【子育てジェンダー平等記事vol.2】「改正育児・介護休業法」と夫の育休取得奮闘記


こんにちは!ジェンダーイコールのまさみです。
私事ですが、2021年11月に第一子を出産する事になり、夫も育休を取得することとなりました。
また、今年6月には「育児・介護休業法」が改正され、子育てに関する制度が大きく変わりました。
今回は、「改正育児・介護休業法」のポイントと夫の育休取得までの会社とのやりとりを書きたいと思います。

1.改正育児・介護休業法について

まずはじめに、「改正育児・介護休業法」についてご説明します。労働者視点で重要そうな改正ポイントは以下です。パッと確認したい場合は、厚生労働省作成のパワポ1をご覧ください。

Ⅰ)労働者視点で重要そうな改正点

①「男性版産休」の創設

今回の改正の大きな目玉は、男性を対象とした「育児休業」制度の創設です。
マスコミなどでは、「男性版産休」と称されています。
この制度は、簡単に言えば、配偶者の出産直後に、男性のみが取得できる育児休業制度です。
また、取得率を上げるために、取得要件はこれまでの育休よりも柔軟になりました。主なポイントは以下のとおりです。


・日数は、配偶者の産後8週間のうち最大で4週間取得可能。
・期間中、2回まで分割して取得することが可能
取得日数の5割を上限に就労することが可能。(就労した日分の給料については、会社から支払われます。)
・申請期限は、2週間前まででOK(通常の育休は1ヶ月前)(→労使協定により、1ヶ月前となることもある。)
・日経によると、施行時期は、2022年10月ごろ

②企業から労働者に対し、個別周知・意向確認措置の義務付け

また、企業に対し、育休制度の取得対象者に、育休制度に対する個別周知と取得の意向確認を取ることが義務付けられました。

これは簡潔に言うと、「配偶者もしくは自身が妊娠したと会社に報告すると、管理職等が面談等によって、育休制度を説明し、取得を勧めてくれるという制度」です。


2021年7月15日の厚生労働省雇用環境・均等分科会の資料では、個別周知の手法として、「①面談による方法・②書面を交付する方法・③ファクシミリを利用して送信する方法・④電子メール等の送信の方法(③及び④は労働者が希望する場合に限る。)」が挙げられています。
日経によると、2022年4月ごろから施行予定とのことです。

③分割取得

最後に、分割取得が可能となりました。
2人の親で育児休業を交代する場合、改正前の育児・介護休業法では、例えば、女性が産休後6ヶ月取得し、もう一人の親(ex.男性)に交代すると、その後、女性が再取得することが不可能でした。
改正法では、交代することが可能です。

厚生労働省作成パワポ1


以上が改正法の概要です。
管理職が育休についてちゃんと説明できるのか、4週間の育休が育児参画につながるのか等、心配に思う点はありますが、制度の使い勝手は良くなったのかなと思います。

2.夫の育休取得奮闘記

次に、改正法施工前に、夫は育休を取得することとなったのですが、そこで生じた会社とのあれこれを書きたいと思います。

<簡単な登場人物説明>

私 アラサー、都内企業フルタイム勤務、仕事はバリバリやりたい派

夫 アラサー(私より2歳上)、都内企業フルタイム勤務、
  趣味は城めぐり・阪神タイガースの応援


まず、夫は元々「子どもの成長に関われないと一生後悔する」、「仕事より家族が大事」というスタンスの人で、妊娠が発覚した際にも、私と夫で育休取るのだろうなと思っていました。

夫は妊娠3カ月くらいには、職場に報告し、自分も育休をとりたいことと、なるべく長く取りたいことを伝えていました。
しかし、第1回目の課長との打合せでは、「へー、夫君も家事とかするんだ(笑)」と言われただけで、具体的な対応を相談できる雰囲気ではなかったそうです。


その次の部長Aとの打合せでは、「引継ぎを含めて、誰か一人連れてくるか(後輩を異動させてくる)」という話になったそうです。
しかし、部長も夫が育休と取ることに対し、あまり乗り気ではなかったとのこと。
休業期間については、要相談となったそうですが、それでも夫はやっと具体的な対応策を示してくれたと喜んでいました。


しかし、物事は上手くは進まず、一応承諾してくれていた部長Aが今年6月に異動となり、夫の育休取得の話は1ミリも引継ぎをされておらず、新部長Bとの打合せの際に申し出たところ、「初耳だから少し考えさせて」と言われたそうです。
(部内の人事のことなので、引継ぎするのが当然だと思うのですが…。)
その後、新部長はどちらかというとワークバランスに理解がある方だったようで、一応承諾してくれ、来年3月ごろから2カ月間ほど取得する予定です。


上記のことから分かるように、男性の育休取得はまだまだ大変だという印象を持ちました。
夫の会社は、一民間企業ですが、全社的に男性育休を推進しています。
なのに、取得したい人を応援する雰囲気ではなく、むしろ課長との面談では家事をしていることや育児をしたいことを揶揄われました。また、私には軽くしか言いませんでしたが、出世や待遇なども、課長から指摘されたみたいです。

(夫は「地方に転勤になった単身赴任になるくらいなら、(正社員から転換して)地域正社員になる」というくらい出世欲はない人ですが、子育てと仕事を天秤にかけるような現状がおかしいですし、子育ても仕事もしっかりやりたいというのは自然な欲求だと思います・・・)

夫は、課長との打合せの後、「自分が女性だったら、1年くらいすぐ取れるのに」とぼやいていました。そのころ私は「産休・育休合わせて5か月もとるのに、上司・同僚から短いって言われる」と怒っていました。
正反対の夫婦です。
(ちなみに、私と課長との面談では、(5カ月しか取らないということに対し)「なるべく長く取りたいという女性はたくさんいたけど、短くしたいというのは初めてだよ~」と言われました。そう思ったとしても、言う必要あるかなと思いました。)

夫のエピソードを見ても、企業はまだまだ性別によって社員を判断し、管理しようとしていると思いました。また、そのことは私たち夫婦にとっては壁に感じました。

3.おわりに

私は、我が子の成長を夫と一緒に見守りたいという気持ちがあります。
まだまだ子育ては「女性主体で」というメッセージが強い世の中ですが、今回の改正法で、そういう側面が少しでも緩和されて、男性にも同じくらい育児の責任があり、自らでやらなければならないもので、育休を取ることも当然だという世の中になってほしいと思います。

次回は、男性が育休をとるために意識するべきポイント・交渉術をまとめたいと思います!

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