2025年6月13日に日産労連の方に向けて研修を実施しました!
今回は実際の研修概要について、イベントレポート形式でお届けします。
実施概要
- 研修名:違いを知り、活かすために
- 日時:2025年6月13日(金)14:35-16:55(140分)
- 実施方法:対面式
- 対象:日産労連/ジェンダー共同・多様性推進委員会参加者
- 当日参加者:30名
- 研修アジェンダ
- 多様性とは
- アンコンシャスバイアスとは
- アンコンシャスバイアスをどう対処するか
- ディスカッション
- まとめ(多様性推進においてメンバーに求められること)
日産労連概要
- ⽇産グループの各業種(⾞両組⽴メーカー、販売会社、部品メーカー、輸送会社など)の企業が所属する労働組合組織
- 会長:寺門 勉
- HP:https://www.ngu.or.jp/
研修講師

室田 美鈴(むろた みすず)
【関心のあるテーマ】企業内に残るジェンダー格差の解消、企業や組織文化の改革
【活動歴】大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。
以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。NPO法人ジェンダーイコールの認定企業である「ダイバーシティのすすめ」の代表として、企業のDE&I推進に関する事業を幅広く展開中
目的
- マイノリティが参加しやすい組織づくりのヒントを見つける
- 女性役員を増やしていくためのアクションが1つ決まっている
研修概要
本研修は日産労連様のジェンダー共同・多様性推進委員会の1つのプログラムとして当団体にて研修を実施致しました。研修実施前には日産労連内での女性役員を増やすための取り組みの紹介やアンケート結果の共有などが行われました。
4月に実施したオンラインセミナーにご参加いただいていた方も相当数いらしたので、4月に実施した内容の復習も入れつつ、今回はジェンダーだけでなく多様性推進という視点も加えて研修を実施しました。
1. 多様性とは何か
まず多様性とは何か、なぜ必要なのかについて説明を行いました。
- 多様性とは何か
- 目に見えやすい属性の多様性(性別、国籍、年齢、身体的特徴など)
- 目に見えにくい属性の多様性(価値観、キャリア、健康状態など)
- なぜ多様性なのか:企業が多様性を推進する狙いは、マイノリティの権利向上ではなく、あくまでも組織の成果を上げるためである

2. アンコンシャスバイアスとは
次のプログラムでは多様性を組織の力に活かしていくために必要なインクルージョンにおいて阻害要因となるアンコンシャスバイアスについての説明を行いました。
日産労連様では女性役員を増やすべく、ジェンダー共同・多様性推進の活動を実施されていますので、今回は特に女性が陥りやすい「インポスター症候群」についてのご説明もさせていただきました。
※インポスター症候群とは「自身の成果や成功を不当に低く評価してしまう傾向のこと」を指す。日本では「女性は慎重で正確で真面目である」というジェンダーバイアスが根強いため、女性は無鉄砲なチャレンジをする機会に恵まれず、何か依頼を受けても「7割以上できると思えないとやりますと言えない」と言われています(一方で男性は3割程度できそうであれば、やりたいと言うと言われる)。
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ジェンダーバイアスによって日本では男女でチャレンジする機会が大きく違うと言われています。そのため女性にチャレンジを促したい場合は、男性よりも必要な支援や声がけが必要になる可能性があるというEquity(公平性)の考え方を説明しました。
3. アンコンシャスバイアスへの対処
次にアンコンシャスバイアスをどう対処すればよいのかについて、
- 自己理解
- 心理的柔軟性 という視点で整理しました。
個人として何ができるかだけでなく、
組織の「心理的安全性」についても併せて説明することで組織としてどうあると多様性を活かせるのかというご説明を行いました。時間が確保できず駆け足になってしまいましたが、心理的安全性が高い状態を保つために必要なことについてエッセンスはお伝えできたと思います。
4. ディスカッション
次にディスカッションでは「誰もが参加しやすい理想の労働組合ってなんだろう」というテーマでディスカッションをしていただきました。
グループにはさまざまな企業の労働組合員の方々が混ざって参加していました。そのため各労働組合によって課題や理想の労働組合の定義が異なっており、さまざまな視点で闊達な議論をしていただきました。
最終的には各グループにて、理想の労働組合とは「XXXXXXな組織である」と一言でキャッチフレーズをつけていただき、全体に発表してもらいました。
各グループによって議論の進め方や理想の労働組合の定義が近いようで違っていて、参加者同士でもさまざまな気づきがあったと感じています。

5. まとめ(多様性推進においてメンバーに求められること)
最後に多様性を推進する上で全員が持つべきスキルといて
- 意思発信力
- 鈍感力 についてご説明しました。
察してではなく自らの考えをしっかり言語化する力を養い、過剰に反応しない、スルーする力も養うことで自分自身をうまく守る力を身に付けた上で、多様性推進の活動に取り組んでいただきたいとお伝えし、終了しました。
参加者の声
研修当日は皆様が積極的にディスカッションに参加いただき、参加者同士での気づきや学びも多い時間となりました。
事後アンケートでも
- 知識を得た上で、具体的にどんなアクションを取っていくべきかを聞けた
- 自労組の人たちが少しでも変われる機会を設けたいと思った
- 自分がこれから相手に対して接していく考え方の視野が広がるきっかけになった
- 職場の心理的安全性を高めるため、意思発信力と鈍感力を養っていきたい
など、研修内でのさまざまな気づきをご共有いただきました。
一方で時間に限りがあったこと、4月のオンライン研修での参加者が半数ほどいらしたため、基礎的な説明を一部割愛してしまったことで、初回参加の方から内容の分かりづらさについて、ご指摘をいただきました。加えて質問時間があったらよかったとのコメントも頂戴し、前向きに本研修に参加いただけたと感じました。
女性役員を増やすための苦労や課題、課題解決に向けた具体的な取り組みなど、生の声を多く伺うことができ、私たちも大変気づきの多い時間となりました。
ありがとうございました!
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