- 田渕恵梨子
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Twitterを通じて、学生団体から私たちの活動について問合せがありました。
彼女たちは「HCAP東京大学運営委員会」のメンバー。
HCAP(=Harvard College in Asia Program)とは、ハーバード大学に本部を置く学生主体のプログラム。
毎年、アジアの大学から8校程度が選考され、ハーバード大学との短期交換留学プログラムを開催しているそうです。2月に東京で予定している学生会議の企画において、ジェンダー問題をテーマにする案が出ているとのこと。
そこで、私たちに日本の実社会でのジェンダーにまつわる諸問題についてヒアリングしたいという相談でした。私たちはもちろん快諾。
学生、それも「東大」という優秀な学生たちがジェンダー問題に興味を持ってくれている。
なんてすばらしいことでしょう。すぐに面談日程を調整してお会いすることになりました。
事前準備
事前に3つの質問をいただきました。
- 現在の日本におけるジェンダーギャップの状況や変化について
- 今後実施を予定している啓蒙活動について
- 当NPOの男性の視点の取り入れ方について
メンバー間で集まってレポートにまとめた上で当日を迎えました。
いよいよ当日
休日のお昼時、東大生3名と当NPOメンバー4名とのディスカッションが始まりました。
企画立案者の村上さんは女性でしたが、あとの2名は男性。
若い頃からジェンダー問題に感心を持つ男性が増えれば、日本の将来も明るいですね。
希望の光が差し込みました。
私たちは、用意していたレポートを手渡し、順を追って説明を始めました。
このレポートは、私たちの考えがまとまっていますので、当NPOについて知っていただくのにちょうど良い内容になっていると思います。
せっかくの機会ですので公開させていただきますね。
1.現在の日本におけるジェンダーギャップについて。
学生からもらっていたこの質問に対して、私たちは4つの問題を共有しました。
①女性の就業率、キャリア志向は増加傾向にあるが、産後のキャリア維持が非常に難しい。
②男性の家事育児意識が非常に低い。
③男性側が育児経験に伴う付加価値を認識できていない。
④政府が提唱している「女性活躍」の真相。
1−①女性の就業率、キャリア志向は増加傾向にあるが、産後のキャリア維持が非常に難しい。
私たちは日本のジェンダーギャップが解消されない大きな原因として、
「男女共に「男は仕事、女は家庭」という固定観念から脱却できていない。」
という大前提の問題があると考えています。
このことからさまざまな悪循環スパイラルを生み出しています。
例を挙げると次のようなイメージです。
夫の家事育児協力が不十分。
↓
出産を機に夫の家事育児協力に期待が持てない女性が仕事復帰と同時にのしかかる家事育児との両立に不安を感じて第1線に戻ることを諦める。
↓
本人の希望または会社からの辞令による時短勤務やマミートラック(*)への移動。
(*)マミートラック・・・仕事と子育ての両立はできるものの、昇進・昇格とは縁遠いキャリアコースのこと(コトバンクより)
↓
夫とのキャリア差がどんどん広がる。
↓
能力はあるのにどんどん自信を無くしてしまう。(もったいない!)
その他にも、
- キャリアアップの重要な時期と出産の時期が共に30代である
- 家事育児に専念したい男性を許容しない日本社会
など、女性の産後のキャリア維持を阻害する要因はたくさんありますが、
まずは日本人の大多数の根底にある、伝統的な固定観念から解放されることが重要だと考えています。
今日はここまで!
次回は「②男性の家事育児意識が非常に低い」について。
また時間を作って続きを書きます。