女性らしく生きるとい…

「女性は子供を産む機械」発言

2007年1月27日、当時の厚生労働大臣は、講演会の途中で衝撃的な文言を放った。「15から50歳の女性の数は決まっている」「産む機械、装置の数は決まっている」。いわゆる「女性は子供を産む機械である」発言だ。これは、社会福祉や社会保障などの政策を担当する省庁の大臣として、恥ずべき事態である。たしかに、今の日本社会は少子化が進んでいる。だからといって、このような発言が許される日本社会のすべてを受け入れる必要はない。

女性だから子供を産まないといけないの?

子供は女性にしか産めないというのは事実である。だから、男性のお偉いさんは全国の女性に対して、少子化を食い止めるために子供を産むように催促するのだろう。しかしながら、子供を産むか産まないかは、それぞれの女性個人が決めることであり、国民の義務でもなければ使命でもない。社会が子供を産むことを求めているからといって出産をするのと、女性自身が子供を産みたいと決意して出産をするのとでは、まるで意味がちがってくる。

昨今では、“意識的に”子供をもたない夫婦やその生活観のことを指す「DINKs(ディンクス)」という言葉も使われ始めている。Double Income No Kidsの略称で、「2収入で子供なし」という意味だ。女性が社会的に活躍できる場が増えるにつれ、共働きをする夫婦が増え、DINKsという言葉が使われる場面も増えてきている。“意識的に”子供をもたないというのは、パートナー同士で話し合った上で、子供のいない生活を選んだ夫婦間の合意が根底にある。

女性が女性らしく生きるために

「女性だから子供を産まないといけない」というのは、もはや時代遅れの考えであるが、それを世の女性に対して強調してくる社会からの圧力は依然として残っている。これまで専業主婦としての役割を果たすことを最優先に求められていた女性が社会に進出し、キャリアアップを目指して働ける世の中に変化している。時代の変化とともに、働き方も生活の様式も変化していく必要がある。

もちろん一方では、子供を産み・育てる女性が存在することを忘れてはならない。話し合いを重ねた結果、そのような家庭もあれば、別の選択肢をつかんだ家庭もあるのだ。「女性が輝ける社会を」といった決まり文句は、どこにいてもよく聞くものである。女性が女性らしく、自分らしく生きるということを、変なお偉いさんの言葉なしに考えてみてほしい。

 


紀本知都子
一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程在籍。政治とジェンダーを中心に学んでいる。
これまでに地方での首長選挙、都市部での地方選挙・国政選挙を複数経験しており、さまざまなレベルの選挙を調査・分析している。しかし、多くの候補者や政治家、その関係者との話や現場での経験を通じて、政治の意思決定の場における女性参画の機会が少ないことを問題視し、ジェンダーの観点から社会をみる必要があると感じるようになった。男性や女性といった性別に捉われることなく、誰もが安心して生活を送ることのできる社会づくりを目指して活動中。

育児は女性がするもの…

ある会社の求人にこう書いてあった。育児休暇の取得実績はありますか?という求職者の問いに対し、「育児休暇取得により、その後も仕事を続けている女性社員は多くいます」と。
育児は女性がするものだということを強調する表現である。

求人広告は企業の広報ブランディングといってもいいものだが、未だなお、表現のガイドラインが守られてはいない。

今年の一月、小泉進次郎議員が12日間の育児休暇をとったことが報じられた。
男性の育児休暇の取得そのものを特別なこと、珍しいこととして取り上げてはならない。
男性の育児参画が「特別なこと」となってしまい、ますます一般市民の育児休暇が取りづらくなる。

「育児休暇をとって子供たちと触れ合う時間を大切にしています」と話す二人の女の子を子供にもつ、ある男性に会った。
仕事は制作会社でのカメラマン。パートナーは看護士さん。育児休暇をとった理由は、パートナーの方が給与がいいからとのことだった。至ってシンプルだ。
育児の楽しさを実感したその男性は、自身の体験を元に、地域で育児参画への推進活動をしている。

育児をするにあたって性別は関係ない。子供を育てるという権利は誰しもがもっている。
女性が育児をするのが「当たり前」であったり、男性が育児をすることが「特別」であったりすることは決してない。性別に関係なく、育児を当たり前とするには、それを前提とした上で、万人に対し、仕事と育児の成功体験であったり、企業の取り組みの事例を紹介したりするなど、育児そのものが参画しやすいメッセージを発信する方がよい。

育児=女性という表現がなぜ出てきてしまうのかについても考えてみたい。
日本の女性の労働力率は30代で一時低下する。一人目の出産を機に一旦離職し、再就職をする女性が多い。
これをアルファベットのMにたとえて女性のM字型就労と呼んでいる。かつてM字就労は先進国に見られた現象であったが、今では日本を含む少数の国でのみ見られる現象になっているようだ。
就業率の落ち込みは、女性の結婚や育児期にみられていた。しかし現在、離職する主な理由として、結婚や出産よりも、仕事や行き詰まり感にあるという調査結果が出てきた。
女性に十分な能力開発の機会を提供していない企業側に理由があるというものだ。

つまり、企業は、女性は結婚や出産で離職するとして、男性と同じキャリア形成の機会を提供してこなかった。
企業にとって、育児休暇は離職をくい止めるための予防策であるため、離職をするのは女性という思い込みが、育児=女性を生み出しているのだと思う。こういった表現は企業自ら、「自社では女性の離職が高いんです」あるいは「自社では女性の離職が高いという偏見をもっています」といっているようなものだ。

性別の隔たりのない育児参画の実現は、伝達する側の表現から変えよう。
就職活動をしている皆さんは、就活リテラシーをもって臨んでもらいたい。


岡田恵
兵庫県尼崎市出身。
中学生の頃から学校や家庭での性別役割に疑問を感じ、大学在学時に女性学と出会ったことがきっかけで、メディアとジェンダーについて研究を始める。その後、兵庫県男女共同参画アドバイザー養成塾に通い、兵庫県男女共同参画推進員となる。現在東京都在住の会社員。

【イベントレポート】…

こんにちは!ジェンダーイコール田渕です。
東京都北区地域づくり応援団事業「家庭内の家事分担におけるジェンダーギャップ解消事業」の1つとして「ミニマム収納」と「ミニマム家事」運気アップ講座を開催しました!イベントの様子をお伝えします。


イベント概要

■ 日時:2020年1月5日(日)、3月15日(日)14:00〜16:15
■ 場所:スペースゆう(北区男女共同参画活動拠点施設)(北とぴあ5階)
■ 主催:NPO法人ジェンダーイコール
■ 後援:東京都北区
■ 講師:寺尾 江里子(収納アドバイザー)、松本 璃奈(NPO法人ジェンダーイコールメンバー)
■レジュメ
◯第1部「収納用品はもう要らない!3つのステップで片付け上手になるミニマム収納セミナー」
 ①主催者からのご挨拶、講師紹介
 ②ミニマム収納術とは?
 ③整理の3大効果
 ④整理上手への3つのステップ
 ⑤収納する時のポイント
◯第2部「家事育児分担可視化ツール「ハッピーシェアボード」で家事タスクについて考えよう!」
 ①ハッピーシェアボード紹介
 ②ペアで自己紹介(名前、家族構成、好きな家事、嫌いな家事)
 ③ハッピーシェアボード実践
 ④ハッピーシェアボードグループシェア・発表

当イベントは、快適な新年度を迎えるために、部屋片づけや無数にある家事タスクのイライラうんざりの感情を「思考の転換」によってスッキリさせようという主旨で企画しました。「収納」と「家事」にフォーカスを当てて、2部制にしました。

第1部「収納用品はもう要らない!3つのステップで片付け上手になるミニマム収納セミナー」」/ 寺尾 江里子(収納アドバイザー)

第1部の収納パートは、ミニマム収納術®を考案された寺尾江里子先生に講師を務めていただきました。

1. ミニマム収納術®とは?


ミニマム収納術®
とは、収納用品やテクニックに頼らない「本当に必要なモノ」だけを先に選び取るスキルを身につけるお片付けメソッドです。
「捨てるモノ探し」から脱却し、「本当に必要なモノ だけ選び取る」スキルを高めます。

大量の「モノ」であふれた部屋を片付けたい!と思った時、つい収納グッズを買ってしまいませんか?
寺尾先生のメソッドは、新たに収納グッズを買うことは薦めません。思考の転換で部屋を片付けます。

2. 使うモノと使わないモノを区別をする

整理上手へ3つのステップは、
1. 分ける (区別する)
2. 選び取る(減らす)
3. 数(上限)を決める
だそうです。

ステップごとに思考法があります。
寺尾先生がとてもわかりやすく説明してくれるので、聞いているだけでついつい「わかったつもり」になってしまいます(笑)

そこで出てくるのがワークを使ったトレーニングです。

ワーク① 事実と感情を分けてみよう!

  • 高かったけどこの3年間一度も着ていない ブランド品のコート
  • 誕生日に父にもらってから10年間一度も使っていない万年筆
  • 去年の福袋に入っていたあまり気に入らなくて着ていない新品の値札付きスカート
    ・・・

上の文章には事実と感情が含まれています。どの部分が事実でどの部分が感情かわかりますか?

ワーク② ◯◯の数を決める

例えばあなたの靴下。「靴下なんていくつあってもいいんじゃない?」と思うかもしれませんが、ミニマム収納の思考法では残念ながらNGです。

  • どんな種類が必要ですか?
  • どんなシーンで使いますか?
  • どのくらい頻繁に使いますか?
    ・・・

上のような質問に答えて、いろんな角度から自分にとって本当に必要なものの数を考えていきます。

このようなワークをしながら、楽しくミニマム収納術を身につけることができます。
ひと通り学んだら、すぐ家に帰って実践したくなりますよ^ ^

第2部「家事育児分担可視化ツール「ハッピーシェアボード」で家事タスクについて考えよう!」/ 松本 璃奈(NPO法人ジェンダーイコールメンバー)

ミニマム収納の次は、ミニマム家事です。
今回はジェンダーイコールの大学生メンバー松本 璃奈(まつもと りな)さんに初講師を務めていただきました♡

家族と暮らしや1人暮らしに関係なく、多くの方が家事ストレスを感じた経験があるのではないでしょうか?

家事ストレスの原因の一つに、「◯◯しなければならない」、「◯◯はこうあるべきだ」といった思い込みがあると思います。

この思い込みに気づくために、家事の見える化ツール「ハッピーシェアボード」 を実践します。

ハッピーシェアボードを実践することで、下記3つの効果を感じることができます。

  1. 家事分担のバランス整理
  2. 名もなき家事の認知
  3. やりすぎ家事の見直し

一緒に住んでいるパートナー同士で実践すると、家事分担率の違いを視覚的に把握することができます。また、知らない人と実践することで、自分と相手との価値観の違いを認識することができます。たとえば、自分は毎日洗濯をすることが当たり前だと思っていたけど、相手の人は週2回だったり。こういう違いを知ることで、「◯◯しなければならない」、「◯◯はこうあるべきだ」という思い込みは自分の固定観念であることに気づきます。

ハッピーシェアボード実践風景

参加者の感想

 

ミニマム収納

  • いままで挫折してばかりの”整理”ですが、本人の気持ちの判断が大きいと感じました。今回教わったことを反映したいです。
  • 今日帰宅したら早速実践してみたいです。
  • 要る要らない→使う使わない の意識改革は大事と思った。分かりやすくコツを教えて頂きありがとうございました。
  • 感情と事実の区分けなど、上限数を決めることも大変参考になりました。早速やってみようと想います。
    etc・・・

ミニマム家事

  • フルに働いてきたせいか(いまはボランティア)自分でずいぶん家事をラクにしているな・・と感じました。
  • ハッピーシェアボード、初めて知りました。視覚化すると分かりやすいと思いました。
  • 見えない家事の可視化ボードを廉価で提供、販売して頂けるといいなと思った。又、家事分担の仕方のアイデア、小冊子、HPなどもできると、悩んでいるママやパートナーの方にもよい助けになると思う。
  • ハッピーシェアボードのワークでほかの家庭のバランスを知り、よかったです。
    etc・・・

参加者のみなさまにいろんな気づきを感じていただけたようで大変うれしく思います。

まとめ

今回、東京都北区地域づくり応援団事業「家庭内の家事分担におけるジェンダーギャップ解消事業」の1つとして、当イベントを開催させていただきました。
このような機会を作ってくださった北区には感謝の気持ちでいっぱいです。
この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。
収納や家事ストレスによるイライラうんざりの感情がもし1日30分あるとすれば、1週間で3時間30分、1ヶ月15時間。そして1年に換算するとなんと180時間です。このイライラうんざりを「スッキリ」に変えることができたらなんて素晴らしいことでしょうか。そんな思いから企画しました。
参加者の方に少しでもスッキリした気持ちになっていただけたら幸いです。
またこれからもみなさまに喜んでいただけるようなイベントを企画していきたいと思います。
今後ともジェンダーイコールをどうぞよろしくお願いいたします。

 

【無料】第2回「ミニ…

◆新型コロナウイルス感染症への対応について◆

当セミナーは、現在のところ開催を予定しておりますが、
感染拡大防止の観点から、北区から発表されている事業・イベントにおける対応
に従い、下記注意事項を遵守いたします。
今後、状況が変わった場合、イベントを中止・延期にさせていただく場合がございます。
その際は改めてご連絡いたします。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

事業を実施する場合の注意事項
(1)発熱等の症状がある人に参加を控えるよう要請(事前告知が望ましい 。)
(2)咳エチケットの徹底や、頻繁な手洗いなどの周知。あわせて正しい手洗い方法の普及啓発
(3)アルコール消毒液を会場入口や会場内の複数個所に設置し、確実に実施

(4)屋内イベントでの定期的な換気
(5)相互接触の機会を減らす、対面での会話機会を極力減らすなどの実施内容の変更等
(6)食事の提供はしない

参加を予定されている方は、当日発熱等の症状が出た場合は参加をお控えいただきますよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
—————————

●部屋が散らかる、片付けられない、片付けてもすぐにリバウンドしてしまってイライラ・・・

●ごはん作り、掃除、洗濯、そして排水溝のゴミ取りからボトルの詰め替えといった無数にある家事タスクにうんざり・・・

こういったイライラうんざりにお悩みのアナタ!
イライラうんざりの感情が1日30分あるとすれば、1週間で3時間30分、1ヶ月15時間。そして1年に換算するとなんと180時間!!!

このイライラうんざりを「スッキリ」に変えることができたら、素晴らしい1年になると思いませんか?

「思考の転換」でイライラうんざりを軽減させることは可能です。

講座を受講してスッキリした新年度を迎えませんか?

◆こんな方におススメ

・子どもがおもちゃを片付けずに口癖のように「片付けなさい」と言っている。
・片付けが苦手。
・パートナーとの家事分担内容に不満を持っている。
・彼氏彼女との同棲を考えている。
・同棲を経ずに結婚を考えている。
・こまかいタスクをパートナーに伝えずについつい自分でやってしまう。

◆講座の特徴

[ミニマム収納]
①捨てるモノ探しから脱却する。
②本当に必要なモノを選び取るスキルを身につける。
③感情と事実を分ける「区別」を学ぶ。

[ミニマム家事]
①家事タスクを可視化する。
②家事バランスを見直す。
③自分の常識やこだわりから脱却する。

◆参加するとこんなこと変化があります

①捨てるモノ探しから脱却できる。
②無駄な買い物が減る。
③家事へのこだわりが軽減する。
④家族に優しくなれる。
⑤時間的・経済的・精神的に余裕が生まれる。

◆講師紹介

寺尾 江里子
Tide a Room room organizer
ミニマム収納で思い込みを手放すお片づけ!「ミニマム収納」を考案し、
捨てるモノ探しからの脱却」「本当に必要なモノ」だけを選び取る整理収納術「ミニマム収納術」を提唱している。
https://tidearoom.com/

松本璃奈
NPO法人ジェンダーイコールメンバー
東京都日野市在住。大学2年生。
大学の講義を通して、日本のジェンダーギャップに興味を持ち、どうにか解決のために行動できないかと思い、NPO法人ジェンダーイコールに加入。
どうしたら人々のジェンダーへの意識を変えることができるのか。特に同じ学生に対し、どうしたらこの議題に興味を持ってもらえるかを日々模索し、活動している。

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イベント内容
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■日時:2020年3月15日(日)14:00~16:15(開場13:45)
■場所:スペースゆう(北区男女共同参画活動拠点施設)(北とぴあ5階)
■住所:東京都北区王子1-11-1 北とぴあ5階
■アクセス:JR京浜東北線「王子」駅北口徒歩2分、東京メトロ南北線「王子」駅5番出口より直結
■主催:NPO法人ジェンダーイコール
■後援:東京都北区地域振興課「令和元年度北区地域づくり応援団事業」
■講師:寺尾江里子(整理収納アドバイザー)、松本璃奈(NPO法人ジェンダーイコールメンバー)
■定員:30名(申込順)
■対象:不問(お1人でも複数人でもOK!)
■参加費:無料
■申し込み方法:当Peatixよりお申し込み、もしくは「お名前」、「メールアドレス」、「電話番号」を明記の上、 Eメールで3月14日(必着)まで
■問い合わせ先:NPO法人ジェンダーイコール
E-mail info@gender-equal.com
HP https://gender-equal.com/

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キャンセルポリシー
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※手配の関係上、キャンセルの場合は必ず事前にご連絡をお願いいたします。
ご連絡なく無断キャンセルの場合、
次回以降のイベント・セミナーなどへのご参加をお断りする場合がございます。

「ジェンダーイコール…


あけましておめでとうございます。
ジェンダーイコール理事長の田渕恵梨子です。

いよいよ2020年。オリンピックイヤーですね。
夏頃の東京は、外国人観光客であふれかえると思います。
せっかくですので、息子たちと一緒にたくさんの外国人と関わって、多様性の感覚をアップデートしたいと思います。
本年もよろしくお願いします。

さて、ジェンダーイコールでは東京都北区のご協力を賜り、「令和元年度北区地域づくり応援団事業」の1つとして、ジェンダーイコールハンドブックを作成しました。
副理事長 篠原くるみがデザインから構成まで全てを監修した魂心の力作です。
理事の大井由美も製作に関わってくれました。イラストは彼女のお手製です。
才能あるメンバーに囲まれて、本当に心強い限りです。

目次はこのようになっています。


「ジェンダーバイアス」とは、男は仕事、女は家庭といった固定観念に代表するような、男女の役割のイメージによる偏見を指します。




2015年9月の国連サミットで採択された国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた、持続可能な目標である「SDGs」。
17ある目標の1つに「ジェンダー平等」があります。
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図るという目標です。

12月に、世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数2019が発表されました。ジェンダー・ギャップ指数とは、世界の各国の男女間の不均衡を示す指標です。日本は前年の110位から順位を下げて153カ国中121位でした。先進国としては、最下位をずっと更新し続けています。
ここ最近、東京ではあらゆるところで「SDGs」のワードやポスターを目にします。
国を挙げて、SDGsに取り組んでいるにも関わらず、目標の1つである「ジェンダー平等」は全く実現できていません。
それどころか、ジェンダー・ギャップ指数により、国際社会から日本はジェンダー不平等の国であるとレッテルを貼られているのが現状です。

日本のジェンダーギャップがこれほどまでに順位が低い要因の1つとして、間違いなくジェンダーバイアスが挙げられます。
では、我々はいつ、どこで、どのように、ジェンダーバイアスが刷り込まれているのでしょうか?当パンフレットでは、この点について、わかりやすく解説しています。

すでに、お茶の水女子大学のジェンダー研究所や東京家政大学の女性未来研究所の先生方が興味を持ってくださり、早速授業で使っていただいています。

さらに、北区教育委員会のご協力を賜り、北区内公立中学校の全生徒にも配布しました。

当パンフレットは、下記に設置してあります。
遠方のお住まいの方は、お問い合わせフォームからご連絡をいただければ、郵送します。ぜひお手にとってご覧いただけると幸いです。

【北区内設置場所】
・北区男女共同参画活動拠点施設「スペースゆう」
・児童館
・子どもセンター
・図書館
・区民事務所
・文化センター
・育ち愛ほっと館
・NPOボランティアプラザ

【その他】
・東京ウィメンズプラザ
・お茶の水女子大学 ジェンダー研究所
・東京家政大学 女性未来研究所
・他区男女共同参画センター

【無料】新春特別企画…

●部屋が散らかる、片付けられない、片付けてもすぐにリバウンドしてしまってイライラ・・・
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◆講座の特徴

[ミニマム収納]
①捨てるモノ探しから脱却する。
②本当に必要なモノを選び取るスキルを身につける。
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①家事タスクを可視化する。
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◆参加するとこんなこと変化があります

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②無駄な買い物が減る。
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◆講師紹介

寺尾 江里子
Tide a Room room organizer
ミニマム収納で思い込みを手放すお片づけ!「ミニマム収納」を考案し、
捨てるモノ探しからの脱却」「本当に必要なモノ」だけを選び取る整理収納術「ミニマム収納術」を提唱している。
https://tidearoom.com/

田渕 恵梨子
NPO法人ジェンダーイコール理事長
東京都北区赤羽在住。
仕事と育児の両立をきっかけに、日本のジェンダーギャップに危機感を覚える。
「固定観念にとらわれずにキャリア形成と育児をあたりまえのように両立できる社会をつくりたい。」
その強い思いから仲間と共に NPO 法人ジェンダーイコールを 2017年8月に設立。
性別に関わらずチャレンジできる社会の実現を目指し、活動している。

◆イベント内容

■日時:2020年1月5日(日)14:00~16:00(開場13:45)
■場所:スペースゆう(北区男女共同参画活動拠点施設)(北とぴあ5階)
■住所:東京都北区王子1-11-1 北とぴあ5階
■アクセス:JR京浜東北線「王子」駅北口徒歩2分、東京メトロ南北線「王子」駅5番出口より直結
■主催:NPO法人ジェンダーイコール
■後援:東京都北区地域振興課「令和元年度北区地域づくり応援団事業」
■講師:寺尾江里子(整理収納アドバイザー)、NPO法人ジェンダーイコール理事長 田渕 恵梨子ほか
■定員:30名(申込順)
■対象:不問(お1人でも複数人でもOK!)
■参加費:無料
■申し込み方法:Peatixよりお申し込み、もしくは「お名前」、「メールアドレス」、「電話番号」を明記の上、 Eメールで1月4日(必着)まで
■問い合わせ先:NPO法人ジェンダーイコール
E-mail info@gender-equal.com
HP https://gender-equal.com/

◆キャンセルポリシー

※手配の関係上、キャンセルの場合は必ず事前にご連絡をお願いいたします。
ご連絡なく無断キャンセルの場合、
次回以降のイベント・セミナーなどへのご参加をお断りする場合がございます。

【イベントレポート】…

ジェンダーイコールの新メンバーとなりました、浜崎佳奈(社会人一年目)、松本璃奈(大学生)、原一生(大学生)です。

今回は、11月3日に北とぴあ5階のスペースゆうで開催されたジェンダーイコールのイベントレポートをお伝えします。

第1部 ジェンダーバイアスについて考えよう(浜崎)

第1部では「ジェンダーバイアスとは何か」について考えるために、イラストクイズを用いて身近にある性的偏見について理解を深めていきました。

「ジェンダー」とはそもそも、生物学的性差の上に文化や社会的概念によって付け加えられた性差のことです。 「女の子だからピンクの物が好きだろう」「結婚したら奥さんが家事してくれるね」「旦那はATM」、、などなど、よく聞く言葉の中にはジェンダーバイアスでアウトになる言葉が実は沢山溢れています。

イベントではクイズ形式でそういった身近なバイアスついて指摘し合いました。クイズの一つに、働く人のイラストとして男性の医師、男性のパイロット、男性の消防士が女性の看護師、CAと対になって描かれているものがありました。そのイラストを見た時はすぐに「ジェンダーバイアスだ!おかしい!」と思ったのですが、実際自分が小中学生の時に見た教科書でもこう描かれていたことを思い出し、意識すればジェンダーバイアスのあるものはかなり沢山存在するのだと感じました。

イベント後にジェンダーバイアスのある広告や文章、言葉がないかを意識して生活してみると、日常生活でもかなりバイアスについて気付くことが多くなりました。 スーパーで買い物をしていても、「主婦の方へ 今晩のおかずに是非」というPOPがあり、ご飯を作るのを母親の役割として認識している社会概念を実感しました。また電車内広告でも、ツッコミを入れたくなるものをいくつか見かけました。

ジェンダーバイアスについて知り、それを意識して社会をみるとおかしいなと思うことは沢山あるのに、巷に偏見的発言/創作物が溢れているのは幼児期からの教育によってそれを偏見だと思わない環境ができてしまっているからだと感じました。 同時に、今後の私たちの団体の役割として、どういった発言や考えが偏見に捉われているのかを発信し、多くの人にジェンダーバイアスを意識させることが大切だと感じました。

第2部 日本の常識は世界の非常識!?外国人ゲストから“ジェンダー平等”について学ぼう(松本)

第2部では、外国人のゲストとジェンダーイコールの代表3人が日本と海外のジェンダーギャップに対する考え方の違いについて、それぞれの貴重な経験を踏まえながらの「トークショー」がありました。そこでは様々な興味深いお話を聞くことができました。 今回はその中で私が印象に残った3つのテーマについて、紹介したいと思います。

1. アイスランドにはレディーファーストがない!?

アイスランドにはそもそもレディーファーストの文化がなく、逆に女性が男性にレディーファーストされることで「自分でできる」と怒る人もいるそうです。

その一方、アメリカやオーストラリアではレディーファーストの文化があります。レディーファーストはジェンダーギャップをなくすことにおいて、ネガティブな捉え方をする場合もありますが、その行動自体は悪いものではないので問題ないのでは、と言う意見も。

私は、女性だから男性だからで分けるのではなく、それぞれが譲り合いの心、すなわちエブリワンファーストの気持ちを持つ人が1人でも増えたらいいなと思います。

2. 日本人はルールに囚われすぎ

日本人は協調性があるというポジティブな特徴もあれば、それと同時に同調性も強いことから、意見を求められても周りの空気に合わせてしまい、自分の意見を発信できる人が少ないというネガティブな一面もあります。アイスランドのゲストは日本人との関わり合いの中でこのように感じることが多いそうです。

質問コーナーの中で、日本人が権利主張を行う文化を作り出すために必要なことは?という質問に対して、ゲストは「幼いころから発言することに躊躇しない教育カリキュラムに取り組むことが必要なのでは」と提案していました。 どれだけ価値のある意見を持っていても周りに発信しなければ意味がありません。

しかし、これは意見を発信する側だけでなく、積極的に発言できるような周りの環境作りも重要です。 意見を交わす中で日本人の素晴らしい特徴の一つである協調性を生かし、相手の意見を尊重できる、発言しやすい環境作りにも、同じく力を入れて欲しいと思いました。

3. 東京医大問題についてどう思うか?

この問題については、3人のゲストが口を揃えて、不条理であると主張しました。 アメリカのゲストは、「日本だからアメリカだからではなく、人が努力したことに対してこのような問題が起こることがそもそもおかしい。また実際のところ、かつてはハーバード大学でさえ、同等の差別を行っていた」と話していました。

女性は体力が男性よりも劣っていることや家庭の理由で途中でやめてしまうだろう、と考えられていることで、努力したのに報われないこの社会に希望が持てる若者はどこにもいないと思います。 しかし、多くの若者はこの事実すら知りません。まずは社会の現状に興味を持ち、問題であると発信していくことが、ジェンダーギャップをなくしていくうえでやはり重要なのではと感じました。

第2部を通して感じたことは、まずそもそもジェンダーへの問題意識が日本は世界に比べて低いということです。 今回トークショーで出た話題は、普段私たちが当たり前だと思っていることが多く、ジェンダーの問題として捉えられていないことが多かったように思います。 私もこのイベントを機に、ジェンダーの問題について、今よりも深く考えていきたいと感じ、また多くの人にこの現状を知ってもらいたいと思いました。

まとめ(原)

「今の若者が社会に出た時、同じ思いをしてほしくない」 そういった経緯から企画された本イベント。 進学や職業選択の段階からジェンダーバイアスがかかっている実態を知り、日本の学生は意外と生きづらい環境にいるということを思い知らされました。

私自身このイベントを終えた後、テレビをふと見ていた時 、ある芸能人の夫が、娘にどんな習い事をさせればいいのかという話の中で

「柔術と哲学さえ学ばせれば、この世は生きていける」

と言ったのに対して、妻が

「そんな娘、将来絶対にモテないじゃないですか」

と発言していたのをみて、何かひっかかりを感じてしまいました。

もしこのイベントに参加していなかったら、この発言には何も違和感を持たなかったと思います。

だからこそ、これから社会に出る若者一人一人が 「そもそも社会にはジェンダーギャップが存在していることを知り、おかしいと思ったら誰かと話し合ってみたり、発信してみたりする」 そういった姿勢をもつことが大切なのではないでしょうか。

アメリカ、ニュージーランドそしてアイスランドのジェンダーに関する取り組みと比較してみて、日本のジェンダー格差がどれだか深刻なのか、思い知らされた1日になりました。

中学生から大人の方までたくさんの方に参加していただき楽しい1日となりました。 ゲストの皆様、スペースゆうの皆様、そして参加者の皆様、本当にありがとうございました!

「女性活躍」はキモチ…

えりこ
異なる業種、性別、国籍、コミュニティの人々が「マッシュアップ」することで、新しいネットワーク、新しい一歩、新しいビジネスを創出できる化学反応を促すカンファレンス「MASHING UP」。
東大2019年度入学生の祝辞で話題になった上野千鶴子さんがゲストスピーカーのセッションを聴講してきました。

「女性活躍」はキモチワルイ? – 新しい言葉をみつけよう

このセッションタイトル。私自身も普段から周囲に「女性活躍」という言葉が嫌いだと伝えています。
行政や企業が叫ぶこのワードの裏に、女性には仕事も家事も育児もがんばってもらいたいという裏メッセージが見え隠れするからです。
さて、上野さんは当セッションでどのような発言をされるのでしょうか。

「ダイバーシティ」は男女均等を口にしたくないオッサンが広めた!?

「男女均等」と「ダイバーシティ(多様性)」は基本的に違う。それなのに「男女均等」や「男女平等」という言葉を口にしたくないオッサンたちがダイバーシティという言葉でごまかそうとしている。上野さんはそう断言されました。
内閣府男女共同参画局の用語集にある「ダイバーシティ」の説明文には、

性別や国籍、年齢などに関わりなく、多様な個性が力を発揮し、共存できる社会のことをダイバーシティ社会といいます。

とあります。
確かに「多様性」という言葉は聞こえが良いですが視点が男女から逸らされます。視野を広げて男女平等の濃度を薄めているように見えますね。

男女雇用機会均等法は「テーラーメイド」

上野さんの仲間の研究者である大沢真理さんは、均等法を「テーラーメイドの法律」と呼んだそうです。テーラーメイドとは「紳士服仕立て」の事。自分の身の丈に合わない紳士服を着て男と同じように振る舞うしか企業では生き延びていけないという意味です。上手い表現ですね。
当セッションのモデレーターであるビジネスインサイダージャパン編集長の浜田敬子さんは、自分自身がそのように生きてきたことを反省していると仰っていました。
そしてもう1人のゲストスピーカーである若手代表の石井リナさんは「今の世代も同じような価値観が再生産されている。自分が勤めていた会社は男性化した女性しか上におらず、同じような働き方をしなければいけないというマインドがある」と話しました。

「男性化した女性」って何?

ここで、私の意見を言わせてください。
「男性化した女性」って何でしょうか?
仮に「男性化した女性」というロールモデルがあったとしても、ただの選択肢の一つです。
現代社会では本当に多種多様な仕事や働き方の選択肢があります。選択肢が一つしかないと思うのであれば、それは「社員病」です。会社というものは、その箱の視点でしか物事が見えづらい環境になるものです。自分の視点が狭いことを棚上げして、自分に合わないロールモデルを指差し、「働く女性とはこういうものだ」と決めつけて諦めるようでは、そもそもその人の成長は見込めないでしょう。
今の日本女性に足りない部分は、「自分自身で新しいロールモデルを作り出す」という強いリーダーシップです。昔の時代とは訳が違います。手段はいくらでもあるはずです。

ゲストスピーカーの秋田さんはこう続けました。

「飲み」と「タバコ」と「ゴルフ」。男性の助け合いの場であるこれら輪の中では、重要な情報交換の場になっている。この輪の中に入れない女性は疎外されてしまう。その積み重ねが女性のハンデになってしまう。

果たしてそうなのでしょうか?
そもそも、「飲み」、「タバコ」、「ゴルフ」は男性で得意な人が多い傾向にあるコミュニケーションなだけです。女性だってこの選択肢を選べるし、嫌であれば他の選択肢を作れば良い。今はそれができる世の中です。
「誰とつきあうか」を意識し、「信頼関係を構築」すれば、仲間同士であれば、重要な情報は共有されると思っています。それができないような相手は、そもそも仲間ではなく、あなたの価値に気づかないようなレベルの人です。
クライアントとのコミュニケーションであれば、確かに「飲み」の手段は有効です。私もよく会食には参加するのでよく分かります。
私はタバコを吸いませんし、ゴルフもやりませんが、やればそれなりに世界が広がるんでしょう。
でも、それ以外のコミュニケーション方法だっていくらでもあると思うのです。

今、ここにいる人たちは日本を変えたい人たちです。ですが、変える力のない人たちです。

以前、カルビー松本会長が放たれた言葉だそうです。誰に向けた言葉かはわかりませんが、今あなたは「女性に向けた言葉」として思い浮かべませんでしたか?
これがジェンダーバイアスです。そして恐らく女性に向けた言葉なのでしょう。
松本会長がおっしゃるとおり、変える力が無ければ日本は変わりません。
日本は圧倒的に女性のリーダーが不足しているのです。

強制力を持たない「クオーター制」で社会が変わった例はない

浜田さん:以前政府は、女性管理職の目標数を挙げていたが、いつの間にか引っ込んでしまった。これはどういうことか?

上野さん:引っ込んだんじゃない。経営者団体に引っ込めさせられた。自民党は先の参院選で、2018年に施行された候補者男女均等法を全く守る気がなかった。立憲民主党45%に対して、自民党は15.7%。やる気がない。
はっきりわかっているのは、強制力を持たない「クオーター制」で社会が変わった例はないということ。
今私たちが知っているジェンダー先進国と呼ばれるフィンランドや北欧諸国を見たら、「強制力を伴うクオーター制なしで変化した社会はない」。
故に強制力を持って数を増やすことは絶対に必要だと思っている。

若い女性自身が今の男性社会に過剰適応してしまっている。

浜田さん:私自身も過渡期には数が必要だと思っているが、それを言うと周りの女性から「それは上げ底ではないですか?」という意見が出てくる。若い人の自信のなさが印象的。男はさんざん上げ底されてきたんだから、女性がちょっと上げ底されて何が問題なのか。

石井さん:知人の女性経営者が「そういう風に数で決めてしまうことで、スキルの無い女性が上に立つことも私は不服」と言っているのを聞いてショックだった。女性自身が男性社会に適応してしまっている。

上野さん:おっしゃるとおり日本社会はこれまでさんざん男性が上げ底されてきた。女性が少し位上げ底されて何が問題なのか。今の企業は無能な男を守る組織。企業は無能な男の不良債権をいっぱい抱えているんだから、少々無能な女性の不良債権を抱えても良いではないか。

浜田さん:女性は若くても過剰適応してしまっている。管理職になった女性たちもその不安を抱えている。研修で「絶対自分より仕事ができないと思っている同期の男性が先に課長になってしまったらどう思う?」と具体的に言うと初めて顔色が変わる。
漠然と考えてるから「私はもしかしたら能力がないのかも」と思ってしまうんだと思う。いかに男性が自然に管理職になってきたのか、女性の置かれている立場がいかに差別されているのか、もっと具体的に知る必要がある。

「女性活躍」以外の言葉は必要か?

浜田さん:例えば「人材の多様化」に言葉を置き換えることで問題は解決するのか?

石井さん:逆にふわっとしてしまって、女性の本質的なところは解決しない気がする。

秋田さん:Adobe社はかなり「人材の多様化」寄りになっている。男性女性だけでなく、LGBTも人種も国籍もいろんなものを含めて、それらが1つの場所にいて影響しあう事がものすごい活力になり生産性がアップしている感覚を肌で実感している。ただ、「女性」テーマで考えると問題は少しふわっとしてしまう。問題の本質が「男女」というところに日本企業がまだまだ追いついていない事を考えると、この表現に行くにはまだ早いのかなと感じる。

上野さん:「多様化」「ダイバーシティ」ははっきり言って、「男女均等」「女性活躍」を言いたくがないためのごまかし。一番良いのはこんな言葉が無くなってしまえば良いということ。だとすれば男女均等を実現しろと言う事をきちんと言っていかなければならない。

男性の育休取得義務化

上野さん:「ダイバーシティ」と言うと、テーラーメイドスーツで働ける人にとっては何の問題もない。しかしなぜ、「男女均等」では女性が働きにくくなるかというと、「家庭責任」がのしかかってくるから。なんで24時間も放っておいたら死んでしまうような赤ん坊の事を、女性は自分の人生の最優先課題になるのに、男性はならないのかが本当に理解できない。
育休法で「男性の育休取得義務化」が法案に出てきそうだが、やったら良いと思う。

浜田さん:さっきの「数」もそうだし、ある程度の強制力が必要。

秋田さん:自分は結構出張が多いので、夫や長男が腕まくりをして下の小さい2人を育てていたりする。そういう環境下に置かれると、男だから女だからというマインドセットが全くない。ある程度の強制力をもって、男性も女性と同じように家事や育児、あるいは介護の実践を実際にしてみる。そこに入っていくことによって、目指すべきものが見えてくると思う。

上野さん:そういう環境だとパパと子どもたちの関係が良くなると思う。そうでない環境の家庭では、子どもが10代になる頃までに子どもは父親を見放している。成人したらさらに父親から離れる。家事育児に関わらないツケは将来に絶対に回ってくる。

女性たちは夫との交渉が一番苦手

浜田さん:実は私も含め、会社の女性社員たちは会社には交渉できるが夫との交渉が一番苦手。夫を変えることが一番苦手だと思っている。夫に遠慮してしまう結果、ワンオペになっている。

上野さん:なぜ?夫のいない私にとっては全く理解できない。夫を変えられなくて、会社を変えられる訳がないんじゃないの?と思う。

浜田さん:そうなんだけど、みんなすごく遠慮している。夫に頼めない結果、会社を辞めていく。育休から復帰して1年経って辞めていく女性たちに理由を聞くと、「夫が長時間労働で、これ以上夫には(家事育児)を頼めない」と言う。夫に「転職して」とか「早く帰ってきて」というのではなく、自分のキャリアを譲ってしまう。

石井さん:自分の周りにもそういう女性が非常に多い。

上野さん:うちの卒業した元東大女子たちは、夫と交渉せずに諦めた結果、不平不満がなくなっている訳ではない。ここにこんなにどす黒く溜まっている。そして「もういいんです。私たち終わっているから。もう期待していないから」という。だから私は「そんな終わった男とこれからもセックスするの?」と聞く。

オススメは「家事育児の見える化」

秋田さん:外の仕事をこれでもかとやって帰ってきて、家に帰ってきても山のように家事育児のタスクがある。週末もある。これは、寝っころなりながら、ビールを飲みながら、テレビを観ながらだと見えない。悪意がある訳ではなく、実際に分かっていない。だとしたら、「あなた方(夫や子ども)が寝っころなりながら、ビールを飲みながらやっている間にこれだけのタスクが溜まっているんです。これを私がやっているんです」と見える化する。すると結構相手に衝撃を与えられる。
そして、「これを全部私1人で維持するには限界があります。一部アウトソースするのか、一部あなた方に担ってもらえないと持続できない。だからあなた方に担ってもらえませんか?」と公平な形にしていく。実際に自分はものすごく細かく見える化している。

上野さん:そこまでやらないと男は分からない位鈍感なの?(爆笑)

最後に

(聴講者からの「私の世代は男女含めて管理職に魅力を感じないんだがどうすれば良いか?」という質問を受けて)
秋田さん:権限をもつと、それまでと違った地平線が見えるようになる。何かやりたいことがある時に、管理職になることによって、誰にどうもっていけば通せるかもしれないという物が見えるようになってくる。それが大変だったとしても、やり遂げられた時に「テイクして良かった」と思える。自分で考えたことが、自分のチームで形にできていくことに楽しいと思える喜びの瞬間は絶対にある。面倒くさいこともあるが、そこにたどり着いてみないと見えない地平線が必ずある。だから男性であれ女性であれ、若い方がチャレンジすることを願っている。

石井さん:上の立場になると、そのレイヤーの人と対等に話ができるようになる。会えるようになる。交渉しやすくなるということを明確に感じる。そこはすごくメリットかなと感じる。

上野さん:みんな、権力の密の味を味わったことがないのねと思う。権力は善用にも悪用にもできる。私はこれでいいわとまとまってしまったら、それ以上の成長はない。やっぱり仕事を通じて自分が成長できる、何事かを達成する。この喜びは何者にも代えがたい。これは一旦経験したら味をしめる。達成感とか何事かを成し遂げたというポジションを女性たちが味わっていないからそういう発言に繋がるんだと思う。

浜田さん:同世代の男性の昇進欲が下がっているならチャンスだと思ってほしい。

田渕所感

私は常日頃から日本のジェンダー平等社会の実現に「女性のリーダーを増やすこと」が一番重要であると考えています。
カルビーの会長が仰るように、意思決定権を持たないと社会は変えられないのです。意思決定権のトップは政治です。その政治分野のジェンダーギャップ指数(2018年)のスコアは0.081でした。この指数は「1」が完全平等で「0」が完全不平等を表しますので、0.081はほぼ「完全不平等」という結果を示しています。要は日本の政治において、意思決定権はほぼ男性しか持っていないということです。これを覆すには、まず男性と対等に戦う女性のリーダーを増やすことが最重要課題だと考えます。女性に高下駄を履かせてももちろん良いと思いますが、幼少期からのジェンダー平等教育、リーダーシップ教育も並行して進めていくことが重要です。性別に関係なく、何でもチャンレンジできるという事を伝えて、自己肯定感を持ち、本質を見極める力を育むことが最も大切だと思うのです。

そして、それだけでは足りません。男性が当たり前に家事育児を担う社会を同時に作り上げる必要があります。これができて、初めて女性リーダーが増えるのです。

秋田さんの仰っていた「家事育児の見える化」は我々NPO法人ジェンダーイコールが開発した家事育児分担可視化ツール「ハッピーシェアボード」の必要性を改めて感じることができ、うれしく思いました。ちょうど来月12月8日(日)に北区男女共同参画活動拠点施設「スペースゆう」(王子駅直結北とぴあ5F)にて、「ハッピーシェアボードで「名もなき家事」をシェアしよう!」を開催します。近々イベントの告知ページを公開しますので、興味のある方はぜひ家族でご参加ください。

はじめて、ナマ上野千鶴子さんの講演を聴講することができ、光栄でした。
ありがとうございました!!!

【イベント開催・無料…

ジェンダー平等について外国人ゲストと話してみよう!
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日本では当たり前でも海外では非常識なことをご存知ですか?

  • アイスランドにはレディーファーストが存在しないってホント!?
  • 東京医大問題について外国人はどう思っている?
  • ニューヨークでは女性専用車両が非常識ってホント!?
  • カリフォルニアの行き過ぎたジェンダーフリー主義って何?
  • 日本の小学生にとっては当たり前の「ランドセル」。海外ではどうなの?

性別・人種・障害・年齢に関係なく、すべての人々が自分の能力を活かしていきいきと働ける社会。
そこにはたくさんのワクワクが待っています。
1人1人が「女だからこう」とか「男だからこう」といった古い価値観を捨て、
あらゆる人がやりたいことにチャレンジできる社会。
個々の選択をみんなで応援できるようになれば、素晴らしい世界になるはずです。

今回は4名の外国人ゲストを招いて、日本ではあたりまえの常識が海外では全く違う事例を紹介します。
そして、性別・人種・障害の有無・年齢などに関係なく、すべての人々が自分の能力を活かせてイキイキと生きる社会に必要な価値観について学びます。

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イベント内容
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■日程:2019年11月3日(祝日)
■時間:14:00〜16:00(開場13:45)
■場所:スペースゆう(北区男女共同参画活動拠点施設)(北とぴあ5階)
■住所:東京都北区王子1-11-1 北とぴあ5階
■アクセス:JR京浜東北線「王子」駅北口徒歩2分、東京メトロ南北線「王子」駅5番出口より直結
■主催:スペースゆう(北区男女共同参画活動拠点施設)
■企画・運営:NPO法人ジェンダーイコール
■講師:NPO法人ジェンダーイコール理事長 田渕 恵梨子氏
■ゲスト:
 ニック ノートン氏(アメリカ人)
 ヘイミスドッティル テルマ ルン氏(アイスランド人)
 グレゴリー スネルガー氏(ニュージーランド人)
 デイドラ ジッケム トウフォン氏(アメリカ人)
 ※予告なしに変更になる場合があります。
■定員:40名(申込順)
■対象:中学生以上の10代の方
■参加費:無料

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キャンセルポリシー
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※手配の関係上、キャンセルの場合は必ず事前にご連絡をお願いいたします。
ご連絡なく無断キャンセルの場合、
次回以降のイベント・セミナーなどへのご参加をお断りする場合がございます。
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あいちトリエンナーレ…

こちらの記事で企画発表会に参加させていただいたあいちトリエンナーレ
「表現の不自由展・その後」、ネットニュースで見ない日はほぼなかったですね、、
再開されるタイミングを待っていました。


この床の飛行機のペイントも作品です!

先に言っておくと「不自由展」は当選せず見ることができませんでした。残念!
昼頃着の日帰りだったので豊田市の会場には行けなかったのですが、他の3区域の作品はほぼ見て回ることができました。
津田監督も企画発表会で「ユーザーファーストであることにこだわった」とおっしゃっていた通り、どの作品にもわかりやすい背景解説が書かれていて、アーティストがどんな気持ちで何を伝えたくて作品を生み出したのか頭に入れながら鑑賞できます。

現代アートってなんだか難しそうでちゃんと観たことがなかったのですが…
どんな作品も誰かが何かを伝えたかったり、問題提起したかったり、知って欲しかったり。その表現方法の1つとしてアートを選んでいるんですよね。

本当にどの作品も素晴らしくて、1つ1つ心に残っていますが、そのうちのいくつかを紹介します。

孤独のボキャブラリー/ウーゴ・ロンディノーネ


キービジュアルにも使われているピエロの展示。
人間が1日のなかで行うふるまいを45体のピエロで表現しています。
フォルムが本当の人間のようなんですよね〜 展示室に入ったときアルバイトの人かと思いました。

一体一体がちょっとやる気ない感じなんですよね(笑)可愛いです。

The Clothesline/モニカ・メイヤー


性差別やセクハラについて、来場者によって書かれた匿名のエピソード。
なんと40年以上前から世界各国で行われてきたプロジェクトなのだそう。
知らない誰か、でもどこかにいる誰かのリアルな体験が生々しく書かれていて、胸が痛くなります…
どんな形でも、傷ついた体験をアウトプットすることは大切だと思います。それがこうやって可視化されることで、「ジェンダー差別なんてない」と目を瞑る人が減っていくといいなと思います。

ラストワーズ/タイプトレース/dividual inc.


タイピングのプロセスをトレースできるソフトウェアによって記録された、ネットで集められた遺言がモニターで流れています。
書いて、消して、止まって、書き直して… 出来上がった文章を見るだけではわからない、執筆者の心の動きが伝わってくるようで、怖いような優しいような悲しいような複雑な気持ちになります。

1996/青木美紅


数年前に、自身が人工授精で生まれてきたと親から伝えられたアーティストが、同じく人工的に誕生したクローン羊のドリーと、障害があることを理由に不妊手術をさせられそうになった女性のルーツを巡り製作。
「人工的な生(与える/奪う)」について想いを巡らせた作品です。
一部屋を使ったインスタレーションで、南米かどこかの民族のおうちみたいな感じですごく可愛くて、ノスタルジックな感じもする不思議な空間でした。
写真がかわいく撮れませんでした…

43126/タニア・ブルゲラ


こちらも部屋全体を使ったインスタレーション。
難民の数を表すスタンプを押されて展示室に入ると、ガラスの向こうにはメンソールを充満させた空間があります。それは、社会問題を数値で見せられても何も感じない人たちを、メンソールの刺激によって強制的に泣かせるための空間(!)
すごい発想!アートってすごいなと思いました!

「輝けるこども」/弓指寛治

登校班の6人の小学生が亡くなった自動車事故をモチーフにした作品。
油絵は色使いがとても鮮やかで、生前の子供達や、授業で書いた詩や、彼らの好きだったことが文字や絵でちりばめられ、キラキラ輝いています。同時に、自動車の危険性を表現する作品もあり(怖い)、部屋を歩いていくことでストーリーをつなげていくインスタレーションです。
ちょっと感情を揺さぶられすぎて写真を撮るのを忘れました。
本当に開催地の端っこにあって… 思わずスルーするところでしたが本当に行ってよかったです。

あいちトリエンナーレとジェンダー平等

「不自由展」を見ることができなくても、十分以上に満足できるアートフェスティバルでした!
「再開しました」と多くの作品に掲示されていましたが、これはつまりほとんどの会期で見ることのできない作品が多数あったってことですよね、、本当にもったいないですね。

わたしは、傷ついたとか嫌な気持ちになったとかおかしいと思うとかの感情は、きちんと言語化したうえで、相手に伝えるなり発信するなりしたほうが絶対にいいと思っています。泣き寝入りは、ほとんどの場合その場しのぎの対応にすぎないとも思います。
なので、「不自由展」に展示された作品そのものや、モチーフや背景に不快感を感じた人が抗議をすること自体は全く問題ないと思います。
でも、脅迫はダメです、絶対。非生産的すぎます。そして過剰な業務妨害もダメです。

さて。このトリエンナーレをなぜジェンダーイコールのコラムで紹介するのか。
それは、あいちトリエンナーレの参加アーティストでジェンダー平等が達成されているからです。

これから先も、この芸術祭が話題に上がるのはほぼ「不自由展」がらみのことでしょう。「不自由展」が騒動になったとき、今回あいちトリエンナーレの取ったジェンダー平等に向けた取り組みのことがかき消されてしまった気がして残念だなと思いました。
ですが、ジェンダー平等は事実としてトリエンナーレの根幹にあります。
それが話題にならず当たり前になることが本当のゴールです。

あいちトリエンナーレの作品を見て、本当にどれも素晴らしいと思いました。特に心に残った作品のアーティストを調べてみても、ほぼ男女半々になると思います。
アファーマティブアクションによって、プロジェクトのクオリティは落ちない。それをあいちトリエンナーレでは証明しています。

残り会期ほとんどなくなってしまいましたが、あいちトリエンナーレ、ぜひ足を運んでみてください。