東大生たちとのディスカッションその②「男性の家事育児意識が非常に低い」問題について


田渕恵梨子
Twitterがきっかけで実現した「HCAP東京大学運営委員会」のメンバーと当NPOメンバー4名とのディスカッション。
前回からの続きで、今回は「②男性の家事育児意識が非常に低い」について彼女たちに伝えた私たちの考えを書き記したいと思います。
ディスカッションというよりも私たちの意見を述べているだけ・・・という点についてはご容赦ください^^;

〜おさらい〜現在の日本におけるジェンダーギャップについて。

私たちは学生に対して、下記4つの問題を共有しました。

①女性の就業率、キャリア志向は増加傾向にあるが、産後のキャリア維持が非常に難しい。
②男性の家事育児意識が非常に低い。
③男性側が育児経験に伴う付加価値を認識できていない。
④政府が提唱している「女性活躍」の真相。

前回は、「①女性の就業率、キャリア志向は増加傾向にあるが、産後のキャリア維持が非常に難しい。」について述べました。
今回は「②男性の家事育児意識が非常に低い。」についてです。
当団体が日本男性の家事育児意識が低い原因の1つとして推測していることを述べたいと思います。

子育て中の女性は「稼ぐ能力」への自信を持てない!?

子育て中の女性は「稼ぐ能力」に対して配偶者よりも劣等感を持ってしまい、家事育児を抱え込んでしまっている人が多いのではないでしょうか?

ここで注意すべき点は、上記の対象が「子育て中の女性」という点です。

日本において、子育て世帯における家事育児の分担割合が母親に偏っているということはみなさんご存知のことと思います。
これは、例え母親が父親と同様にフルタイム勤務をしていたとしてもあまり変わらないのです。
配偶者よりも家事育児の負担を多く抱えながら、同等に稼ごうと思っていてもなかなか容易ではありません。
出産前は第一線でバリバリ働いてきた女性が、出産を機に初めてこのような男女の不平等に気づくパターンは多いのです。

女性が家事育児を自分で抱え込んでしまう理由

なぜ女性は家事育児に対して配偶者に多くの負担を求めず、自分で抱え込んでしまうのでしょうか?

それは、伝統的性役割の価値観について、両親の教育、学校教育、そしてマスメディアの影響によって、「母親が家事育児のメインを担うことは当然である」という固定観念を刷り込まれているからだと思います。

そうして家事育児も仕事も全て自分で抱え込もうとした結果、「稼ぐ能力」に対する自信が薄らいでしまうのです。

母親がこの意識のを持ったまま、夫婦で下記いずれかの選択をするとします。

  1. 夫婦平等にキャリアアップを狙うのか?
  2. 夫婦どちらかキャリアップの資質のある側にキャリアを優先させるのか?

この場合、稼ぐ能力に自信のない母親と大黒柱思想を持っている父親(これも固定観念の呪縛)の利害関係が一致して母親が「降りる」ケースが多いのではないでしょうか?その結果、男性の家事育児意識は当然低くなります。

男性の家事育児意識が低い理由

男性の家事育児意識が低いのは、男性のせいでも女性のせいでもありません。時代錯誤な固定観念にこだわり続けて、未だに刷新できていない日本の社会構造に問題があるのです。

まずは私たちの意識改革から

この社会構造改革のゴールは男性が大多数を占める政治・経済・社会のトップの男女比率を対等にもっていくことだと考えていますが、これを実現するにはボトムアップによる意識改革が必要不可欠です。まず私たちの意識が変わらなければ社会は変わらないのです。
まずは、女性は勇気をもって家事育児のタスクを配偶者や家族にシェアして自分の負担を減らし、自分の社会的地位を向上させてみましょう。
そして、男性は家事育児と仕事の両立はこれからの社会に必要不可欠であることを認識して、勇気を持って「妻の家事育児負担を減らして妻の社会的地位を向上させる」作戦に取り組んでみましょう。それはご自身の社会的地位の向上にもつながるはずです。

1人1人の意識が変わることで社会は変わるのです。勇気と覚悟をもって負のスパイラルを断ち切ることが、未来の日本の存続を守ることにつながるのです。

今日はここまで!

次回は「③男性側が育児経験に伴う付加価値を認識できていない。」について。
また時間を作って続きを書きます。

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