【企業研修レポート】…

2024年3月5日に東芝デバイス&ストレージ株式会社の管理職の方に向けて研修を実施しました!

今回の研修はかなテラス(神奈川県立かながわ男女共同参画センター)企画の「男性の家事・育児参画促進に向けた講師派遣事業」の講師として登壇させていただきました。

今回は実際の研修概要について、イベントレポート形式でお届けします。

実施概要

  • 研修名:違いを知り、活かすために(ジェンダー編)
  • 日時:2024年3月5日(火)13:00-15:00(120分)
  • 実施方法:対面式+オンライン参加
  • 対象:管理職の方+ご興味ある方
  • 当日参加者:250名程度(オンライン+対面)
  • 研修アジェンダ
  1. なぜジェンダー平等を行う必要があるのか
  2. ジェンダーに関する基礎知識
  3. 自分の会社を知る
  4. バイアスを感じる

企業概要

  • 会社名:東芝デバイス&ストレージ株式会社
  • 代表取締役社長:島田太郎
  • 企業概要:ディスクリート半導体・システムデバイスなどの半導体デバイスとHDDなどのストレージ製品の開発・製造・販売
  • 従業員数:20,600人(連結)、3,400人(単独) ※2023年3月末現在

研修講師

室田 美鈴(むろた みすず)

【関心のあるテーマ】企業内に残るジェンダー格差の解消、企業や組織文化の改革

【活動歴】大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。

目的

  • 日本や自社の現状を正しく把握し、ジェンダー平等を進める意義を理解する
  • 部下や同僚の仕事や家庭での役割を想像し、両立を支援するために何ができるかを考える

研修内容

1. なぜジェンダー平等を行う必要があるのか

昨今では男女問わず育休取得者が増加したり、政府としても働き方改革を推進しています。一方で仕事量は変わっておらず、管理職への負荷が上がっていると感じている人も多いはず。そういった中で日頃、管理職の皆さんが感じている難しさやジェンダー平等を進める意義についてディスカッションを行っていただきました。 

ディスカッションを通じて、「性別を問わず、育休を取得することは歓迎だし、ぜひ取って欲しい。一方で快く育休を取得を取れるような環境づくりに苦戦している」という声をいただき、多忙な中で働く環境の改善に向けて苦労されている様子が窺えました。

2. ジェンダーに関する基礎知識

今回はジェンダーについて初めて学ぶ方に向けて用語説明を行いました。

  • セックス(SEX)
  • ジェンダー(Gender)
  • ジェンダーバイアス
  • ジェンダーロール
  • ジェンダーギャップ
  • ジェンダーギャップ指数
  • 日本の状況/データ(女性管理職比率/男女別育休取得率・取得期間/男女雇用機会均等法の変遷)

3. 自分の会社を知る

日本全体のデータを踏まえて、自社のジェンダーに関する以下データを開示しました。

  • 当日参加者の年代別共働き世帯
  • 女性従業員比率
  • 女性管理職比率
  • 男性育休取得率
  • 男性育休取得期間

日本全体の平均や製造業での平均値との乖離を知ることで、自社の客観的な立ち位置を感じていただきました。

加えて、実際に働いている社員の声として、女性社員の座談会にて挙がった声や男性で育休を取得された方の声を紹介しました。定量的なデータに加えて、実際に働いている方の生の声を聞くことで社内にある暗黙のルールや多様性を感じていただけたと思います。

4. バイアスを感じる

最後のセッションでは「ご自身のバイアスを感じる」をテーマにご自身の性別役割分担意識に関するバイアスチェックを行いました。 今回はIATテストという2つの項目に関する言葉の結び付きの強さを測るチェック方法を用いて行いました。

チェックはあくまでも自分自身のバイアスを感じるためのもので、他人と比較したり、どちらか一方の結び付きが強いから良い悪いというものではありません。ご自身がどういうバイアスを持っているのかを認識し、自己理解を深めることで他者との関わり方を改めて考える一助としてもらえればと思い、実施しております。

チェックを行った後に、社内にある暗黙のルールや普段上司として意識していることをディスカッションいただきました。

ディスカッションの中で宴席での若手社員の振る舞いが気遣いなのか、暗黙のルールなのか、悩ましいという発言が出ておりました。ご自身が若手社員の時は「当たり前」であったものが、多様性が尊重される現在では、「当たり前」ではなくなりつつあります。

お互いに認識の齟齬が生まれないように、社内のルール/業務であれば、きちんと上長から言語化し、そうでない場合はやる必要がないことも併せて伝えて、風通しの良い雰囲気を作っていただけると良いなと感じました。

最後に管理職の違いを知るために必要なこと、活かすために必要なことを簡単に解説し、終了しました。

参加者の声

オンラインも含めて多くの方にご参加いただくことができました。ディスカッションのお時間はどのチームも積極的にお話しいただいており、特にオフライン参加者の方から前向きなご意見を多くいただきました。

  • 自社の状況について状況を理解できた。ジェンダーによる差はなくなってきていると考えていたが、数字を見てまだまだだなと感じた
  • 思い込みに気づくのは難しく、実際にバイアスのチェックと通して実感できた
  • これまで社内の女性たちは、波風を立てない、目立たちたくない、諦めなどで声を上げることは少なかったと思うので、客観的に自社の状況を共有できる場があり有益だった

一方で「管理職の方への負荷があがる/管理職は大変だ」というお声もいただき、改めて企業内でジェンダー平等を推進する上での難しさや課題も認識できました。

今後、当団体としても管理職支援をテーマにした取り組みも検討したいと思っております。今回の研修を通じて、現場のさまざまなお声をいただき、私たちも多くの気づきをいただくことができました。ありがとうございました。

ジェンダーイコールと一緒に、社内研修を実施しませんか?

こちらよりお問い合わせをお待ちしております

【企業研修レポート】…

2024年3月26日にクロックス・ジャパン合同会社にてセミナーを実施しました!今回はセミナーの概要について、イベントレポート形式でお届けします。

実施概要

  • 研修名:身近なジェンダーバイアスを考える
  • 日時:2024年3月26日(火)15:30-16:30(60分)
  • 実施方法:対面式+オンライン参加
  • 対象:任意参加
  • 当日参加者:対面式(16名)、オンライン(3名)
  • 研修アジェンダ
  1. アンケート結果共有
  2. ジェンダーに関する基礎知識
  3. ディスカッション①
  4. ディスカッション②

企業概要

会社名:クロックス・ジャパン合同会社

【Crocs】

クロックス社は、女性、男性、子供向けのカジュアルフットウェアの世界的リーダーであり、快適さとスタイルが消費者に愛され続けています。同社のブランドにはクロックスとHEYDUDEがあり、製品は卸売と直販を通じて85以上の国で販売されています。

クロックス社に関する詳細は、investors.crocs.comをご確認ください。同社のブランドについては、www.crocs.co.jp または www.heydude.com をご覧いただくか、フェイスブック、インスタグラム、ツイッターで @crocsjp または @heydude をフォローしてください。

研修講師

室田 美鈴(むろた みすず)

【関心のあるテーマ】企業内に残るジェンダー格差の解消、企業や組織文化の改革

【活動歴】大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。

目的

  • ジェンダーバイアスが身近にあることを知る
  • バイアスを是正するためにできることを考える

研修概要

今回のセミナーはディスカッションの時間を長く取り、身近にあるジェンダーバイアスについて自分ごととして考えていただけるような形で進めました。

またセミナーを開始するにあたり、ジェンダー平等の実現やバイアスを払拭するための近道や正解はなく、自分自身で考えることが重要であることをお伝えした上で開始しました。

1. 事前アンケート結果まとめ

今回はセミナーを実施前に事前アンケートを実施しました。

(事前アンケート設問)
  • 生きづらいと感じたこと
  • 日本の中にある男女格差/違和感

 セミナーの最初に事前アンケート結果報告として、参加者が感じているジェンダーバイアスや違和感を共有しました。

生きづらいと感じたこととして、

  • 家事や育児負担が私(女性)に偏っている
  • 父親として育休が取れなかった
  • 良き妻/良き母を育てるという校風の学校だった

日本の中にある男女格差/違和感としては

  • 「まだ結婚しないの?」と当たり前に聞く文化
  • 伝統的な性別役割分担を含む、根強い性差別があるがそのことに気づいていない

といった日常生活の中に存在するさまざまな違和感を共有いただきました。

2. ジェンダーに関する基礎知識

ディスカッションを行う前に認識合わせとして簡単にジェンダーに関する用語説明を行いました。

  • セックス(SEX)
  • ジェンダー(Gender)
  • ジェンダーバイアス
  • ジェンダーロール
  • ジェンダーギャップ
  • ジェンダーギャップ指数
  • 日本の状況/データ(女性管理職比率/男女別育休取得率・取得期間/男女雇用機会均等法の変遷)

3. ディスカッション①

1つ目のディスカッションのテーマはこちら!

 バイアスのある発言を耳にしたら、あなたはどう反応しますか?

 (言われた本人だったら?言われた人の周囲にいたら?)

(発言例)

  •  (独身女性に対して)「まだ結婚しないの?」
  • (結婚した男性に)「これから大黑柱として仕事頑張れ」
  • (夫が妻に)「母親なんだから家事/育児はちゃんとやって」

各チーム、ご自身やご家族の経験などを踏まえて、時間いっぱいまで闊達に議論していただきました。正解がない上に状況や自分の立場によっても振る舞い方が異なるため、皆さんから「難しい!」という声を多くいただきました笑

全体シェアの時間では、子どもを持つ女性の方から、

「残業していると、男女問わず上司から『パートナー(夫)が子どもを見てくれていて、いいパートナーだね』といった声がけをされるが、おそらく男性社員はそういう発言を言われたことはないと思う。私も育児も仕事も頑張っているのに!」といったエピソードを共有いただきました。

またそういう発言を受けた際、その女性は「私も週に3日は早く帰って育児をしているので、褒めてください!」と相手の発言をストレートに指摘はしないものの、バイアスに気づいてもらえるような発言をしていると共有いただきました。

バイアスのある発言をされている方の多くは全く悪気なく発言をしていることがほとんどです。したがって反応する側も過度に攻撃的にはならず、かといって自分自身の気持ちもしっかり守れる対処法を状況に応じて考えて置く必要がありますよね。

バイアスのある発言を耳にする機会は実は結構多いです。今後こういった状況に陥った時に、今回のディスカッションで話したことを思い出していただけると嬉しいです。

4. ディスカッション②

2つ目のディスカッションのテーマはこちら!

積極的差別是正措置(Positive Action)は必要か?

Positive Action例:女性専用車両/大学入試の男女別枠の設置/管理職の男女別枠の設置など

昨今ではクオーター制やAffirmative Actionといった構造的な差別を是正するために一時的に女性の優先枠を設けたり女性の進出を促す計画を策定するなど特別な措置を講じて男女の実質的な機会の均等を確保するためのアクションを実施すべきという考え方も広まってきています。

一方でこういった施策は「逆差別」であると考える反対派の人たちもおり、議論を巻き起こしています。

少し難しいテーマではありましたが、今回ご参加いただいた皆様のリテラシーや知識レベルに鑑みて、私自身もぜひ皆さんと議論してみたいと考え、このテーマを選びました。

賛成や反対という明確な立場を取ることは難しいと感じつつも、さまざまなケースを想定して、こちらのテーマでも時間いっぱいかけてディスカッションを行っていただきました。

全体シェアでは、実際にご出身の理系の大学で、入試に男女の入学枠を設けたことで、結果的に現在は男女半々になっているという事例を紹介いただきました。加えてその大学では入学枠を設けるだけでなく、入学後の教育プログラムも女子学生に合う形でカスタマイズをし、卒業までしっかり支援を行うことで、その後のキャリア支援にも繋がるのではないかというコメントもいただきました。日本では京都大学では2026年度から入学試験の女子枠の設置がこれから開始されます。日本でも今後、建設的で前向きな議論が広まることを願っています。

そしてセミナーの最後に、セミナーを通じて感じたことをグループ内でシェアいただき、終了となりました。参加いただいた皆さんがお互いフラットかつ自由闊達に議論を進めていただき、オープンな社風を感じることのできるセミナーでした。

参加者の声

終了後に実施した参加者アンケートでは、

  • 答えはない、という点でひとそれぞれ考え方は違うと思うので納得した
  • ジェンダーバイアス解決のためにポジティブアクションがどの程度まで必要なのか難しいと感じた
  • 社会全体で意識改革が必要な事を改めて確認できた
  • 自分でも悪気なくバイアスのある発言を口にしている事があるかもしれないと再認識できた

1時間という短い時間の中で内容の濃い議論を実施いただき、私自身も事前/事後アンケートも含めてさまざまなご意見をいただくことができ、大変勉強になりました。

ありがとうございました!
なお、今回のセミナーの内容は、クロックス・ジャパン合同会社のLinkedInにも掲載いただいております。ぜひご興味ある方はこちらもチェックをお願いします。

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【自治体向け研修レポ…

2024年1月29日に神奈川県葉山町役場の管理監督職の方に向けて研修を実施しました!

今回の研修はかなテラス(神奈川県立かながわ男女共同参画センター)企画の「男性の家事・育児参画促進に向けた講師派遣事業」の講師として登壇させていただきました。

今回は実際の研修概要について、イベントレポート形式でお届けします。

実施概要

  • 研修名:違いを知り活かすために
  • 日時:2024年1月29日(月)13:30-15:30(120分)
  • 実施方法:対面式
  • 対象:葉山町役場の管理監督職(係長級以上の職員)(男性:11名)
  • 研修アジェンダ
  1. なぜジェンダー平等を行う必要があるのか
  2. ジェンダーに関する基礎知識
  3. アンコンシャスバイアス
  4. 男性育休取得者とのパネルトーク

研修講師

室田 美鈴(むろた みすず)

【関心のあるテーマ】企業内に残るジェンダー格差の解消、企業や組織文化の改革

【活動歴】大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。

目的

  • 自分と他者の違いを知る(家庭と仕事での役割)
  • 自分の影響力と意識すべき点を知る

研修アジェンダ

今回は主に以下の内容でこちらから情報を提供しつつ、極力皆さんで議論をしていただく時間を長く取る形で進めました。

1. なぜジェンダー平等を行う必要があるのか

昨今では男女問わず育休取得者が増加する中、管理監督職への負荷が上がっていると感じている人も多いはず。そういった中で日頃、管理監督職の皆さんが感じている職場環境改善を進める難しさやジェンダー平等を進める意義について伺いました。

参加者の皆さんからは、男女平等になることは大切だし、重要だと思っている一方で、女性も男性も育休を取得されることで、実際に現場の負荷が上がるのではと懸念を感じている方も多いと感じました。

※現場レベルで「なぜやるのか」をしっかりと言語化していく必要があると改めて感じました!

2. ジェンダーに関する基礎知識

今回はジェンダーについて初めて学ぶ方に向けて用語説明を行いました。

  • セックス(SEX)
  • ジェンダー(Gender)
  • ジェンダーバイアス
  • ジェンダーロール
  • ジェンダーギャップ
  • ジェンダーギャップ指数
  • 日本の状況/データ(女性管理職比率/男女別育休取得率・取得期間/男女雇用機会均等法の変遷)

3. アンコンシャスバイアス(身近に暗黙のルールはありませんか?)

今回は管理監督職の方向けの研修ということで、ジェンダーに加えて部下の方が管理監督職に対して持っているバイアスについて説明をした上で「身近にある暗黙のルール」をグループで考えていただきました。

ディスカッションを通じて、業務分担が明確に定義されていない業務が性別や雇用形態によって分けられていることに気づかれている方もいらっしゃいました。

(例)外部イベントを行う際、日に当たる仕事は男性/日に当たらない仕事は女性

ウォーターサーバーを取り替えるのは派遣社員の方(女性)

こういった業務の分担をきちんと定義すべきかどうか、なぜ今の分担となっているのか、確認するきっかけとなれば嬉しいです。暗黙のルールを極力減らし言語化した上で、全員の認識を合わせていくことで、全員の納得感を醸成する1歩となります。

4. 男性育休取得者とのパネルトーク

最後のコンテンツとして、実際に男性で育休を取得された方へのインタビュー形式で実際の今の生活や育休中の生活について、さまざなまお話を伺いました。

普段身近で働いている人の家庭での役割や育休期間中の話を聞くことで、自分とは異なる生活スタイルをしている人たちに対するイメージを具体化していただきました。

パネルトークの様子

おわりに研修のまとめとして普段の仕事の中で意識すべき点を簡単にお伝えし、終了しました。

参加者の声

  • 普段、共働き世帯の家庭での役割や育休中の生活について聞くことがないので、イメージできてよかった
  • 参加者が男性だけだったので、女性にも参加してもらった方がさまざまな意見を聞くことができたのではないか
  • グループディスカッションを通じて、現在の職場でのバイアスを理解することができた
  • 部下との関係性を築くうえで、今の時代で働くために必要なことだと感じた

今回は管理監督職の方向けということで男性のみの参加者となりましたが、今回の研修をきっかけに家庭での役割やジェンダーについて、ぜひ職場のみなさんと話す機会を設けていただけると嬉しいと感じました。

実際にジェンダー平等を進めていくことでの難しさなど生の声を聞くことができ、当団体としても大変勉強になりました。

ありがとうございました。

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【イベントレポート】…

2023年12月12日に京都府人権擁護委員連合会男女共同参画委員会の方々に向けて、ジェンダー研修の講師をさせていただきました!京都府内における人権擁護委員の方々へは今回が2回目の講演となりますが、今回は「ジェンダーの基礎知識を知り、自分のバイアスを感じる」というテーマで研修を行いました。

  • テーマ:ジェンダーの基礎知識を知り、自分のバイアスを感じる
  • 主な内容(抜粋):
    1. ジェンダーに関する基礎知識
    2. 自分のアンコンシャスバイアスを知る
    3. 日本の現状クイズ
    4. グループディスカッション/振り返り
  • 日時:2023年12月12日(火)10:00-12:00(120分)
  • 実施方法:講師のみオンライン
  • 対象:京都府人権擁護委員連合会男女共同参画委員会委員

人権擁護委員協議会とは

人権擁護委員は法務大臣から委嘱された民間のボランティアで、全国の各市町村に約14,000人が配置されており、京都府では令和6年1月1日現在、270人の委員が「京都府人権擁護委員連合会」を組織して活動を行っています。

人権擁護委員は、さまざまな分野の経歴などを活かし、日常生活のなかで発生する人権問題について、法務局と連携して、地域の皆さんからの人権相談を受け、問題解決のお手伝いをしたり、人権侵害の被害者を救済したり、地域の皆さんに人権について関心を持ってもらえるような人権啓発活動を行っています。(相談・調査救済・啓発)

【法務省:人権擁護委員】

https://www.moj.go.jp/JINKEN/index_yougoiin-a.html

【法務省:人権相談】

https://www.moj.go.jp/JINKEN/index_soudan.html

電話は最寄りの法務局にかかり、人権擁護委員または法務局職員が対応します。

登壇者

室田 美鈴(むろた みすず)

【関心のあるテーマ】企業内に残るジェンダー格差の解消、企業や組織文化の改革

【活動歴】大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。

研修概要

研修は主に3つのパートに分けて行いました。

1. ジェンダーに関する基礎知識

今回はジェンダーついて初めて学ぶ方に向けて用語説明を行いました。

  • セックス(SEX)
  • ジェンダー(Gender)
  • ジェンダーバイアス
  • ジェンダーロール
  • ジェンダーギャップ
  • ジェンダーギャップ指数

2. 自分のアンコンシャスバイアスを知る

次のセッションでは「自分のアンコンシャスバイアスを知る」と題して、性別役割分担意識を測る簡単なチェックを行いました。

こちらのチェックはインターネットで誰でも実施できるバイアスチェック(IATテスト)をアレンジして作成をしました。 実際にチェックを行う中で、回答が分かれてしまったり、考えすぎて手を挙げられなかったり、とご自身の性別役割分担に関するバイアスを肌で感じていただくことができました。

3. 日本の現状クイズ

今回も日本の現状を伝えるべく、ジェンダーバイアス/ギャップを題材としたクイズを4問出題しました。

4. グループディスカッション/振り返り

これまでの説明やバイアスチェックなどを踏まえて、各グループで感じたことなどを共有いただきました。どのグループも時間いっぱいまで白熱した議論をしてくださっていました。 最後に各グループで話したことを全体にシェアいただきました。ご自身の家族のお話といった実際の経験談を共有いただき、ジェンダーやアンコンシャスバイアスに関する意識をより身近に感じていただけたと感じました。

最後に

質疑応答の中で「実際にどんなことに気をつけたら良いか」というご質問をいただきました。確かに昨今では相手を慮り過ぎて、うまく話せないといった悩みを持たれる方も多いと感じます。

まずは本日説明したアンコンシャスバイアスの存在を認識し日常生活の中で意識した上で、「相手としっかり対話をすること」が重要であることをお伝えしました。相手と対話をするためには、相手の考えや価値観をそのまま受け止め、話しやすい環境を醸成することも重要であることも合わせて説明しました。 2時間という長時間にもかかわらず、終始積極的にご質問やお意見をいただくことができ、とても充実した時間を過ごすことができました。

また事後アンケート※注1では

  • 他の委員との話し合いがあったことで、いろんな意見や考えを聞くことができて良かった
  • 立場のある人間のアンコンシャスバイアスは放置すると意図せず人を傷付けてしまう事、部下や子供、周囲の人の可能性を狭めてしまう事を知った
  • 相談相手の話を相手の価値観で聞き、相手の悩みを共有したいと思った

といったコメントをいただき、研修を通じて自分事としてジェンダー課題を感じていただくことができたと感じました。

ぜひ京都府内での今後の皆様の活動に活かしていただけると嬉しいと感じました。改めてご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

※注1:上述の事後アンケート結果は抜粋/一部改訂して掲載しています。

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【イベントレポート】…

2023年12月9日に神奈川自治労連/婦人部開催の「ジェンダー平等しゃべり場」の中で自治労連のメンバーに向けて「ジェンダーの基礎的な知識に関する研修」を実施しました。

実施概要

  • 研修名:ジェンダーの基礎知識を知り、自分事として課題意識を持つ
  • 主な内容(抜粋):
    • ジェンダーに関する基礎知識
    • アンコンシャスバイアスを感じる
    • 日本の現状クイズ
  • 日時:2023年12月9日(月)14:00-15:00(60分)
  • 実施方法:オフライン
  • 対象:神奈川自治労連メンバー(12名)

研修講師

室田美鈴(むろた みすず)

【関心のあるテーマ】

企業内に残るジェンダー格差の解消、企業や組織文化の改革

【活動歴】

大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。

研修概要

1. ジェンダーに関する基礎知識

今回はジェンダーについて初めて学ぶ方に向けて用語説明を行いました。

  • セックス(SEX)
  • ジェンダー(Gender)
  • ジェンダーバイアス
  • ジェンダーロール
  • ジェンダーギャップ

2. アンコンシャスバイアスを感じる

次のセッションでは「アンコンシャスバイアスを感じる」と題して、参加された方や登壇者の経験に基づいて自分自身のアンコンシャスバイアスを感じていただきました。 実際に簡単なチェックを行う中でバイアスを克服することの難しさも合わせて体験いただきました。

3. 日本の現状クイズ

加えて日本の現状を伝えるべく、ジェンダーバイアス/ギャップを題材としたクイズを3問出題しました。

4. 最後に

参加された皆さんがとても真剣にお話を聞き、リアクションをしてもらえたことが印象的でした。研修の後は「しゃべり場」として自治労連の方々に主導いただき、2つのグループに分かれて、日頃感じているもやもややジェンダーバイアスなどについてカジュアルにお話しいただきました。参加者の皆さんから日常生活の中で感じている、ジェンダーに関するさまざまな経験をお話しいただき、環境は少しずつ改善はしているものの、まだまだ変わる余地が多くあることを改めて実感する機会となりました。

参加者の声

また事後アンケート※注1 では、

  • 知っているつもりでちゃんと理解できていなかったこともあり、整理できた
  • 改めて意識する機会になった
  • 自分のバイアスに気付き、誰もが違う背景を持っており、それぞれを尊重したコミュニケーションを取りたい

といったコメントをいただき、研修を通じてジェンダー課題を身近に感じていただくことができたと感じました。

ぜひ神奈川県の各自治体にもこういった考え方を持った方が少しでも増えるといいなと感じました。改めてご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

※注1:上述の事後アンケート結果は抜粋/一部改訂して掲載しています

私たちはこれからも企業や団体の大小問わず、ジェンダーに関する周知/啓蒙活動を行っていきますのでご興味がある方はぜひ当団体にご連絡ください!

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【企業研修レポート】…

2022年3月3日、当団体へさまざまなご支援をいただいているルルレモンアスレティカJP合同会社様向けに社内研修を実施しました。本研修は国際女性デーでの社内企画前に社内のジェンダーに関する知見を深めたいという目的で行いました。今回は実際の研修概要について、イベントレポート形式でお届けします。

実施概要

  • 研修名:日本の「ジェンダー」について学ぼう
  • 日時:2022年3月3日(月)9:00-10:00(60分)
  • 実施方法:オンライン
  • 対象:社内有志(30名)※実施後、全社員向けに講義内容を配信

ルルレモンアスレティカJP合同会社

Mission

To elevate the world by unleashing the full potential within every one of us.

会社概要

会社名:ルルレモンアスレティカJP合同会社

企業概要:1998年にアメリカで創業したスポーツ衣料の小売業者。現在の本部はカナダバンクーバー。日本法人は2013年設立。HP:https://www.lululemon.co.jp/ja-jp/home

研修講師

田渕 恵梨子/代表理事

東京都北区在住。仕事と育児の両立をきっかけに、日本のジェンダーギャップに危機感を覚える。ジェンダーギャップをなくし、性別に関わらず誰もがキャリア形成・家事・育児をあたりまえに「自分ごと」として捉える社会をつくりたい。その強い思いから、同じ価値観をもつ複数の仲間と共に当法人を設立した。

目的

  • 国際女性デーの企画であるインフォグラフィックカードの配布に向けて、事前知識として社員にジェンダーに関する基礎知識を学んでもらう
  • ジェンダーバイアスに気がつくきっかけを提供する

研修アジェンダ

1. 「ジェンダー」に関する基礎知識を学ぼう

まずはジェンダーに関する基礎知識を学んでもらうために、ジェンダーに関する基礎知識について簡単に説明を行いました。

  • ジェンダー用語
    • セックス
    • ジェンダー
    • ジェンダーバイアス
  • ジェンダー格差とは
  • なぜジェンダーギャップが起きるのか
  • ジェンダーイコールが考える「ジェンダー平等」とは

2. ディスカッションタイム

講師からの説明を受けて、参加者の皆さんにはブレイクアウトルームに分かれて以下のことをシェアしていただきました。

  • 知らなかったこと/印象的だったこと
  • 今日の学びをどう活かしていきたいか
    • 国際女性デーの企画中に各店舗でどんな声がけをしていきたいか
    • 今日学んだことを周囲にどう伝えたいか

3. シェアタイム

ディスカッションタイムを受けて、各グループで話したことを全体にシェアしていただきました。実際に店舗に来られるお客様にどのような姿勢で声がけをしていくべきか真剣にお話しされている姿が印象的でした。

各グループから積極的に意見や経験をシェアいただくことができ、Lululemon様の明るくオープンな雰囲気を感じることができました。

4. 終わりに

最後にLululemon様の事務局の方から国際女性デーで実施する企画内容をご説明いただきました。

最後に世界にあるLululemonの中でLululemon Japanはジェンダー平等/啓蒙において先導を切って進めていきたいという力強い思いも伺うことができました。

参加者の声

  • 女性が育休取得や育児で休みを取ることに対して申し訳ないと思っているということ自体を知らなかった。今回の研修でまずは周囲の感情に気づくことが大切だと知った
  • 年上の人たちがネガティブなことを発信するだけではなくて、若い人の活力となる前向きなこともシェアしていくことも大切だと思った。後輩やこれからの若い人に向けて、自分は大丈夫だからあなたもできるよというようなロールモデルを示してあげたいと思った

ジェンダーイコールと一緒に、社内研修を実施しませんか?

こちらよりお問い合わせをお待ちしております

【企業研修レポート】…

2023年3月6日(月)、ジェンダーイコールは株式会社スープストックトーキョー様の社内研修「【よのな科】ジェンダーについて考える時間」を実施いたしました。
今回は実際の研修概要について、イベントレポート形式でお届けします。

実施概要

  • 研修名:【よのな科】ジェンダーについて考える時間
  • 日時:2023年3月6日(月)15:00-16:30(90分)
  • 実施方法:オンライン
  • 対象:全社(280名+店舗含む)

株式会社スープストックトーキョー

理念 

  • 世の中の体温をあげる

会社概要

  • 会社名:株式会社スープストックトーキョー
  • 代表取締役社長:松尾 真継
  • 従業員数:1,470名(2022年3月現在)
  • 企業概要:株式会社スープストックトーキョーは「世の中の体温をあげる」を企業理念に掲げ、食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo」を始め、さまざまな食の事業を展開しています。
  • HP:https://www.soup-stock-tokyo.co.jp/

研修講師

田渕 恵梨子 / 代表理事

東京都北区在住。仕事と育児の両立をきっかけに、日本のジェンダーギャップに危機感を覚える。ジェンダーギャップをなくし、性別に関わらず誰もがキャリア形成・家事・育児をあたりまえに「自分ごと」として捉える社会をつくりたい。その強い思いから、同じ価値観をもつ複数の仲間と共に当法人を設立した。

目的

  1. 「ジェンダー」の本質を理解すること
  2. ジェンダー課題を知り、気づくこと
  3. ジェンダー平等社会がもたらす世界観をイメージできるようになること

研修アジェンダ

知ろう!学ぼう「ジェンダー」

スープストックトーキョー様とジェンダーイコールで話し合いを重ねて、参加者のより共感を得るトピックで問いかけを行いました。

知ろう!学ぼう「ジェンダーバイアス」

ジェンダーバイアスとは、性別での決めつけや偏見を指す言葉です。ジェンダーバイアスがどこから来ているのかを解説し、自分の中にあるバイアスに気づくための「ジェンダーバイアスチェック」を実施しました。

女性らしい、男性らしいってなんだろう?

男らしい、女らしいとは一体なんでしょうか?その意識の変遷や、実際にあった炎上した事例などを取り上げて解説しました。

知ろう!学ぼう「ジェンダーギャップ」

ジェンダーギャップとは、男女格差を表す用語です。世界経済フォーラム(WEF)が発表している「ジェンダーギャップ指数」のご説明や具体的な数値について共有しました。

参加者の声

  • 大変わかりやすく、ジェンダーについて考える良いきっかけになりました。ありがとうございました。
  • 今日改めて自分のジェンダーバイアスに気づく部分もたくさんあったので本当に勉強になりました。明日からますますジェンダーについての理解を深めるため情報を収集します。
  • 相手の主張に身構えてしまっても、一旦立ち止まって背景を考える余裕を持ちたいと思いました。


ジェンダーイコールと一緒に、社内研修を実施しませんか?
こちらよりお問い合わせをお待ちしております

【企業研修レポート】…

2023年2月21日(火)、2022年11月よりプロボノ活動として当団体をご支援いただいた株式会社Dirbato様の最後の活動として自社内研修の実施をご支援しました。

当日のメインスピーカーはプロボノメンバーが主導し、私たちはオブザーバーという形で参加させていただきました。プロボノメンバーが講師を担い、ジェンダーに関する知識だけでなく、社員に身近に感じてもらえるトピックとして「育休」についても取り上げました。

プロボノメンバーがご自身が講師になることで参加されていた方もジェンダーについてより身近に感じていただけたと感じました。

実施概要

  • 研修名:ジェンダー平等と育休
  • 日時:2023年2月21日(火)19:00-20:30(90分)
  • 実施方法:オンライン
  • 対象:任意参加者(17名)※プロボノメンバー5名含む

株式会社Dirbato

理念

テクノロジーで世界に喜びを。

会社概要

  • 会社名:株式会社Dirbato
  • 代表取締役社長:金山 泰英
  • 企業概要:テクノロジーコンサルティング事業/インキュベーション事業
  • HP:https://www.dirbato.co.jp/

オブザーバー

※講師は株式会社Dirbato様のプロボノメンバー5名が担当。当団体はオブザーバーとして企画支援、研修当日の講師サポートに専任しました。

田渕 恵梨子/代表理事

東京都北区在住。仕事と育児の両立をきっかけに、日本のジェンダーギャップに危機感を覚える。ジェンダーギャップをなくし、性別に関わらず誰もがキャリア形成・家事・育児をあたりまえに「自分ごと」として捉える社会をつくりたい。その強い思いから、同じ価値観をもつ複数の仲間と共に当法人を設立した。

室田 美鈴(むろた みすず)/企業チーム

東京都新宿区在住。大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。

目的

  1. プロボノ活動で、知ることができたジェンダーについての知識を社員の方々にも展開し理解の促進を目指す
  2. 社内で普段は話すことのないジェンダーに関するトピックについて話すことで、ジェンダー平等に対する感度を高めること

研修アジェンダ

アイスブレイク

まずはアイスブレイクとして当団体が発行しているジェンダーハンドブックに掲載しているジェンダーバイアスクイズを出題しました。

皆さんは上のイラストのどこにジェンダーバイアスが潜んでいるかお分かりになりますか?当日は参加者の皆さんから積極的にご意見をいただき、盛り上がることができました。

ジェンダーに関する基礎知識

アイスブレイクを踏まえて、ジェンダーに関する以下の用語について意味とそれぞれの言葉の違いについて説明を行いました。

  • セックス
  • ジェンダー
  • ジェンダーバイアス
  • ジェンダーギャップ
  • ジェンダーギャップ指数

ジェンダーギャップ指数については参加者の皆さんからデータの見方や計測方法についてさまざまなご質問をいただくことができました。

なぜジェンダーギャップが起きるのか

次になぜ日本の中でジェンダーギャップが発生しているのかという点を解説しました。やや難しい内容でしたが、さまざまなデータを用いて、これまでの制度上の背景などを丁寧にご説明いただきました。

育休について

ここからは育休について解説を行いました。参加者の方がより身近にジェンダーを感じる機会は「育休」ではないかと考え、今回サブテーマとして選択しました。育休について男女共に正しい知識を持っている人は少ないので、性別を問わず個々人の選択肢を広げたいという背景で「育休」について解説をしていただきました。

制度に関する説明だけでなく、当団体のYoutubeに掲載している男性育休取得者インタビューの内容を抜粋してご紹介いただきました。取得された方の声を知ることで参加された方も具体的な育休中の生活についてイメージをすることができたと感じました。

当団体のYoutubeにはここに掲載いただいている方の詳細な育休に関するインタビュー動画がアップされています。ご興味ある方はぜひチェックをお願いします!

意見共有(ディスカッション)/まとめ

最後に今回の研修の内容を踏まえて、ブレイクアウトルームにて意見交換を行っていただきました。普段仕事以外のテーマで話す機会がなかなかないこともあり、育休やジェンダーについてさまざまな意見共有がされており、時間が全然足りなかったというお声をたくさんいただくことができました。

議論の最後にプロボノメンバーより、プロボノ活動の中で気づいた身近なジェンダーギャップについてご経験を語っていただき、本研修をまとめていただきました。プロボノメンバーが考えたまとめの言葉がとても素敵でしたのでご紹介します!

参加者の声(一部抜粋)

  • 育休に関してのテーマに興味があったので、概ね欲しい情報得られました
  • 男性の育休取得に関する生の声が知ることができて良かったです。
  • ジェンダーバイアスについて、意識しないと認識できないということ知り、良い気づきになりました。何が正しいということではないというのはその通りだと思うと共に、ジェンダーバイアスが至る所に潜んでいるということを知ることで、様々な価値観を許容できると感じました。  
  • 育休に関して、給与面で国からサポートがあることなど、知らないこともあり、広く認知されることで取得率も向上するのではないかと思いました。

といったコメントをいただき、研修を通じて日本のジェンダー課題や育休について認識いただくことができたと感じました。

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こちらよりお問い合わせをお待ちしております

【イベントレポート】…

2023年2月24日(金)・3月3日(金)、目黒区緑が丘文化会館様にてセミナーを実施しました。

本記事では、当セミナー概要について、イベントレポート形式でお届けします。

第1回セミナー 実施概要

  • セミナー名:「ジェンダー平等」ってなんだろう?どんな平等?・性別を理由に諦めることがない世界へ
  • 日時:2023年2月24日(金)
  • 講師:田渕恵梨子(NPO法人ジェンダーイコール代表理事)
  • 実施方法:緑が丘文化会館での対面形式(オンライン配信なし)
  • 対象:目黒区民の参加希望者様(12名)

研修講師

田渕 恵梨子(たぶち えりこ)
NPO法人ジェンダーイコール代表理事

東京都北区在住。仕事と育児の両立をきっかけに、日本のジェンダーギャップに危機感を覚える。ジェンダーギャップをなくし、性別に関わらず誰もがキャリア形成・家事・育児をあたりまえに「自分ごと」として捉える社会をつくりたい。その強い思いから、同じ価値観をもつ複数の仲間と共に当法人を設立した。

アジェンダ

1.ジェンダーに関する基礎知識

ジェンダーに関する基礎知識について、3つのパートに分けて説明しました。

  • ジェンダーとは
    • ジェンダー平等とは
    • NPO法人ジェンダーイコールが考える「ジェンダー平等」
  • ジェンダーバイアスとは
    • ジェンダーバイアスチェック
    • ジェンダーバイヤスクイズ
  • ジェンダーギャップとは
    • ジェンダーギャップ指数について
    • ジェンダーギャップはなぜ起こるのか

2.グループディスカッション・シェアタイム

ジェンダーに関する基礎知識の説明で気づいたジェンダーバイアスの実体験について、グループディスカションを行い、シェアしていただきました。

3.クロージング

相手の選択を尊重する社会、分断のない社会を目指すためにはどうすべきか?についてお話しし、クロージングしました。

第2回セミナー 実施概要

  • セミナー名:性別を理由に諦めることがない世界へ
  • 日時:2023年3月3日(金)
  • 講師:加藤 じゅういち(NPO法人ジェンダーイコール副代表理事)
  • 実施方法:緑が丘文化会館での対面形式(オンライン配信なし)
  • 対象:目黒区民の参加希望者様(12名)

研修講師

加藤 じゅういち(かとう じゅういち)
NPO法人ジェンダーイコール
副代表理事

神奈川県出身。 武蔵野美術大学に在学中、及び、株式会社リクルートに在籍中は男女格差をあまり感じる機会がなく、男女平等が当たり前でもあった。
しかし、日本の世の中の「当たり前にある男女格差という前提」を知れば知るほど、違和感を覚えていく。
男女年齢に関係なく<個性>が活き活きとした社会による世界平和の実現を目指すという信条がベースにあり、 gender=の活動に強く共感し参画。

アジェンダ

1.講師・加藤の違和感と葛藤

講師の加藤が実際に感じたジェンダーに関する違和感や葛藤をもとに、身近にあるジェンダー問題についてご共有いたしました。

2.グループディスカッション・シェアタイム

加藤の実体験をお聞きいただいたうえで、率直なご感想やご自身の経験談などについてグループディスカションを行い、シェアしていただきました。

参加者の声

受講者からのメッセージの一部をご紹介します。

  • ジェンダーバイアスと LGBTQ+の問題の違いを知れて認識できてよかった。嫌だなと思ったことはその感情を大事にして相手に伝えて生きていこうと思いました。
  • 説明がとても分かりやすく、ディスカッションで色々な意見が聞けて気づきがたくさんあり、とても勉強になりました。ジェンダーバイアスについてもっと考えていきたいと思います。ありがとうございました。
  • 皆さんとの意見交換の結果、「男性女性以前に個人個人の個性を尊重し合う生きやすい世の中でありたい。」という結論に、あの2時間でたどり着けたことがとても嬉しかったです。


「グループディスカッション・シェアタイム」では、受講者たちが積極的に手を挙げて意見を述べてくださりました。聞くところによると、その後任意の受講者複数名で「SDG5勉強会」サークルを立ち上げられて、個別に勉強会を開催されているそうです。当セミナーによって、新たなアクションが生み出されたことを光栄に思います。ありがとうございました。

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詳細はこちらにてご確認ください

【イベントレポート】…

2023年3月6日に京都人権擁護委員協議会男女共同参画委員会の方々に向けて、ジェンダー研修の講師をさせていただきました!今回は「日本で今起きているジェンダー問題を知る」というテーマで研修を行いました。

  • テーマ:日本で今起きているジェンダー問題を知る
  • 主な内容(抜粋):
    • 日本の現状クイズ
    • 昨今の国内のジェンダー問題
    • 実際に生きづらさを感じている方の声を聞く
    • 振り返り
  • 日時:2023年3月6日(月)13:30-15:30(120分)
  • 実施方法:講師のみオンライン
  • 対象:京都人権擁護委員協議会男女共同参画委員会メンバー(12名)

京都人権擁護委員協議会とは

人権擁護委員は法務大臣から委嘱された民間のボランティアで、全国の各市町村に約14,000人が配置されています。京都市では55名の委員が「京都人権擁護委員協議会」を組織し、法務省管轄のもと、都道府県や全国それぞれの連合会と連携した活動を行っています。 委員は、さまざまな分野の経歴などを活かし、日常生活のなかで発生する人権問題について、法務局と連携して、地域の皆さんからの人権相談を受け、問題解決のお手伝いをしたり、人権侵害の被害者を救済したり、地域の皆さんに人権について関心を持ってもらえるような人権啓発活動を行っています。(相談・調査救済・啓発)

登壇者

室田 美鈴(むろた みすず)

【関心のあるテーマ】企業内に残るジェンダー格差の解消、企業や組織文化の改革

【活動歴】大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。

研修は主に3つのパートに分けて行いました。

日本の現状クイズ

ジェンダーに関連する用語説明を簡単に行った後に、アイスブレイクとして日本の現状クイズと題して、日本国内の政治的/経済的なジェンダー格差に関するクイズを出題しました。

皆さんはお分かりになりますか?

正解以外の選択肢にも関連する数字を使うことで、日本の政治的/経済的なジェンダー格差を広く知るきっかけになるように工夫しました。

ぜひ興味があれば、この数字のそれぞれの意味を検索してみてください。

参加者の中でも悩まれている方が多くいたり、回答が割れたりする問題などもあり、ご自身が想定するよりも日本国内の男女格差が存在することを数値で認識いただくことができたと感じました。

昨今の国内のジェンダー問題 〜ジェンダー課題の背景を政治家の失言から〜

次のセッションでは「政治家の失言から読み解く、日本のジェンダー問題」と題して、政治家の失言やインフルエンサーの炎上発言の背景にある心理や考え方について解説を行いました。

今回はこちらの3名の政治家の女性蔑視発言と女性インフルエンサーの男性に対する差別的発言や固定的な考え方(身長170cm以下の男性は人権がない/デート代は男性が払うべき)を題材にそれぞれの裏にある以下の考え方を解説しました。

  • ミソジニー
  • 世界的に女性の社会進出と少子化進行に相関はない →相関しているのは日本特有の理由がある!(政策/性別役割分担意識など)
  • 過剰適応
  • 男性は3高がモテる!?(非正規雇用の男性の結婚率は正規雇用の半分以下) →女性は雇用形態によって結婚率に大きな乖離はない

昨今ではジェンダーに関する発言で政治家やインフルエンサーが炎上するといったケースが増えてきています。こういった発言が炎上してしまう背景には発信者が「自分自身のジェンダーバイアスに気づいていない」ためと言えます。

誰しもが固定観念やジェンダーバイアスは持っているので、そのバイアスを持っていること自体は問題ではありません。問題なのは自分自身が自分のバイアスに無自覚な状態で発信を行い、その発言によって意図的かどうかは問わず、他人を傷つけてしまうことです。

そのような問題を起こさないためには、今の多様化した価値観を知ることと自分自身のバイアスを認知することが大切であるということをこの項目でお伝えしました。 基礎研修から1歩踏み込んだやや難しい内容でしたが、ご参加いただいた皆様も真剣に話を聞いてくださり、日本国内の問題をご理解いただけたと感じました。

実際に生きづらいと感じている当事者の声を聞く

次に実際に生きづらいと感じている方の声として「男性育休取得者」のインタビュー動画とジェンダーイコール高校生メンバーが作成したショートムービーをご覧いただきました。 こちらの動画は当団体のYouTubeにも上がっておりますので、ぜひご興味がある方はご覧ください!

動画URL:

男性育休取得者インタビュー

・ご夫婦で1年間育休を取得された児玉さん
 ・第3子のタイミングにパートナーが1ヶ月半育休を取得したくるみさん

高校生制作ショートムービー

・「あたり前」って何?
・なぜ男子ばかり厳しく怒られるの?

男性育休取得者インタビュー動画は取得した男性の方に加えて、パートナーが育休を取得した女性の方の声も聞いていただくことで、夫婦としての感じ方などをより広く知っていただけるように工夫しました。

動画を通じて、育休の取得しやすさに依然として男女差が存在すること、その裏には企業や家庭の中で性別役割分担意識が無意識的に刷り込まれているということを感じていただけたと思います。

続けて当団体の高校生メンバーが脚本/監督をしたショートムービーを2本放映しました。 こちらも学校生活の中で女子学生/男子学生がそれぞれ感じる違和感を取り上げ、一方の性に偏らずに幅広い価値観に触れていただけるように工夫をしました。

振り返り(ディスカッション)

動画やこれまでの説明を受けて、ご参加者の皆様の感想や感じたことなどを3-4人のグループで議論をしていただきました。

短い時間にはなってしまいましたが、どのグループも白熱した議論をしてくださっていました。

最後に各グループで話したことを全体シェアいただきました。 その中で、参加者のご家族の家事育児分担に関する話や高校生のショートムービーを通じて些細な発言に対しても人それぞれ感じ方が違うのだということに気づくきっかけになったといったご意見をいただくことができました。

まとめ

最後に京都府内でのジェンダー平等に向けた取り組みを簡単に紹介し、閉会とさせていただきました。

当日はさまざまなご意見やご質問をいただき、時間を大幅にオーバーしてしまいましたが、皆様の関心の高さや課題意識を強く感じ、私自身もとても勉強になる研修でした。

普段から人権問題に取り組んでらっしゃる方々のため、社会課題への意識がとても高く、私たちが捉えられていない視点や取り組めていない問題に対する考え方を伺うこともできました。 私たちの今後の活動に活かせるご指摘も多く、双方にとってとても充実した時間を過ごすことができたと感じました。

また事後アンケート※注1では

  • 課題意識は持っていたが、具体的な問題点を整理してもらい深く理解できた
  • 政治家の発言には違和感を感じていたが、今回の研修を通じてどこに問題点があるのか明確にできた
  • 高校生の動画が普段よく見かける現状の再現で、そういえば・・・と振り返るきっかけとなった

といったコメントをいただき、研修を通じて日本が抱えるジェンダー課題をご理解いただくことができたと感じました。

ぜひ京都府内での今後の皆様の活動に活かしていただけると嬉しいと感じました。改めてご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

※注1:上述の事後アンケート結果は抜粋/一部改訂して掲載しています 私たちはこれからも企業や団体の大小問わず、ジェンダーに関する周知/啓蒙活動を行っていきますのでご興味がある方はぜひ当団体にご連絡ください!