【企業研修レポート】…

2023年2月21日(火)、2022年11月よりプロボノ活動として当団体をご支援いただいた株式会社Dirbato様の最後の活動として自社内研修の実施をご支援しました。

当日のメインスピーカーはプロボノメンバーが主導し、私たちはオブザーバーという形で参加させていただきました。プロボノメンバーが講師を担い、ジェンダーに関する知識だけでなく、社員に身近に感じてもらえるトピックとして「育休」についても取り上げました。

プロボノメンバーがご自身が講師になることで参加されていた方もジェンダーについてより身近に感じていただけたと感じました。

実施概要

  • 研修名:ジェンダー平等と育休
  • 日時:2023年2月21日(火)19:00-20:30(90分)
  • 実施方法:オンライン
  • 対象:任意参加者(17名)※プロボノメンバー5名含む

株式会社Dirbato

理念

テクノロジーで世界に喜びを。

会社概要

  • 会社名:株式会社Dirbato
  • 代表取締役社長:金山 泰英
  • 企業概要:テクノロジーコンサルティング事業/インキュベーション事業
  • HP:https://www.dirbato.co.jp/

オブザーバー

※講師は株式会社Dirbato様のプロボノメンバー5名が担当。当団体はオブザーバーとして企画支援、研修当日の講師サポートに専任しました。

田渕 恵梨子/代表理事

東京都北区在住。仕事と育児の両立をきっかけに、日本のジェンダーギャップに危機感を覚える。ジェンダーギャップをなくし、性別に関わらず誰もがキャリア形成・家事・育児をあたりまえに「自分ごと」として捉える社会をつくりたい。その強い思いから、同じ価値観をもつ複数の仲間と共に当法人を設立した。

室田 美鈴(むろた みすず)/企業チーム

東京都新宿区在住。大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。

目的

  1. プロボノ活動で、知ることができたジェンダーについての知識を社員の方々にも展開し理解の促進を目指す
  2. 社内で普段は話すことのないジェンダーに関するトピックについて話すことで、ジェンダー平等に対する感度を高めること

研修アジェンダ

アイスブレイク

まずはアイスブレイクとして当団体が発行しているジェンダーハンドブックに掲載しているジェンダーバイアスクイズを出題しました。

皆さんは上のイラストのどこにジェンダーバイアスが潜んでいるかお分かりになりますか?当日は参加者の皆さんから積極的にご意見をいただき、盛り上がることができました。

ジェンダーに関する基礎知識

アイスブレイクを踏まえて、ジェンダーに関する以下の用語について意味とそれぞれの言葉の違いについて説明を行いました。

  • セックス
  • ジェンダー
  • ジェンダーバイアス
  • ジェンダーギャップ
  • ジェンダーギャップ指数

ジェンダーギャップ指数については参加者の皆さんからデータの見方や計測方法についてさまざまなご質問をいただくことができました。

なぜジェンダーギャップが起きるのか

次になぜ日本の中でジェンダーギャップが発生しているのかという点を解説しました。やや難しい内容でしたが、さまざまなデータを用いて、これまでの制度上の背景などを丁寧にご説明いただきました。

育休について

ここからは育休について解説を行いました。参加者の方がより身近にジェンダーを感じる機会は「育休」ではないかと考え、今回サブテーマとして選択しました。育休について男女共に正しい知識を持っている人は少ないので、性別を問わず個々人の選択肢を広げたいという背景で「育休」について解説をしていただきました。

制度に関する説明だけでなく、当団体のYoutubeに掲載している男性育休取得者インタビューの内容を抜粋してご紹介いただきました。取得された方の声を知ることで参加された方も具体的な育休中の生活についてイメージをすることができたと感じました。

当団体のYoutubeにはここに掲載いただいている方の詳細な育休に関するインタビュー動画がアップされています。ご興味ある方はぜひチェックをお願いします!

意見共有(ディスカッション)/まとめ

最後に今回の研修の内容を踏まえて、ブレイクアウトルームにて意見交換を行っていただきました。普段仕事以外のテーマで話す機会がなかなかないこともあり、育休やジェンダーについてさまざまな意見共有がされており、時間が全然足りなかったというお声をたくさんいただくことができました。

議論の最後にプロボノメンバーより、プロボノ活動の中で気づいた身近なジェンダーギャップについてご経験を語っていただき、本研修をまとめていただきました。プロボノメンバーが考えたまとめの言葉がとても素敵でしたのでご紹介します!

参加者の声(一部抜粋)

  • 育休に関してのテーマに興味があったので、概ね欲しい情報得られました
  • 男性の育休取得に関する生の声が知ることができて良かったです。
  • ジェンダーバイアスについて、意識しないと認識できないということ知り、良い気づきになりました。何が正しいということではないというのはその通りだと思うと共に、ジェンダーバイアスが至る所に潜んでいるということを知ることで、様々な価値観を許容できると感じました。  
  • 育休に関して、給与面で国からサポートがあることなど、知らないこともあり、広く認知されることで取得率も向上するのではないかと思いました。

といったコメントをいただき、研修を通じて日本のジェンダー課題や育休について認識いただくことができたと感じました。

ジェンダーイコールと一緒に、社内研修を実施しませんか?

こちらよりお問い合わせをお待ちしております

【イベントレポート】…

2023年2月24日(金)・3月3日(金)、目黒区緑が丘文化会館様にてセミナーを実施しました。

本記事では、当セミナー概要について、イベントレポート形式でお届けします。

第1回セミナー 実施概要

  • セミナー名:「ジェンダー平等」ってなんだろう?どんな平等?・性別を理由に諦めることがない世界へ
  • 日時:2023年2月24日(金)
  • 講師:田渕恵梨子(NPO法人ジェンダーイコール代表理事)
  • 実施方法:緑が丘文化会館での対面形式(オンライン配信なし)
  • 対象:目黒区民の参加希望者様(12名)

研修講師

田渕 恵梨子(たぶち えりこ)
NPO法人ジェンダーイコール代表理事

東京都北区在住。仕事と育児の両立をきっかけに、日本のジェンダーギャップに危機感を覚える。ジェンダーギャップをなくし、性別に関わらず誰もがキャリア形成・家事・育児をあたりまえに「自分ごと」として捉える社会をつくりたい。その強い思いから、同じ価値観をもつ複数の仲間と共に当法人を設立した。

アジェンダ

1.ジェンダーに関する基礎知識

ジェンダーに関する基礎知識について、3つのパートに分けて説明しました。

  • ジェンダーとは
    • ジェンダー平等とは
    • NPO法人ジェンダーイコールが考える「ジェンダー平等」
  • ジェンダーバイアスとは
    • ジェンダーバイアスチェック
    • ジェンダーバイヤスクイズ
  • ジェンダーギャップとは
    • ジェンダーギャップ指数について
    • ジェンダーギャップはなぜ起こるのか

2.グループディスカッション・シェアタイム

ジェンダーに関する基礎知識の説明で気づいたジェンダーバイアスの実体験について、グループディスカションを行い、シェアしていただきました。

3.クロージング

相手の選択を尊重する社会、分断のない社会を目指すためにはどうすべきか?についてお話しし、クロージングしました。

第2回セミナー 実施概要

  • セミナー名:性別を理由に諦めることがない世界へ
  • 日時:2023年3月3日(金)
  • 講師:加藤 じゅういち(NPO法人ジェンダーイコール副代表理事)
  • 実施方法:緑が丘文化会館での対面形式(オンライン配信なし)
  • 対象:目黒区民の参加希望者様(12名)

研修講師

加藤 じゅういち(かとう じゅういち)
NPO法人ジェンダーイコール
副代表理事

神奈川県出身。 武蔵野美術大学に在学中、及び、株式会社リクルートに在籍中は男女格差をあまり感じる機会がなく、男女平等が当たり前でもあった。
しかし、日本の世の中の「当たり前にある男女格差という前提」を知れば知るほど、違和感を覚えていく。
男女年齢に関係なく<個性>が活き活きとした社会による世界平和の実現を目指すという信条がベースにあり、 gender=の活動に強く共感し参画。

アジェンダ

1.講師・加藤の違和感と葛藤

講師の加藤が実際に感じたジェンダーに関する違和感や葛藤をもとに、身近にあるジェンダー問題についてご共有いたしました。

2.グループディスカッション・シェアタイム

加藤の実体験をお聞きいただいたうえで、率直なご感想やご自身の経験談などについてグループディスカションを行い、シェアしていただきました。

参加者の声

受講者からのメッセージの一部をご紹介します。

  • ジェンダーバイアスと LGBTQ+の問題の違いを知れて認識できてよかった。嫌だなと思ったことはその感情を大事にして相手に伝えて生きていこうと思いました。
  • 説明がとても分かりやすく、ディスカッションで色々な意見が聞けて気づきがたくさんあり、とても勉強になりました。ジェンダーバイアスについてもっと考えていきたいと思います。ありがとうございました。
  • 皆さんとの意見交換の結果、「男性女性以前に個人個人の個性を尊重し合う生きやすい世の中でありたい。」という結論に、あの2時間でたどり着けたことがとても嬉しかったです。


「グループディスカッション・シェアタイム」では、受講者たちが積極的に手を挙げて意見を述べてくださりました。聞くところによると、その後任意の受講者複数名で「SDG5勉強会」サークルを立ち上げられて、個別に勉強会を開催されているそうです。当セミナーによって、新たなアクションが生み出されたことを光栄に思います。ありがとうございました。

ジェンダーイコールと一緒に、社内研修を実施しませんか?

詳細はこちらにてご確認ください

【イベントレポート】…

2023年3月6日に京都人権擁護委員協議会男女共同参画委員会の方々に向けて、ジェンダー研修の講師をさせていただきました!今回は「日本で今起きているジェンダー問題を知る」というテーマで研修を行いました。

  • テーマ:日本で今起きているジェンダー問題を知る
  • 主な内容(抜粋):
    • 日本の現状クイズ
    • 昨今の国内のジェンダー問題
    • 実際に生きづらさを感じている方の声を聞く
    • 振り返り
  • 日時:2023年3月6日(月)13:30-15:30(120分)
  • 実施方法:講師のみオンライン
  • 対象:京都人権擁護委員協議会男女共同参画委員会メンバー(12名)

京都人権擁護委員協議会とは

人権擁護委員は法務大臣から委嘱された民間のボランティアで、全国の各市町村に約14,000人が配置されています。京都市では55名の委員が「京都人権擁護委員協議会」を組織し、法務省管轄のもと、都道府県や全国それぞれの連合会と連携した活動を行っています。 委員は、さまざまな分野の経歴などを活かし、日常生活のなかで発生する人権問題について、法務局と連携して、地域の皆さんからの人権相談を受け、問題解決のお手伝いをしたり、人権侵害の被害者を救済したり、地域の皆さんに人権について関心を持ってもらえるような人権啓発活動を行っています。(相談・調査救済・啓発)

登壇者

室田 美鈴(むろた みすず)

【関心のあるテーマ】企業内に残るジェンダー格差の解消、企業や組織文化の改革

【活動歴】大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。

研修は主に3つのパートに分けて行いました。

日本の現状クイズ

ジェンダーに関連する用語説明を簡単に行った後に、アイスブレイクとして日本の現状クイズと題して、日本国内の政治的/経済的なジェンダー格差に関するクイズを出題しました。

皆さんはお分かりになりますか?

正解以外の選択肢にも関連する数字を使うことで、日本の政治的/経済的なジェンダー格差を広く知るきっかけになるように工夫しました。

ぜひ興味があれば、この数字のそれぞれの意味を検索してみてください。

参加者の中でも悩まれている方が多くいたり、回答が割れたりする問題などもあり、ご自身が想定するよりも日本国内の男女格差が存在することを数値で認識いただくことができたと感じました。

昨今の国内のジェンダー問題 〜ジェンダー課題の背景を政治家の失言から〜

次のセッションでは「政治家の失言から読み解く、日本のジェンダー問題」と題して、政治家の失言やインフルエンサーの炎上発言の背景にある心理や考え方について解説を行いました。

今回はこちらの3名の政治家の女性蔑視発言と女性インフルエンサーの男性に対する差別的発言や固定的な考え方(身長170cm以下の男性は人権がない/デート代は男性が払うべき)を題材にそれぞれの裏にある以下の考え方を解説しました。

  • ミソジニー
  • 世界的に女性の社会進出と少子化進行に相関はない →相関しているのは日本特有の理由がある!(政策/性別役割分担意識など)
  • 過剰適応
  • 男性は3高がモテる!?(非正規雇用の男性の結婚率は正規雇用の半分以下) →女性は雇用形態によって結婚率に大きな乖離はない

昨今ではジェンダーに関する発言で政治家やインフルエンサーが炎上するといったケースが増えてきています。こういった発言が炎上してしまう背景には発信者が「自分自身のジェンダーバイアスに気づいていない」ためと言えます。

誰しもが固定観念やジェンダーバイアスは持っているので、そのバイアスを持っていること自体は問題ではありません。問題なのは自分自身が自分のバイアスに無自覚な状態で発信を行い、その発言によって意図的かどうかは問わず、他人を傷つけてしまうことです。

そのような問題を起こさないためには、今の多様化した価値観を知ることと自分自身のバイアスを認知することが大切であるということをこの項目でお伝えしました。 基礎研修から1歩踏み込んだやや難しい内容でしたが、ご参加いただいた皆様も真剣に話を聞いてくださり、日本国内の問題をご理解いただけたと感じました。

実際に生きづらいと感じている当事者の声を聞く

次に実際に生きづらいと感じている方の声として「男性育休取得者」のインタビュー動画とジェンダーイコール高校生メンバーが作成したショートムービーをご覧いただきました。 こちらの動画は当団体のYouTubeにも上がっておりますので、ぜひご興味がある方はご覧ください!

動画URL:

男性育休取得者インタビュー

・ご夫婦で1年間育休を取得された児玉さん
 ・第3子のタイミングにパートナーが1ヶ月半育休を取得したくるみさん

高校生制作ショートムービー

・「あたり前」って何?
・なぜ男子ばかり厳しく怒られるの?

男性育休取得者インタビュー動画は取得した男性の方に加えて、パートナーが育休を取得した女性の方の声も聞いていただくことで、夫婦としての感じ方などをより広く知っていただけるように工夫しました。

動画を通じて、育休の取得しやすさに依然として男女差が存在すること、その裏には企業や家庭の中で性別役割分担意識が無意識的に刷り込まれているということを感じていただけたと思います。

続けて当団体の高校生メンバーが脚本/監督をしたショートムービーを2本放映しました。 こちらも学校生活の中で女子学生/男子学生がそれぞれ感じる違和感を取り上げ、一方の性に偏らずに幅広い価値観に触れていただけるように工夫をしました。

振り返り(ディスカッション)

動画やこれまでの説明を受けて、ご参加者の皆様の感想や感じたことなどを3-4人のグループで議論をしていただきました。

短い時間にはなってしまいましたが、どのグループも白熱した議論をしてくださっていました。

最後に各グループで話したことを全体シェアいただきました。 その中で、参加者のご家族の家事育児分担に関する話や高校生のショートムービーを通じて些細な発言に対しても人それぞれ感じ方が違うのだということに気づくきっかけになったといったご意見をいただくことができました。

まとめ

最後に京都府内でのジェンダー平等に向けた取り組みを簡単に紹介し、閉会とさせていただきました。

当日はさまざまなご意見やご質問をいただき、時間を大幅にオーバーしてしまいましたが、皆様の関心の高さや課題意識を強く感じ、私自身もとても勉強になる研修でした。

普段から人権問題に取り組んでらっしゃる方々のため、社会課題への意識がとても高く、私たちが捉えられていない視点や取り組めていない問題に対する考え方を伺うこともできました。 私たちの今後の活動に活かせるご指摘も多く、双方にとってとても充実した時間を過ごすことができたと感じました。

また事後アンケート※注1では

  • 課題意識は持っていたが、具体的な問題点を整理してもらい深く理解できた
  • 政治家の発言には違和感を感じていたが、今回の研修を通じてどこに問題点があるのか明確にできた
  • 高校生の動画が普段よく見かける現状の再現で、そういえば・・・と振り返るきっかけとなった

といったコメントをいただき、研修を通じて日本が抱えるジェンダー課題をご理解いただくことができたと感じました。

ぜひ京都府内での今後の皆様の活動に活かしていただけると嬉しいと感じました。改めてご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

※注1:上述の事後アンケート結果は抜粋/一部改訂して掲載しています 私たちはこれからも企業や団体の大小問わず、ジェンダーに関する周知/啓蒙活動を行っていきますのでご興味がある方はぜひ当団体にご連絡ください!

【イベントレポート】…

2023年2月8日(水)・10日(金)、ウィーケン!探求SDGSコース様向けにセミナーを実施いたしました。探求SDGSコースは小学生向けに開講されたコースですので、小学生が理解しやすいよう、クイズや動画などを入れて工夫しました。

本記事では、当セミナー概要について、イベントレポート形式でお届けします。

実施概要

  • セミナー名:ジェンダーについて知ろう!学ぼう!
  • 日時:2023年2月8日(水)・10日(金) 30分x2回
  • 実施方法:オンライン
  • 対象:ウィーケン!探求SDGSコース受講者(約10名)
  • アジェンダ
    1. そもそもジェンダーってなんだろう?
    2. じゃあジェンダーバイアスってなんだろう?
    3. そもそもジェンダーってなんだろう?
    4. じゃあジェンダーバイアスってなんだろう?
    5. ジェンダーバイアスチェックをやってみよう!
    6. ジェンダーバイアスクイズをやってみよう!
    7. 女子高校生メンバーが感じたジェンダーバイアス
    8. 男子高校生メンバーが感じたジェンダーバイアス
    9. まとめ

企業概要

  • 会社名:株式会社ウィーケン
  • 代表取締役:佐々木 亜由子
  • 企業概要:体験の企画・運営、紹介ホームページの運営
  • 公式サイト:https://www.weeek-end.com/

研修講師

田渕 恵梨子(たぶち えりこ)
NPO法人ジェンダーイコール代表理事

東京都北区在住。仕事と育児の両立をきっかけに、日本のジェンダーギャップに危機感を覚える。ジェンダーギャップをなくし、性別に関わらず誰もがキャリア形成・家事・育児をあたりまえに「自分ごと」として捉える社会をつくりたい。その強い思いから、同じ価値観をもつ複数の仲間と共に当法人を設立した。

セミナー内容

セミナーの一部をご紹介します。

ジェンダーってなんだろう?ジェンダーバイアスってなんだろう?

ジェンダーとは社会的・文化的・宗教的につくられた性別のことです。
受講者のみなさん自身が持つジェンダーバイアスに気づき・向き合う機会として、「ジェンダーバイアスクイズ」にご挑戦いただきました。

ジェンダーバイアスの事例

弊団体の高校生メンバーが実際に直面したジェンダーバイアス事例を具体的にご共有し、受講者のみなさまがその立場になった場合どう感じるかについて意見交換しました。

高校生メンバーによる啓発

ジェンダー問題をなくしていくために、当団体の高校生メンバーたちが立ち上がって制作したジェンダーバイアスに関する動画をご視聴いただき、制作の背景や舞台裏についてお話ししました。

ジェンダーに関する絵本の紹介

当団体の学生メンバーが制作した「ジェンダーに関する絵本」の紹介を行いました。

質疑応答・クロージング

セミナーの全体を振り返って、受講者のみなさんに気になった点のご質問や、話を聞いてみての感想をお伺いしました。

参加者の声

一緒に受講された先生方からメッセージをいただきましたのでご紹介します。

  • ジェンダーについて考える大変いい機会になりました。高校生という少し上のお兄さんお姉さんたちが動画を作ったというのも、みんな考えることがあったように思います。
  • 生徒さんたちが、事前にショートムービーをチェックしてくれていて、とってもうれしかったです。感想だけでなく、疑問や意見もしっかり発表していて、未来の日本は明るいと感じられたとともに、改めて御社の取り組みは素晴らしいなと思いました。

今の日本の教育は一見ジェンダー平等に見えるものの、実際中に入ってみると、まだまだ無意識のジェンダーバイアスに溢れています。
当団体では、こういった状況では子どもたちが本来の能力をすべて発揮することは難しいのではないかと懸念しています。
子どもたちが性別に関わらず自信をもって成長していくためには、民間の力による子どものサポートが必要不可欠です。
今回は、そのような課題意識をもったウィーケン!様にお声がけいただき、当団体がお力添えさせていただけたことを心よりうれしく思っております。
ありがとうございました。

ジェンダーイコールと一緒に、社内研修を実施しませんか?

詳細はこちらにてご確認ください

【無料】オンラインイ…

育児や子育ての分担について考えよう!

このたび、NPO法人ジェンダー イコールは、「パートナーと読もう!考えよう!母子手帳と育児休業」を開催いたします。

コロナによって、育児・子育て負担の増加が叫ばれていることに加え、昨年には育児・介護休業法が改正され、男性の育児参加が目指されている一方、育児・子育ての分担の仕方が分からず、孤立した子育てで悩んでいらっしゃる方は多くいらっしゃいます。

また、コロナ禍においては、オフラインの交流・コミュニティが減少し、子育てに関する情報収集がしにくくなっています。

そこで、本イベントでは、保健師の伊原氏を招いて、子育て情報に触れる第一歩である「母子手帳」の使い方・妊娠期からパートナーとの共有するべき知識などを紹介いただくとともに、改正育児介護休業法で導入された「産後パパ育休」の取り方などについて、実際に育休を取られた男性の事例を交えながら説明します。
参加費は無料です。ぜひご参加ください!

【日時】2022年1月27日(木)14:00〜15:30

【場所】オンライン(zoom)

【当日のスケジュール】

★14:00〜14:40  母子手帳ってどんなもの?保健師さんと読んでみよう

★14:45〜15:05  パートナーととる育休の取り方・使い方

★15:05〜15:30  意見交換・おしゃべり会

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キャンセルポリシー
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手配の関係上、キャンセルの場合は必ず事前にご連絡をお願いいたします。
ご連絡なく無断キャンセルの場合、
次回以降のイベント・セミナーなどへのご参加をお断りする場合がございます。
予めご了承ください。

【無料】寺町晋哉著『…

最終回(第7回)は12月23日(木)開催!

12/23の読書会最終回第7回では、書籍の【第7章】について解説します。
第7章の目次は以下のとおりです。

●第7章 〈教師〉の人生と向き合う
 第1節 〈教師〉ゆえの困難
 第2節 〈教師の人生〉と向き合うジェンダー教育実践へ

ゲストにジェンダーイコール高校生メンバーの加藤ここなと関崎みくが登壇。
寺町先生と一緒に「学校で感じるジェンダーバイアス」について考えます。お楽しみに!

「ジェンダー」による機会格差は存在する

❝男子であろうが泣きたくなることもあるし、人文学部へ進学したい男子もいるだろうし、大学院へ進学したい女子もいるだろう。個人の選択は自由であるし、尊重されなければならないはずなのに、「性別」が個人の可能性を阻害している。そればかりでなく、「女性/男性」という理由だけで不利益を被り、教育における様々な格差が生じてもいる。- 中略 – 実はジェンダーをめぐる教育課題は現在の学校にも歴然と存在しており、学校は社会に存在するジェンダー秩序を再生産する装置となっている。❞

寺町晋哉著『〈教師の人生〉と向き合うジェンダー教育実践』(晃洋書房)より

無意識のうちに子どもの可能性が制約されている

歴代校長が全員男性であれば、無意識のうちに子どもたちは「校長=男性」という意識を持ってしまいます。このような性別で固定された役割を「ジェンダーロール」と言いますが、学校にはさまざまなジェンダーロールが潜んでいるように思います。

例えば、校長=男性というジェンダーロールが生徒たちに刷り込まれてしまった場合、もし将来教職を目指したいと思っている女子生徒は、「自分は女性だから校長にはなれない」という考えが、どこか心の奥底に潜んでしまう可能性があります。

また、子どもの大学進学意欲は、小6では男女差が見られないにも関わらず、中3になると男子が高くなることを知りました。女子よりも男子の方が親の進学期待が高いことが明らかになっているそうです。これは、中学生の間に、男子は大学進学を促されやすく、女子は制限されやすいことを表していることが考えられます。この違いによって、性別によって大学進学意欲に偏りが出ている可能性があるのです。

寺町晋哉著『〈教師の人生〉と向き合うジェンダー教育実践』


2021年8月20日、宮崎公立大学准教授 寺町晋哉先生が、『〈教師の人生〉と向き合うジェンダー教育実践』(晃洋書房)を出版されました。

目次
●第1章 ジェンダーをめぐる教育課題と〈教師〉
 第1節 ジェンダーをめぐる教育課題は何か
 第2節 教師は「再生産の担い手」?「変革の担い手」?
 第3節 ジェンダーをめぐる教育課題へ対抗する
 第4節 ジェンダー教育実践と〈教師〉の関係
 第5節 本書で明らかにすること
 第6節 調査の概要
 [コラム1] 「さん」で統一すること

●第2章 教師教育は「変革の担い手」育成に寄与しているか
 第1節 教師教育における学び
 第2節 教職課程に所属する学生の学び
 第3節 ジェンダーをめぐる教育課題に対する教師教育
 第4節 実態をふまえた先へ
 [コラム2] ジェンダーにこだわりすぎなのか

●第3章 女子のトラブルを「ドロドロしたもの」と見なしてしまう文脈
 第1節 友達関係と学級運営
 第2節 学年運営の方針と「課題」であ る女子たちの関係
 第3節 A組のトラブルと山本先生の学級運営
 第4節 C組のトラブルと高橋先生の学級運営
 第5節 男子のトラブルへの対応
 第6節 「再生産の担い手」としての教師たち
 第7節 〈教師〉たちの置かれた文脈
 [コラム3] 友人関係とジェンダー

●第4章 〈教師〉であることとジェンダー教育実践
 第1節 山口先生の人生、そして葛藤と変容
 第2節 〈教師〉への多様な影響をもたらすジェンダー教育実践
 第3節 〈教師〉であることを見据えて
 [コラム4] 名簿・整列などや身体測定の男女混合

●第5章 〈教師〉集団だからできること/難しいこと
 第1節 ジェンダー教育実践を個人化させないために
 第2節 〈教師〉集団によるジェンダー教育実践と「子どもたちの実態」
 第3節 ジェンダー教育実践をめぐる困難
 第4節 仲間を増やしていくこと
 第5節 ジェンダー教育実践の可能性と限界
 第6節 〈教師〉集団の可能性と「センシティブ」であることの困難
 [コラム5] 性的マイノリティの「困難」とは

●第6章 〈教師〉たちと研究者の授業作り
 第1節 学校現場へ新たにジェンダー教育実践を導入するために
 第2節 ジェンダー・センシティブな視点の提示
 第3節 〈教師〉たちとの授業作りにおける新たな視点の提示
 第4節 教育臨床社会学からみたジェンダー教育実践の授業作り
 第5節 パッケージ化したジェンダー教育実践を広げる研究者の一助

●第7章 〈教師〉の人生と向き合う
 第1節 〈教師〉ゆえの困難
 第2節 〈教師の人生〉と向き合うジェンダー教育実践へ

前述した通り、学校にはさまざまなジェンダーの固定観念が存在しています。

昨今、ニュースでは日々、貧困問題や少子化問題が取り上げられています。

これらの問題の根底には教育格差が潜んでいます。そしてこの問題に「ジェンダー」は切っても切り離せない深い関係があります。

今回、NPO法人ジェンダーイコールは、この問題を具体的にみなさまに感じていただくために、寺町先生の新著の存在を世間の多くの人々に知ってもらいたいと考えました。

ですが、研究をベースにした書籍であるため、一般の方にとっては少し難しい内容があることも否めません。

そこで寺町先生と相談し、全7回に分けて、オンライン読書会を開催する運びとなりました。

第1回目は、11/14に売上5万部を超えるベストセラーとなった『教育格差』著者の松岡亮二氏を特別ゲストにお招きして教育問題に向きあうシンポジウムとして開催いたしました。

2回目以降は下記日程で開催してまいります。

第2回 11/18(木)20:30-21:30(22:00まで延長の可能性あり)
→第1章まとめ、第2章を中心にした解説
第3回 11/25(木)20:30-21:30(22:00まで延長の可能性あり)
→第3章を中心にした解説
第4回 12/2(木)20:30-21:30 (22:00まで延長の可能性あり)
→第4章を中心にした解説
第5回 12/9(木)20:30-21:30 (22:00まで延長の可能性あり)
→第5章を中心にした解説
第6回 12/16(木)20:30-21:30 (22:00まで延長の可能性あり)
→第6章を中心にした解説
第7回 12/23(木)20:30-21:30 (22:00まで延長の可能性あり)
→第7章を中心にした解説


読書会の開催目的は、本の1章ごとに寺町先生からわかりやすく説明していただくことで、参加者のみなさまに下記3つを感じてもらうことです。

①書籍の概要と意図を理解していただくこと
②書籍に興味を持っていただくこと
③実際に書籍を手に取られた際にスムーズに読んでいただけること

日本の未来のために1人でも多くの方に聴講していただきたい内容です。
みなさまのご参加をお待ちしています!

開催概要

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寺町晋哉著『〈教師の人生〉と向き合うジェンダー教育実践』読書会
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■日程:2021年11月18・25日、12月2・9・16・23日(いずれも木曜日)
■時間:20:30〜21:30(22:00まで延長の可能性あり)
■場所:オンライン(Zoom)
■主催:NPO法人ジェンダーイコール
■講師:宮崎公立大学准教授 寺町 晋哉 氏
■定員:100名
■対象:教育に関わる人(教師、講師、保育士、保護者など)、学生 ※年齢不問
■参加費:無料

著者紹介



寺町晋哉(てらまち しんや)
宮崎公立大学 准教授

兵庫教育大学特命助教、大阪大学大学院人間科学研究科助教、宮崎公立大学人文学部助教を経て現職。

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【イベントレポート】…

2021年夏、できること会議様のイベント『SDGsを学ぶ3日間〜中高生の私たちができること〜』にジェンダーイコール高校生メンバー4名が登壇いたしました。

 

イベント概要

  • 日時:2021年8月4日(水)〜8月6日(木)
  • 場所:オンライン(Zoom)
  • 主催:できること会議 様
  • ゲスト:Day1 GreenTEA Uka 様 Day2 ジェンダーイコール

『できること会議』は2020年4月に設立された、『思いをカタチにする人を増やし、世界の明日を変える』というビジョンを掲げた大学生を主体とした団体です。

今回のイベントは夏休み期間を利用した中高生限定の3日間にわたるイベントとなっており、「SDGsに関わる社会問題について学び、解決のために学生の私たちができることを考えよう」という目的で開催されました。

私たちジェンダーイコールはDay2のゲストスピーカーとしてお声がけいただき、高校生メンバーの4名が中心にお話をさせていただきました。

講演内容について

当日は高校生メンバーのそれぞれが活動をしているテーマについて、4部構成で講演をいたしました。

  • 高校生が考える 乳幼児期のジェンダー
  • メイクと ジェンダーの関係
  • 義務教育からジェンダー平等を目指す
  • “ないもの”にされる性被害

プレゼンの後はグループディスカッションも実施し、積極的な意見交換の場も持つことができました。参加者の皆様からは下記のような参加者の声をいたただいております。

  • 自分の知らなかったことをたくさん知ることができ、同世代と対話できた
  • ひとりひとりが当事者である自覚を持つことが大切だとわかった

まとめ

いかがでしたでしたでしょうか?

私は社会人メンバーとして準備やリハーサルから本イベントのお手伝いさせていただきましたが、高校生メンバーの当事者意識の高さや、イベント当日の参加者の皆さんの熱量にとても刺激を受けました!

今後も積極的に発信活動を続けて参りますので、引き続きジェンダーイコールの活動を応援してくださると幸いです。

ありがとうございました!

 

NPO法人ジェンダーイコール  村瀬 令奈

【無料】「教育格差に…

「生まれ」による機会格差は存在する

❝出身家庭と地域という、本人にはどうしようもない初期条件によって子供の最終学歴は異な り、それは収入・職業・健康など様々な格差の基盤となるつまり日本は、「生まれ」で人生の選択肢・可能性が大きく制限される「緩やかな身分社会」なのだ。❞

松岡亮二著『教育格差 ー階層・地域・学歴』(ちくま新書)より

「ジェンダー」による機会格差も存在する

❝男子であろうが泣きたくなることもあるし、人文学部へ進学したい男子もいるだろうし、大学院へ進学したい女子もいるだろう。個人の選択は自由であるし、尊重されなければならないはずなのに、「性別」が個人の可能性を阻害している。そればかりでなく、「女性/男性」という理由だけで不利益を被り、教育における様々な格差が生じてもいる。- 中略 – 実はジェンダーをめぐる教育課題は現在の学校にも歴然と存在しており、学校は社会に存在するジェンダー秩序を再生産する装置となっている。❞

寺町晋哉著『〈教師の人生〉と向き合うジェンダー教育実践』(晃洋書房)より

無意識のうちに子どもの可能性が制約されている

歴代校長が全員男性であれば、無意識のうちに子どもたちは「校長=男性」という意識を持ってしまいます。このような性別で固定された役割を「ジェンダーロール」と言いますが、学校にはさまざまなジェンダーロールが潜んでいるように思います。

例えば、校長=男性というジェンダーロールが生徒たちに刷り込まれてしまった場合、もし将来教職を目指したいと思っている女子生徒は、「自分は女性だから校長にはなれない」という考えが、どこか心の奥底に潜んでしまう可能性があります。

また、子どもの大学進学意欲は、小6では男女差が見られないにも関わらず、中3になると男子が高くなることを知りました。女子よりも男子の方が親の進学期待が高いことが明らかになっているそうです。これは、中学生の間に、男子は大学進学を促されやすく、女子は制限されやすいことを表していることが考えられます。この違いによって、性別によって大学進学意欲に偏りが出ている可能性があるのです。

教育格差の解消は日本の貧困問題と少子化問題を是正する


2021年8月20日、宮崎公立大学准教授 寺町晋哉先生が、『〈教師の人生〉と向き合うジェンダー教育実践』(晃洋書房)を出版されました。

前述した通り、学校にはさまざまなジェンダーの固定観念が存在しています。

昨今、ニュースでは日々、貧困問題や少子化問題が取り上げられています。

これらの問題の根底には教育格差が潜んでいます。そしてこの問題に「ジェンダー」は切っても切り離せない深い関係があります。

今回、NPO法人ジェンダーイコールは、この問題を具体的にみなさまに感じていただくために、寺町先生の新著の存在を世間の多くの人々に知ってもらいたいと考えました。

ですが、研究者向けの本として出版されている内容ということもあり、一般の方にとっては少し難しい内容であることも否めません。

そこで寺町先生と相談し、全7回に分けて、オンライン読書会を開催する運びになりました。

※本イベント以降の読書会スケジュールは追ってご連絡します。

読書会の開催目的は、本の1章ごとに寺町先生からわかりやすく説明していただくことで、参加者のみなさまに下記3つを感じてもらうことです。

①書籍の概要と意図を理解していただくこと
②書籍に興味を持っていただくこと
③実際に書籍を手に取られた際にスムーズに読んでいただけること

そして、より理解を深めていただくためには、「教育格差」全体についての話も避けられません。
ということで、読書会の特別シンポジウムとして、2019年に出版し、売上5万部を超えるベストセラーとなった『教育格差』著者の松岡亮二氏を特別ゲストにお招きして、「教育格差」と「ジェンダー」の両局面から、教育問題に向きあう会を企画しました。

ぜひ1人でも多くの方に聞いていただけると幸いです。

みなさまのご参加をお待ちしています!

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開催概要

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寺町晋哉著『〈教師の人生〉と向き合うジェンダー教育実践』読書会シンポジウム
教育格差に潜むジェンダー問題
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■日程:2021年11月14日(日)
■時間:15:00〜16:30
■場所:オンライン(Zoom)
■主催:NPO法人ジェンダーイコール
■講師:宮崎公立大学准教授 寺町 晋哉 氏
■特別ゲスト:早稲田大学准教授 松岡 亮二 氏
■定員:300名
■対象:教育に関わる人(教師、講師、保育士、保護者など)、学生 ※年齢不問
■参加費:無料
※本イベント以降の読書会スケジュールは追ってご連絡します。

登壇者紹介

●講師

寺町晋哉(てらまち しんや)
宮崎公立大学 准教授

主な研究テーマはジェンダーと教育、教師教育。
主著に『〈教師の人生〉と向き合うジェンダー教育実践』(晃洋書房)
●特別ゲスト

松岡亮二(まつおか 亮二)
早稲田大学 准教授

日本教育社会学会・国際活動奨励賞(2015年度)、早稲田大学ティーチングアワード(2015年度春学期・2018年度秋学期)、東京大学社会科学研究所附属社会調査データアーカイブ研究センター優秀論文賞(2018年度)を受賞。

著書『教育格差』は「新書大賞2020(中央公論新社)」で3位に選出。

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キャンセルポリシー
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手配の関係上、キャンセルの場合は必ず事前にご連絡をお願いいたします。
ご連絡なく無断キャンセルの場合、
次回以降のイベント・セミナーなどへのご参加をお断りする場合がございます。
予めご了承ください。

現役アスリートが考え…

−− みなさん、こんにちは。NPO法人ジェンダーイコール田渕です。

私はご縁があり、大手町にあるイノベーティブなビジネスワーカーが集まるサードプレイス「3×3Lab Future(さんさんラボ フューチャー)」の個人会員として活動させていただいています。

この3×3Lab Futureを運営している一般社団法人大丸有環境共生型まちづくり推進協会(通称:エコッツェリア協会)は、次世代への持続可能なビジネス創発や社会づくりに取り組んでいる団体です。

その活動のひとつとして、スポーツ業界と連携したアスリートのデュアルキャリア形成支援を行っており、関連イベントの実施のほか、3×3Lab Futureでのアスリートインターンシッププログラムを提供しています。


ある日、私が3×3Lab Futureを訪れた際、会員さん同士のゆるやかな繋がりづくりを担当されているネットワークコーディネーターの田邊智哉子さんに、アスリートインターンの卒業生である吉林千景さん(府中アスレティックFCレディース)を紹介していただく機会がありました。その時にスポーツとジェンダーに根深い問題が潜んでいることを初めて知りました。


そこで、もっと詳しく「スポーツとジェンダー」について話を伺いたいと思い、田邊さんにお願いして、スポーツ業界に関わる人たちとの意見交換会を設けていただきました。

その内容を記事にまとめましたので、よろしければご覧ください。

なお、記事はジェンダーイコールの田渕&紀本が聞き手役として、アスリートのみなさまに取材する形式で書かせていただいております。

参加者のご紹介

槙島貴昭(まきしま・たかあき)
株式会社B-Bridge プロジェクトマネージャー
B-Bridge日本支社として東京に拠点を構え、アスリートのマネジメント・デュアルキャリア育成およびサポート
「 ATHLETE BEYOND 」に力を入れて活動中。

吉林千景(きちばやし・ちかげ)
府中アスレティックFCレディース・女子フットサル選手
2011年よりフットサル女子日本代表選手。スペイン女子フットサルリーグへ移籍するも、二度に及ぶ膝の大怪我で帰国。競技に縛られていたキャリアに疑念を抱き、「3×3 Lab Future」でのアスリートインターンやWebライターとしての活動を始める。

鳴澤眞寿美(なりさわ・ますみ)
一般社団法人コーチトラスト理事
大学よりサッカーからラクロスに競技を変え、日本代表を経験。2015年からは指導者としてのキャリアを歩み始め、筑波大学と茨城大学で計4年間ヘッドコーチを務めた。
(出典:一般社団法人コーチトラスト)

田邊智哉子(たなべ・ちかこ)
3×3 Lab Future ネットワークコーディネーター
2018年7月から株式会社STORYに所属し、3×3Lab Futureのネットワークコーディネーターとして、主に個人会員の運営やイベントサポートを行っている。
(出典:エコッツェリア)

  • 田渕恵梨子(たぶち・えりこ)NPO法人ジェンダーイコール代表理事
  • 紀本知都子(きもと・ちづこ)NPO法人ジェンダーイコールメンバー/一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程

スポーツ界のジェンダー格差について

−− プロスポーツ界のジェンダー格差について教えてください。

−−− (吉林さん)サッカーで考えると、男子と女子では、選手数やコーチ数、そして給与水準が全く異なります。すべてにおいて女子の方が圧倒的に低いのが現状です。女性アスリートは給与が安い。それがあたりまえになっています。

−−− (槙島さん)現状では、サッカーやラグビーのようなフィジカル(ぶつかりあう)なスポーツの場合、やはり男子の方が迫力があるので注目されやすいですね。見る側がエキサイティングできるような仕組みを考えることは重要です。

−−−(鳴澤さん)テニスやゴルフのような個人競技はあまり男女差がなく、女性アスリートでも稼ぎやすいというのはありますね。
私は元々幼少期からサッカー漬けの日々を送っていましたが、大学からはサッカーからラクロスに転向し、ラクロスの日本代表を経験しました。ラクロスの世界に入って、サッカーとの違いがいろいろあることに気づきました。例えば、女子サッカーは男性コーチがあたりまえでしたが、女子ラクロスは女性コーチがあたりまえです。そして、日本では競技に関わらずスポーツコーチとして稼げる女性はほんのわずかですが、アメリカやカナダでは、女性があたりまえにスポーツコーチとして稼いでいます。

−−− (吉林さん)あと、スポーツ会場では100%女性用トイレが混みますね。これは、会場自体が男性向けに設計されていることが原因です。

−− 確かにスポーツに関わらず、圧倒的に女性用トイレは混みやすいですよね。高速道路のサービスエリアなどは、圧倒的に女性用の個室を増やして混雑の解消に力を入れている印象を受けます。スポーツ会場もスポーツ観戦者=男性という固定観念を払拭して改善されていくと良いですね。

ユニフォームのジェンダー差別

−− 東京オリンピックで話題になりましたが、ビーチハンドボールのユニフォームで、男子ビーチハンドボールの選手は「膝上10cmの短パン」なのに対して、女子選手は「ビキニの側面の幅は最長で4インチ(約10cm)まで」「脚の付け根に向かって切り込んだ形のぴったりとしたビキニパンツ」を着用しなければならない。というルールがあることを知り、衝撃を受けました。ものすごいセクハラかつ性差別で気持ち悪くて頭がクラクラしましたが、サッカー界では、何かジェンダー差別的な事はありますか?

−−− (吉林さん)サッカーの日本代表チームは、男女同じユニフォームです。他国では女性ラインで作られていることも多いので、日本も選択肢として選手が選べるようになると嬉しいです。

−− やはり男女同じユニフォームだと動きにくいですか?

−−− (吉林さん)そうですね。基本的に男性向けに作られているので、女性選手は動きやすいようにすそを折ったりして工夫する必要があります。

−− 日本代表にも関わらず、選手がそんな苦労をしているなんて驚きです。ビーチハンドボールの件もそうですが、女性選手への配慮が無さすぎるように思います。

−−− (吉林さん)日本も少しずつ変わってきているので、早く改善されると良いなと思います。

女性アスリートの生理問題

出典:社会問題と向き合う人のクラウドファンディングGoodMorning

−− エコッツェリア協会が主催するイベント「アスリート・デュアルキャリアプログラム2021」の1回目のオンラインイベントでは、アスリートとして活躍しながら、株式会社Reboltの共同代表である下山田志帆氏・内山穂南氏両共同代表が講師として登壇されました。私、田渕も聴講させていただいたのですが、講座ではお2人が開発されたアスリート発の吸収型ボクサーパンツ「OPT」の開発経緯や商品の特徴について説明されていました。そこで初めて、女性アスリートの生理の苦悩について知りました。吉林さん、鳴澤さんからも女性アスリートの生理問題についてお話を聞かせてください。

−−− (吉林さん)私は若い頃は自分でうまく体調管理ができず、生理が止まってしまいました。中には、「現役中は来なくてもいいや」と考えているアスリートもいます。
日本では、生理全般に関する男性の知識が乏しいと思います。そのため、男性指導者の方が女性アスリートの身体に関する知識を持っていない場合は、男性と同じ体脂肪率を求めらてしまうケースもあるようです。

−−− (鳴澤さん)まず必要なことは、生理に関する男性の知識向上ですね。

−−− (吉林さん)海外だと生理用ナプキンもトイレットペーパー感覚で利用できる状況になってきています。日本も少しずつ変わってきてはいますが、女性スポーツの促進に向けて、「今、生理中」と言い合えるような、フォローしあえる空気感が必要だと感じます。

アスリートは「デュアルキャリア」を考える必要がある

−− 槙島さんは、エコッツェリア協会と共に「アスリート・デュアルキャリアプログラム」を運営されています。現役アスリートのみなさまが感じる「アスリートのキャリア問題」について感じることを教えてください。

−−− (槙島さん)例えば現役Jリーガーと言っても、カテゴリーや選手の実力によって給料や待遇にかなりの差があります。カテゴリーが下の方になれば、一般的にみなさんが思い描くようなJリーガーとは少し違った状況の選手もいるということを知ってほしいですね。

−−− (吉林さん)スポーツのみに専念し、デュアルキャリアを考える余裕のない選手は非常に多いと思います。それが故に引退後のキャリアに強い不安を抱くことになります。たとえスポンサー会社で働くことができても、スポーツ一筋でやってきた人間が突然会社に放り込まれてもなかなか順応できるものではなく、苦労するアスリートが多いです。
まず、社会人があたりまえに知っていることがわかりません。一般的な税金面や役所の手続きなどについてもよく知らないアスリートが多いと思います。

−−− (鳴澤さん)メディアでは、成功した選手だけが光を当てられますが、実際はほとんどが光の当たらない人たちです。それが故に、なかなかそういった事情を知る機会が少ないのが現状です。

−−− (吉林さん)女性の場合、ロールモデルが非常に少ないので、引退後のキャリアイメージが描きにくいという問題もありますね。

目指したい未来

−−− (鳴澤さん)私はスポーツを辞めた人も自立して生きていける文化をつくりたいと考えています。

−−− (吉林さん)アスリートだからスポーツだけに専念する環境ではなく、あたりまえにデュアルキャリアを考える文化づくりが必要だと思います。
アスリートは特別ではありません。一方で、なんとなく一般的に「アスリートは特殊な人種」というイメージがついてしまっているように思います。この垣根を無くすためにはスポーツを観る側もアスリート側も歩み寄る必要があります。
今の日本のスポーツ業界は社会に還元しているものが少ないように感じています。「アスリートはサポートを受けてスポーツだけに専念すれば良い」という文化がありますが、サポートを受けるのであれば、社会に還元する意識を持つ必要があるのではないでしょうか?例えば、そのスポーツに興味をもってもらう方法を考える等、アスリート自身がスポーツを社会に還元できる方法を模索する文化が必要だと感じています。



−− 今回お話を伺って、スポーツ業界でジェンダーやデュアルキャリアといった課題が山積していることを初めて知りました。ジェンダーは文化的性差と言われていますが、スポーツのジェンダー問題は文化的性差と生物学的性差が複雑に絡んでいると感じます。
吉林さんの「生理が止まってしまった」というエピソードがありました。詳しい原因はわかりませんが、もしかしたら、男性と同じ基準の体脂肪を求められたり、精神的な面から起きた現象かもしれません。
何が理想なのかは人それぞれだと思います。
しかし、もし性別によって我慢したり、諦めていることがあれば、ぜひ声を上げてみてほしいです。たとえ小さい声であったとしても、もしかしたら共感してくれる人が出てくるかもしれません。共感者が増えることで社会の問題意識が高まり、改革に繋がります。何も声を上げなければ、何も生まれないのです。

アスリートの活躍は私たちに感動と希望を与えてくれます。
アスリートのより良い環境づくりは、めぐりめぐってみんなにプラスの効果をもたらして返ってくるものだと感じます。
今回のお話を機に、当団体でもスポーツのジェンダー問題について知見を深めて考えていきたいと思いました。

みなさま、素敵な機会をありがとうございました!

インタビュアー
田渕 恵梨子(NPO法人ジェンダーイコール代表理事)
紀本 知都子(NPO法人ジェンダーイコールメンバー)

【メンバーインタビュ…

−− みなさん、こんにちは。NPO法人ジェンダーイコール代表の田渕です。
ジェンダーイコールメンバーインタビューvol.4は、「学校のすべての科目において、あたりまえにジェンダー平等を取り扱う社会」を目指す、高校3年生の関崎 未来(せきざき みく)さんにお話しを伺いました。

みくさんは、学校生活の中で感じる「ジェンダーバイアス」に疑問を感じ、ジェンダーイコールの活動に参加してくれました。

みくさんの学校の中での観察や問題意識を持った後の行動など、非常に興味深い内容ですので、ぜひご覧ください。
コメントへの感想もお待ちしています!

ジェンダー問題に興味をもったきっかけは?

以前、自分が所属していたチアダンス部に、男子が入部を希望したことがありました。その際、他の部員が「なんで男子なのにチアダンス部に入るの?」と言い、さらに顧問まで同じような事を言っていたことに非常に違和感を感じました。この違和感を追求した結果、性別によってやりたいことが制限されてしまう社会に問題を感じるようになりました。

学校生活の中で感じるジェンダーバイアス

学校の中では意外に多くのジェンダーバイアスがあります。
たとえば、重い荷物を運ぶ時、先生は「男子手伝ってよ」と男子にお願いします。そして、クラスメイトの男子が日焼け止めを塗っていると、周りが「男なのに日焼け止めを塗るの?」と言っていたことがありました。

さらに、ある先生から私のジェンダーの活動について「女の子なのに積極的ですごいね」と言われたり、別の先生にジェンダー平等を進めたいと説明したら、「それは良いことだけど、ちょっと間違えただけで男女差別って言われたりして、めんどくさい世の中だねー」と言われたこともあります。

今の社会はジェンダー平等が進んできていると私にとって、これらの言葉は非常に驚きました。そして、ジェンダー平等が進んできているというのは自分の思い込みだったのかもしれないと感じました。

問題点

この問題点は「みんな全く悪気がない」という点です。
悪気がないということは、自分が無意識にもっている偏見に気づいていないということです。無意識の偏見に気づいてもらうのは非常に難しい問題だと感じています。

中学生向けにジェンダー講座を開催!

私が通っている高校の校長先生は、SDGsゼミを開催したり、ジェンダーレス制服を起用したり、校内で日焼け止めや髪ゴムを性別を気にせず買えるようなアトリウムを設置したいなーといった発想を持たれていて、非常にジェンダーに理解のある先生です。

私は、校長先生が主催する「SDGsゼミ」を受講した時に非常に刺激を受けて、自分でジェンダー講座を開催してみたいと思いました。

そこで、まずはプレゼン資料を作ってみました。そして、校長先生に資料を見ていただき、自分の思いを伝えたところ、同じ校内にある中学校での講座開催を調整してくださいました。

応援してくれる担任の先生

中学生向けの講座には、担任の先生も参加してくれました。先生は私のがんばっている姿を見て、とても喜んでくれました。この事がきっかけでジェンダーに関心を持ち、その後、ジェンダーの記事を見つけて、共有してくださるようになりました。さらには毎月発行されるクラス通信にも、私の活動を長文で紹介してくださいました。

この経験は私にとって、非常にうれしかったと同時に、若い世代が行動を起こすことで、同世代や大人に刺激を与えることができるんだと感じました。

これからやりたいこと

私は、学生たちがジェンダー問題を問題として捉えていないことが、いつまでたってもジェンダー平等が前進しない原因になっていると感じています。そのため、いろんな学校で啓発セミナーを開催したいと思っています。

私は、学校のすべての科目において、あたりまえにジェンダー平等を取り扱う社会にしたいです。

社会を変えるには、信頼や影響力が必要です。いつかそんな人間になれるよう、引き続き活動をがんばりたいと思っています。
そして自分の活動に協力してくれる仲間を増えるとうれしいです。

最後に、私の両親はいつも私のことを信頼し、ジェンダー活動についても無条件で応援してくれています。
この場をお借りして、両親に感謝の気持ちを伝えたいと思います。


−− みくさん、ありがとうございました!

インタビュアー:田渕 恵梨子(NPO法人ジェンダーイコール代表理事)