こんにちは!ジェンダーイコール田渕・篠原です。
ハッピーシェアボードの実践モニターとして、初めて同性カップルに挑戦してもらいました。
モニターになってくれたのはAiさんとTinaさん。
北区で多様性社会の実現に向けて取り組んでいるRainbow Tokyo 北区代表の時枝さんからの紹介していただきました!
実は女性の同性カップルにお会いしたのは初めてです。
すぐにお2人の相性の良さが伝わってきて、素敵なカップルだなーと思いました。
なんというか、同性だからこそ「あうんの呼吸」でわかりあえることってたくさんあると思うんです。
男女の場合、特に私たちのような活動をして変にジェンダーリテラシーが高いと、ちょっとした男性の行動でもすぐにジェンダー平等の観点から物事を見てしまう(笑)
だけど同性だとその観点は無用だなと新たな発見(!?)がありました。
女性カップルの家事分担はどのような結果になるでしょうか?
やりとりをレポートにまとめましたのでぜひご覧ください。
- えりこ
- お2人の出会いについて教えてください。
- Ai
- 7年前に私が仕事でドイツに2年間赴任した際に出会いました。
その後、ドイツで一緒に暮らすようになりました。
2年後、ドイツ赴任が終わり、その時にTinaも日本に移住することを決めました。 - えりこ
- お2人の性格は?
- Ai
-
比較的ざっくりな性格ですが、Tinaは時間にきっちりしています。
なのでたまにユルい感じの私に対してイライラさせてしまうことも(笑)
ドイツってすごく時間にきっちりしているんです。 - えりこ
- まるで日本人のようですね?
- Ai
- そうですね。そして私は昔10年ほどアメリカに住んでいたこともあり、
あまり日本のきっちり文化が身についていないんです(笑) - えりこ
- なるほど(笑)
それぞれのお仕事は? - Ai
- 金融系のITプロジェクトマネージャーです。Tinaは某有名ホテルの受付業務で24時間の運営体制なのでシフト制で夜勤もあります。
- えりこ
- Tinaさんは来日してすぐにその仕事についたのですか?
- Tina
- 今の仕事は1年位です。来日して2年間ほど日本語学校に通い、その後ホテルの専門学校を経て今の会社に就職しました。
- えりこ
- 普段、家事分担はどのようにされているのですか?
- Ai
- 特にはっきりした家事分担はありません。お互い仕事していますし、「できる方がやる」というスタンスです。
あ、でも今犬1匹、猫2匹を飼っていて、Tinaは大の猫好きなんです。なので、Tinaが不在の時の猫の世話だけは任されています。
料理は自分が主担当です。Tinaは料理が苦手(笑)
掃除に関してはTinaはあまり気にならないタイプですが、私は意外と気にするタイプ。
ペットを飼っていることもありコロコロは必需品です。 - えりこ
- ありがとうございます。ではいよいよハッピーシェアボードの実践に入っていただきたいと思います。
まずは宣誓から! - えりこ
- ありがとうございました!いかがでしたか?
- Tina
- 相手が結構やってくれていることは知っていたけどやっぱりそうだった(笑)
いつも後でしようと思っている家事をAiがやってくれちゃう(笑) - えりこ
- Aiさん、このままでいいんですか!?
- Ai
- もう諦めています(笑)
- えりこ
- 妥協することも大切ですよね(笑)
相手が知らぬ間にやってくれていた「名もなき家事」はありましたか? - Ai
- Tinaが靴を揃えてくれていたことを初めて知りました。
- えりこ
- タスクシールで足りない家事はありましたか?「ペットの散歩」は必要ですね?
- Ai
- そうですね。ただ、うちは実家と親戚の家が近く、3家庭で散歩タスクを回しているんです。
1日3回しちゃう時も(笑) - えりこ
- 今後どのように家事を回していきたいですか?
- Tina
- もうちょっと自分も家事をしないといけないな思った。
- Ai
- 言いたい時に言うね。「ベットのシーツ取り替えてよ」とか。
TInaは百貨店の寝具売り場で働いていたことがあって、ベッドメイキングがすごく上手なんですよ。
普段私は、「もうちょっとやってほしい」が溜まりに溜まった時は爆発するんです。するとTinaは10回に1回位はやってくれます(笑) - えりこ
- 今後どのようなパートナーシップを築いていきたいですか?
- Ai
- 言ったらちゃんとやってほしい。
- Tina
- やだ。(笑)
総括
普段から家事分担は特に決めておらず、「できる方がやる」というスタンスのお2人。
そう言いながらもハッピーシェアボードの実践結果は比較的きれいな分担率になっていました。
お互いが相手のことを思いやる気持ちの表れだと思います。
ただ、Aiさんはこまめに掃除しないと気になるタイプということもあり、ついつい率先してなんでもやってしまっているご様子。
これは気になるタイプの人の宿命ですね(笑)
2人はお子さんはいませんが、ペットが3匹いることから、
育児系のタスクシールは、ペットに置き換えて貼っていただきました。
「子供部屋の片付け」→「ペット部屋の片付け」
「子供の食事フォロー」→「ペットの食事フォロー」
など、この置き換え手法はとても使えることがわかりました。
(Aiさん、Tinaさん、教えてくれてありがとうございます♡)
家事についてはとても合理的かつ上手に削減をされていて、以下のようなコツを伺いとても参考になりました。
①お酢の洗剤を使う(台所、風呂)・・・酸の力で普段からヌメリがつきにくくなるそうです。カビキラーいらずとか!
②バスマットは、珪藻土のものを使う・・・最近はニ○リで安いものが出ているそうです。干す手間なし!
③台所布巾は使わず、ウェットティッシュで代用・・・そのまま捨てられるから衛生的だし除菌の手間を省けます。
このような形で私たちにとっても非常に学びの多い時間となりました。
ハッピーシェアボード実践に第3者が立ち会うことは、実践者同士の緩衝材になる効果がありますが、
立ち会う側にとっても実践者との対話で新たな発見を得ることができるのです。
同性の国際カップル問題について
お2人から、同性の国際カップルが直面している問題について教えていただきました。
日本では同性カップルに対する法的保障がなく、日本に滞在するためのビザは学生ビザもしくは就労ビザのどちらかしか選べないそうです。
でも学生ビザは卒業したら無くなってしまうし、就労ビザは維持し続けるのが難しい。ビザが切れたら強制送還になってしまいます。
日本で婚姻関係にある(事実婚も含む)外国籍の異性のパートナーを持つカップルは、法的に保障され、日本に滞在する資格を持つことができます。
ですが、法的に婚姻が認められていない同性同士での結婚、いわゆる同性婚は在留すら認められていないのです。
カップルなのに、同じ国に住めなくなるなんてとてもアンフェアなことだと思います。
現在、同性パートナーに「在留特別許可」を求める裁判が行われています。
異性同士なら在留特別許可が認められるのに、同性同士は認められない。
愛し合っているカップルなのに引き離される運命にある。時代錯誤も甚だしい恥ずべき問題だと思います。
日本では今、多様性の意識が広がり始めている過渡期にいると思いますが、多様性社会を実現するにはまずこういった根本的な人権に関する法整備が必要です。
先日、この裁判費用の支援に向けて、クラウドファンディングによる資金調達プロジェクト「ずっと一緒に生きてきた同性パートナーに「在留特別許可」を!」が無事達成のもと、終了しました。
いよいよ裁判の幕開けです。
この裁判が勝訴し、日本が多様性社会に向けて前進しますように。
心から祈っています。
最後に、AiさんTinaさん、今日はありがとうございました!!!