品川女子学院の校内イベントに参加しました!【前編】


こんにちは!ジェンダーイコール篠原です。
先日公開した品川女子学院の生徒さんとお話ししてきました!、いろんな方から読んだよ、と言っていただきとても反響が大きかった記事です。
実は、彼女たちとはその後も何度かお会いしていて、お付き合いが続いています。
先日、学校にて生徒さん主催の保護者様向けのイベントが開催され、ゲストスピーカーとして登壇させていただきましたので、その時の様子をお伝えします!

CBL

品川女子学院のカリキュラムの一環で、Challenge Based Learning=課題解決型学習。
具体的には、数人でグループを組み、自ら課題を設定し、研究・調査を経てソリューションを提案するプロセスを学習するプログラムで、品川女子学院では高校二年生の全員が体験するそうです。
ジェンダーイコールにお声かけくださったチームのテーマは、「家庭内男女格差」。詳しくは、前回の記事をご覧ください。
なんと今回、彼女たちのプロジェクトは無事校内のコンペを勝ち抜いて、めでたくオーストラリア行きの切符を手にしたんです!まさに有言実行です!すごい!!

家庭内ジェンダーギャップ解消のため、彼女たちが提案したソリューションのひとつは、トークオーバーシート(talk over = 議論する)。家庭内タスクの可視化ツールです。
それから、発信活動として、彼女たちにとっての身近な大人=保護者向けにプロジェクトの内容を知ってもらうために開催する今回のイベントもまた、ソリューションのひとつです。

今回のイベントでは、
1. 問題提起と調査内容及びソリューション提案に関するプレゼン、
2. ジェンダーイコールのトーク、
3. トークオーバーシートのワークショップ が行われました。

チームのプレゼン

コンペを勝ち抜いただけあって、内容的にも完成度が高く、堂々としたプレゼンで本当に素晴らしかったです!!
(ちなみに、全く別の場で別の生徒さんのプレゼンも拝見する機会がありましたが、ここの学校は生徒さんが人前で話すことや知らない大人に対応することにすごく慣れています。練習の繰り返しや、メンタルのコントロールについてもかなり指導されているのではないかと思います。結果的に、全体のレベルも相当高い。)

プレゼンの内容を抜粋してお伝えします。

問題提起

  • 兄がいるが、自分だけが女の子なんだから家の手伝いをやりなさいと言われることがある(実体験)
  • 医大の女子受験生差別(国内の社会問題)
  • SDGs にもジェンダー平等が挙げられている(グローバルイシュー・関心)
  • 某ハウスメーカーのCM(「ちょっと待ってって言わなくなったね」のアレです)(家事や育児は女性のものという世間の認識、メディアの姿勢)

社会的背景

  • 共働き世帯は増加傾向
  • フィールド調査
  • 校内保護者を対象とした Google form アンケートの集計結果。家事分担は 76 パーセントが妻。
    自由回答では、夫側は「お小遣いが欲しい時にやる」。妻側は「諦めている / 期待していない」。
    夫婦ともに家事分担が不均衡である自覚があるにもかかわらず、行動を起こす気がない。
    改善行動に動けていない。

  • (新聞記事を引用し)無償労働についての問題提起。このままでは、男女格差の解消に210年かかる。

仮説

  • 働き方改革、男女双方の意識改革が必要

ソリューション提案

  • トークオーバーシート(家事分担可視化ツール)の開発
  • イベント開催による問題提起 および PR
  • WEB サイト構築、SNS 発信、これらの多言語化による 対若年層およびグローバルな問題提起

どうでしょう。この内容を高校生がやるんですよ。
まずストーリーがきちんと成立しているところから、深さ・広さ的に適切な調査、十分に信頼できるソースからの引用、そこから導く仮説と解決案。
わたしたちの考えと通じる部分も多くあり、また、こちらが勉強させてもらった点もたくさんありました。

ジェンダーイコールのセクション

わたし自身三姉妹の母で、女子校にお子さんを通わせている保護者様とは「娘がいる」という絶対的な共通点があります。

ジェンダー格差を生み出す要因となっている「統計的差別」「家庭内格差」の二つの負のループについてお話しし、娘たちにはそのループに乗って欲しくないですよねというお話をさせていただきました。

統計的差別


家庭内格差


統計的差別・家庭内格差の負のループ。
いずれも、「家事や育児は女性が主で担うもの」という、いつの間にか勝手に置かれている大前提があって、それを合理化するループがすでに回り続けているのです。
確かに、この前提が合理的だった時代があったかもしれません。が、現代ではどうでしょう。
ともかく日本社会はこのループから抜け出すことができていない。これが、ジェンダーギャップを形成する要因のひとつとなっていると考えます。

プロジェクトメンバーの4名の高校生たちは、女子校という環境や学校の教育方針もあり、実生活でジェンダーギャップを感じることはおそらくほとんどないのではないかと思います。
でも、彼女たちにとって身近だった受験生差別問題をはじめ、周囲の状況や大人たちを見て、なんかおかしいな.. と感じている。

ここから先はわたしの推察ですが、彼女たちがこのプロジェクトを遂行するモチベーションには、「女性だからという理由で入試で不当に選別され、結婚すれば大半の家事を押し付けられ、正社員で働き続けても男性の7割しかお給料がもらえない。こんな社会に数年後の私達を放り込まないで!!」という願いがあるのではないかと思います。
そして、そんな社会を作ってしまったわたしたち大人は、そのメッセージをしっかりと受け取る責任があると思うのです。

〜後編に続きます〜

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