【イベントレポート】外国人ゲストから「ジェンダー平等」について学ぼう


ジェンダーイコールの新メンバーとなりました、浜崎佳奈(社会人一年目)、松本璃奈(大学生)、原一生(大学生)です。

今回は、11月3日に北とぴあ5階のスペースゆうで開催されたジェンダーイコールのイベントレポートをお伝えします。

第1部 ジェンダーバイアスについて考えよう(浜崎)

第1部では「ジェンダーバイアスとは何か」について考えるために、イラストクイズを用いて身近にある性的偏見について理解を深めていきました。

「ジェンダー」とはそもそも、生物学的性差の上に文化や社会的概念によって付け加えられた性差のことです。 「女の子だからピンクの物が好きだろう」「結婚したら奥さんが家事してくれるね」「旦那はATM」、、などなど、よく聞く言葉の中にはジェンダーバイアスでアウトになる言葉が実は沢山溢れています。

イベントではクイズ形式でそういった身近なバイアスついて指摘し合いました。クイズの一つに、働く人のイラストとして男性の医師、男性のパイロット、男性の消防士が女性の看護師、CAと対になって描かれているものがありました。そのイラストを見た時はすぐに「ジェンダーバイアスだ!おかしい!」と思ったのですが、実際自分が小中学生の時に見た教科書でもこう描かれていたことを思い出し、意識すればジェンダーバイアスのあるものはかなり沢山存在するのだと感じました。

イベント後にジェンダーバイアスのある広告や文章、言葉がないかを意識して生活してみると、日常生活でもかなりバイアスについて気付くことが多くなりました。 スーパーで買い物をしていても、「主婦の方へ 今晩のおかずに是非」というPOPがあり、ご飯を作るのを母親の役割として認識している社会概念を実感しました。また電車内広告でも、ツッコミを入れたくなるものをいくつか見かけました。

ジェンダーバイアスについて知り、それを意識して社会をみるとおかしいなと思うことは沢山あるのに、巷に偏見的発言/創作物が溢れているのは幼児期からの教育によってそれを偏見だと思わない環境ができてしまっているからだと感じました。 同時に、今後の私たちの団体の役割として、どういった発言や考えが偏見に捉われているのかを発信し、多くの人にジェンダーバイアスを意識させることが大切だと感じました。

第2部 日本の常識は世界の非常識!?外国人ゲストから“ジェンダー平等”について学ぼう(松本)

第2部では、外国人のゲストとジェンダーイコールの代表3人が日本と海外のジェンダーギャップに対する考え方の違いについて、それぞれの貴重な経験を踏まえながらの「トークショー」がありました。そこでは様々な興味深いお話を聞くことができました。 今回はその中で私が印象に残った3つのテーマについて、紹介したいと思います。

1. アイスランドにはレディーファーストがない!?

アイスランドにはそもそもレディーファーストの文化がなく、逆に女性が男性にレディーファーストされることで「自分でできる」と怒る人もいるそうです。

その一方、アメリカやオーストラリアではレディーファーストの文化があります。レディーファーストはジェンダーギャップをなくすことにおいて、ネガティブな捉え方をする場合もありますが、その行動自体は悪いものではないので問題ないのでは、と言う意見も。

私は、女性だから男性だからで分けるのではなく、それぞれが譲り合いの心、すなわちエブリワンファーストの気持ちを持つ人が1人でも増えたらいいなと思います。

2. 日本人はルールに囚われすぎ

日本人は協調性があるというポジティブな特徴もあれば、それと同時に同調性も強いことから、意見を求められても周りの空気に合わせてしまい、自分の意見を発信できる人が少ないというネガティブな一面もあります。アイスランドのゲストは日本人との関わり合いの中でこのように感じることが多いそうです。

質問コーナーの中で、日本人が権利主張を行う文化を作り出すために必要なことは?という質問に対して、ゲストは「幼いころから発言することに躊躇しない教育カリキュラムに取り組むことが必要なのでは」と提案していました。 どれだけ価値のある意見を持っていても周りに発信しなければ意味がありません。

しかし、これは意見を発信する側だけでなく、積極的に発言できるような周りの環境作りも重要です。 意見を交わす中で日本人の素晴らしい特徴の一つである協調性を生かし、相手の意見を尊重できる、発言しやすい環境作りにも、同じく力を入れて欲しいと思いました。

3. 東京医大問題についてどう思うか?

この問題については、3人のゲストが口を揃えて、不条理であると主張しました。 アメリカのゲストは、「日本だからアメリカだからではなく、人が努力したことに対してこのような問題が起こることがそもそもおかしい。また実際のところ、かつてはハーバード大学でさえ、同等の差別を行っていた」と話していました。

女性は体力が男性よりも劣っていることや家庭の理由で途中でやめてしまうだろう、と考えられていることで、努力したのに報われないこの社会に希望が持てる若者はどこにもいないと思います。 しかし、多くの若者はこの事実すら知りません。まずは社会の現状に興味を持ち、問題であると発信していくことが、ジェンダーギャップをなくしていくうえでやはり重要なのではと感じました。

第2部を通して感じたことは、まずそもそもジェンダーへの問題意識が日本は世界に比べて低いということです。 今回トークショーで出た話題は、普段私たちが当たり前だと思っていることが多く、ジェンダーの問題として捉えられていないことが多かったように思います。 私もこのイベントを機に、ジェンダーの問題について、今よりも深く考えていきたいと感じ、また多くの人にこの現状を知ってもらいたいと思いました。

まとめ(原)

「今の若者が社会に出た時、同じ思いをしてほしくない」 そういった経緯から企画された本イベント。 進学や職業選択の段階からジェンダーバイアスがかかっている実態を知り、日本の学生は意外と生きづらい環境にいるということを思い知らされました。

私自身このイベントを終えた後、テレビをふと見ていた時 、ある芸能人の夫が、娘にどんな習い事をさせればいいのかという話の中で

「柔術と哲学さえ学ばせれば、この世は生きていける」

と言ったのに対して、妻が

「そんな娘、将来絶対にモテないじゃないですか」

と発言していたのをみて、何かひっかかりを感じてしまいました。

もしこのイベントに参加していなかったら、この発言には何も違和感を持たなかったと思います。

だからこそ、これから社会に出る若者一人一人が 「そもそも社会にはジェンダーギャップが存在していることを知り、おかしいと思ったら誰かと話し合ってみたり、発信してみたりする」 そういった姿勢をもつことが大切なのではないでしょうか。

アメリカ、ニュージーランドそしてアイスランドのジェンダーに関する取り組みと比較してみて、日本のジェンダー格差がどれだか深刻なのか、思い知らされた1日になりました。

中学生から大人の方までたくさんの方に参加していただき楽しい1日となりました。 ゲストの皆様、スペースゆうの皆様、そして参加者の皆様、本当にありがとうございました!

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