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・子どもがおもちゃを片付けずに口癖のように「片付けなさい」と言っている。
・片付けが苦手。
・パートナーとの家事分担内容に不満を持っている。
・彼氏彼女との同棲を考えている。
・同棲を経ずに結婚を考えている。
・こまかいタスクをパートナーに伝えずについつい自分でやってしまう。

◆講座の特徴

[ミニマム収納] ①捨てるモノ探しから脱却する。
②本当に必要なモノを選び取るスキルを身につける。
③感情と事実を分ける「区別」を学ぶ。

[ミニマム家事] ①家事タスクを可視化する。
②家事バランスを見直す。
③自分の常識やこだわりから脱却する。

◆参加するとこんなこと変化があります

①捨てるモノ探しから脱却いできる。
②無駄な買い物が減る。
③家事へのこだわりが軽減する。
④家族に優しくなれる。
⑤時間的・経済的・精神的に余裕が生まれる。

◆講師紹介

寺尾 江里子
Tide a Room room organizer
ミニマム収納で思い込みを手放すお片づけ!「ミニマム収納」を考案し、
捨てるモノ探しからの脱却」「本当に必要なモノ」だけを選び取る整理収納術「ミニマム収納術」を提唱している。
https://tidearoom.com/

田渕 恵梨子
NPO法人ジェンダーイコール理事長
東京都北区赤羽在住。
仕事と育児の両立をきっかけに、日本のジェンダーギャップに危機感を覚える。
「固定観念にとらわれずにキャリア形成と育児をあたりまえのように両立できる社会をつくりたい。」
その強い思いから仲間と共に NPO 法人ジェンダーイコールを 2017年8月に設立。
性別に関わらずチャレンジできる社会の実現を目指し、活動している。

◆イベント内容

■日時:2020年1月5日(日)14:00~16:00(開場13:45)
■場所:スペースゆう(北区男女共同参画活動拠点施設)(北とぴあ5階)
■住所:東京都北区王子1-11-1 北とぴあ5階
■アクセス:JR京浜東北線「王子」駅北口徒歩2分、東京メトロ南北線「王子」駅5番出口より直結
■主催:NPO法人ジェンダーイコール
■後援:東京都北区地域振興課「令和元年度北区地域づくり応援団事業」
■講師:寺尾江里子(整理収納アドバイザー)、NPO法人ジェンダーイコール理事長 田渕 恵梨子ほか
■定員:30名(申込順)
■対象:不問(お1人でも複数人でもOK!)
■参加費:無料
■申し込み方法:Peatixよりお申し込み、もしくは「お名前」、「メールアドレス」、「電話番号」を明記の上、 Eメールで1月4日(必着)まで
■問い合わせ先:NPO法人ジェンダーイコール
E-mail info@gender-equal.com
HP https://gender-equal.com/

◆キャンセルポリシー

※手配の関係上、キャンセルの場合は必ず事前にご連絡をお願いいたします。
ご連絡なく無断キャンセルの場合、
次回以降のイベント・セミナーなどへのご参加をお断りする場合がございます。

【イベントレポート】…

ジェンダーイコールの新メンバーとなりました、浜崎佳奈(社会人一年目)、松本璃奈(大学生)、原一生(大学生)です。

今回は、11月3日に北とぴあ5階のスペースゆうで開催されたジェンダーイコールのイベントレポートをお伝えします。

第1部 ジェンダーバイアスについて考えよう(浜崎)

第1部では「ジェンダーバイアスとは何か」について考えるために、イラストクイズを用いて身近にある性的偏見について理解を深めていきました。

「ジェンダー」とはそもそも、生物学的性差の上に文化や社会的概念によって付け加えられた性差のことです。 「女の子だからピンクの物が好きだろう」「結婚したら奥さんが家事してくれるね」「旦那はATM」、、などなど、よく聞く言葉の中にはジェンダーバイアスでアウトになる言葉が実は沢山溢れています。

イベントではクイズ形式でそういった身近なバイアスついて指摘し合いました。クイズの一つに、働く人のイラストとして男性の医師、男性のパイロット、男性の消防士が女性の看護師、CAと対になって描かれているものがありました。そのイラストを見た時はすぐに「ジェンダーバイアスだ!おかしい!」と思ったのですが、実際自分が小中学生の時に見た教科書でもこう描かれていたことを思い出し、意識すればジェンダーバイアスのあるものはかなり沢山存在するのだと感じました。

イベント後にジェンダーバイアスのある広告や文章、言葉がないかを意識して生活してみると、日常生活でもかなりバイアスについて気付くことが多くなりました。 スーパーで買い物をしていても、「主婦の方へ 今晩のおかずに是非」というPOPがあり、ご飯を作るのを母親の役割として認識している社会概念を実感しました。また電車内広告でも、ツッコミを入れたくなるものをいくつか見かけました。

ジェンダーバイアスについて知り、それを意識して社会をみるとおかしいなと思うことは沢山あるのに、巷に偏見的発言/創作物が溢れているのは幼児期からの教育によってそれを偏見だと思わない環境ができてしまっているからだと感じました。 同時に、今後の私たちの団体の役割として、どういった発言や考えが偏見に捉われているのかを発信し、多くの人にジェンダーバイアスを意識させることが大切だと感じました。

第2部 日本の常識は世界の非常識!?外国人ゲストから“ジェンダー平等”について学ぼう(松本)

第2部では、外国人のゲストとジェンダーイコールの代表3人が日本と海外のジェンダーギャップに対する考え方の違いについて、それぞれの貴重な経験を踏まえながらの「トークショー」がありました。そこでは様々な興味深いお話を聞くことができました。 今回はその中で私が印象に残った3つのテーマについて、紹介したいと思います。

1. アイスランドにはレディーファーストがない!?

アイスランドにはそもそもレディーファーストの文化がなく、逆に女性が男性にレディーファーストされることで「自分でできる」と怒る人もいるそうです。

その一方、アメリカやオーストラリアではレディーファーストの文化があります。レディーファーストはジェンダーギャップをなくすことにおいて、ネガティブな捉え方をする場合もありますが、その行動自体は悪いものではないので問題ないのでは、と言う意見も。

私は、女性だから男性だからで分けるのではなく、それぞれが譲り合いの心、すなわちエブリワンファーストの気持ちを持つ人が1人でも増えたらいいなと思います。

2. 日本人はルールに囚われすぎ

日本人は協調性があるというポジティブな特徴もあれば、それと同時に同調性も強いことから、意見を求められても周りの空気に合わせてしまい、自分の意見を発信できる人が少ないというネガティブな一面もあります。アイスランドのゲストは日本人との関わり合いの中でこのように感じることが多いそうです。

質問コーナーの中で、日本人が権利主張を行う文化を作り出すために必要なことは?という質問に対して、ゲストは「幼いころから発言することに躊躇しない教育カリキュラムに取り組むことが必要なのでは」と提案していました。 どれだけ価値のある意見を持っていても周りに発信しなければ意味がありません。

しかし、これは意見を発信する側だけでなく、積極的に発言できるような周りの環境作りも重要です。 意見を交わす中で日本人の素晴らしい特徴の一つである協調性を生かし、相手の意見を尊重できる、発言しやすい環境作りにも、同じく力を入れて欲しいと思いました。

3. 東京医大問題についてどう思うか?

この問題については、3人のゲストが口を揃えて、不条理であると主張しました。 アメリカのゲストは、「日本だからアメリカだからではなく、人が努力したことに対してこのような問題が起こることがそもそもおかしい。また実際のところ、かつてはハーバード大学でさえ、同等の差別を行っていた」と話していました。

女性は体力が男性よりも劣っていることや家庭の理由で途中でやめてしまうだろう、と考えられていることで、努力したのに報われないこの社会に希望が持てる若者はどこにもいないと思います。 しかし、多くの若者はこの事実すら知りません。まずは社会の現状に興味を持ち、問題であると発信していくことが、ジェンダーギャップをなくしていくうえでやはり重要なのではと感じました。

第2部を通して感じたことは、まずそもそもジェンダーへの問題意識が日本は世界に比べて低いということです。 今回トークショーで出た話題は、普段私たちが当たり前だと思っていることが多く、ジェンダーの問題として捉えられていないことが多かったように思います。 私もこのイベントを機に、ジェンダーの問題について、今よりも深く考えていきたいと感じ、また多くの人にこの現状を知ってもらいたいと思いました。

まとめ(原)

「今の若者が社会に出た時、同じ思いをしてほしくない」 そういった経緯から企画された本イベント。 進学や職業選択の段階からジェンダーバイアスがかかっている実態を知り、日本の学生は意外と生きづらい環境にいるということを思い知らされました。

私自身このイベントを終えた後、テレビをふと見ていた時 、ある芸能人の夫が、娘にどんな習い事をさせればいいのかという話の中で

「柔術と哲学さえ学ばせれば、この世は生きていける」

と言ったのに対して、妻が

「そんな娘、将来絶対にモテないじゃないですか」

と発言していたのをみて、何かひっかかりを感じてしまいました。

もしこのイベントに参加していなかったら、この発言には何も違和感を持たなかったと思います。

だからこそ、これから社会に出る若者一人一人が 「そもそも社会にはジェンダーギャップが存在していることを知り、おかしいと思ったら誰かと話し合ってみたり、発信してみたりする」 そういった姿勢をもつことが大切なのではないでしょうか。

アメリカ、ニュージーランドそしてアイスランドのジェンダーに関する取り組みと比較してみて、日本のジェンダー格差がどれだか深刻なのか、思い知らされた1日になりました。

中学生から大人の方までたくさんの方に参加していただき楽しい1日となりました。 ゲストの皆様、スペースゆうの皆様、そして参加者の皆様、本当にありがとうございました!

「女性活躍」はキモチ…

えりこ
異なる業種、性別、国籍、コミュニティの人々が「マッシュアップ」することで、新しいネットワーク、新しい一歩、新しいビジネスを創出できる化学反応を促すカンファレンス「MASHING UP」。
東大2019年度入学生の祝辞で話題になった上野千鶴子さんがゲストスピーカーのセッションを聴講してきました。

「女性活躍」はキモチワルイ? – 新しい言葉をみつけよう

このセッションタイトル。私自身も普段から周囲に「女性活躍」という言葉が嫌いだと伝えています。
行政や企業が叫ぶこのワードの裏に、女性には仕事も家事も育児もがんばってもらいたいという裏メッセージが見え隠れするからです。
さて、上野さんは当セッションでどのような発言をされるのでしょうか。

「ダイバーシティ」は男女均等を口にしたくないオッサンが広めた!?

「男女均等」と「ダイバーシティ(多様性)」は基本的に違う。それなのに「男女均等」や「男女平等」という言葉を口にしたくないオッサンたちがダイバーシティという言葉でごまかそうとしている。上野さんはそう断言されました。
内閣府男女共同参画局の用語集にある「ダイバーシティ」の説明文には、

性別や国籍、年齢などに関わりなく、多様な個性が力を発揮し、共存できる社会のことをダイバーシティ社会といいます。

とあります。
確かに「多様性」という言葉は聞こえが良いですが視点が男女から逸らされます。視野を広げて男女平等の濃度を薄めているように見えますね。

男女雇用機会均等法は「テーラーメイド」

上野さんの仲間の研究者である大沢真理さんは、均等法を「テーラーメイドの法律」と呼んだそうです。テーラーメイドとは「紳士服仕立て」の事。自分の身の丈に合わない紳士服を着て男と同じように振る舞うしか企業では生き延びていけないという意味です。上手い表現ですね。
当セッションのモデレーターであるビジネスインサイダージャパン編集長の浜田敬子さんは、自分自身がそのように生きてきたことを反省していると仰っていました。
そしてもう1人のゲストスピーカーである若手代表の石井リナさんは「今の世代も同じような価値観が再生産されている。自分が勤めていた会社は男性化した女性しか上におらず、同じような働き方をしなければいけないというマインドがある」と話しました。

「男性化した女性」って何?

ここで、私の意見を言わせてください。
「男性化した女性」って何でしょうか?
仮に「男性化した女性」というロールモデルがあったとしても、ただの選択肢の一つです。
現代社会では本当に多種多様な仕事や働き方の選択肢があります。選択肢が一つしかないと思うのであれば、それは「社員病」です。会社というものは、その箱の視点でしか物事が見えづらい環境になるものです。自分の視点が狭いことを棚上げして、自分に合わないロールモデルを指差し、「働く女性とはこういうものだ」と決めつけて諦めるようでは、そもそもその人の成長は見込めないでしょう。
今の日本女性に足りない部分は、「自分自身で新しいロールモデルを作り出す」という強いリーダーシップです。昔の時代とは訳が違います。手段はいくらでもあるはずです。

ゲストスピーカーの秋田さんはこう続けました。

「飲み」と「タバコ」と「ゴルフ」。男性の助け合いの場であるこれら輪の中では、重要な情報交換の場になっている。この輪の中に入れない女性は疎外されてしまう。その積み重ねが女性のハンデになってしまう。

果たしてそうなのでしょうか?
そもそも、「飲み」、「タバコ」、「ゴルフ」は男性で得意な人が多い傾向にあるコミュニケーションなだけです。女性だってこの選択肢を選べるし、嫌であれば他の選択肢を作れば良い。今はそれができる世の中です。
「誰とつきあうか」を意識し、「信頼関係を構築」すれば、仲間同士であれば、重要な情報は共有されると思っています。それができないような相手は、そもそも仲間ではなく、あなたの価値に気づかないようなレベルの人です。
クライアントとのコミュニケーションであれば、確かに「飲み」の手段は有効です。私もよく会食には参加するのでよく分かります。
私はタバコを吸いませんし、ゴルフもやりませんが、やればそれなりに世界が広がるんでしょう。
でも、それ以外のコミュニケーション方法だっていくらでもあると思うのです。

今、ここにいる人たちは日本を変えたい人たちです。ですが、変える力のない人たちです。

以前、カルビー松本会長が放たれた言葉だそうです。誰に向けた言葉かはわかりませんが、今あなたは「女性に向けた言葉」として思い浮かべませんでしたか?
これがジェンダーバイアスです。そして恐らく女性に向けた言葉なのでしょう。
松本会長がおっしゃるとおり、変える力が無ければ日本は変わりません。
日本は圧倒的に女性のリーダーが不足しているのです。

強制力を持たない「クオーター制」で社会が変わった例はない

浜田さん:以前政府は、女性管理職の目標数を挙げていたが、いつの間にか引っ込んでしまった。これはどういうことか?

上野さん:引っ込んだんじゃない。経営者団体に引っ込めさせられた。自民党は先の参院選で、2018年に施行された候補者男女均等法を全く守る気がなかった。立憲民主党45%に対して、自民党は15.7%。やる気がない。
はっきりわかっているのは、強制力を持たない「クオーター制」で社会が変わった例はないということ。
今私たちが知っているジェンダー先進国と呼ばれるフィンランドや北欧諸国を見たら、「強制力を伴うクオーター制なしで変化した社会はない」。
故に強制力を持って数を増やすことは絶対に必要だと思っている。

若い女性自身が今の男性社会に過剰適応してしまっている。

浜田さん:私自身も過渡期には数が必要だと思っているが、それを言うと周りの女性から「それは上げ底ではないですか?」という意見が出てくる。若い人の自信のなさが印象的。男はさんざん上げ底されてきたんだから、女性がちょっと上げ底されて何が問題なのか。

石井さん:知人の女性経営者が「そういう風に数で決めてしまうことで、スキルの無い女性が上に立つことも私は不服」と言っているのを聞いてショックだった。女性自身が男性社会に適応してしまっている。

上野さん:おっしゃるとおり日本社会はこれまでさんざん男性が上げ底されてきた。女性が少し位上げ底されて何が問題なのか。今の企業は無能な男を守る組織。企業は無能な男の不良債権をいっぱい抱えているんだから、少々無能な女性の不良債権を抱えても良いではないか。

浜田さん:女性は若くても過剰適応してしまっている。管理職になった女性たちもその不安を抱えている。研修で「絶対自分より仕事ができないと思っている同期の男性が先に課長になってしまったらどう思う?」と具体的に言うと初めて顔色が変わる。
漠然と考えてるから「私はもしかしたら能力がないのかも」と思ってしまうんだと思う。いかに男性が自然に管理職になってきたのか、女性の置かれている立場がいかに差別されているのか、もっと具体的に知る必要がある。

「女性活躍」以外の言葉は必要か?

浜田さん:例えば「人材の多様化」に言葉を置き換えることで問題は解決するのか?

石井さん:逆にふわっとしてしまって、女性の本質的なところは解決しない気がする。

秋田さん:Adobe社はかなり「人材の多様化」寄りになっている。男性女性だけでなく、LGBTも人種も国籍もいろんなものを含めて、それらが1つの場所にいて影響しあう事がものすごい活力になり生産性がアップしている感覚を肌で実感している。ただ、「女性」テーマで考えると問題は少しふわっとしてしまう。問題の本質が「男女」というところに日本企業がまだまだ追いついていない事を考えると、この表現に行くにはまだ早いのかなと感じる。

上野さん:「多様化」「ダイバーシティ」ははっきり言って、「男女均等」「女性活躍」を言いたくがないためのごまかし。一番良いのはこんな言葉が無くなってしまえば良いということ。だとすれば男女均等を実現しろと言う事をきちんと言っていかなければならない。

男性の育休取得義務化

上野さん:「ダイバーシティ」と言うと、テーラーメイドスーツで働ける人にとっては何の問題もない。しかしなぜ、「男女均等」では女性が働きにくくなるかというと、「家庭責任」がのしかかってくるから。なんで24時間も放っておいたら死んでしまうような赤ん坊の事を、女性は自分の人生の最優先課題になるのに、男性はならないのかが本当に理解できない。
育休法で「男性の育休取得義務化」が法案に出てきそうだが、やったら良いと思う。

浜田さん:さっきの「数」もそうだし、ある程度の強制力が必要。

秋田さん:自分は結構出張が多いので、夫や長男が腕まくりをして下の小さい2人を育てていたりする。そういう環境下に置かれると、男だから女だからというマインドセットが全くない。ある程度の強制力をもって、男性も女性と同じように家事や育児、あるいは介護の実践を実際にしてみる。そこに入っていくことによって、目指すべきものが見えてくると思う。

上野さん:そういう環境だとパパと子どもたちの関係が良くなると思う。そうでない環境の家庭では、子どもが10代になる頃までに子どもは父親を見放している。成人したらさらに父親から離れる。家事育児に関わらないツケは将来に絶対に回ってくる。

女性たちは夫との交渉が一番苦手

浜田さん:実は私も含め、会社の女性社員たちは会社には交渉できるが夫との交渉が一番苦手。夫を変えることが一番苦手だと思っている。夫に遠慮してしまう結果、ワンオペになっている。

上野さん:なぜ?夫のいない私にとっては全く理解できない。夫を変えられなくて、会社を変えられる訳がないんじゃないの?と思う。

浜田さん:そうなんだけど、みんなすごく遠慮している。夫に頼めない結果、会社を辞めていく。育休から復帰して1年経って辞めていく女性たちに理由を聞くと、「夫が長時間労働で、これ以上夫には(家事育児)を頼めない」と言う。夫に「転職して」とか「早く帰ってきて」というのではなく、自分のキャリアを譲ってしまう。

石井さん:自分の周りにもそういう女性が非常に多い。

上野さん:うちの卒業した元東大女子たちは、夫と交渉せずに諦めた結果、不平不満がなくなっている訳ではない。ここにこんなにどす黒く溜まっている。そして「もういいんです。私たち終わっているから。もう期待していないから」という。だから私は「そんな終わった男とこれからもセックスするの?」と聞く。

オススメは「家事育児の見える化」

秋田さん:外の仕事をこれでもかとやって帰ってきて、家に帰ってきても山のように家事育児のタスクがある。週末もある。これは、寝っころなりながら、ビールを飲みながら、テレビを観ながらだと見えない。悪意がある訳ではなく、実際に分かっていない。だとしたら、「あなた方(夫や子ども)が寝っころなりながら、ビールを飲みながらやっている間にこれだけのタスクが溜まっているんです。これを私がやっているんです」と見える化する。すると結構相手に衝撃を与えられる。
そして、「これを全部私1人で維持するには限界があります。一部アウトソースするのか、一部あなた方に担ってもらえないと持続できない。だからあなた方に担ってもらえませんか?」と公平な形にしていく。実際に自分はものすごく細かく見える化している。

上野さん:そこまでやらないと男は分からない位鈍感なの?(爆笑)

最後に

(聴講者からの「私の世代は男女含めて管理職に魅力を感じないんだがどうすれば良いか?」という質問を受けて)
秋田さん:権限をもつと、それまでと違った地平線が見えるようになる。何かやりたいことがある時に、管理職になることによって、誰にどうもっていけば通せるかもしれないという物が見えるようになってくる。それが大変だったとしても、やり遂げられた時に「テイクして良かった」と思える。自分で考えたことが、自分のチームで形にできていくことに楽しいと思える喜びの瞬間は絶対にある。面倒くさいこともあるが、そこにたどり着いてみないと見えない地平線が必ずある。だから男性であれ女性であれ、若い方がチャレンジすることを願っている。

石井さん:上の立場になると、そのレイヤーの人と対等に話ができるようになる。会えるようになる。交渉しやすくなるということを明確に感じる。そこはすごくメリットかなと感じる。

上野さん:みんな、権力の密の味を味わったことがないのねと思う。権力は善用にも悪用にもできる。私はこれでいいわとまとまってしまったら、それ以上の成長はない。やっぱり仕事を通じて自分が成長できる、何事かを達成する。この喜びは何者にも代えがたい。これは一旦経験したら味をしめる。達成感とか何事かを成し遂げたというポジションを女性たちが味わっていないからそういう発言に繋がるんだと思う。

浜田さん:同世代の男性の昇進欲が下がっているならチャンスだと思ってほしい。

田渕所感

私は常日頃から日本のジェンダー平等社会の実現に「女性のリーダーを増やすこと」が一番重要であると考えています。
カルビーの会長が仰るように、意思決定権を持たないと社会は変えられないのです。意思決定権のトップは政治です。その政治分野のジェンダーギャップ指数(2018年)のスコアは0.081でした。この指数は「1」が完全平等で「0」が完全不平等を表しますので、0.081はほぼ「完全不平等」という結果を示しています。要は日本の政治において、意思決定権はほぼ男性しか持っていないということです。これを覆すには、まず男性と対等に戦う女性のリーダーを増やすことが最重要課題だと考えます。女性に高下駄を履かせてももちろん良いと思いますが、幼少期からのジェンダー平等教育、リーダーシップ教育も並行して進めていくことが重要です。性別に関係なく、何でもチャンレンジできるという事を伝えて、自己肯定感を持ち、本質を見極める力を育むことが最も大切だと思うのです。

そして、それだけでは足りません。男性が当たり前に家事育児を担う社会を同時に作り上げる必要があります。これができて、初めて女性リーダーが増えるのです。

秋田さんの仰っていた「家事育児の見える化」は我々NPO法人ジェンダーイコールが開発した家事育児分担可視化ツール「ハッピーシェアボード」の必要性を改めて感じることができ、うれしく思いました。ちょうど来月12月8日(日)に北区男女共同参画活動拠点施設「スペースゆう」(王子駅直結北とぴあ5F)にて、「ハッピーシェアボードで「名もなき家事」をシェアしよう!」を開催します。近々イベントの告知ページを公開しますので、興味のある方はぜひ家族でご参加ください。

はじめて、ナマ上野千鶴子さんの講演を聴講することができ、光栄でした。
ありがとうございました!!!

【イベント開催・無料…

ジェンダー平等について外国人ゲストと話してみよう!
詳細・お申し込みはコチラ→ https://genderlab3.peatix.com/

日本では当たり前でも海外では非常識なことをご存知ですか?

  • アイスランドにはレディーファーストが存在しないってホント!?
  • 東京医大問題について外国人はどう思っている?
  • ニューヨークでは女性専用車両が非常識ってホント!?
  • カリフォルニアの行き過ぎたジェンダーフリー主義って何?
  • 日本の小学生にとっては当たり前の「ランドセル」。海外ではどうなの?

性別・人種・障害・年齢に関係なく、すべての人々が自分の能力を活かしていきいきと働ける社会。
そこにはたくさんのワクワクが待っています。
1人1人が「女だからこう」とか「男だからこう」といった古い価値観を捨て、
あらゆる人がやりたいことにチャレンジできる社会。
個々の選択をみんなで応援できるようになれば、素晴らしい世界になるはずです。

今回は4名の外国人ゲストを招いて、日本ではあたりまえの常識が海外では全く違う事例を紹介します。
そして、性別・人種・障害の有無・年齢などに関係なく、すべての人々が自分の能力を活かせてイキイキと生きる社会に必要な価値観について学びます。

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イベント内容
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■日程:2019年11月3日(祝日)
■時間:14:00〜16:00(開場13:45)
■場所:スペースゆう(北区男女共同参画活動拠点施設)(北とぴあ5階)
■住所:東京都北区王子1-11-1 北とぴあ5階
■アクセス:JR京浜東北線「王子」駅北口徒歩2分、東京メトロ南北線「王子」駅5番出口より直結
■主催:スペースゆう(北区男女共同参画活動拠点施設)
■企画・運営:NPO法人ジェンダーイコール
■講師:NPO法人ジェンダーイコール理事長 田渕 恵梨子氏
■ゲスト:
 ニック ノートン氏(アメリカ人)
 ヘイミスドッティル テルマ ルン氏(アイスランド人)
 グレゴリー スネルガー氏(ニュージーランド人)
 デイドラ ジッケム トウフォン氏(アメリカ人)
 ※予告なしに変更になる場合があります。
■定員:40名(申込順)
■対象:中学生以上の10代の方
■参加費:無料

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キャンセルポリシー
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※手配の関係上、キャンセルの場合は必ず事前にご連絡をお願いいたします。
ご連絡なく無断キャンセルの場合、
次回以降のイベント・セミナーなどへのご参加をお断りする場合がございます。
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あいちトリエンナーレ…

こちらの記事で企画発表会に参加させていただいたあいちトリエンナーレ
「表現の不自由展・その後」、ネットニュースで見ない日はほぼなかったですね、、
再開されるタイミングを待っていました。


この床の飛行機のペイントも作品です!

先に言っておくと「不自由展」は当選せず見ることができませんでした。残念!
昼頃着の日帰りだったので豊田市の会場には行けなかったのですが、他の3区域の作品はほぼ見て回ることができました。
津田監督も企画発表会で「ユーザーファーストであることにこだわった」とおっしゃっていた通り、どの作品にもわかりやすい背景解説が書かれていて、アーティストがどんな気持ちで何を伝えたくて作品を生み出したのか頭に入れながら鑑賞できます。

現代アートってなんだか難しそうでちゃんと観たことがなかったのですが…
どんな作品も誰かが何かを伝えたかったり、問題提起したかったり、知って欲しかったり。その表現方法の1つとしてアートを選んでいるんですよね。

本当にどの作品も素晴らしくて、1つ1つ心に残っていますが、そのうちのいくつかを紹介します。

孤独のボキャブラリー/ウーゴ・ロンディノーネ


キービジュアルにも使われているピエロの展示。
人間が1日のなかで行うふるまいを45体のピエロで表現しています。
フォルムが本当の人間のようなんですよね〜 展示室に入ったときアルバイトの人かと思いました。

一体一体がちょっとやる気ない感じなんですよね(笑)可愛いです。

The Clothesline/モニカ・メイヤー


性差別やセクハラについて、来場者によって書かれた匿名のエピソード。
なんと40年以上前から世界各国で行われてきたプロジェクトなのだそう。
知らない誰か、でもどこかにいる誰かのリアルな体験が生々しく書かれていて、胸が痛くなります…
どんな形でも、傷ついた体験をアウトプットすることは大切だと思います。それがこうやって可視化されることで、「ジェンダー差別なんてない」と目を瞑る人が減っていくといいなと思います。

ラストワーズ/タイプトレース/dividual inc.


タイピングのプロセスをトレースできるソフトウェアによって記録された、ネットで集められた遺言がモニターで流れています。
書いて、消して、止まって、書き直して… 出来上がった文章を見るだけではわからない、執筆者の心の動きが伝わってくるようで、怖いような優しいような悲しいような複雑な気持ちになります。

1996/青木美紅


数年前に、自身が人工授精で生まれてきたと親から伝えられたアーティストが、同じく人工的に誕生したクローン羊のドリーと、障害があることを理由に不妊手術をさせられそうになった女性のルーツを巡り製作。
「人工的な生(与える/奪う)」について想いを巡らせた作品です。
一部屋を使ったインスタレーションで、南米かどこかの民族のおうちみたいな感じですごく可愛くて、ノスタルジックな感じもする不思議な空間でした。
写真がかわいく撮れませんでした…

43126/タニア・ブルゲラ


こちらも部屋全体を使ったインスタレーション。
難民の数を表すスタンプを押されて展示室に入ると、ガラスの向こうにはメンソールを充満させた空間があります。それは、社会問題を数値で見せられても何も感じない人たちを、メンソールの刺激によって強制的に泣かせるための空間(!)
すごい発想!アートってすごいなと思いました!

「輝けるこども」/弓指寛治

登校班の6人の小学生が亡くなった自動車事故をモチーフにした作品。
油絵は色使いがとても鮮やかで、生前の子供達や、授業で書いた詩や、彼らの好きだったことが文字や絵でちりばめられ、キラキラ輝いています。同時に、自動車の危険性を表現する作品もあり(怖い)、部屋を歩いていくことでストーリーをつなげていくインスタレーションです。
ちょっと感情を揺さぶられすぎて写真を撮るのを忘れました。
本当に開催地の端っこにあって… 思わずスルーするところでしたが本当に行ってよかったです。

あいちトリエンナーレとジェンダー平等

「不自由展」を見ることができなくても、十分以上に満足できるアートフェスティバルでした!
「再開しました」と多くの作品に掲示されていましたが、これはつまりほとんどの会期で見ることのできない作品が多数あったってことですよね、、本当にもったいないですね。

わたしは、傷ついたとか嫌な気持ちになったとかおかしいと思うとかの感情は、きちんと言語化したうえで、相手に伝えるなり発信するなりしたほうが絶対にいいと思っています。泣き寝入りは、ほとんどの場合その場しのぎの対応にすぎないとも思います。
なので、「不自由展」に展示された作品そのものや、モチーフや背景に不快感を感じた人が抗議をすること自体は全く問題ないと思います。
でも、脅迫はダメです、絶対。非生産的すぎます。そして過剰な業務妨害もダメです。

さて。このトリエンナーレをなぜジェンダーイコールのコラムで紹介するのか。
それは、あいちトリエンナーレの参加アーティストでジェンダー平等が達成されているからです。

これから先も、この芸術祭が話題に上がるのはほぼ「不自由展」がらみのことでしょう。「不自由展」が騒動になったとき、今回あいちトリエンナーレの取ったジェンダー平等に向けた取り組みのことがかき消されてしまった気がして残念だなと思いました。
ですが、ジェンダー平等は事実としてトリエンナーレの根幹にあります。
それが話題にならず当たり前になることが本当のゴールです。

あいちトリエンナーレの作品を見て、本当にどれも素晴らしいと思いました。特に心に残った作品のアーティストを調べてみても、ほぼ男女半々になると思います。
アファーマティブアクションによって、プロジェクトのクオリティは落ちない。それをあいちトリエンナーレでは証明しています。

残り会期ほとんどなくなってしまいましたが、あいちトリエンナーレ、ぜひ足を運んでみてください。

ウガンダのジェンダー…

こんにちは!佐々木里穂と申します。
私は2019年3月からアフリカ東部のウガンダ共和国で暮らしています。
初めてこういった形で自分の言葉を発信する機会をいただいたので張り切って書いていこうと思います!!
つたない部分もあるかとは思いますが最後までお付き合いいただければ幸いです。

~はじめに~

最初に少し私自身のことをお話させていただきます。
私は日本の大学に通うごく普通の大学生です。大学では英米文学とジェンダー研究を勉強しています。アフリカに特別思い入れがあったわけでもないですし、そもそも1年前の私は今のウガンダでの生活を想像すらしていなかったと思います。

では、なぜ普通の女の子の私がここに来ることを決めたのか。

エンテペ上空から

私はここウガンダに、ある奨学金団体の海外研修制度を利用して来ました。
ちょうど昨年のこの頃に海外研修制度のこと、ウガンダという国のことを知りました。
日本ではメディアがほとんど目を向けることがないアフリカという地域、社会がもはや目を向けることを拒んだ場所、私の知らないことがたくさん詰まった世界の話を聞くうちにだんだんと惹きつけられていきました。
特に私が興味を持ったのがHIVによって親を亡くした子供たち、自分の力では働くことができない女性たちの話でした。
私がこの問題に無関心ではいられなかったのは、大学でジェンダー研究を勉強していたことと、私が同じような境遇で育ってきたことが関係しているからだと思います。私は4歳で父を亡くしその後は母子家庭で育てられました。家事・育児そして仕事を担う母の姿を近くで見ながら、女性が生きにくい社会というのを幼い頃から肌で感じてきて、発展を遂げた日本という社会の中で取り残されていく弱者を放ってはおけないと常々から考えてきました。

自分も経済的弱者として生きてきた中で、“支援”という言葉にずっと疑問を抱いてきました。お金で支援する方法は一般的で一番簡単な方法だと思います。しかし一時の金銭的な援助では物事の根本を解決することはできません。
実際に自分が最初に抱いた興味に基づいてまずは知ること、そして何ができるかを模索することをしたいと考え、支援者という形ではなく一研修生としてこの地に来ることを決めました。

ウガンダでは女性の権利向上に向けた活動やジェンダーイクオリティーを考えるための活動を行っています。ここにきて早4カ月が経ちますが、毎日が新しい発見と学びの連続です。今回は暮らしの中に見えるジェンダーギャップについて私が感じたことをお話ししようと思います。

~ウガンダのたくましい女性たち~

現地で4カ月間生活し、ホームステイなどを経験したことで何となく生活のリズムが男女で大きく異なるなと感じました。私が特に驚いたのは女性がこなすタスクの多さです。女性は朝早くから夜遅くまでたくさんの仕事に追われています。
まずは家族のご飯を用意すること、そして子供を幼稚園に送り迎えすること、家族全員分の洗濯物を手洗いすること、家の中をきれいにすること…。
この時点で相当な仕事量をこなしています。
しかしこれらのタスクに加えてウガンダの多くの女性が家計を支えるために夕方5時くらいから夜中の12時まで夜の市場に働きに出かけます。

私はHIVによって夫を亡くしたシングルマザーの家庭でホームステイを体験しましたが、そこでもお母さんが休んでいる暇はほとんどありませんでした。帰ってくるのも深夜にもかかわらず朝は子供たちよりも早く起床し朝ご飯の準備をしていました。お母さんが出かけてしまったあと姉弟たちはみんなで協力しながら夕ご飯の支度をしたり、年上の子が小さい子の面倒を見たりしている姿が印象的でした。

ご飯の支度をする11歳の女の子

ウガンダでは現在でもHIVが大きな死因の一つとなっており、パートナーを亡くす女性が少なくありません。その場合女性はたった一人で一家十何人を養わなければならないのですが、慣習である早婚や経済的な理由から教育を十分に受けられなかった女性も多く、安定した収入を得られる働き口を探すのが非常に困難なのです。
それによってシングルマザーの家庭ではお母さんが幼い子供達を家に残して夜出稼ぎに行かなければならないという現状があるのです。
しかしこれはシングルマザーのみに関わらず、ウガンダのほとんどの女性に当てはまります。ウガンダでは道端で小さなお店を開いている人が多く、野菜や果物、ちょっとした日用品はそういったところで手に入れることができます。こういったお店の切り盛りするのもほとんどが女性です。
大きなスーパーマーケットのレジ打ちも男性がやっているところは見たことありませんし、以前女性従業員がおらず男性従業員にレジ打ちをやってもらったところ通常の二倍の時間がかかりました。女性はこうしたところでも戦力となり自らの家庭だけでなくウガンダの経済を支えているのだなと感じました。

ワキソ県ナンサナ町のある市場の様子

ウガンダの女性、本当にタフです。
私がもし同じ立場だったら1日で根を上げると思います。
女性たちはこのような目の回るような忙しい毎日に不満を抱かないのだろうかと日常の中で働く女性を観察したり実際に話を聞いてみたりするのですが、彼女たちから負の感情が伝わってくることはほとんどありません。
彼女たちが今の生活に十分満足しているから?最初はそう思っていましたが、話を聞くとそれとは逆の答えが返ってきました。決して今の暮らしに満足しているわけではないけれど外の世界にさほど興味もないようでした。

彼女たちは心の中に何か不満を抱えていてもそれを言語化し発信するツールも、そもそもの考え方も知らないのです。それはやはり早くに結婚することで十分な教育が受けられなかったことが大きく関係していると私は思います。教育を受けることができなければ社会を知る機会も同時に奪われることになります。暮らしの範囲や知識が少ない分周りの環境を知る手立てがないため、「今の暮らしに完璧に満足しているわけではないけれどこれが周りと同じだから“普通”である」という感覚になってしまうのだと思います。

Women’s Day Nansana Divisionにて

~男性の生活サイクル~

女性がかなり忙しい毎日を送る中、男性は何をしているのか。
仕事をしている男性ももちろんいる中、ウガンダには“何もしていない男性”が多いような気がします。
例えば日本では家庭を持った男性で配偶者が家庭のことをしてくれるなら、多くの男性は働くという決断をし経済的に一家を支えると思います。日本で男性が働かないという選択肢はめったにありません。しかしウガンダの男性には働かないという選択肢があるのです。

仕事中ボードゲームをするセキュリティの男性

ウガンダの男性が働かない、あるいは家事も育児もしない理由は彼らが執拗に女性に依存していることだと思います。
働かない男性は何もせず家にいても女性がご飯を作ってくれます。子供たちのお世話は女性がしてくれます。夕方になれば女性が仕事に出かけて勝手にお金を稼いできてくれます。昼間からお酒を酌み交わしチェスや賭け事にいそしんでいる男性も少なくありませんし、実際そういう場面には何度も出くわしました。個人的な意見ですが、女性の働きぶりに比べるとこういった男性は本当にカチンときてしまいます笑
彼らと話していて日本人のように勤勉なタイプではないのかと思いました。上昇志向が強いわけでもなく、マイペースな人が多いように感じます。

男性が働かなくなってしまう理由の根本にも教育が関係していると私は思います。
ウガンダの男性にとっての問題は職の選択肢が極端に少ないことです。男性でも大学までの高等教育を受けることは難しいと言われています。高等教育を受けてきた人は都心部やその近くのオフィス街で安定した職を得ています。しかしそうでない男性、学校に通えなかった人や途中でドロップアウトしてしまった人が就ける職種というのはタクシードライバーや道端の露店、小さな商店の店主がせいぜいです。
月の収入が100ドル前後の人がほとんどで、家族を養うために女性のみならず子供が働き手になる場合が多くあります。安定した職が少ないことで教育費が払えないことは負のスパイラルを生み出します。まずはLazyさを捨てて、何でもいいから何もしない状況から抜け出してほしいと思います。

道端で露店を営む男性

~ウガンダは生きやすい国?~

女性は日々の負担が大きすぎること、男性は職の選択肢が少なすぎること…
男女ともにこういった問題を抱えているウガンダ。しかし不思議と日本にいた時のような“生き辛さ”は感じられません。女性の権利が男性よりも軽視されていると感じますが、これはウガンダに関わらず世界中の女性が直面している事実です。ただ日本と大きく違うのは男女がお互いに干渉しすぎず、自分の生きたいように生きていることです。これは男女にかかわらず、多くのウガンダの人々に共通する点だと思います。もともと男性は出世しなければならないとか、女性は美しくなくてはいけないとかそういった社会の固定概念から生まれるプレッシャーが少ないように感じられます。他人と自分を比べて悲観することもなければ特に他人をうらやましがることもなく、いい意味で人々が互いに無関心なのかなと思いました。

海外から日本を見るというとても貴重な体験をしていて、客観的な目線からここおかしいなと思うところや、生き辛いなと思う面があります。
特に女性が社会に声を上げることに女性自身が消極的であったり、社会全体がそれを抑圧しようという風潮が見て取れます。
女性が女性のために声を上げることによって男性は何一つ不利益を被らないのに女性だからという理由で執拗に非難する男性も見受けられますし、女性が女性を攻撃することも少なくないような気がします。
なんというか、出る杭を積極的に打つ風潮にありますよね。
個性や考え方が理解・尊重されにくい社会なのだなと改めて感じています。

その点ウガンダはとても生きやすい国だなと思います。せわしなく毎日が過ぎていく日本とは違い時間がゆっくりと流れ、人々は穏やかで、息苦しさを感じません。
日本に帰りたい気持ちも半分ですが、ウガンダが自分にとってとても心地よい場所であることや帰ったらまた同じように息苦しい生活を送るのかと考えると、ウガンダに残りたい気持ちも半分です笑
日本でも今のようにのびのびと暮らせたらいいのになと思います。

~おわりに~

思ったよりも熱が入ってしまい長い文章になってしましました。
最後まで読んでくださりありがとうございます!!!
これからもこのような形でウガンダから情報を発信できたらと思いますのでよろしくお願い致します。
ウガンダのジェンダー問題にかかわらず、聞いてみたいこと・やってほしいことがあれば是非ご連絡ください!
個人ブログでも情報発信をしていますので、そちらも併せてご覧いただければ幸いです。

Twitter: twitter.com/rihobelle
Instagram: http://instagram.com/RIHO_BELLE
Ameba Blog: http://ameblo.jp/rihosasaki0316

ネットラジオ番組に出…

本気の人が本気で喋る、本気まるだしインターネットラジオ!!
ホンマルラジオ」湘南局さんの「怪しく真面目なハチャメチャンネル!アハ〜ンモーメンツ!」に、代表・田渕、副代表・加藤と篠原の3名で出演させていただきました。

番組は以下のリンクより視聴できます!
【湘南】怪しく真面目なハチャメチャンネル! アハ〜ンモーメンツ!第7回目 ハッピーな社会♪子供達の未来のために!ジェンダーギャップのない世界へ!

パーソナリティは大和みずほさん(Facebookページはコチラ)と海神瑠珂(わだつみ るか)さん(Facebookページはコチラ)。
ビジネス&リアル(事実婚)パートナーでとっても仲良し。息ぴったりのお二人です!
お二人のホームページはコチラ↓

難しいテーマと思われがちな「ジェンダー」の話題を、優しく・楽しく・わかりやすく伝わるようにリードしてくださいました。

ラジオという媒体ゆえ、五感のうちの「聴覚」のみを使って伝える。
なかなかない機会でチャレンジングだなぁ、できるのかな、と思っていたのですが、お二人の包み込むような引き出し力でリラックスしておしゃべりできました。

リンクに飛べばいつでも聴くことができるのもインターネットラジオの魅力ですね〜
ちなみにホンマルラジオ湘南局スタッフ。こちらも、ビジネス&リアルパートナーのひさよさんと章太さん。

写真!!ラブラブか!
実物もとてもオシャレで素敵なお二人です♡

あっという間の30分でしたが、楽しく収録に臨むことができました。
仲良しパートナーに二組もお会いし、江ノ電にまったり揺られ、海を見て、、
なんだか自分はいつもギスギスしてるな、と反省した1日でもありました..笑

今回はジェンダーイコールの理念や目指す社会の「さわり」の部分をお話しさせていただきました。
話したいことはまだまだありますので、またお邪魔させていただきたいと思います!

番組はコチラから視聴できます↓
【湘南】怪しく真面目なハチャメチャンネル! アハ〜ンモーメンツ!第7回目 ハッピーな社会♪子供達の未来のために!ジェンダーギャップのない世界へ!
最後の瑠珂さんの「なぞかけ」は必聴です!!
30分番組なので、みなさんぜひ聴いてみてくださいね。

あいちトリエンナーレ…

あいちトリエンナーレは、今夏(2019年8月1日〜10月14日)、名古屋市と豊田市の美術館およびまちなかにて実施される日本最大規模の芸術祭です。
2010年より3年おきに開催されていて、今回で4回目の開催になります。

今回、あいちトリエンナーレで芸術監督を務めるのが、ジャーナリストの津田大介さん。
テーマは、「情の時代」。
感情・情動、情報、根源的な情・情け。英語では “passion” で、情熱、受難。
「情」というワードの持つ多義性に注目しコンセプト設定したそうです。タグクラウドはこんな感じに。

さて、このあいちトリエンナーレの記者会見に、なぜわたしたちジェンダーイコールが参加したのか。
それは、今回のトリエンナーレ参加アーティストにおいて、いわゆるアファーマティブアクション・ポジティブアクションによるジェンダーの平等が達成されているからなのです。

芸術祭とジェンダーにどんな関係が?

津田さんが芸術監督として、アーティスト招聘方針にアファーマティブアクションを打ち出したきっかけ。
それは、昨年の医大女子受験生差別の問題でした。
このニュースに強い衝撃を受けた津田さんは、一連のジェンダー問題にアート業界も反応すべきではないかと感じたそうです。

後述しますが、実は、アート業界は(というか、アート業界も)かなり男性優位社会なのだそうです。
「世界中でこれだけたくさんの芸術祭が開催されているのに、なぜ、不自然に一度たりともジェンダー平等が達成されてこなかったのか?」
それは、ガラスの天井があるから、と津田さんは言い切ります。

これは放置していていい問題なのか?
女性に対してエンパワーしていくこと、アファーマティブアクションをやっていく必要があるのではないか?
そう考えた津田さんは、今回のトリエンナーレでジェンダーの平等を達成することを宣言します。

そこで、真っ先に名前が挙がったのが、メキシコのフェミニスト・アーティスト、モニカ・メイヤー氏。
ただやはり内部で、「抵抗感を持ったり敬遠する人もいるし、、トリエンナーレ自体に色がついてしまうと難しいよね」という議論になり、なかなか進まなかった。
ですが、やはり日本の人たちにアートを通じてジェンダーの問題を考えてもらいたい!とメイヤー氏の採用を決断。

その後は、テーマに合った女性作家をどんどん採用していったら自然と男女6:4くらいになっていたのだとか。
「数合わせのために無理に採用していったのではない」はとても大事で、気づいたら少しずつバランスが取れてきていて、そこから完全平等に向けたアクションを取っていったということでした。

参加アーティストの最終的な男女比は31:32。
コレクティブ(グループのアーティスト)は置いといて… と例外を作って、後から「やっぱ50:50じゃないじゃん」となりたくなかったという津田さん。並々ならぬ意気込みを感じます..!

一方で、世界的にもジェンダー平等の流れが各所で起こり始めているという背景も。
Power100という、アート業界に最も影響力のあった人物のランキングで2018年の3位は #metoo。
ハリウッドでは、50502020というアクションが打ち出され、多くの映画祭が賛同し活動が始まっているそうです。
ベネチアビエンナーレでも同様に、今年初めてジェンダーの平等をほぼ達成。

ジェンダー不均衡を解消しようとするアクションは、アート業界における世界潮流になりつつあるということでした。

アート業界におけるジェンダーギャップ

歴史的に、女性が男性と同等の権利を与えられない時代が長くあったことは事実で、それは表現のフィールドでも同じです。
知っている画家を挙げて!と言われて出てくる有名な人は、ピカソとかゴッホとかモネ、、ほぼ100%男性ですよね。
そんな歴史があって、結果的に美術館のコレクションにおける男女比に偏りがあるのは、まあ仕方がないことのように思えます。

ですが、現代アート業界においても変わらず男性優位の構造が成り立っているそうなのです。
ほとんどの国際芸術祭に採用されるアーティストは7-8割が男性。
しかも日本の美大では、新入生の7割程度が女性であるにもかかわらず(!!)

知らなかった..!
進路選択の時点から既に男女比に著しい偏りのあるSTEM領域よりもさらに根深い不平等構造が見えます。

なぜ、入り口の男女比が実社会で維持されない、それどころかむしろ逆転してしまうのか。
それは「選ぶポジションにいる人のほとんどが男性だから」だそうなのです。
例えば、美術館の学芸員は66%が女性ですが、館長は85%が男性。
東京藝大の男性教員は85%が男性(これでも以前よりは女性の比率が増えたらしい)。
教員がほとんど男性だから、持ち上げられて業界に出て行けるのも男性、それが成り立つというのも相当危険ですよね、、

ともかく、女性プレイヤーがじゅうぶんいるにもかかわらずジェンダー不均衡の構造が根付いているアート業界。
だからこそ、芸術祭そのものの質を下げることなく平等を達成することはできるし、やるべきだと、今回の決断に至ったということでした。

「認知」と「行動」

ジェンダー平等、わかりやすく言うところの「男女平等」について、どのように取り組んでいくべきなのか。
それには、以下の2ステップが必要になると思っています。

「認知」: ジェンダー不平等の現状を知り、認める
「行動」: 解消に向けて実際に行動を取る

特に強く感じるのは、初めのステップの「認知」が実はとても難しいということ。

  • 先進国の日本で、差別なんてない。
  • 男女に違いがあるなんて当たり前。差別じゃなくて区別でしょう。
  • レディースデーとか女性専用車両もあるし、女性だって優遇されているじゃないか。
  • 日本では出生選別もされないし、進学率も同程度。働こうと思えば働ける。頑張れば出世だってできるだろう。
  • 差別だなんだって訴えている人は、本人の努力不足・能力不足。
  • 働きたくない女性も多いんだから、平等なんて目指さなくてもいいのでは?
  • なんかめんどくさそうだから距離置いとこう…

このように考えている人ってけっこう多いのではないかと思うのです。
(わたし自身も、ワーキングマザーになるまではジェンダーギャップを実感したことはほとんどなく、自分事ではなかったが故に問題視したこともありませんでした。)
だけど、世界的に見れば、日本のジェンダー平等達成度ランキングは、半分よりもはるかに下。欧米諸国はもとより、あまり女性が社会進出をしているイメージのない国、たとえば中国よりもインドよりも下であることは事実です。
そして、平等でない状態が「個人の選択」として矮小化され、結果的にどちらの性にとっても人生の自由度を下げているということも事実だと思います。

問題を問題として認識し、テーブルに乗せなければ、議論を始めることすらできません。
現状が均衡の取れた状態と考えている人に、いくらジェンダー平等の必要性を伝えても、過剰に権利を主張していると捉えられてしまう。
ここが、フェミニズム的な考えがなんだか触れてはいけないもののようにされている原因のひとつとなっているのではないでしょうか。

でも、ジェンダー平等を目指すということは、津田さんが今回取り組まれているように、不自然に偏っている状態からバランスを取るためのアクションなんです。

繰り返しになりますが、津田さんは、昨年問題となった医大の女子受験生一律減点のニュースを見て、ジャーナリストとして大きなショックを受けたそうです。
そして、ご自身の力の及ぶフィールドで問題提起し、解決に向けて具体的に行動を起こしたいと考えた末、今回の「あいちトリエンナーレ」におけるジェンダー平等を達成しようという結論に至ったということでした。

津田さんはおそらく、ジェンダー問題の直接的な当事者でも、いわゆる「フェミニスト」でもないと思います。
だからこそ、問題を「認知」してから、素早く客観的かつ多少強引な部分もありつつ有効性のある「行動」をとることができたのではないでしょうか。
こういった動きが増えていくことによって、社会は加速度的に変わっていくのではないかと感じました。
できるところから確実にジェンダーの平等が達成され、他の分野にも波及していけばいいなと思います。

あいちトリエンナーレは、”Art Lover” だけでなく、たくさんの人たちに来てもらいたいとのことで、とにかくユーザーファーストであることにこだわり、参加のハードルを下げるための多くの工夫がなされているということでした。
わたしもぜひ愛知県まで足を運んでみたいと思います。

たくさんの人に、アートの純粋な素晴らしさと、津田さんの想いが伝わることを祈って。

品川女子学院の校内イ…

こんにちは!ジェンダーイコール篠原です。
先日公開した品川女子学院の生徒さんとお話ししてきました!、いろんな方から読んだよ、と言っていただきとても反響が大きかった記事です。
実は、彼女たちとはその後も何度かお会いしていて、お付き合いが続いています。
先日、学校にて生徒さん主催の保護者様向けのイベントが開催され、ゲストスピーカーとして登壇させていただきましたので、その時の様子をお伝えします!
前編はコチラ

トークオーバーシートワークショップ

わたしもやってみました。生徒さんたちの開発した、家事分担の可視化ツール・トークオーバーシート。
縦軸に「労力」、横軸に「頻度」を取り、家事タスクのシールを貼っていきます。
このツールの最大のポイントは、「労力」の軸があることだと思います。あえて定性的・主観的な指標を入れることで、それぞれのプレイヤーの意識を可視化することができます。

(↑わたしがブルー、夫がオレンジです)
うちはそれこそ幾度となく超醜い泥試合を繰り広げ、家事育児の均等配置を目指して何年も何年も調整してきましたので、、
「重いけど頻度の低い家事(=半年や年一レベル)」と「高頻度で負荷の低い家事(=ルーティン化されている家事)」が多く、比較的最適化されているのではないかと思いました!
あとは、自分は重いと感じていた子どもとのお風呂に対して、夫は楽しんでいるからそんなに大変だと思っていなかったなど、同じタスクに対しても認識の違いがけっこうあることがわかりました。

そして、今回初めて気付いたのが、お互いに高負荷と感じていて、かつ頻度も高い「ラスボス家事」が存在すること。それが「洗濯物畳み」と「食器洗い」です!
これ、洗濯乾燥機・食洗機という現代の利器を投入しフル稼働しているにもかかわらず、なお倒せていないんです、、また、料理や掃除などと違って、比較的家族の人数と仕事量が比例しやすい家事でもありますね(うちは人数が多いうえに保育園児が2名いるため着替えも多い)。

、、、と、これまで散々家事分担と省力化に対して検討してきたわたしでも大きな発見をすることができました。
この後、洗濯物畳みは子どもでもできるだろうということで、テレビでも見ながら畳んでもらうようにしたんです。自分のぶんだけでいいんです。ただ、タンスにしまう所(超重要!いいとこ取りは家事ではない!)まで。
週末山のように溜まっていた洗濯物が、嘘のようにというと嘘ですけど(笑)、今までよりははるかに楽に片付くようになりました。

参加者の方は…

さて、ご両親で参加されている方、お子さんといらしている方、単独の方。それぞれトークオーバーシートを実践し、その後近くの席の方とディスカッションする流れでワークショップが行われました。

実践後の参加者の方々の声を紹介させていただきます。
シートについての感想やアドバイス、ディスカッションの内容、ご家庭のルールやそれぞれの想いなどについて自由にお話しいただきました。

「うちは家事はポイント制にしてあり、都度話し合いと修正をしている。」
「子供が大きくなるにつれて総量が減っているなと実感した。」
「タスクに対して感じる重みが家庭によって違うと思った。」

まずは人間同士が一緒に住むという前提ですよね。男女ともに意識を持てるようになるとよい。」
「このような試みが男性の目に触れるように。男子校などでやるとよいのでは。」
「子供のぶんのシールも貼りたい!お母さんがなんでもやってあげないことが大切。

「棚卸しをした感じ。見えなかった仕事が見えてきた。」
「家事をする時間にいないからと諦めていたけど、例えば作り置きなど、いなくても工夫すればできることもあると感じた。」

最後に、あるお父さんから、
「リストにオムツ替えとあったが、今となってはなくなってしまって、懐かしい。あの時やっておいてよかったなと思った」というお話しが出て、参加者の方々から「泣ける!!!」と喝采が。

中高生の保護者の方々ということで、自分よりも親歴が少し長い方々ならではのご意見を聞くことができてとても勉強になりました!
何より大切なのは、分担の結果よりも、大人がこうやって正面から課題に向き合うこと、そして、その姿を子どもたちに見せることなのかもしれません。
それが、負のループを次世代に受け継がせないことにつながると思うのです。

その後

彼女たちのプロジェクトは、校外のコンテストである賞を受賞し、今夏また海外で発表する機会をゲットしたんです!

プロジェクトの進め方やプレゼンの組み立て方は、もちろん先生方のご指導もあってのことですが、今すぐに社会に出ても問題ない(むしろプレゼン上手だね〜とか上司から言われる)レベルなんです。
ただ、これはわたしたちジェンダーイコールの活動でも日々感じることでもありますが、課題設定的には世の中みんなに理解してもらえるものではなく、さらに、たくさんの人に納得してもらえるソリューションを提供することが難しい課題ではあると思います。

しかし、一方で、こうやって各所で彼女たちのプロジェクトが目に見える形で評価されていることは、ジェンダーギャップが大きな社会問題であると多くの人が認めはじめていることの大きな証拠であるとも思うのです。
次々とステップアップして、問題提起の場をどんどん広げていってくれる姿は本当に頼もしく、感謝の気持ちでいっぱいです。

担当の先生が、今回の発表の場で「若い人が問題を発信することが社会を変えるきっかけになる」とおっしゃっていて、本当にその通りだと思いました。
四月からは受験生になるとのことですが、彼女たちならどの学校に行っても、その先どんな世界に出ても、信頼できる仲間を見つけて力強くやっていけることでしょう。ぜひ、これからもパワフルに前進していってほしいなと思います!

品川女子学院の校内イ…

こんにちは!ジェンダーイコール篠原です。
先日公開した品川女子学院の生徒さんとお話ししてきました!、いろんな方から読んだよ、と言っていただきとても反響が大きかった記事です。
実は、彼女たちとはその後も何度かお会いしていて、お付き合いが続いています。
先日、学校にて生徒さん主催の保護者様向けのイベントが開催され、ゲストスピーカーとして登壇させていただきましたので、その時の様子をお伝えします!

CBL

品川女子学院のカリキュラムの一環で、Challenge Based Learning=課題解決型学習。
具体的には、数人でグループを組み、自ら課題を設定し、研究・調査を経てソリューションを提案するプロセスを学習するプログラムで、品川女子学院では高校二年生の全員が体験するそうです。
ジェンダーイコールにお声かけくださったチームのテーマは、「家庭内男女格差」。詳しくは、前回の記事をご覧ください。
なんと今回、彼女たちのプロジェクトは無事校内のコンペを勝ち抜いて、めでたくオーストラリア行きの切符を手にしたんです!まさに有言実行です!すごい!!

家庭内ジェンダーギャップ解消のため、彼女たちが提案したソリューションのひとつは、トークオーバーシート(talk over = 議論する)。家庭内タスクの可視化ツールです。
それから、発信活動として、彼女たちにとっての身近な大人=保護者向けにプロジェクトの内容を知ってもらうために開催する今回のイベントもまた、ソリューションのひとつです。

今回のイベントでは、
1. 問題提起と調査内容及びソリューション提案に関するプレゼン、
2. ジェンダーイコールのトーク、
3. トークオーバーシートのワークショップ が行われました。

チームのプレゼン

コンペを勝ち抜いただけあって、内容的にも完成度が高く、堂々としたプレゼンで本当に素晴らしかったです!!
(ちなみに、全く別の場で別の生徒さんのプレゼンも拝見する機会がありましたが、ここの学校は生徒さんが人前で話すことや知らない大人に対応することにすごく慣れています。練習の繰り返しや、メンタルのコントロールについてもかなり指導されているのではないかと思います。結果的に、全体のレベルも相当高い。)

プレゼンの内容を抜粋してお伝えします。

問題提起

  • 兄がいるが、自分だけが女の子なんだから家の手伝いをやりなさいと言われることがある(実体験)
  • 医大の女子受験生差別(国内の社会問題)
  • SDGs にもジェンダー平等が挙げられている(グローバルイシュー・関心)
  • 某ハウスメーカーのCM(「ちょっと待ってって言わなくなったね」のアレです)(家事や育児は女性のものという世間の認識、メディアの姿勢)

社会的背景

  • 共働き世帯は増加傾向
  • フィールド調査
  • 校内保護者を対象とした Google form アンケートの集計結果。家事分担は 76 パーセントが妻。
    自由回答では、夫側は「お小遣いが欲しい時にやる」。妻側は「諦めている / 期待していない」。
    夫婦ともに家事分担が不均衡である自覚があるにもかかわらず、行動を起こす気がない。
    改善行動に動けていない。

  • (新聞記事を引用し)無償労働についての問題提起。このままでは、男女格差の解消に210年かかる。

仮説

  • 働き方改革、男女双方の意識改革が必要

ソリューション提案

  • トークオーバーシート(家事分担可視化ツール)の開発
  • イベント開催による問題提起 および PR
  • WEB サイト構築、SNS 発信、これらの多言語化による 対若年層およびグローバルな問題提起

どうでしょう。この内容を高校生がやるんですよ。
まずストーリーがきちんと成立しているところから、深さ・広さ的に適切な調査、十分に信頼できるソースからの引用、そこから導く仮説と解決案。
わたしたちの考えと通じる部分も多くあり、また、こちらが勉強させてもらった点もたくさんありました。

ジェンダーイコールのセクション

わたし自身三姉妹の母で、女子校にお子さんを通わせている保護者様とは「娘がいる」という絶対的な共通点があります。

ジェンダー格差を生み出す要因となっている「統計的差別」「家庭内格差」の二つの負のループについてお話しし、娘たちにはそのループに乗って欲しくないですよねというお話をさせていただきました。

統計的差別


家庭内格差


統計的差別・家庭内格差の負のループ。
いずれも、「家事や育児は女性が主で担うもの」という、いつの間にか勝手に置かれている大前提があって、それを合理化するループがすでに回り続けているのです。
確かに、この前提が合理的だった時代があったかもしれません。が、現代ではどうでしょう。
ともかく日本社会はこのループから抜け出すことができていない。これが、ジェンダーギャップを形成する要因のひとつとなっていると考えます。

プロジェクトメンバーの4名の高校生たちは、女子校という環境や学校の教育方針もあり、実生活でジェンダーギャップを感じることはおそらくほとんどないのではないかと思います。
でも、彼女たちにとって身近だった受験生差別問題をはじめ、周囲の状況や大人たちを見て、なんかおかしいな.. と感じている。

ここから先はわたしの推察ですが、彼女たちがこのプロジェクトを遂行するモチベーションには、「女性だからという理由で入試で不当に選別され、結婚すれば大半の家事を押し付けられ、正社員で働き続けても男性の7割しかお給料がもらえない。こんな社会に数年後の私達を放り込まないで!!」という願いがあるのではないかと思います。
そして、そんな社会を作ってしまったわたしたち大人は、そのメッセージをしっかりと受け取る責任があると思うのです。

〜後編に続きます〜