- 篠原くるみ
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こんにちは!ジェンダーイコール篠原くるみです。先日の里親セミナーに引き続き、3月25日に開催されたRainbow Tokyo 北区さんのセミナー 「みんなが輝く北区を目指して!多様性について考えよう ーRainbow Tokyo 北区のこれまでとこれからー 」。今回はわたしが参加させていただきました。
Rainbow Tokyo 北区 椿克美さんの進行のもと、代表の時枝穂さんから今年度の活動報告、そして、協力事業としてLGBTを題材にしたドキュメンタリー映画を制作された渡辺監督のお話を聞いてまいりました。
Rainbow Tokyo 北区 活動報告
Rainbow Tokyo 北区 は、2017年3月に発足したダイバーシティ&インクルージョン社会の実現に向けて活動を行う団体です。
みなさんは、「アライ」という言葉をご存知ですか?
アライとは、LGBT理解者のことです。(英語で「同盟、支援」を意味するallyが語源。わたしは今回初めて知りました..!)
渋谷区男女平等・ダイバーシティセンター アイリス 制作のパンフレット「LGBT基礎知識ガイド 誰もが誰ものアライになれる」によると、性のあり方は、以下4つのかけあわせなのだそうです。
- 体の性(単純に男女二分にはできない)
- 心の性(性自認。自分をどんな性別だと思うか)
- 好きになる性(性的指向)
- 表現する性(服装やしぐさなど)
LGBTもそうでない人も含むすべての人が、これらの要素から構成される「性」を持っています。
今回のセミナーには、LGBT当事者の方もそうでない方も参加されていました。当事者でない方の声としては、LGBTの方はいじめや争いごとに巻き込まれるリスクが高く、そんな現状に問題意識を持っているというものでした。
さて、Rainbow Tokyo 北区さんの活動報告。
とにかく活動のスピードが半端じゃない!代表の時枝さんをはじめ、メンバーの皆さんは他にお仕事を持っておられる方々なのですが、活動報告ではこれでもかと一年間やられてきた事業をご紹介されていて、圧倒されました..!
スタートからおよそ一年で、ここまでの活動をやれるのは本当にすごいと感じました。
特に、Rainbow Tokyo 北区のスピード感を支えていると感じたのは以下の3点です。
- 有識者へのアプローチと巻き込み
- 社会の動きやニュースにしっかりアンテナを張り、関連したイベントを企画し実現する
- 多種多様な団体とのコラボレーション
多様性社会の実現に向け先進的な施策を打ち出す自治体(渋谷区、世田谷区、豊島区、千葉市)とのコンタクト、北区長への協力依頼
働き方、社会的養育、里親制度等に関するイベント開催
北区創業支援施設「ネスト赤羽」、NPO法人OVA 、ライフネット生命 など
代表の時枝さんとは最近になり知り合ったのですが、私たちジェンダーイコールとも一緒に何か事業をしようという話が具体化している最中です。
Rainbow Tokyo 北区 さんのさらなる活躍で、これからの社会がどう変わっていくのかがとても楽しみです。
セクシュアル・マイノリティの性と愛に迫る「性別が、ない!インターセックス漫画家」
渡辺正悟監督は、長くNHKや民放テレビ局でドキュメンタリー制作に携わってこられた方です。
メディアのあり方が時代とともに変遷する中で、テレビ以外の映像制作に取り組もうとしたとき、LGBTを題材にしようと考えたそうです。
LGBT当事者の方は何を考えているのか?当事者に寄り添い、映像に残したいと考えるようになったそうです。
「わたしたちは、多様性を受け入れることが本当にできるのだろうか?現実問題として、できていないのではないか?」という問い。
映画の主人公の新井祥さんは漫画家です。エッセイコミックという形でLGBTのことをユーモアを交えて描写しているけれども、本人が実際に経験したことを描いている。そして、表現者として一般の若者とつながりを持っている。
このことに関心を持った渡辺監督から、新井さんにオファーをしたそうです。
映画を公開するにはお金がかかります。社会的に関心の高いテーマであるはずだからと、複数の公的機関やたくさんの企業に協賛のオファーをかけたそうですが、「時期尚早」などど言われ、なんと全てに断られてしまったそうです。
現在クラウドファンディングにより資金調達をされています。わたしは、このイベントの前に時枝さんから紹介を受けて興味を持ち、すでに支援をしていました。ですが、今回渡辺監督のお話を聞いて、ぜひ子供にも映画を見てもらいたいと思い追加で支援をさせていただきました。
いわゆるセクシャルマイノリティとひとことで言っても、世の中にはほんとうにたくさんの「性」があります(グラデーションというそうです!)。
頭では「差別感情はない」と思っているつもりですが、本当に当事者の方の立場に立てるか?気持ちを理解しているか?というと自身を持ってイエスとは決して言えないなと思います。
セクシュアル・マイノリティの存在をどう私たちが受け止めてきたか? 自分とは別の人間。あるいは関わりたくない人たちという通念が、その存在をいつも見えない、見ない存在にしてきたように思います。
クラウドファンディングのページにある、この渡辺監督のコメントがわたし自身を含む多くの方に当てはまる感情なのではないでしょうか。
「自分とは別の人間」と蓋をしてしまうことで、出会えるはずだった人との関わりを絶ってしまうことは単純にもったいないなと感じます。わたしは、この映画を見て何を感じるでしょうか。それから、子供も。
クラウドファンディングはこちらのページから。3000円の支援から映画のチケットが付いてきます。4/25まで。