【イベントレポート】…

2023年12月12日に京都府人権擁護委員連合会男女共同参画委員会の方々に向けて、ジェンダー研修の講師をさせていただきました!京都府内における人権擁護委員の方々へは今回が2回目の講演となりますが、今回は「ジェンダーの基礎知識を知り、自分のバイアスを感じる」というテーマで研修を行いました。

  • テーマ:ジェンダーの基礎知識を知り、自分のバイアスを感じる
  • 主な内容(抜粋):
    1. ジェンダーに関する基礎知識
    2. 自分のアンコンシャスバイアスを知る
    3. 日本の現状クイズ
    4. グループディスカッション/振り返り
  • 日時:2023年12月12日(火)10:00-12:00(120分)
  • 実施方法:講師のみオンライン
  • 対象:京都府人権擁護委員連合会男女共同参画委員会委員

人権擁護委員協議会とは

人権擁護委員は法務大臣から委嘱された民間のボランティアで、全国の各市町村に約14,000人が配置されており、京都府では令和6年1月1日現在、270人の委員が「京都府人権擁護委員連合会」を組織して活動を行っています。

人権擁護委員は、さまざまな分野の経歴などを活かし、日常生活のなかで発生する人権問題について、法務局と連携して、地域の皆さんからの人権相談を受け、問題解決のお手伝いをしたり、人権侵害の被害者を救済したり、地域の皆さんに人権について関心を持ってもらえるような人権啓発活動を行っています。(相談・調査救済・啓発)

【法務省:人権擁護委員】

https://www.moj.go.jp/JINKEN/index_yougoiin-a.html

【法務省:人権相談】

https://www.moj.go.jp/JINKEN/index_soudan.html

電話は最寄りの法務局にかかり、人権擁護委員または法務局職員が対応します。

登壇者

室田 美鈴(むろた みすず)

【関心のあるテーマ】企業内に残るジェンダー格差の解消、企業や組織文化の改革

【活動歴】大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。

研修概要

研修は主に3つのパートに分けて行いました。

1. ジェンダーに関する基礎知識

今回はジェンダーついて初めて学ぶ方に向けて用語説明を行いました。

  • セックス(SEX)
  • ジェンダー(Gender)
  • ジェンダーバイアス
  • ジェンダーロール
  • ジェンダーギャップ
  • ジェンダーギャップ指数

2. 自分のアンコンシャスバイアスを知る

次のセッションでは「自分のアンコンシャスバイアスを知る」と題して、性別役割分担意識を測る簡単なチェックを行いました。

こちらのチェックはインターネットで誰でも実施できるバイアスチェック(IATテスト)をアレンジして作成をしました。 実際にチェックを行う中で、回答が分かれてしまったり、考えすぎて手を挙げられなかったり、とご自身の性別役割分担に関するバイアスを肌で感じていただくことができました。

3. 日本の現状クイズ

今回も日本の現状を伝えるべく、ジェンダーバイアス/ギャップを題材としたクイズを4問出題しました。

4. グループディスカッション/振り返り

これまでの説明やバイアスチェックなどを踏まえて、各グループで感じたことなどを共有いただきました。どのグループも時間いっぱいまで白熱した議論をしてくださっていました。 最後に各グループで話したことを全体にシェアいただきました。ご自身の家族のお話といった実際の経験談を共有いただき、ジェンダーやアンコンシャスバイアスに関する意識をより身近に感じていただけたと感じました。

最後に

質疑応答の中で「実際にどんなことに気をつけたら良いか」というご質問をいただきました。確かに昨今では相手を慮り過ぎて、うまく話せないといった悩みを持たれる方も多いと感じます。

まずは本日説明したアンコンシャスバイアスの存在を認識し日常生活の中で意識した上で、「相手としっかり対話をすること」が重要であることをお伝えしました。相手と対話をするためには、相手の考えや価値観をそのまま受け止め、話しやすい環境を醸成することも重要であることも合わせて説明しました。 2時間という長時間にもかかわらず、終始積極的にご質問やお意見をいただくことができ、とても充実した時間を過ごすことができました。

また事後アンケート※注1では

  • 他の委員との話し合いがあったことで、いろんな意見や考えを聞くことができて良かった
  • 立場のある人間のアンコンシャスバイアスは放置すると意図せず人を傷付けてしまう事、部下や子供、周囲の人の可能性を狭めてしまう事を知った
  • 相談相手の話を相手の価値観で聞き、相手の悩みを共有したいと思った

といったコメントをいただき、研修を通じて自分事としてジェンダー課題を感じていただくことができたと感じました。

ぜひ京都府内での今後の皆様の活動に活かしていただけると嬉しいと感じました。改めてご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

※注1:上述の事後アンケート結果は抜粋/一部改訂して掲載しています。

ジェンダーイコールと一緒に、社内研修を実施しませんか?

こちらよりお問い合わせをお待ちしております

【イベントレポート】…

2023年12月9日に神奈川自治労連/婦人部開催の「ジェンダー平等しゃべり場」の中で自治労連のメンバーに向けて「ジェンダーの基礎的な知識に関する研修」を実施しました。

実施概要

  • 研修名:ジェンダーの基礎知識を知り、自分事として課題意識を持つ
  • 主な内容(抜粋):
    • ジェンダーに関する基礎知識
    • アンコンシャスバイアスを感じる
    • 日本の現状クイズ
  • 日時:2023年12月9日(月)14:00-15:00(60分)
  • 実施方法:オフライン
  • 対象:神奈川自治労連メンバー(12名)

研修講師

室田美鈴(むろた みすず)

【関心のあるテーマ】

企業内に残るジェンダー格差の解消、企業や組織文化の改革

【活動歴】

大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。

研修概要

1. ジェンダーに関する基礎知識

今回はジェンダーについて初めて学ぶ方に向けて用語説明を行いました。

  • セックス(SEX)
  • ジェンダー(Gender)
  • ジェンダーバイアス
  • ジェンダーロール
  • ジェンダーギャップ

2. アンコンシャスバイアスを感じる

次のセッションでは「アンコンシャスバイアスを感じる」と題して、参加された方や登壇者の経験に基づいて自分自身のアンコンシャスバイアスを感じていただきました。 実際に簡単なチェックを行う中でバイアスを克服することの難しさも合わせて体験いただきました。

3. 日本の現状クイズ

加えて日本の現状を伝えるべく、ジェンダーバイアス/ギャップを題材としたクイズを3問出題しました。

4. 最後に

参加された皆さんがとても真剣にお話を聞き、リアクションをしてもらえたことが印象的でした。研修の後は「しゃべり場」として自治労連の方々に主導いただき、2つのグループに分かれて、日頃感じているもやもややジェンダーバイアスなどについてカジュアルにお話しいただきました。参加者の皆さんから日常生活の中で感じている、ジェンダーに関するさまざまな経験をお話しいただき、環境は少しずつ改善はしているものの、まだまだ変わる余地が多くあることを改めて実感する機会となりました。

参加者の声

また事後アンケート※注1 では、

  • 知っているつもりでちゃんと理解できていなかったこともあり、整理できた
  • 改めて意識する機会になった
  • 自分のバイアスに気付き、誰もが違う背景を持っており、それぞれを尊重したコミュニケーションを取りたい

といったコメントをいただき、研修を通じてジェンダー課題を身近に感じていただくことができたと感じました。

ぜひ神奈川県の各自治体にもこういった考え方を持った方が少しでも増えるといいなと感じました。改めてご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

※注1:上述の事後アンケート結果は抜粋/一部改訂して掲載しています

私たちはこれからも企業や団体の大小問わず、ジェンダーに関する周知/啓蒙活動を行っていきますのでご興味がある方はぜひ当団体にご連絡ください!

ジェンダーイコールと一緒に、社内研修を実施しませんか?

こちらよりお問い合わせをお待ちしております

【イベントレポート】…

2023年3月6日に京都人権擁護委員協議会男女共同参画委員会の方々に向けて、ジェンダー研修の講師をさせていただきました!今回は「日本で今起きているジェンダー問題を知る」というテーマで研修を行いました。

  • テーマ:日本で今起きているジェンダー問題を知る
  • 主な内容(抜粋):
    • 日本の現状クイズ
    • 昨今の国内のジェンダー問題
    • 実際に生きづらさを感じている方の声を聞く
    • 振り返り
  • 日時:2023年3月6日(月)13:30-15:30(120分)
  • 実施方法:講師のみオンライン
  • 対象:京都人権擁護委員協議会男女共同参画委員会メンバー(12名)

京都人権擁護委員協議会とは

人権擁護委員は法務大臣から委嘱された民間のボランティアで、全国の各市町村に約14,000人が配置されています。京都市では55名の委員が「京都人権擁護委員協議会」を組織し、法務省管轄のもと、都道府県や全国それぞれの連合会と連携した活動を行っています。 委員は、さまざまな分野の経歴などを活かし、日常生活のなかで発生する人権問題について、法務局と連携して、地域の皆さんからの人権相談を受け、問題解決のお手伝いをしたり、人権侵害の被害者を救済したり、地域の皆さんに人権について関心を持ってもらえるような人権啓発活動を行っています。(相談・調査救済・啓発)

登壇者

室田 美鈴(むろた みすず)

【関心のあるテーマ】企業内に残るジェンダー格差の解消、企業や組織文化の改革

【活動歴】大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。

研修は主に3つのパートに分けて行いました。

日本の現状クイズ

ジェンダーに関連する用語説明を簡単に行った後に、アイスブレイクとして日本の現状クイズと題して、日本国内の政治的/経済的なジェンダー格差に関するクイズを出題しました。

皆さんはお分かりになりますか?

正解以外の選択肢にも関連する数字を使うことで、日本の政治的/経済的なジェンダー格差を広く知るきっかけになるように工夫しました。

ぜひ興味があれば、この数字のそれぞれの意味を検索してみてください。

参加者の中でも悩まれている方が多くいたり、回答が割れたりする問題などもあり、ご自身が想定するよりも日本国内の男女格差が存在することを数値で認識いただくことができたと感じました。

昨今の国内のジェンダー問題 〜ジェンダー課題の背景を政治家の失言から〜

次のセッションでは「政治家の失言から読み解く、日本のジェンダー問題」と題して、政治家の失言やインフルエンサーの炎上発言の背景にある心理や考え方について解説を行いました。

今回はこちらの3名の政治家の女性蔑視発言と女性インフルエンサーの男性に対する差別的発言や固定的な考え方(身長170cm以下の男性は人権がない/デート代は男性が払うべき)を題材にそれぞれの裏にある以下の考え方を解説しました。

  • ミソジニー
  • 世界的に女性の社会進出と少子化進行に相関はない →相関しているのは日本特有の理由がある!(政策/性別役割分担意識など)
  • 過剰適応
  • 男性は3高がモテる!?(非正規雇用の男性の結婚率は正規雇用の半分以下) →女性は雇用形態によって結婚率に大きな乖離はない

昨今ではジェンダーに関する発言で政治家やインフルエンサーが炎上するといったケースが増えてきています。こういった発言が炎上してしまう背景には発信者が「自分自身のジェンダーバイアスに気づいていない」ためと言えます。

誰しもが固定観念やジェンダーバイアスは持っているので、そのバイアスを持っていること自体は問題ではありません。問題なのは自分自身が自分のバイアスに無自覚な状態で発信を行い、その発言によって意図的かどうかは問わず、他人を傷つけてしまうことです。

そのような問題を起こさないためには、今の多様化した価値観を知ることと自分自身のバイアスを認知することが大切であるということをこの項目でお伝えしました。 基礎研修から1歩踏み込んだやや難しい内容でしたが、ご参加いただいた皆様も真剣に話を聞いてくださり、日本国内の問題をご理解いただけたと感じました。

実際に生きづらいと感じている当事者の声を聞く

次に実際に生きづらいと感じている方の声として「男性育休取得者」のインタビュー動画とジェンダーイコール高校生メンバーが作成したショートムービーをご覧いただきました。 こちらの動画は当団体のYouTubeにも上がっておりますので、ぜひご興味がある方はご覧ください!

動画URL:

男性育休取得者インタビュー

・ご夫婦で1年間育休を取得された児玉さん
 ・第3子のタイミングにパートナーが1ヶ月半育休を取得したくるみさん

高校生制作ショートムービー

・「あたり前」って何?
・なぜ男子ばかり厳しく怒られるの?

男性育休取得者インタビュー動画は取得した男性の方に加えて、パートナーが育休を取得した女性の方の声も聞いていただくことで、夫婦としての感じ方などをより広く知っていただけるように工夫しました。

動画を通じて、育休の取得しやすさに依然として男女差が存在すること、その裏には企業や家庭の中で性別役割分担意識が無意識的に刷り込まれているということを感じていただけたと思います。

続けて当団体の高校生メンバーが脚本/監督をしたショートムービーを2本放映しました。 こちらも学校生活の中で女子学生/男子学生がそれぞれ感じる違和感を取り上げ、一方の性に偏らずに幅広い価値観に触れていただけるように工夫をしました。

振り返り(ディスカッション)

動画やこれまでの説明を受けて、ご参加者の皆様の感想や感じたことなどを3-4人のグループで議論をしていただきました。

短い時間にはなってしまいましたが、どのグループも白熱した議論をしてくださっていました。

最後に各グループで話したことを全体シェアいただきました。 その中で、参加者のご家族の家事育児分担に関する話や高校生のショートムービーを通じて些細な発言に対しても人それぞれ感じ方が違うのだということに気づくきっかけになったといったご意見をいただくことができました。

まとめ

最後に京都府内でのジェンダー平等に向けた取り組みを簡単に紹介し、閉会とさせていただきました。

当日はさまざまなご意見やご質問をいただき、時間を大幅にオーバーしてしまいましたが、皆様の関心の高さや課題意識を強く感じ、私自身もとても勉強になる研修でした。

普段から人権問題に取り組んでらっしゃる方々のため、社会課題への意識がとても高く、私たちが捉えられていない視点や取り組めていない問題に対する考え方を伺うこともできました。 私たちの今後の活動に活かせるご指摘も多く、双方にとってとても充実した時間を過ごすことができたと感じました。

また事後アンケート※注1では

  • 課題意識は持っていたが、具体的な問題点を整理してもらい深く理解できた
  • 政治家の発言には違和感を感じていたが、今回の研修を通じてどこに問題点があるのか明確にできた
  • 高校生の動画が普段よく見かける現状の再現で、そういえば・・・と振り返るきっかけとなった

といったコメントをいただき、研修を通じて日本が抱えるジェンダー課題をご理解いただくことができたと感じました。

ぜひ京都府内での今後の皆様の活動に活かしていただけると嬉しいと感じました。改めてご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

※注1:上述の事後アンケート結果は抜粋/一部改訂して掲載しています 私たちはこれからも企業や団体の大小問わず、ジェンダーに関する周知/啓蒙活動を行っていきますのでご興味がある方はぜひ当団体にご連絡ください!

【男性育児休業取得者…

こんにちは。みすずです。今回は第1弾に続いて、ご夫婦で1年間育児休業を取得されたRyoさんご夫婦へのインタビューの後編です!

今回はパートナーの方目線で男性育休について、お話を伺いしました!(前編はRyoさんご本人にインタビューを掲載しておりますので、ぜひそちらもチェックしてみてください)

前編(Ryoさんご本人インタビュー)

前編のご本人インタビューは当団体Youtubeでもご覧いただけるので、ぜひ併せてチェックしてみてくださいね!

【本編:26分】https://www.youtube.com/watch?v=mI-9uHJWWXw&t=2s

【ダイジェスト版:6分半】https://www.youtube.com/watch?v=x3wujeAMCUA&t=0s

【参考:男性育児休業制度について】https://column.gender-equal.com/posts/masamishida/homecoming-2/

Ryoさんご夫婦の育休概要

  • お名前:Ryo さん(パートナーのお名前は非開示)
  • 年齢:29歳(育休取得時)
  • お住まい:東京都在住(育休中はパートナーのご実家である山形や小笠原諸島でも生活) ※育児休業終了時は都内に戻る予定
  • 育児休業期間:2021年4月〜2022年3月(インタビュー時は育児休業中)
  • ご出産日:2021年4月20日

インタビュー内容

妊娠が分かってから育休取得まで

質問:まずはRyoさんに育児休業の取得を進言された背景や思いを教えてください

夫から育休を取得するという報告を受けたというよりも、二人で育休を取得できたらいいねと事前に話をしていました。その中で夫の家族の事情もあり、1年間の育休取得を決めたという形です。

質問:実際にRyoさんが1年間育児休業を取得できることとなった時の感想を教えてください

夫と相談して二人で育休を取得することを決断したものの、夫の会社の雰囲気などがわからないので本当に取得できるのかという疑問はありました。また私が今働いている会社では男性で育休を取得したことがある方が一人もいなかったので、1年間という長期間の育児休業を本当に取得できるのか、温度感がわからなかったです。

その上で実際に取得できると聞いた時は、正直驚きました。(笑)一方で制度上は男女問わず、育休を取得できるはずですし、女性は当たり前に1年間取得できるのに、なぜ男性は取得すること自体からハードルがあるのか、以前から変だよなと思っていました。なので今回改めて「夫が育休を取得することが当たり前じゃない世の中」っておかしいよなと感じました。

育児休業中(現在)の生活について

質問:現在の育児休業中の生活、ご夫婦内での役割分担について教えてください

夫の話にあった通り、趣味の釣りで週に1−2日、泊まりで家を空けることもあるので、家にいる時は極力家事と育児は夫に任せて、その間に私自身の用事を済ませるという形で分担しています。

せっかくの1年間の育児休業なので、普段やれないことお互いにやろうという気持ちはありますが、夫が合意した頻度を超えて釣りに行くこともあるので、たまに「あれ?多くない?」と思うことはありますね(笑)

質問:出産直後からRyoさんにお子さんを預けて外出できたということですか

そうですね。我が家は母乳とミルクを併用していて、ミルクは完全に夫に任せています。私は哺乳瓶を洗うこともないですし、何時にどれくらいのミルクを与えるかも全て夫に任せています。

なので出産直後から夫に任せて日中外出することも出来ました。また夫に任せる際におむつがどこにあるかといった段取りをいちいち説明する必要がないこともとても大きいですね。自分の準備だけで外出できるので、他の家庭に比ベてとても楽だと思います。

質問:育休取得前に想像していた生活と今の生活に乖離はありますか

娘が夜はよく寝てくれるし、体調を崩すこともないので、想像以上に大変と感じることはないです。一方で復帰後の生活については不安が大きいです。夫が忙しいということはもちろんですが、私自身も復帰後はフルタイムで働く予定です。私の会社内に女性総合職で育児されている方が少なく、ロールモデルがいないので、正直まだ働き方のイメージできていないですね。

質問:Ryoさんが育児休業を取得してよかったと感じますか

よかったと思います。特に第一子の時に育休を取得してもらって良かったかなと感じています。第一子の時であれば、育児の基盤を二人で築くことができますし、二人でわからないことを一緒に解決していけるので、お互いいい経験になっています。女性だけが先に育休を取得すると、どうしても妻が育児の先輩、夫が後輩という構図になりがちで、夫に育児を安心して任せられないというケースに陥ってしまうことがあると思います。

その他(以下質問はご夫婦がそれぞれご回答)

質問:もし2人目のお子さんの妊娠がわかったら、再度育休を取得したいと思いますか

Ryoさん:正直、ちょっと悩ましいですね。今後管理職という責任ある立場に近づく中で、育休を1年間取得するというのはキャリアとしてもブランクになります。タイミングによると思いますが、期間を含めて改めて妻と相談することになると思います。今回の育休で我が家の育児オペレーションはある程度確立できたと思います。一方で2人以上子供がいると育児のオペレーションも変わりますし、その上でワンオペで育児となると負担が増えるので、短期間でもいいので取りたいとは思っています。

パートナー:取得してもらえたら、ありがたいですが、お互いにキャリアのこともあるので要相談かなと思います。

質問:男性育休取得者を増やすために、企業はどのように変化していく必要があると思いますか

Ryoさん:制度自体は国が一律で権利として与えているので、変わるべきは制度ではなく運用をする人の意識だと思います。正直なお話をすると、前年度比で人事評価が下がってしまいました。異動後にすぐ育休を取得したために評価が付けづらかったことや異動前の評価が反映されないため、仕方がない部分もありますが、育休取得も一つの原因ではないかと感じています。上長から直接「育児休業を取得したために人事評価を下げた」と言われた訳ではないですが、社内でも育休を取得したら、評価が下がるというのは共通認識のようです。実際には勘違いであったとしてもそういった認識や雰囲気が社内に蔓延している時点で育休取得は広がらないと思います。育休を取得することによってキャリアに悪影響が出る事態をまず撲滅する、また企業から悪影響は出ないということを発信する必要があると思います

一方で上司の目線になると、部下が長期間の育休を取得するケースが増えるとリソース不足など、組織運営に不安を感じると思います。したがい管理職がそういった不安を抱かないように、会社全体でサポート体制を拡充したり、余裕を持ったリソース配分をすることが、企業に求められる点かもしれないですね。

パートナー:まずは管理職以上の方も含めて多くの方が育休を取得し、社員の全員が育休を身近に感じ、必要性を理解することが重要だと思います。男女関係なく当たり前に育休を取得する世界にならないと、企業の風土を変えるのは難しいと思います。

以上

みなさまいかがでしたでしょうか。

育休取得すると伝えた際の上長を含めた社内の反応など、とてもリアルでしたね。企業風土を変えるのはハードルが高いなと正直感じてしまいますが、一人一人が行動することで世の中を少しずつ変えることができるのだと思います。

まだまだハードルは高いですが、育休を取得することでのメリットはたくさんあります。男性ご自身で育休を取得したいと考えている方やパートナーに育休を取得して欲しいなと考えているみなさんが前向きに育休取得を検討するための参考になれば幸いです。

現時点では男性が育休を取得されるケースが少なく、また取得の背景や育休取得の期間は女性に比べてさまざまです。今後も男性育休取得された方へのインタビュー継続し、皆さんの参考にしていただきたいと思っておりますので、次回もお楽しみに!!

ありがとうございました。

【男性育児休業取得者…

はじめまして。みすずと申します。

「育児・介護休業法」改正案が2022年4月より順次施行されます。詳細は以前のコラムに書かせて頂いているのでぜひこちらを確認してみてくださいね!

https://column.gender-equal.com/posts/masamishida/homecoming-2/

「男性版産休」と称される制度も施行されるため、今後男性の育児休業取得者が増えて行くと思います。

しかし、「実際に会社に申し出る時はどうしたらいいんだろう?」「会社に嫌な顔をされたら、どうしよう」「自分の今後のキャリアにネガティブにならないかな?」「育休を取得する前にどんな準備が必要なんだろう?」といった不安や疑問があると思います。

そんな皆さんのために、既に男性育児休業を取得された方にインタビューを行い、実際の育児休業前から育休中の現在の生活についてお話をお伺いました!本日は第1弾として、ご夫婦で1年間育児休業を取得されたRyoさんご夫婦にお話をお伺いしました!盛りだくさんの内容になっているので、まずは前編としてRyoさんご本人のお話を掲載します!後編はパートナーの方目線での男性育休について、お伺いしておりますのでそちらもぜひチェックしてみてください!

インタビューの詳細な内容は当団体Youtubeでもご覧いただけるので、ぜひ併せてチェックしてみてくださいね!(動画はご本人のインタビューのみ)

Ryoさんご夫婦の育休概要

  • お名前:Ryo さん(パートナーのお名前は非開示)
  • 年齢:29歳(育休取得時)
  • お住まい:東京都在住(育休中はパートナーのご実家である山形や小笠原諸島でも生活) ※育児休業終了時は都内に戻る予定
  • 育児休業期間:2021年4月〜2022年3月(インタビュー時は育児休業中)
  • ご出産日:2021年4月20日
  • 所属企業:大企業

インタビュー内容

妊娠が分かってから育休取得まで

質問:本日はありがとうございます。まずは育児休業を取得しようと思った背景を教えてください

妊娠が分かった時に、妻から「育休取らないの?」という打診がありました。その時は営業部署に異動したばかりで、部署の雰囲気も体育会系だったので取りたいけど正直無理かなと思っていました。しかしちょうど同じタイミングで自分の母親が癌を患っていることがわかり、3ヶ月後に亡くなるという経験をして、「家族を大事にせなあかんな」と思って、育休を取得することを決めました。

質問:男性で育児休業を1年間取得される方はとても少ないと思いますが、1年間取得しようと思った理由や思いがあれば教えてください

僕が育休を取得することを決める以前から、妻が地元である山形で出産をすることと妻の育休期間が1年間であることが決まっていました。コロナ禍であったこともあり、頻繁に行き来がしづらい中で家族に会えない可能性があるのであれば、僕も妻と同じ期間育休を取ろうと思いました。

また5年後や10年後には男性も育休を取得することが一般的になると思います。その頃には僕も管理職として部下から打診を受ける側になるはずです。その際に上司としてアドバイスや適切な対応をするためには、自分自身が経験しておくことが大切だと思ったことも1年間取得した大きな理由の一つです。

質問:実際に育休を取得することを会社に伝えたときに、どのような反応がありましたか

今所属している部署では育休を取得されている方はおろか飲み会も多く、「育児は俺たちの仕事じゃない」と言わんばかりの方々が多かったため、とても言い出しづらかったです。
育休を取得することを伝えた時に周囲からかけて頂いた言葉は、二極化していました。女性の多くの方々からは「素晴らしい」「見直した」というポジティブな発言をもらいました。一方で「1年育休取って何するの?」「育休の間に資格の勉強も頑張ってね」と言った、育児休業ではなく、休暇という意識が強い言葉を頂いたこともありました

質問:男性が育児休業を取得することにハードルがあると感じますか

当社は他の企業に比べて進んでいるのかもしれないですが、それでもまだまだハードルが高いと思います。特に1年という長期間の場合は、上長の理解を得るのが難しく、とてもハードルが高いと思います。

一方で僕が育休を取得して以降、同じ部署でも何名か男性で育休を取得されるケースが出てきたので、僕がファーストペンギンとして1年間取得したことで、後続の方のハードルがやや低くなったと思います。

育児休業中(現在)の生活について

質問:現在の育児休業中の生活、ご夫婦内での役割分担について教えてください

趣味の釣りで週に1−2日家を空けることがあるので、家にいる時は極力家事と育児は僕が担当するようにしています。妊娠当時の妻から「妊娠期間中(10か月程度)は私は自由に遊びに行ったりすることができないのだから、出産後は育児は責任を持ってやってください」と意識付けされていたことも大きいですかね(笑)

質問:育休取得前に想像していた生活と今の生活に乖離はありますか

育休を取得してみて改めて思ったのは、育児をワンオペで行うのは相当厳しいということですね。例えば夫が妻に育児を任せきりにして、最終的に家庭が崩壊してしまうということは容易に想像できますね。今、僕たちは二人で家事と育児を分担できているので、思った以上に育児が大変と感じることはあまりなく、想像していた生活と大きな乖離もなく生活ができています。

質問:育児休業を取得してよかったことはなんですか

よかったと思うことはたくさんあります。まずは30歳という年齢で一度仕事から離れて、客観的に今までの仕事を振り返る時間を持つことができてすごくよかったです。二人で育児をしているので、時間に少しずつ余裕もできてきて、いろいろなことを考える中で、今は仕事をしたいなと思うようになりました。

一番よかったことは妻と1年間一緒に生活をして、家族の時間を持てたことですね。お互い仕事をしているため、今まではここまで長時間同じ空間で過ごすことはなかったので、育休を通じて家族の絆を深めることができました

質問:育休休業を取得する前にやっておいてよかったことはありますか

基本的に妻に出産準備をお願いしていたので、正直あまり思い当たらないです(笑)しかしお互いに家事は一通りできるように準備をしておいた方が、家事や育児の分担するときにスムーズに進むと思います。

今後ついて

質問:今後、職場復帰をする際に不安はありますか

今の部署は会食や長期出張も多いので、妻も働いている中でワンオペを強いることになってしまうので、正直とても不安です。親族が東京にはおらず、頼ることができないので、先輩方はどうやっているのか、これから聞いてみようと思っています。

最後に

最後に世の男性に対して一言お願いします!

是非とも男性の皆さんに1年間育休を取ってほしいですね。子どもの成長を毎日見守れるというのは何事にも変えがえたいし、育児はとても楽しいです。せっかく僕たちは育休という権利を持っているので是非とも行使してほしいですね。

後編に続く・・・

後編はパートナーから見た、Ryoさんの育休について、お話を伺いましたので、お楽しみに!!