性教育プロジェクト始動!小学生向けの性教育絵本を作ります


こんにちは!篠原くるみです。
この度、大学生メンバーの渡邉葵さんが発起人となり、子供向けの性教育の本をつくるプロジェクトが始動しました。
プロジェクト名は「I’s(アイズ)」。誰にとっても必要な性教育を、子どものうちからもっと身近に、そしてわかりやすく伝えたい!わたしたちは、ものごとの意味を客観的に表現できる「辞書」と、ビジュアルとテキストがお互いに補いあい直感的に伝えることのできる「絵本」に注目し、それらを組み合わせた「辞書×絵本」を作成します。
ジェンダーイコール大学生メンバーの渡邉葵さん・大林涼香さん、親の立場として私篠原。そして、外部から美大生の伊藤里紗さん。この4名がフラットな立場で協力しながら活動していきます。

6/16(水)、津田塾大学の「ヒューマンセクソロジー(性科学) / 木村朗子先生」にて、わたしたちアイズによる「小学生向け性教育について考える」というオンラインイベントを開催させていただきました。記事の後半で、イベントの模様をレポートします。

性教育について

みなさんは、「性教育」に対してどんなイメージをお持ちですか?
問題意識が広がり、YouTube SNS でわかりやすく発信してくれる方が増え、昔よりも身近になってきたような気がします。
一方で、学校ではあまり教えてもらったことがないとか、家族で話したりするのはちょっと気まずいと感じる人も多いのかなと思います。

あまり知られていないことですが、日本の中学校の保健体育の授業では、避妊の具体的な方法はほとんど教えていません。
(中略)
根拠となっているのが国が定める学習指導要領に1998年から記載されている「妊娠の経過は取り扱わないこととする」という文言です。
通称、「歯止め規定」と呼ばれています。

NHK 変わるか 日本の“性教育” https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201006/k10012648811000.html

「寝た子を起こさないように」、つまり、教えないことで興味を持たせないようにという論理。

今年(注: 2018年)の4月には、東京都の教育委員会が、足立区の公立中学校で行われた性教育の授業に「問題があった」とする出来事がありました。
今回指摘を受けた授業では、中学校の学習指導要領に書かれていない避妊や中絶について説明しており、都の教育委員会はこれを「子どもによっては早すぎる」として問題視したのです。

NHK もうひとつの“性”教育プロジェクト 自分らしく生きるための性教育へ https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/57/

一方で、同じ記事で次のような事例も挙げられています。

日本でも広く深い性教育を行う珍しい私立学校があります。吉祥女子中学・高等学校では50年前から独自の性教育を行ってきました。
独自に作った教科書をもとに、中学1年から高校3年まで、性をあらゆる側面から学びます。保護者には事前に説明し、クレームが来たことはないそうです。

NHK もうひとつの“性”教育プロジェクト 自分らしく生きるための性教育へ

このように、学習指導要領では性教育について指導できる範囲が決められており、生徒たちに何をどう伝えるかは学校独自の方針による部分が大きいようです。それに親の関わり方も含め、子どもにとって良質かつ実質的な性教育を受けられるか否かは「ガチャ状態」になっている、というのが現状なのではないかと思います。

子どもたちの身体は日々成長し、本当にあっという間に「(精神的にはともかく)子どもが作れる身体」になります。同時に、人間関係も親の目の届くところから離れていきます。
性に関することは他者と関わることが多いです。もし、正しい知識がないまま流されてしまったら?性犯罪に巻き込まれてしまったら?逆に、加害者側になってしまったら?「習っていなかったから知らなかった」では取り返しがつきません..!

性教育プロジェクト “アイズ” について

わたしたちが制作中のプロダクトは、「小学校3年生」向けの「辞書×絵本」です。
「からだ」「こころ」の2章立てとし、子どもたちに知っておいてもらいたいことについて、ビジュアルとテキスト両方の良さを活かしながら表現し、伝えることを目指しています。
性教育を通して子どもたちに伝えたいことは、「自分自身を大切にし、他者を尊重する」ということです。

I’s(アイズ)というプロジェクト名には、次の3つの意味=トリプルミーニングを込めています。

①手を挙げる “合図”
一人一人が自分の個性や生まれ持った特徴に対して自信を持ち、自らを主張できるようにする、という意味で手を挙げる「合図」を表現しています。

②目という意味の “eyes”
「世の中」「大勢」「みんな」という俯瞰した目線ではなく、あくまでも「目の前にいるひとり」に対して、居場所を作ったり正しい知識を身につけてもらいたい、と考えています。相手の目を見て一人一人に向き合うという意味を込めてeyesを表現しました。

③個人が集まって大勢になるという “i’s”
これら二つのねらいように「ひとりひとり」が尊重されるようになることが理想であり、「大勢」としての私たち「we」や「some」ではなく、個人が集まって大勢になるという意識をもってもらうため、「i’s」の意味を込めています。

この絵本は制作がゴールではなく、より多くの人に「手に取ってもらえるかどうか」が重要だと考えています。
「手に取りたくなる絵本」を作るためには、魅力的なデザインが必須です。美大生の伊藤さんが中心となり、ビジュアルのデザインにも注力しています。

津田塾大学ヒューマンセクソロジー: イベントの様子

さて、今回は、大学生のみなさんと「小学生向けの性教育について考える」をテーマに、ロールプレイング型のワークショップをメインにしたイベントを行いました。

[ロールプレイングのルール]
6人グループに分かれ、その中でさらにAチームとBチームに分かれる。
まず、Aチームは子供(小学3年生)役、Bチームは保護者役。事前に用意された内容から、子供役が質問を投げ、保護者役が答えていく。対話の流れで新たに質問を加えてもOK。時間が来たら役回りを交代。

質問の一部をご紹介します。

[からだパート]
  • キスって何?
  • (自宅でナプキンを発見して)これは何?何に使うの?
  • (生理が既に来ている設定)今日は生理で、体調が悪くなっちゃった。担任の先生に相談していいの?
  • 赤ちゃんはどこから来るの?
  • なんで男の子は子どもが産めないの/男の子には何で生理がないの?
  • 何で大人の男の人の声は低いの?(声変わり)
[こころパート]
  • 〇〇君/〇〇ちゃんといるとドキドキする。これってどんな気持ち?(親に恋愛感情を打ち明ける)
  • 友達のお兄ちゃん(中1)から付き合おうって言われた。付き合うってどういうこと?どうしたらいい?
  • SNSやゲームで知らない人から「会おう」って言われた。会っていいの?どうして?
  • 「ブス」って言われた。私/僕/〇〇って可愛くないの/カッコよくないの/ブスなの?
  • ネットで出てきた裸の写真を見ていたらお金を払えと言われた。どうしたらいい?
  • いつも異性の友達といて変だよねって言われた。おかしいかな?

どうですか..?迷わず全部サクッと答えられるよ!という方は少ないのではないでしょうか。

ロールプレイング後にシェアしていただいた発表パートからは、次のような意見を挙げてもらいました。

  • 「赤ちゃんはなぜ生まれるか」とか「生理はなぜ来るのか」などの問いについて、性行為や精子・卵子など予備知識の全くない相手に伝えるのがすごく難しかった。
  • 具体的、直接的な表現を心がけていた回答が良かった。ごまかさない。曖昧にしない。
  • 質問自体を肯定する、からかわないなど、もし回答に詰まってしまったとしても大人側の受け止め方が大切。

大学生ということで、みなさん子供と親の真ん中の年代ですよね。普段は小学生とあまり関わりのない方が多いのではないでしょうか。
ですが、みなさんのシェアしてくれた振り返りの中には、わたしが事前に読んでいた大人向けの性教育の本にも同じような事が書いてあった!という内容も多く、普段から授業をよく聞いて考え、理解されているのだなと思いました。(注: 今回お邪魔させていただいたヒューマンセクソロジーという科目は、日本語で言うと性科学。津田塾大学の名物授業だそうです)
とても難しいワークだったと思いますが、みなさん真摯に取り組んでくださって感動しました..!

雑談や事後アンケートからは、次のような悩みや困ったことを挙げていただきました。

  • 恋愛のことを親に話したらからかわれたことがあったので、それ以降そういうことは話さなくなってしまった。
  • 性のことについて、親が避けるので相談できない。
  • 生理不順、重さ、なかなか始まらなかったなど、誰にも相談できずに悩んだ経験がある。
  • 恋愛感情がない。
  • 避妊のことをあまり知らずにここまで来てしまった。

親の立場になって考えてみるというロールプレイングについては、

  • うまく言語化できずにもどかしかった。
  • 難しくて悩んだが、自分でよく考えたり、他の人の意見を聞けてよかった。
  • いつか子供ができたら、きちんと性教育をしたいと思った。
  • どう教えたらいいかを考えるよりも、自分がどういうことを知りたかったかに置き換えて伝えればいいのかもと思った。

などなど、たくさんの貴重な体験談やご意見をいただきました。

木村先生、貴重な機会をいただき誠にありがとうございました。
そして津田塾大学の皆さん、ご参加本当にありがとうございました!!


わたしたちアイズは、辞書絵本の制作を進めていきます。
並行して、今回のようなイベントを積極的に開催し、みなさんとの対話を通じて作り上げていくプロダクトにしたいと考えています。イベントを開催させていただける学校関係などの方がいらっしゃいましたら、女子校、男子校、共学問いません。是非、下記SNSのDMまでご連絡ください!

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