピーシェアボードの実践に入っていただきたいと思います。
まずは宣誓から!
宣誓!
実践スタート!
どんどんシールを貼っていきます。
2人の仲の良さが伝わってきます。
シール貼り終了!
Tinaさんから感想を記入。
次にAiさん。
完成しました!
えりこ
ありがとうございました!いかがでしたか?
Tina
相手が結構やってくれていることは知っていたけどやっぱりそうだった(笑)
いつも後でしようと思っている家事をAiがやってくれちゃう(笑)
えりこ
Aiさん、このままでいいんですか!?
Ai
もう諦めています(笑)
えりこ
妥協することも大切ですよね(笑)
相手が知らぬ間にやってくれていた「名もなき家事」はありましたか?
Ai
Tinaが靴を揃えてくれていたことを初めて知りました。
えりこ
タスクシールで足りない家事はありましたか?「ペットの散歩」は必要ですね?
Ai
そうですね。ただ、うちは実家と親戚の家が近く、3家庭で散歩タスクを回しているんです。
1日3回しちゃう時も(笑)
えりこ
今後どのように家事を回していきたいですか?
Tina
もうちょっと自分も家事をしないといけないな思った。
Ai
言いたい時に言うね。「ベットのシーツ取り替えてよ」とか。
TInaは百貨店の寝具売り場で働いていたことがあって、ベッドメイキングがすごく上手なんですよ。
普段私は、「もうちょっとやってほしい」が溜まりに溜まった時は爆発するんです。するとTinaは10回に1回位はやってくれます(笑)
えりこ
今後どのようなパートナーシップを築いていきたいですか?
Ai
言ったらちゃんとやってほしい。
Tina
やだ。(笑)

総括

普段から家事分担は特に決めておらず、「できる方がやる」というスタンスのお2人。
そう言いながらもハッピーシェアボードの実践結果は比較的きれいな分担率になっていました。
お互いが相手のことを思いやる気持ちの表れだと思います。

ただ、Aiさんはこまめに掃除しないと気になるタイプということもあり、ついつい率先してなんでもやってしまっているご様子。
これは気になるタイプの人の宿命ですね(笑)

2人はお子さんはいませんが、ペットが3匹いることから、
育児系のタスクシールは、ペットに置き換えて貼っていただきました。
「子供部屋の片付け」→「ペット部屋の片付け」
「子供の食事フォロー」→「ペットの食事フォロー」
など、この置き換え手法はとても使えることがわかりました。
(Aiさん、Tinaさん、教えてくれてありがとうございます♡)

家事についてはとても合理的かつ上手に削減をされていて、以下のようなコツを伺いとても参考になりました。

①お酢の洗剤を使う(台所、風呂)・・・酸の力で普段からヌメリがつきにくくなるそうです。カビキラーいらずとか!
②バスマットは、珪藻土のものを使う・・・最近はニ○リで安いものが出ているそうです。干す手間なし!
③台所布巾は使わず、ウェットティッシュで代用・・・そのまま捨てられるから衛生的だし除菌の手間を省けます。

このような形で私たちにとっても非常に学びの多い時間となりました。
ハッピーシェアボード実践に第3者が立ち会うことは、実践者同士の緩衝材になる効果がありますが、
立ち会う側にとっても実践者との対話で新たな発見を得ることができるのです。

同性の国際カップル問題について

お2人から、同性の国際カップルが直面している問題について教えていただきました。
日本では同性カップルに対する法的保障がなく、日本に滞在するためのビザは学生ビザもしくは就労ビザのどちらかしか選べないそうです。
でも学生ビザは卒業したら無くなってしまうし、就労ビザは維持し続けるのが難しい。ビザが切れたら強制送還になってしまいます。
日本で婚姻関係にある(事実婚も含む)外国籍の異性のパートナーを持つカップルは、法的に保障され、日本に滞在する資格を持つことができます。
ですが、法的に婚姻が認められていない同性同士での結婚、いわゆる同性婚は在留すら認められていないのです。
カップルなのに、同じ国に住めなくなるなんてとてもアンフェアなことだと思います。

現在、同性パートナーに「在留特別許可」を求める裁判が行われています。
異性同士なら在留特別許可が認められるのに、同性同士は認められない。
愛し合っているカップルなのに引き離される運命にある。時代錯誤も甚だしい恥ずべき問題だと思います。
日本では今、多様性の意識が広がり始めている過渡期にいると思いますが、多様性社会を実現するにはまずこういった根本的な人権に関する法整備が必要です。

先日、この裁判費用の支援に向けて、クラウドファンディングによる資金調達プロジェクト「ずっと一緒に生きてきた同性パートナーに「在留特別許可」を!」が無事達成のもと、終了しました。
いよいよ裁判の幕開けです。
この裁判が勝訴し、日本が多様性社会に向けて前進しますように。
心から祈っています。

最後に、AiさんTinaさん、今日はありがとうございました!!!

みんなで記念撮影♡

【第2回】ヴェルテッ…

こんにちは!ジェンダーイコール篠原です。
6/9(土)に、株式会社ヴェルテックとジェンダーイコールの共催で「第二回:小学生向けプログラミングワークショップ」を実施しました!
第一回目のレポートはコチラ

開催概要

対象受講者 小学生
目的 ①身の回りにある動くものはプログラミングによって動いていることを知ってもらう
②「プログラミングができた!」という成功体験をしてもらう
③小学校低学年のプログラミングに対する理解を調査する
プログラミング言語 Scratch(スクラッチ)
受講人数 親子3組(計6名)
講師 篠原くるみ、竹形誠司(技術サポーター)

ワークショップ実施内容

第2回目となる今回は、男子3名(小4 1名、小2 2名)にご参加いただきました。

ワークショップの内容はこんな感じ。
第1ステップ(10分)
① プログラミングとは?:「何か」をすると、「何か」がおきる
② 考え方:パソコンさんに曖昧な指示は通じないよというお話

第2ステップ(40分)
① ネコを枠に入れてみよう!:あえて説明はあんまりしません!
② 製作・発表

第3ステップ(45分)
① 自由に動きを組み合わせて動かそう!:ルールは始めにホワイトボードに書いたものを目指すこと
② 発表会


一生懸命作っています
聞く時間を最小限にして、自分で手を動かしながら考えて製作する時間を多く取れるようなカリキュラムを組んでみました。

小学生男子の集中力が1時間半持つのか、、当初はそんな不安もありましたが、いらない心配だったことがわかります。

とっても真剣です!
ワークショップ中に集中して取り組んでくれたのはもちろん、なんと休憩時間にも他の遊びをすることなく目の前のスクラッチにみっちり夢中になってくれました。

そして、できたときはこの喜び!!!

今回は、前回ご参加いただいたワークショップデザイナーの駒崎美紀さんよりいただいたアイデアを参考に、子供たちに各自ネコに名前を付けてもらいました。

うんこごりら、、ザ・キッズな発想で最高ですね♡

講師として参加したわたしも最高に楽しい時間となりました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

東京都北区主催「ちょ…

田渕恵梨子
東京都北区主催「ちょこっと起業 ~私らしく始める、起業スタイルの見つけ方~」に合同会社とNPO法人の起業経験者としてゲスト登壇させていただきました。
当講座は、東京都北区が女性活躍推進事業の一環として、起業に興味がある女性を対象に、起業のコツやノウハウについてアドバイスする講座です。
開催場所は北区男女共同参画活動拠点施設の「スペースゆう」多目的室。定員は30名。
1回3時間の講座を全4回開催。4週に渡って中小企業診断士川口佐和子さんと税理士池田理世さんが、起業についてガッツリ指南してくれるという贅沢な内容になっています。
この講座がなんと無料!!!さすが北区、太っ腹です。
私は開催2日目、5/27(日)の講座に登壇してきました。

川口先生との対談

最初に私のこれまでの経歴について説明させていただきました。
その後、川口先生との対談形式で、合同会社の設立からその後のNPO法人の設立に至るまでの経緯、今後考えている新会社での事業構想についてお話しさせていただきました。

ジェンダー問題について話す時間をもらっちゃいました!

川口先生に、ジェンダー問題について話したいと相談したところ快諾していただけました。(川口先生ありがとうございます!)

まずはSex(生物学的性差)とジェンダー(社会的・文化的性差)の違いについて説明しました。

次に日本におけるジェンダー問題をいくつか紹介し、その中から今社会問題となっている「セクハラ問題」をピックアップして説明しました。
セクハラがなくならない理由に古いジェンダー固定観念が密接に関連しているという話です。

男性も女性も

高度経済成長期に確立したジェンダー固定観念から抜けきれておらず、当時の感覚がメディアや教育などを通して日本人に受け継がれてしまっています。
その結果、男性優位な固定観念から脱却できていない一部の男性が、職場の女性を対等に扱うことができず、性的対象にしか見れなくなっているのです。
これはセクハラ問題の要因の1つであり、日本が早急に解決しなければならないジェンダー問題だと考えています。そして、この問題を解決するには女性の自立が非常に重要だと考えています。

当イベントに参加されるような意欲的な女性にはぜひ知っておいてほしい内容のため、今回この話ができたことを非常にうれしく思います。

起業を考えている女性のみなさまに伝えたかったこと

ジェンダー話の後は、「行動すること」について話をしました。
行動することでチャンスに出逢えます。そしてチャンスが巡ってきたら取り組む姿勢について、私が考える5つのポイントを伝えました。

①チャンスが来たら即行動する。
 →即断即決が原則。少しでも「やってみようかな?」と思ったならやる。
②プロ意識をもつ。やると決めた時からプロ。
 →「私は素人なので」というワードは使わない。
③自分より上の層の人とつきあって視野を広げる。
 →労働者<経営者<投資家<資本家
④ギブ&ギブの精神で取り組む。
 →いちいち見返りを求めない。
⑤ここぞという時は意地でもやる。イニシアチブを取る。
 →目標達成の阻害要因は事前につぶしておく。

その後、「失敗を恐れないこと」、「日本人として生まれている時点で運があると思うこと」など、これから新しいチャレンジに挑もうとしている自分自身を奮い立たせるためにも、気持ちを込めて熱く語らせていただきました。

最後に

なんだかんだで1時間近く自由に話させていただくことができました。
このような機会をいただき、川口先生や池田先生はじめ、男女いきいき推進課の藤野課長、スペースゆうの職員のみなさまには心より感謝しております。
ありがとうございました!!!

当イベントは毎年開催されていると聞いています。中小起業診断士川口先生の起業ノウハウ、税理士池田先生の税務ノウハウを教えてもらいながら「やりたいこと」を事業にするためのヒントをゲットできる非常に有意義な講座です。
週末開催ですので企業にお勤めの方でも参加可能です。興味のある方はぜひ次回の開催時にご参加ください。
北区のホームページ、北区民に配布される「北区ニュース」等で告知されると思います。)

【セミナーレポート】…

田渕恵梨子
東京都北区男女共同参画活動拠点施設「スペースゆう」が主催する講演会に、副代表篠原とともに参加しました。

講師は少子化ジャーナリストとして多岐にわたってご活躍されている白河 桃子(しらかわ とうこ)さん。
本日のテーマは「フェアネス社会の実現にむけて」。
今日本のニュースでホットな話題となっている「働き方改革」の話題を中心に、今日本で起きている問題について非常にわかりやすくお話ししてくださいました。
簡単ではありますが、個人的に印象に残った点を中心にレポートとしてまとめましたのでご覧ください。
※レポートの内容は作成者の個人的見解を示すもので白河さんの公式見解と必ずしも一致するものではありません。予めご了承ください。

セミナー概要

白河 桃子さんのプロフィール

少子化ジャーナリスト・作家・相模女子大学客員教授・昭和女子大学総合教育センター客員研究員

東京生まれ。慶応義塾大学文学部卒業後、住友商事などを経てジャーナリスト、作家に。
2008年中央大学教授山田昌弘氏と『「婚活」時代』を上梓、婚活ブームの火付け役に。
少子化、働き方改革、女性活躍、ワークライフバランス、ダイバーシティなどをテーマとする。
講演、テレビ出演多数。2018年1月発売の「広辞苑第七版」に「婚活」が掲載される。
内閣官房「働き方改革実現会議」有識者議員、内閣官房「一億総活躍国民会議」民間議員、内閣府男女共同参画局「男女共同参画会議 重点方針専門調査会」委員などを務める。
著書に『後悔しない「産む」×「働く」』(齊藤英和氏と共著、ポプラ新書)、『御社の働き方改革、ここが間違ってます!残業削減で伸びるすごい会社』(PHP新書)、『「逃げ恥」にみる結婚の経済学』(是枝俊悟氏と共著、毎日新聞出版)などがある。

活躍からフェアネスへ

最近ではフェアネス(公平性)の声が上がってきているとのこと。

独身女性向けアンケートで92.7%の働く女性が仕事と家庭の「両立不安」を感じているそうです。
理由は言わずもがなですね。

結婚・出産したら家事育児は当然女性がメインでこなさなければならない
日本企業では「長時間労働」が仕事の評価に繋がっている

こういった思想や文化がいまだに根付いていることが両立不安を掻き立てているのです。

これから本気で「少子化対策」を考えるのであれば、「女性が働きやすい社会」とか「女性が活躍できる社会」といった、女性だけを取り上げた問題にするのではなく、多様性社会の観点からあらゆる人がフェアになるような文化に革新する必要があるのです。

「同質性」の問題

セクハラやパワハラ、メディアの炎上など、これまで何度も何度もニュースになり問題提起されているにもかかわらず、いまだに無くなる気配がありません。
なぜなのでしょうか?

白河先生は「同質性」の問題を挙げられていました。
要は事件は同じ価値観や固定観念を持っている人たちが集まっている現場で起きているということです。
異質性が伴う問題を同質性の高い現場で解決しようとしても根本的解決には至らず、何度も事件を繰り返してしまうのです。

例えば今大きなニュースになっている日大のパワハラ問題。
この問題は非常に同質性の高い世界(日大の世界観)の中で起きています。
同質性が高いことにより、他の文化が見えていないのです。
白河先生は「同質性が暴走している」という表現をされていました。

セクハラ問題も同様です。いくら社員にセクハラ是正教育を施したとしても、管理職層が同質性の男性ばかりだと改革が難しいのです。
しかし、改革を試みて女性管理職を1人増やすだけでは全く意味がないとのこと。なぜならその女性の価値観だけが女性代表になってしまうからだそうです。

ところでみなさん、「ティッピング・ポイント(英語:tipping point)」という言葉を聞いたことがありますか?
Weblio辞書から抜粋すると、

それまで小さく変化していたある物事が、突然急激に変化する時点を意味する語。臨界点や閾値と言い換えられることもある。主に、物事が爆発的に流行して社会に広まる際に、その時点を指して用いられることが多い。

となっています。

先程の「場の多様性」を確保するためのティッピング・ポイントは「35%」だそうです。
35%の異質性の人間を投入しなければ、同質性の人たちの変化が起きないということです。

メディアの炎上問題

無くなるどころか、逆に増えているのではないかと思わせる「メディアの炎上問題」。
これもなぜ繰り返してしまうのか不思議に思っている方も多いと思いますが、原因は先ほどの「同質性の問題」です。

女性を容姿や年齢で差別する
女性を性的な存在として扱う

メディアの炎上を繰り返してしまう原因は、テレビ番組やCMの制作者がいまだに上記のような意識をもっている同質性の集団であることの表れなのです。

1つ、白河先生が興味深いことをおっしゃっていました。

昨年9月に「とんねるずのみなさんのおかげでした」の30周年スペシャルで、90年代に流行った「保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)」が放送された後、LGBT団体の方が即座に抗議を入れたそうです。
抗議を入れた理由はいつまでも笑って良い存在だと思われることにストップをかけるため。
とても素晴らしい考えだと思いました。90年代と今とで許容される文化は違って当然です。抗議を入れることによって、人々の意識が今の時代に合ったあるべき価値観に再インストールするきっかけになるのです。とても大切なことだと思いました。

これからの働き方はどう変える必要があるのか?

今のビジネスモデルが確立された時期、いわゆる高度経済成長期は、人口がどんどん増えて経済にプラス作用を与える「人口ボーナス期」でした。
この時代は「一律」、「量」、「他律」が重要視されていました。
変わって、現代は人口がどんどん減ってマイナス作用を与える「人口オーナス期」です。
オーナス期では、ボーナス期と真逆の「多様」、「質」、「自律」を意識することがポイントだそうです。

「男は仕事、女は家庭」といった古い価値観はもはや受け入れられない時代になっているのです。
まさに今、日本経済には「イノベーション」が必要なのです。

最後に、白河先生が仰っていた「価値のあるイノベーション」を発動するための3つのワードをご紹介します。

■「価値のあるイノベーション」を発動するための3つのワード

①多様性
前述した「同質性の高い世界」では、マイノリティである「異質性」の人々に対する差別が発生してしまいます。フェアネスな社会には多様性が必要不可欠です。

②女性がいること
一般的に社会的感応度は女性のほうが高いと言われており、女性がいるとイノベーションの質が上がるとのことです。

③賛否両論を巻き起こすこと
賛否両論を巻き起こすには多様な意見が必要です。多様な意見を得るためには、1つ1つの意見を尊重することが重要です。反論があったとしてもまずは一旦「いいね」と受け入れましょう。そうすればいろんな人が発言しやすくなるとのことです。

記念撮影♡

左から、北区役所職員阿部さん、藤野課長、白河桃子先生、篠原、田渕

講演が終わった後、白河先生といつもお世話になっている北区男女いきいき推進課の方々と記念撮影させていただきました。

そしてそして!白河先生から、できあがったばかりという「#We Too」のステッカーを篠原と2人もらっちゃいました。うれしい♡

※「#We Too」とは、#Me Tooで声をあげた人を支え、私たちも!と声を上げることで、セクハラやパワハラなどのあらゆるハラスメントにNo!を訴えかける運動です。くわしくはこちら

最後に本日の感想ですが、とにかくあっという間の1時間半でした。
私たちジェンダーイコールとしても注目していたテーマだったので、最初から最後まで食い入るように聞き入ってしまいました。
参加者はほとんど女性でしたが、このテーマはぜひ男性にも参加してもらいたい内容です。
次回白河先生の講演に伺う際は、夫にも参加してもらいたいと思いました。

白河先生、貴重なお話ありがとうございました!!!

映画「性別が、ない!…

篠原くるみ
こんにちは!ジェンダーイコール 篠原です。
ドキュメンタリー映画 「性別が、ない! インターセックス漫画家のクィアな日々」 。
こちらの映画、公開に向けてクラウドファンディングで資金調達をされていました(すでに募集は終了しています / プロジェクトページはコチラ)。
ジェンダーイコールと同じ東京都北区で活動されている Rainbow Tokyo 北区 代表の時枝氏に教えていただき、わずかながら支援させていただきました。そして、4月30日 UPLINK渋谷にてクラウドファンディング支援のリターンとして先行公開の鑑賞をしてまいりました!

セクシュアリティを「表現する」ということ

映画のテーマとマッチしてるかわかりませんが。一言、すごく「爽快」な映画でした。

自らのセクシュアリティを語る登場人物の方々。
「ヒゲがあっておっぱいがある自分の姿がすごくしっくりきた」って語る姿、めちゃくちゃカッコよいのです!

僭越ながら、わたしも「母親役割」「性別役割」から抜け出せていなかったときがすごくしんどかったなぁと思い出してしまいました。。
悩みの種類はぜんぜん違うと思います。ただ、「本当の自分」がわからないとき、周囲に理解してもらえないとき、自分に胸を張れないときが辛いという点では、いわゆるセクシュアルマイノリティと言われる人もそうでない人も、みんなおんなじだろうと思うのです。

そして、主人公であるマンガ家の新井さん。コミックエッセイでご自身や周囲の方々についてリアルな表現をしている方です。
性に悩む人たちからたくさんの支持を得ている一方で、セクシュアルマイノリティの実情を公にすることに対し反発を示す人もいるとのこと。
そんな声に対しての新井さんの一言に、わたしはとても勇気付けられました。
声を上げることで見える世界がある。本当にその通りだと思います。

子供(小2)の反応

今回、子供と一緒に鑑賞させていただきました。
親的な目線としては、視野を広げてほしいとか、そういう想いもあり。そして単純にどんな反応するんだろう?という興味もあり(笑)
とはいえ、結構きわどい表現とか出てきそうだし、大丈夫かな〜?と内心少しドキドキしていましたが、本当に子供にも見せてよかったと思っています。

子供なので感想は単純ですが、
「〇〇さんは、お仕事で一緒の人。学校の先生。」
「〇〇くんは、小学校のとき男の子が好きだと思ったんだよ。」
「あの人は、まえは男の人だった。」
「あの二人は、家族とかきょうだいじゃないけど、一緒に住んでる。」
などなど、ちゃんと見たままの事実をなぞっている!しっかり見ていたようでエラかったです。

その一方で、映画の終盤、
「ママは、性別あるよね???」と心配そうに確認してきました。。
そっか、そこかぁ。なんだか少し不安になったみたいでした。

子供の反応は正直です。彼女のこれまでの8年間、家族も友達も先生も、「女」と「男」しか見えてこなかったのだから。

それでも、大事だと思うのは、事実を見せること。
世の中にはこんな人がいて、こんな顔をしていて、こんなふうにしゃべって、こんなお仕事をしていて、こういうふうに生きている人。
画面の向こうだとしても、ドラマとドキュメンタリーの違い、創作とリアルの違いくらいは子供にもわかります。
実在する人間が動く姿を見せること、見せ続けることが大事だと思うのです。

これからの社会に絶対必要だと感じたこと

わたしがこの映画を見て、即刻いまの社会に取り入れるべきだと強く感じたことが二点あります。

ひとつめは、性別欄の廃止もしくは改定です。
「男・女」ってマルつけるあれ、いる?
ほとんどのケースで必要ないですよね。そもそも大抵「男」が先に書かれてることに毎回イラッとするし、なくてよくないですか?
…とわたしですら思うくらいなので、どちらにもマルを付けたくない、しっくりこない方はきっともっと毎回嫌な思いをされていると思います。

それからふたつめ。
学校の先生や保育士さんに、セクシュアルマイノリティといわれる方々が増えるといいなと思いました!
出張授業とかでもいいです。もっともっと子供たちの身近な存在になってほしいなと思います。

この映画に出てくるような、単なる「男」とか「女」に分類されない人たちを「なんだかよく分からない人」としてしまう原因。
その大半は、多くの人がセクシュアルマイノリティ当事者との接触機会を逃してきたことだと、子供の反応を見て感じました。

自分ではない人間と関わり合うとき、「人と人」としてリスペクトしあえる付き合いができれば、相手の「性」が何かというのは取るに足らないことなんじゃないでしょうか。
映画「性別が、ない! インターセックス漫画家のクィアな日々」。ドキュメンタリー映像のパワーを感じました。
魂を込めてこの映画を製作された渡辺監督の想いが、是非たくさんの人に伝わってほしいなと思います。

映画の公式サイトはコチラ。2018年7月28日よりUPLINK渋谷にて公開されます!

【セミナーレポート】…

篠原くるみ
こんにちは!ジェンダーイコール篠原くるみです。先日の里親セミナーに引き続き、3月25日に開催されたRainbow Tokyo 北区さんのセミナー 「みんなが輝く北区を目指して!多様性について考えよう ーRainbow Tokyo 北区のこれまでとこれからー 」。今回はわたしが参加させていただきました。
Rainbow Tokyo 北区 椿克美さんの進行のもと、代表の時枝穂さんから今年度の活動報告、そして、協力事業としてLGBTを題材にしたドキュメンタリー映画を制作された渡辺監督のお話を聞いてまいりました。

Rainbow Tokyo 北区 活動報告

Rainbow Tokyo 北区 は、2017年3月に発足したダイバーシティ&インクルージョン社会の実現に向けて活動を行う団体です。

みなさんは、「アライ」という言葉をご存知ですか?
アライとは、LGBT理解者のことです。(英語で「同盟、支援」を意味するallyが語源。わたしは今回初めて知りました..!)
渋谷区男女平等・ダイバーシティセンター アイリス 制作のパンフレット「LGBT基礎知識ガイド 誰もが誰ものアライになれる」によると、性のあり方は、以下4つのかけあわせなのだそうです。

  1. 体の性(単純に男女二分にはできない)
  2. 心の性(性自認。自分をどんな性別だと思うか)
  3. 好きになる性(性的指向)
  4. 表現する性(服装やしぐさなど)

LGBTもそうでない人も含むすべての人が、これらの要素から構成される「性」を持っています。

今回のセミナーには、LGBT当事者の方もそうでない方も参加されていました。当事者でない方の声としては、LGBTの方はいじめや争いごとに巻き込まれるリスクが高く、そんな現状に問題意識を持っているというものでした。

さて、Rainbow Tokyo 北区さんの活動報告。

Rainbow Tokyo 北区 代表 時枝氏
とにかく活動のスピードが半端じゃない!代表の時枝さんをはじめ、メンバーの皆さんは他にお仕事を持っておられる方々なのですが、活動報告ではこれでもかと一年間やられてきた事業をご紹介されていて、圧倒されました..!
スタートからおよそ一年で、ここまでの活動をやれるのは本当にすごいと感じました。

特に、Rainbow Tokyo 北区のスピード感を支えていると感じたのは以下の3点です。

  • 有識者へのアプローチと巻き込み
  • 多様性社会の実現に向け先進的な施策を打ち出す自治体(渋谷区、世田谷区、豊島区、千葉市)とのコンタクト、北区長への協力依頼

  • 社会の動きやニュースにしっかりアンテナを張り、関連したイベントを企画し実現する
  • 働き方、社会的養育、里親制度等に関するイベント開催

  • 多種多様な団体とのコラボレーション
  • 北区創業支援施設「ネスト赤羽」、NPO法人OVA 、ライフネット生命 など

代表の時枝さんとは最近になり知り合ったのですが、私たちジェンダーイコールとも一緒に何か事業をしようという話が具体化している最中です。
Rainbow Tokyo 北区 さんのさらなる活躍で、これからの社会がどう変わっていくのかがとても楽しみです。

セクシュアル・マイノリティの性と愛に迫る「性別が、ない!インターセックス漫画家」

渡辺正悟監督は、長くNHKや民放テレビ局でドキュメンタリー制作に携わってこられた方です。
メディアのあり方が時代とともに変遷する中で、テレビ以外の映像制作に取り組もうとしたとき、LGBTを題材にしようと考えたそうです。
LGBT当事者の方は何を考えているのか?当事者に寄り添い、映像に残したいと考えるようになったそうです。

「わたしたちは、多様性を受け入れることが本当にできるのだろうか?現実問題として、できていないのではないか?」という問い。
映画の主人公の新井祥さんは漫画家です。エッセイコミックという形でLGBTのことをユーモアを交えて描写しているけれども、本人が実際に経験したことを描いている。そして、表現者として一般の若者とつながりを持っている。
このことに関心を持った渡辺監督から、新井さんにオファーをしたそうです。

映画を公開するにはお金がかかります。社会的に関心の高いテーマであるはずだからと、複数の公的機関やたくさんの企業に協賛のオファーをかけたそうですが、「時期尚早」などど言われ、なんと全てに断られてしまったそうです。
現在クラウドファンディングにより資金調達をされています。わたしは、このイベントの前に時枝さんから紹介を受けて興味を持ち、すでに支援をしていました。ですが、今回渡辺監督のお話を聞いて、ぜひ子供にも映画を見てもらいたいと思い追加で支援をさせていただきました。

いわゆるセクシャルマイノリティとひとことで言っても、世の中にはほんとうにたくさんの「性」があります(グラデーションというそうです!)。
頭では「差別感情はない」と思っているつもりですが、本当に当事者の方の立場に立てるか?気持ちを理解しているか?というと自身を持ってイエスとは決して言えないなと思います。

セクシュアル・マイノリティの存在をどう私たちが受け止めてきたか? 自分とは別の人間。あるいは関わりたくない人たちという通念が、その存在をいつも見えない、見ない存在にしてきたように思います。

クラウドファンディングのページにある、この渡辺監督のコメントがわたし自身を含む多くの方に当てはまる感情なのではないでしょうか。
「自分とは別の人間」と蓋をしてしまうことで、出会えるはずだった人との関わりを絶ってしまうことは単純にもったいないなと感じます。わたしは、この映画を見て何を感じるでしょうか。それから、子供も。

クラウドファンディングはこちらのページから。3000円の支援から映画のチケットが付いてきます。4/25まで。

【セミナーレポート】…

田渕恵梨子
最近、NPO法人フローレンスさんが手がけている赤ちゃん縁組事業や、私の友人が養子縁組の仕事を始めたことで、「養子縁組」に対する情報を耳にする機会が多くなっています。
しかし、私自身はお恥ずかしながら里親と養子縁組の違いを理解ができていませんでした。

このような状況の私に、いつもお世話になっているRainbow Tokyo 北区の時枝さん、椿さんが里親をテーマにしたセミナーを開催するという情報をいただきました。
タイトルは「子どもの未来を考えよう〜里親意向調査からみる里親リクルート」。
せっかくの機会だったので参加してきました。

今回は簡単ではありますが、その参加レポートをお伝えしたいと思います。

セミナー概要

講師プロフィール

木ノ内 博道 氏

NPO法人千葉県里親家庭支援センター理事長

下養育里親・専門里親、公益財団法人全国里親会 前副会長
社会保障審議会などの委員として、改正児童福祉法などに関わる。
日本財団「里親意向調査」にも当初より関わる。

金ヶ崎 絵美 氏

十条王子法律事務所 弁護士

里親制度と養子縁組制度の違い

最初に金ヶ崎弁護士より、里親制度についての説明がありました。

里親制度とはさまざまな事情により家庭での養育が困難又は受けられなくなった子どもたちを、温かい愛情と正しい理解を持った家庭環境の下で養育する制度です。
里親は養子縁組ではありません。

養子縁組制度とは、実の親子関係になることです。
対して里親制度の場合、里親との間に法律上の親子関係は成立しません。
また、里親になると、公的機関からの経済サポートを受けることができます。
里親手当(約7万円)、養育費(5万円〜)で、トータル15万位支給されるそうです。

里親の種類

里親には下記4つの種類があります。

養育里親 様々な事情により家族と暮らせない子どもを一定期間、家庭に迎え入れて養育する里親。原則として子どもが18歳に達するまで。
専門里親 養育里親のうち、虐待や非行、障害などの理由により専門的な援助を必要とする子どもを養育する里親。原則として2年以内。
親族里親 実親が死亡、行方不明などにより養育できない場合に、祖父母などの親族が子どもを養育する里親。
養子縁組を希望する里親 養子縁組によって、子どもの養親になることを希望する里親。養子縁組の手続きが終了するまで。子ども年齢については養育里親と同様。

「里親」意向に関する意識・実態調査

金ヶ崎弁護士から里親制度の説明を受けた後、日本財団の「里親意向調査」に当初より関わっているNPO法人千葉県里親家庭支援センター理事長の木ノ内氏より、調査結果についてレポートだけでは伝わりにくい現状の問題点などについて分かりやすく説明をしていただきました。

日本には、さまざまな事情で、親と一緒に暮らせない子どもたちが約4万人いると言われているそうです。そのうちの約8割が乳児院や児童養護施設などの施設で暮らしています。対して潜在的な里親家庭候補は全国に約100万世帯あるにも関わらず実際の里親意向者は約6%。日本は諸外国に比べて里親になるという感覚が非常に低いようです。
そこにはさまざまな要因がありますが、木ノ内氏がお話しされていた問題点の中で私が印象に残ったものは下記3つです。

  • 施設ではなく、家庭環境の下養育を行うことの重要性が認知されていない。
  • →子どもが施設育ちでも構わないのではないかと考えている人が多いそうです。
    でも施設は時間単位で動くため、自発的な思考が育ちません。
    例えば、普通の家庭だとお腹が空いたらご飯やお菓子を食べ、お風呂も入りたい時に入ることができます。
    それに対して施設は全て決まった時間に行動します。
    「お腹が空いたからご飯を食べる」ではなくて「6時になったからご飯を食べる」になってしまうのです。
    幼児期から思春期というのは豊かな人間性を育むためにはとても重要な時期です。
    「家庭で普通に暮らす」ということは実はとても重要なことなのです。

  • 里親相談窓口が極めて少ない。
  • →児童相談所は虐待対応で手一杯。里親を増やそうという意識が低いそうです。

  • 興味はあるけど、経済力で踏み出せない人が多い。
  • →経済サポートがあることが知られていないそうです。

    感想

    セミナーに参加したことで里親制度についての理解が深まりました。

    里親制度で月額15万円の経済サポートが得られることも初めて知りました。里親のハードルが一気に下がる良い話だと思いましたが、里子が成長すれば学費の問題などに直面すると思います。その時、里子が希望する学校に負担なく入れてあげる制度も合わせて充実するようになれば良いなと思いました。

    現在日本においては里親について一般にほとんど認知されていないのが実情だそうです。
    潜在的な里親候補者は100万世帯にも及ぶと言われているようですが、私自身、里親に経済サポートがあることを知らなかったように、日本人の里親に対する理解は極めて低いように思います。
    里親の認知を高める主な情報源として、テレビや新聞が大きな役割を果たしていることがわかっているそうです。
    うまくマーケティングを行いながら、正しい知識で里親への理解が深まると良いなと感じました。

    児童福祉法 第一条
    「全ての児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する」

    里親制度とは、上記の条項の実現に向けた手段の1つだと思います。
    このことが日本社会の誰もが意識できる世の中になってほしいものです。