【企業研修レポート】…

2023年3月6日(月)、ジェンダーイコールは株式会社スープストックトーキョー様の社内研修「【よのな科】ジェンダーについて考える時間」を実施いたしました。
今回は実際の研修概要について、イベントレポート形式でお届けします。

実施概要

  • 研修名:【よのな科】ジェンダーについて考える時間
  • 日時:2023年3月6日(月)15:00-16:30(90分)
  • 実施方法:オンライン
  • 対象:全社(280名+店舗含む)

株式会社スープストックトーキョー

理念 

  • 世の中の体温をあげる

会社概要

  • 会社名:株式会社スープストックトーキョー
  • 代表取締役社長:松尾 真継
  • 従業員数:1,470名(2022年3月現在)
  • 企業概要:株式会社スープストックトーキョーは「世の中の体温をあげる」を企業理念に掲げ、食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo」を始め、さまざまな食の事業を展開しています。
  • HP:https://www.soup-stock-tokyo.co.jp/

研修講師

田渕 恵梨子 / 代表理事

東京都北区在住。仕事と育児の両立をきっかけに、日本のジェンダーギャップに危機感を覚える。ジェンダーギャップをなくし、性別に関わらず誰もがキャリア形成・家事・育児をあたりまえに「自分ごと」として捉える社会をつくりたい。その強い思いから、同じ価値観をもつ複数の仲間と共に当法人を設立した。

目的

  1. 「ジェンダー」の本質を理解すること
  2. ジェンダー課題を知り、気づくこと
  3. ジェンダー平等社会がもたらす世界観をイメージできるようになること

研修アジェンダ

知ろう!学ぼう「ジェンダー」

スープストックトーキョー様とジェンダーイコールで話し合いを重ねて、参加者のより共感を得るトピックで問いかけを行いました。

知ろう!学ぼう「ジェンダーバイアス」

ジェンダーバイアスとは、性別での決めつけや偏見を指す言葉です。ジェンダーバイアスがどこから来ているのかを解説し、自分の中にあるバイアスに気づくための「ジェンダーバイアスチェック」を実施しました。

女性らしい、男性らしいってなんだろう?

男らしい、女らしいとは一体なんでしょうか?その意識の変遷や、実際にあった炎上した事例などを取り上げて解説しました。

知ろう!学ぼう「ジェンダーギャップ」

ジェンダーギャップとは、男女格差を表す用語です。世界経済フォーラム(WEF)が発表している「ジェンダーギャップ指数」のご説明や具体的な数値について共有しました。

参加者の声

  • 大変わかりやすく、ジェンダーについて考える良いきっかけになりました。ありがとうございました。
  • 今日改めて自分のジェンダーバイアスに気づく部分もたくさんあったので本当に勉強になりました。明日からますますジェンダーについての理解を深めるため情報を収集します。
  • 相手の主張に身構えてしまっても、一旦立ち止まって背景を考える余裕を持ちたいと思いました。


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こちらよりお問い合わせをお待ちしております

【企業研修レポート】…

2023年2月21日(火)、2022年11月よりプロボノ活動として当団体をご支援いただいた株式会社Dirbato様の最後の活動として自社内研修の実施をご支援しました。

当日のメインスピーカーはプロボノメンバーが主導し、私たちはオブザーバーという形で参加させていただきました。プロボノメンバーが講師を担い、ジェンダーに関する知識だけでなく、社員に身近に感じてもらえるトピックとして「育休」についても取り上げました。

プロボノメンバーがご自身が講師になることで参加されていた方もジェンダーについてより身近に感じていただけたと感じました。

実施概要

  • 研修名:ジェンダー平等と育休
  • 日時:2023年2月21日(火)19:00-20:30(90分)
  • 実施方法:オンライン
  • 対象:任意参加者(17名)※プロボノメンバー5名含む

株式会社Dirbato

理念

テクノロジーで世界に喜びを。

会社概要

  • 会社名:株式会社Dirbato
  • 代表取締役社長:金山 泰英
  • 企業概要:テクノロジーコンサルティング事業/インキュベーション事業
  • HP:https://www.dirbato.co.jp/

オブザーバー

※講師は株式会社Dirbato様のプロボノメンバー5名が担当。当団体はオブザーバーとして企画支援、研修当日の講師サポートに専任しました。

田渕 恵梨子/代表理事

東京都北区在住。仕事と育児の両立をきっかけに、日本のジェンダーギャップに危機感を覚える。ジェンダーギャップをなくし、性別に関わらず誰もがキャリア形成・家事・育児をあたりまえに「自分ごと」として捉える社会をつくりたい。その強い思いから、同じ価値観をもつ複数の仲間と共に当法人を設立した。

室田 美鈴(むろた みすず)/企業チーム

東京都新宿区在住。大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。

目的

  1. プロボノ活動で、知ることができたジェンダーについての知識を社員の方々にも展開し理解の促進を目指す
  2. 社内で普段は話すことのないジェンダーに関するトピックについて話すことで、ジェンダー平等に対する感度を高めること

研修アジェンダ

アイスブレイク

まずはアイスブレイクとして当団体が発行しているジェンダーハンドブックに掲載しているジェンダーバイアスクイズを出題しました。

皆さんは上のイラストのどこにジェンダーバイアスが潜んでいるかお分かりになりますか?当日は参加者の皆さんから積極的にご意見をいただき、盛り上がることができました。

ジェンダーに関する基礎知識

アイスブレイクを踏まえて、ジェンダーに関する以下の用語について意味とそれぞれの言葉の違いについて説明を行いました。

  • セックス
  • ジェンダー
  • ジェンダーバイアス
  • ジェンダーギャップ
  • ジェンダーギャップ指数

ジェンダーギャップ指数については参加者の皆さんからデータの見方や計測方法についてさまざまなご質問をいただくことができました。

なぜジェンダーギャップが起きるのか

次になぜ日本の中でジェンダーギャップが発生しているのかという点を解説しました。やや難しい内容でしたが、さまざまなデータを用いて、これまでの制度上の背景などを丁寧にご説明いただきました。

育休について

ここからは育休について解説を行いました。参加者の方がより身近にジェンダーを感じる機会は「育休」ではないかと考え、今回サブテーマとして選択しました。育休について男女共に正しい知識を持っている人は少ないので、性別を問わず個々人の選択肢を広げたいという背景で「育休」について解説をしていただきました。

制度に関する説明だけでなく、当団体のYoutubeに掲載している男性育休取得者インタビューの内容を抜粋してご紹介いただきました。取得された方の声を知ることで参加された方も具体的な育休中の生活についてイメージをすることができたと感じました。

当団体のYoutubeにはここに掲載いただいている方の詳細な育休に関するインタビュー動画がアップされています。ご興味ある方はぜひチェックをお願いします!

意見共有(ディスカッション)/まとめ

最後に今回の研修の内容を踏まえて、ブレイクアウトルームにて意見交換を行っていただきました。普段仕事以外のテーマで話す機会がなかなかないこともあり、育休やジェンダーについてさまざまな意見共有がされており、時間が全然足りなかったというお声をたくさんいただくことができました。

議論の最後にプロボノメンバーより、プロボノ活動の中で気づいた身近なジェンダーギャップについてご経験を語っていただき、本研修をまとめていただきました。プロボノメンバーが考えたまとめの言葉がとても素敵でしたのでご紹介します!

参加者の声(一部抜粋)

  • 育休に関してのテーマに興味があったので、概ね欲しい情報得られました
  • 男性の育休取得に関する生の声が知ることができて良かったです。
  • ジェンダーバイアスについて、意識しないと認識できないということ知り、良い気づきになりました。何が正しいということではないというのはその通りだと思うと共に、ジェンダーバイアスが至る所に潜んでいるということを知ることで、様々な価値観を許容できると感じました。  
  • 育休に関して、給与面で国からサポートがあることなど、知らないこともあり、広く認知されることで取得率も向上するのではないかと思いました。

といったコメントをいただき、研修を通じて日本のジェンダー課題や育休について認識いただくことができたと感じました。

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【イベントレポート】…

2023年3月6日に京都人権擁護委員協議会男女共同参画委員会の方々に向けて、ジェンダー研修の講師をさせていただきました!今回は「日本で今起きているジェンダー問題を知る」というテーマで研修を行いました。

  • テーマ:日本で今起きているジェンダー問題を知る
  • 主な内容(抜粋):
    • 日本の現状クイズ
    • 昨今の国内のジェンダー問題
    • 実際に生きづらさを感じている方の声を聞く
    • 振り返り
  • 日時:2023年3月6日(月)13:30-15:30(120分)
  • 実施方法:講師のみオンライン
  • 対象:京都人権擁護委員協議会男女共同参画委員会メンバー(12名)

京都人権擁護委員協議会とは

人権擁護委員は法務大臣から委嘱された民間のボランティアで、全国の各市町村に約14,000人が配置されています。京都市では55名の委員が「京都人権擁護委員協議会」を組織し、法務省管轄のもと、都道府県や全国それぞれの連合会と連携した活動を行っています。 委員は、さまざまな分野の経歴などを活かし、日常生活のなかで発生する人権問題について、法務局と連携して、地域の皆さんからの人権相談を受け、問題解決のお手伝いをしたり、人権侵害の被害者を救済したり、地域の皆さんに人権について関心を持ってもらえるような人権啓発活動を行っています。(相談・調査救済・啓発)

登壇者

室田 美鈴(むろた みすず)

【関心のあるテーマ】企業内に残るジェンダー格差の解消、企業や組織文化の改革

【活動歴】大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。

研修は主に3つのパートに分けて行いました。

日本の現状クイズ

ジェンダーに関連する用語説明を簡単に行った後に、アイスブレイクとして日本の現状クイズと題して、日本国内の政治的/経済的なジェンダー格差に関するクイズを出題しました。

皆さんはお分かりになりますか?

正解以外の選択肢にも関連する数字を使うことで、日本の政治的/経済的なジェンダー格差を広く知るきっかけになるように工夫しました。

ぜひ興味があれば、この数字のそれぞれの意味を検索してみてください。

参加者の中でも悩まれている方が多くいたり、回答が割れたりする問題などもあり、ご自身が想定するよりも日本国内の男女格差が存在することを数値で認識いただくことができたと感じました。

昨今の国内のジェンダー問題 〜ジェンダー課題の背景を政治家の失言から〜

次のセッションでは「政治家の失言から読み解く、日本のジェンダー問題」と題して、政治家の失言やインフルエンサーの炎上発言の背景にある心理や考え方について解説を行いました。

今回はこちらの3名の政治家の女性蔑視発言と女性インフルエンサーの男性に対する差別的発言や固定的な考え方(身長170cm以下の男性は人権がない/デート代は男性が払うべき)を題材にそれぞれの裏にある以下の考え方を解説しました。

  • ミソジニー
  • 世界的に女性の社会進出と少子化進行に相関はない →相関しているのは日本特有の理由がある!(政策/性別役割分担意識など)
  • 過剰適応
  • 男性は3高がモテる!?(非正規雇用の男性の結婚率は正規雇用の半分以下) →女性は雇用形態によって結婚率に大きな乖離はない

昨今ではジェンダーに関する発言で政治家やインフルエンサーが炎上するといったケースが増えてきています。こういった発言が炎上してしまう背景には発信者が「自分自身のジェンダーバイアスに気づいていない」ためと言えます。

誰しもが固定観念やジェンダーバイアスは持っているので、そのバイアスを持っていること自体は問題ではありません。問題なのは自分自身が自分のバイアスに無自覚な状態で発信を行い、その発言によって意図的かどうかは問わず、他人を傷つけてしまうことです。

そのような問題を起こさないためには、今の多様化した価値観を知ることと自分自身のバイアスを認知することが大切であるということをこの項目でお伝えしました。 基礎研修から1歩踏み込んだやや難しい内容でしたが、ご参加いただいた皆様も真剣に話を聞いてくださり、日本国内の問題をご理解いただけたと感じました。

実際に生きづらいと感じている当事者の声を聞く

次に実際に生きづらいと感じている方の声として「男性育休取得者」のインタビュー動画とジェンダーイコール高校生メンバーが作成したショートムービーをご覧いただきました。 こちらの動画は当団体のYouTubeにも上がっておりますので、ぜひご興味がある方はご覧ください!

動画URL:

男性育休取得者インタビュー

・ご夫婦で1年間育休を取得された児玉さん
 ・第3子のタイミングにパートナーが1ヶ月半育休を取得したくるみさん

高校生制作ショートムービー

・「あたり前」って何?
・なぜ男子ばかり厳しく怒られるの?

男性育休取得者インタビュー動画は取得した男性の方に加えて、パートナーが育休を取得した女性の方の声も聞いていただくことで、夫婦としての感じ方などをより広く知っていただけるように工夫しました。

動画を通じて、育休の取得しやすさに依然として男女差が存在すること、その裏には企業や家庭の中で性別役割分担意識が無意識的に刷り込まれているということを感じていただけたと思います。

続けて当団体の高校生メンバーが脚本/監督をしたショートムービーを2本放映しました。 こちらも学校生活の中で女子学生/男子学生がそれぞれ感じる違和感を取り上げ、一方の性に偏らずに幅広い価値観に触れていただけるように工夫をしました。

振り返り(ディスカッション)

動画やこれまでの説明を受けて、ご参加者の皆様の感想や感じたことなどを3-4人のグループで議論をしていただきました。

短い時間にはなってしまいましたが、どのグループも白熱した議論をしてくださっていました。

最後に各グループで話したことを全体シェアいただきました。 その中で、参加者のご家族の家事育児分担に関する話や高校生のショートムービーを通じて些細な発言に対しても人それぞれ感じ方が違うのだということに気づくきっかけになったといったご意見をいただくことができました。

まとめ

最後に京都府内でのジェンダー平等に向けた取り組みを簡単に紹介し、閉会とさせていただきました。

当日はさまざまなご意見やご質問をいただき、時間を大幅にオーバーしてしまいましたが、皆様の関心の高さや課題意識を強く感じ、私自身もとても勉強になる研修でした。

普段から人権問題に取り組んでらっしゃる方々のため、社会課題への意識がとても高く、私たちが捉えられていない視点や取り組めていない問題に対する考え方を伺うこともできました。 私たちの今後の活動に活かせるご指摘も多く、双方にとってとても充実した時間を過ごすことができたと感じました。

また事後アンケート※注1では

  • 課題意識は持っていたが、具体的な問題点を整理してもらい深く理解できた
  • 政治家の発言には違和感を感じていたが、今回の研修を通じてどこに問題点があるのか明確にできた
  • 高校生の動画が普段よく見かける現状の再現で、そういえば・・・と振り返るきっかけとなった

といったコメントをいただき、研修を通じて日本が抱えるジェンダー課題をご理解いただくことができたと感じました。

ぜひ京都府内での今後の皆様の活動に活かしていただけると嬉しいと感じました。改めてご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

※注1:上述の事後アンケート結果は抜粋/一部改訂して掲載しています 私たちはこれからも企業や団体の大小問わず、ジェンダーに関する周知/啓蒙活動を行っていきますのでご興味がある方はぜひ当団体にご連絡ください!