ヴェルテック&ジェン…

2/17(土)に、株式会社ヴェルテックとジェンダーイコールの共催で「小学校低学年向けプログラミングワークショップ」を実施しました。

開催概要

対象受講者 小学校低学年
目的 ①身の回りにある動くもの(おもちゃロボットを例に出す予定)はプログラミングによって動いていることを知ってもらう
②「プログラミングができた!」という成功体験をしてもらう
③小学校低学年のプログラミングに対する理解を調査する
プログラミング言語 Scratch(スクラッチ)
受講人数 親子3組(計6名)
講師 田渕恵梨子、竹形誠司(技術サポーター)

きっかけ

ジェンダーイコールがなぜプログラミング教育?と思われる方も多いと思いますので、先に説明しておきます。
ジェンダーイコールは、事業の1つに「子供向け教育事業」を掲げています。
私たちは、子供たちが成功体験を繰り返すことによって、自信が育まれ、ジェンダーに囚われない「将来の夢」を持つようになると考えています。
子どもたちへの教育を通じて成功体験をさせてあげたい。では、私たちの力で何ができるのか?
そう考えて出た答えが「プログラミング教育」でした。
当団体代表理事の田渕は元々システムエンジニアでした。そして、副代表理事の篠原は現役システムエンジニアです。
そして、以前紹介したこちらのイベントで、オフィスを使わせていただいたご縁で知り合ったのが、
株式会社ヴェルテック代表取締役の竹形誠司さんです。
竹形さんは、Java関連のテクニカル本を複数出版されているテクニカルライターで、長年にわたりIT業界でご活躍されている方です。
偶然竹形さんもプログラミング教育の事業を考えられていたところで話が盛り上がり、共同でプロジェクトを開発することになりました。
今後、何をやっていくかということは別の機会にご説明することにします。
今回は低学年の子供たちがどのレベルまでプログラミングを理解するかという調査も兼ねて、初のワークショップを開催しました。

進行内容

受講者には、こちらのかわいい小学生向けパソコンを1人1台用意しました。外部ネットワークから遮断され、プログラミングの勉強に特化させています。
「親が安心して子供に渡せるパソコン」というテーマで開発中です。(現在は試作品)

進行は、はじめに自己紹介/全体の流れ/プログラミングについての説明を行った後、休憩をはさみながら、3ステップのプログラミング指導を実施しました。

第1ステップ
①マウスの説明
②ポインタの説明
③ステージとスプライトの説明
※スプライトはキャラクターのこと。今回はネコのキャラクターを使用(右記参照)
④クリックの練習
⑤ドラッグアンドドロップの練習
 「フラグがクリックされたとき」をステージにドラッグアンドドロップ
⑥「フラグがクリックされたとき」、「10歩動かす」

第2ステップ
①「フラグがクリックされたとき」
②「10回繰り返す」
③10歩動かす
④次のコスチュームにする
⑤1秒待つ
⑥「ニャーの音を鳴らす」

第3ステップ
①各自自由に組み合わせる(10分)
②①の発表会(5分)

第3ステップでは、先にどんな動きをさせたいかを考えて、その内容をホワイトボードに書いてもらいました。
その後、ホワイトボードの内容どおりにプログラムを組みます。


↑10ほあるいてにゃーとないてからさかだちする。ぶつかったらはんたいにむく。あるきながら絵をかく。


↑ホワイトボードどおりにプログラミングした動き。

ワークショップデザイナー

今回、ワークショップデザイナーの駒崎美紀さんにも、ご協力いただきました。
ワークショップデザイナーは、人と人とのコミュニケーションの場面を生み出していける専門家として、「共に」活動することを楽しめる資質を持ち、コミュニケーションを基盤とした知識や技能を活用する参加体験型活動プログラム(ワークショップ)の専門職です。
彼女は、青山学院大学社会情報学部ワークショップデザイナ育成プログラムの受講を修了し、さまざまなワークショップのアドバイザーとして活躍しています。
今回はママ友のご縁で、お子さんと一緒に特別参加してくれました。
ワークショップ終了後、早速プロの視点で的確な指摘事項をいくつもいただきました。素人には想像もつかないプロのアドバイスはさすがです。
指摘事項を改善し、次回はより良いワークショップを実現できそうです。
駒崎さん、ありがとうございました!
この記事をお読みの方で、彼女に相談をしたい方はこちらのフォームよりお問い合わせください。

終わりに

最初はプログラミング以前の問題で、マウスの使い方をすぐに覚えられるのか?など多々心配がありましたが、
最後の発表では全員、自分で考えた動きをプログラミングすることに成功しました。
子供たちにも喜んでいただけたと思います。
次回、男の子も同様の集中力を保てるのか?調査予定です。
調査を繰り返しながら、次のステップに進んでいきたいと思います。

またこちらでご紹介させていただきますね。

東大生たちとのディス…

田渕恵梨子
Twitterがきっかけで実現した「HCAP東京大学運営委員会」のメンバーと当NPOメンバー4名とのディスカッション。
前回からの続きで、今回は「②男性の家事育児意識が非常に低い」について彼女たちに伝えた私たちの考えを書き記したいと思います。
ディスカッションというよりも私たちの意見を述べているだけ・・・という点についてはご容赦ください^^;

〜おさらい〜現在の日本におけるジェンダーギャップについて。

私たちは学生に対して、下記4つの問題を共有しました。

①女性の就業率、キャリア志向は増加傾向にあるが、産後のキャリア維持が非常に難しい。
②男性の家事育児意識が非常に低い。
③男性側が育児経験に伴う付加価値を認識できていない。
④政府が提唱している「女性活躍」の真相。

前回は、「①女性の就業率、キャリア志向は増加傾向にあるが、産後のキャリア維持が非常に難しい。」について述べました。
今回は「②男性の家事育児意識が非常に低い。」についてです。
当団体が日本男性の家事育児意識が低い原因の1つとして推測していることを述べたいと思います。

子育て中の女性は「稼ぐ能力」への自信を持てない!?

子育て中の女性は「稼ぐ能力」に対して配偶者よりも劣等感を持ってしまい、家事育児を抱え込んでしまっている人が多いのではないでしょうか?

ここで注意すべき点は、上記の対象が「子育て中の女性」という点です。

日本において、子育て世帯における家事育児の分担割合が母親に偏っているということはみなさんご存知のことと思います。
これは、例え母親が父親と同様にフルタイム勤務をしていたとしてもあまり変わらないのです。
配偶者よりも家事育児の負担を多く抱えながら、同等に稼ごうと思っていてもなかなか容易ではありません。
出産前は第一線でバリバリ働いてきた女性が、出産を機に初めてこのような男女の不平等に気づくパターンは多いのです。

女性が家事育児を自分で抱え込んでしまう理由

なぜ女性は家事育児に対して配偶者に多くの負担を求めず、自分で抱え込んでしまうのでしょうか?

それは、伝統的性役割の価値観について、両親の教育、学校教育、そしてマスメディアの影響によって、「母親が家事育児のメインを担うことは当然である」という固定観念を刷り込まれているからだと思います。

そうして家事育児も仕事も全て自分で抱え込もうとした結果、「稼ぐ能力」に対する自信が薄らいでしまうのです。

母親がこの意識のを持ったまま、夫婦で下記いずれかの選択をするとします。

  1. 夫婦平等にキャリアアップを狙うのか?
  2. 夫婦どちらかキャリアップの資質のある側にキャリアを優先させるのか?

この場合、稼ぐ能力に自信のない母親と大黒柱思想を持っている父親(これも固定観念の呪縛)の利害関係が一致して母親が「降りる」ケースが多いのではないでしょうか?その結果、男性の家事育児意識は当然低くなります。

男性の家事育児意識が低い理由

男性の家事育児意識が低いのは、男性のせいでも女性のせいでもありません。時代錯誤な固定観念にこだわり続けて、未だに刷新できていない日本の社会構造に問題があるのです。

まずは私たちの意識改革から

この社会構造改革のゴールは男性が大多数を占める政治・経済・社会のトップの男女比率を対等にもっていくことだと考えていますが、これを実現するにはボトムアップによる意識改革が必要不可欠です。まず私たちの意識が変わらなければ社会は変わらないのです。
まずは、女性は勇気をもって家事育児のタスクを配偶者や家族にシェアして自分の負担を減らし、自分の社会的地位を向上させてみましょう。
そして、男性は家事育児と仕事の両立はこれからの社会に必要不可欠であることを認識して、勇気を持って「妻の家事育児負担を減らして妻の社会的地位を向上させる」作戦に取り組んでみましょう。それはご自身の社会的地位の向上にもつながるはずです。

1人1人の意識が変わることで社会は変わるのです。勇気と覚悟をもって負のスパイラルを断ち切ることが、未来の日本の存続を守ることにつながるのです。

今日はここまで!

次回は「③男性側が育児経験に伴う付加価値を認識できていない。」について。
また時間を作って続きを書きます。

東大生たちとのディス…

田渕恵梨子
Twitterを通じて、学生団体から私たちの活動について問合せがありました。

彼女たちは「HCAP東京大学運営委員会」のメンバー。
HCAP(=Harvard College in Asia Program)とは、ハーバード大学に本部を置く学生主体のプログラム。
毎年、アジアの大学から8校程度が選考され、ハーバード大学との短期交換留学プログラムを開催しているそうです。

2月に東京で予定している学生会議の企画において、ジェンダー問題をテーマにする案が出ているとのこと。
そこで、私たちに日本の実社会でのジェンダーにまつわる諸問題についてヒアリングしたいという相談でした。

私たちはもちろん快諾。
学生、それも「東大」という優秀な学生たちがジェンダー問題に興味を持ってくれている。
なんてすばらしいことでしょう。すぐに面談日程を調整してお会いすることになりました。

事前準備

事前に3つの質問をいただきました。

  1. 現在の日本におけるジェンダーギャップの状況や変化について
  2. 今後実施を予定している啓蒙活動について
  3. 当NPOの男性の視点の取り入れ方について

メンバー間で集まってレポートにまとめた上で当日を迎えました。

いよいよ当日

休日のお昼時、東大生3名と当NPOメンバー4名とのディスカッションが始まりました。
企画立案者の村上さんは女性でしたが、あとの2名は男性。
若い頃からジェンダー問題に感心を持つ男性が増えれば、日本の将来も明るいですね。
希望の光が差し込みました。

私たちは、用意していたレポートを手渡し、順を追って説明を始めました。

このレポートは、私たちの考えがまとまっていますので、当NPOについて知っていただくのにちょうど良い内容になっていると思います。
せっかくの機会ですので公開させていただきますね。

1.現在の日本におけるジェンダーギャップについて。

学生からもらっていたこの質問に対して、私たちは4つの問題を共有しました。

①女性の就業率、キャリア志向は増加傾向にあるが、産後のキャリア維持が非常に難しい。
②男性の家事育児意識が非常に低い。
③男性側が育児経験に伴う付加価値を認識できていない。
④政府が提唱している「女性活躍」の真相。

1−①女性の就業率、キャリア志向は増加傾向にあるが、産後のキャリア維持が非常に難しい。

私たちは日本のジェンダーギャップが解消されない大きな原因として、
「男女共に「男は仕事、女は家庭」という固定観念から脱却できていない。」
という大前提の問題があると考えています。

このことからさまざまな悪循環スパイラルを生み出しています。
例を挙げると次のようなイメージです。

 夫の家事育児協力が不十分。
  ↓
 出産を機に夫の家事育児協力に期待が持てない女性が仕事復帰と同時にのしかかる家事育児との両立に不安を感じて第1線に戻ることを諦める。
  ↓
 本人の希望または会社からの辞令による時短勤務やマミートラック(*)への移動。
 (*)マミートラック・・・仕事と子育ての両立はできるものの、昇進・昇格とは縁遠いキャリアコースのこと(コトバンクより)
  ↓
 夫とのキャリア差がどんどん広がる。
  ↓
 能力はあるのにどんどん自信を無くしてしまう。(もったいない!)

その他にも、

  • キャリアアップの重要な時期と出産の時期が共に30代である
  • 家事育児に専念したい男性を許容しない日本社会

など、女性の産後のキャリア維持を阻害する要因はたくさんありますが、
まずは日本人の大多数の根底にある、伝統的な固定観念から解放されることが重要だと考えています。

今日はここまで!

次回は「②男性の家事育児意識が非常に低い」について。
また時間を作って続きを書きます。

パパとコ主催「パパと…

田渕恵梨子
9/24(土)に開催された、パパとコ主催「パパとコドモで一緒にミュージアム!」に家族で参加してきました。
場所は、文京区にある、東京都水道歴史館。

きっかけは仕事でお世話になっている、森川 寛信さんからのご紹介。
森川さんは、パパがつくるてづくり絵本「パパ絵本」を開発し、父子に向けた普及活動をされています。
詳しくはこちら→https://charity-japan.com/interview/6114

参加者は4家族。子どもたちは4歳〜8歳位でみんな同じくらいの年齢で、アットホームな感じで会がスタートしました。

親子でミュージアム体験を楽しむコツ

まずはじめに森川さんから「親子でミュージアム体験を楽しむコツ」についてのレクチャーがありました。
ポイントは3つ。

①予習体験復習、復習体験復習
ミュージアムに行く前に予習し、体験した後に復習することが重要とのこと、
例えば、西洋美術館に突然小さい子供を連れていくだけだと、すぐに飽きられてしまいますよね。
そこで予習として、事前にインターネットやパンフレットなどで美術館の絵などを先に見せておきます。
そうすることで、実際その絵を見た時に「あ、この絵昨日見たよね?」といった感じで子供に興味を持たせることができるそうです。

②考える3つの問いかけ
「この絵の中で何が起きているか?」「どこを見てそう思ったのか?」「他にもっと発見はあるか?」
作品を見ながらこの3つの問いかけをすることで、ただ単に絵を見るだけではなく、「考えて見ることの習慣」が身につくようになります。

③アウトソーシングではなくDIY
「子供に良い体験をさせてくれるワークショップ」ではなく「子供に良い体験をさせる方法が学べるワークショップ」という意識で参加すること。この意識の違いは重要ですよね。なるほどと思いました。

以上3つのポイントを意識することで、子供を飽きさせずに、親子での体験と思い出の価値を最大化できるとのことでした。すばらしい考えだと思います。

親子でミュージアム体験

レクチャー終了後は、作品コーナーに移動です。
まずは1作品、アートコミュニケータの小松一世さんによる、子供とのコミュニケーション方法を見せてもらった後、各家族で実践へ。


こちらの作品はストーリー性があり、親の問いかけに興味を持って応えてくれた子どもたち。


楽しそうなおもちゃを見つけてしまった次男。こうなると問いかけは通用しませんw
同い年のお友達と夢中になって遊んでしまいました^ ^;

絵本づくり

ミュージアム体験の後は、場所を移動して絵本づくり!
撮影した写真を印刷してもらい、用意された台紙にペタペタ貼っていきます。
そしてテキストのスペースには思い出を記入します。



あっという間に素敵な絵本の完成です!

最後はみんなで制作発表!
体験から制作まで大充実な内容のイベントで、子供たちも大満足でした。

終わりに

東京には、大小さまざまなミュージアムが無数にあります。
いろんな作品に触れ合うことで感性が磨かれて、想像力が豊かになります。
ですが、じっとしていられない子供にじっとしている作品を見て楽しませることは容易ではありません。
そんな中、本当にタイミングよく出会ったのが今回のイベントです。
とても有意義な学びを得られたと共に、森川さんのように、パパが主体となってこのような活動をされていることに感動を覚えました。
パパが積極的に育児に携わっていくことは、私たちジェンダーイコールの目指すところでもあります。
このような活動は、どんどん広めていきたいと思いました。
機会があれば、ぜひ森川さんたちとのコラボイベントも開催させていただきたいです。

森川さん、小松さん、貴重な体験をありがとうございました!