8/24(火)TsudaOutreach さん主催の Web イベントに、性教育プロジェクト「I’s(アイズ)」が登壇させていただきました!
平日の開催にもかかわらず、およそ 40 名の方にご参加いただきました。
今回は、「大人になる前に知っておきたかった ”からだ” と ”こころ” の話 — 子供向けの性教育について考えよう」というタイトルで、6 月に津田塾大学で行ったイベントを一般向けに再編&改修し、講演+参加型のワークショップを行いました。
性教育の現状
講演パートでは、現状把握として以下の内容を解説しました。
- インターネットの発展による子供の性被害の広がり:
多くの子どもたちが視聴する動画広告でルッキズム(外見至上主義)を煽るようなものなどが多く見られ、価値観を一方的に植え付けられるリスクがある。また、SNS を利用した性犯罪が増えている一方で、性被害は被害者が犯罪と認識できずに顕在化しにくいという問題がある。 - 「歯止め規定」:
学習指導要領では、「妊娠に至る過程(セックス)は取り扱わないもの」とされている。しかし、日本の性的同意年齢は 13 歳。情報を伝えていないのに、性的な行為に対して自己判断ができるとされているところに大きな矛盾がある。 - 性教育の実情:
先行研究から、先生たちは性教育が必要と認識しているものの、リソース(時間や教材)の不足により対応できていない。また、性教育の実施者は保護者であるべきと考えている先生も多いが、子どもたちの視点からは「親とは気まずくて話したくない」との意見もある。
さて突然ですが、ここでクイズです!
正解は… ×!
卵子は増えません。出生する前の状態で約 100-200 万個の卵子を持っていると言われ、そこからは年齢とともに減少します。
出典: 「ふたりの宝物」/松本えつを,しょこら・ぺす – NPO法人 Fine 様よりご紹介いただきました。
正解は… ×!
日本の性的同意年齢は13歳であるのに対し、「n番部屋事件」を経て韓国は16歳に引き上げられました。
先進国では 16-18 歳である国が多いのに比べると、日本の性的同意年齢は明治時代から変わっておらず、かなり低いです。
正解は… ○!
ピルの避妊率は 92~99%(3,000円/1ヶ月)。
対して、コンドームの避妊率は 85~98%と言われています(1,000円/10個入)。
出典: 「CHOICE」/シオリーヌ著
みなさん正解できましたか..?
正解できなくても全然おかしくないんです。なぜなら、わたしたちの多くは、性についてほとんど何も教わっていないから。わたしたち大人も、体験や見聞きしたことから知ってきた「なんとなく」の知識しか持っていないのです..!
ワークショップ
ワークショップでは、数人のグループを、さらに「大人役(保護者や先生など、子供と関わる大人)」と「子供役(小学校3年生)」に分けます。あらかじめ決められた「子供の疑問リスト」の中から、子供役が自由に質問をして、大人役にそれに答えてもらいます。
ワークショップの目的は次の通り。
- 基礎知識の全くない子供(小3)に性に関することを伝える難しさを体験してもらう
- 子供の疑問に対して、ごまかさず真摯に向き合うことの必要性を感じてもらう
- 多くの人が体系的な性教育を受けてこなかったことを改めて実感してもらう
質問と、参加者の方々が上げてくださった回答をいくつかご紹介します。
Q:赤ちゃんはどこから来るの?
A:
- 大好きな人同士が、愛し合って、お母さんのお腹の中に外に出てくる道があって、そこから産まれてくるんだよ!
- おしっこやうんちの道とは別の道があってそこから出てくるよ。
- 両親が愛し合ってできたんだよ。あなたが産まれて嬉しかった!
- 理科の教科書などから人体を説明する
- エコー写真を見せる
- (感想:表現を濁してしまうかも…)
Q:なんで男の人は声が低いの?
A:
- 喉ちんこっていうところが、女性と男性で違うんだよ。楽器と同じで、リードが細いと高い声、太いと太い声になったりするんだよ。
- 家庭を守るため。遠い昔は外敵が来た時に守るためだったけれど、今はそんなに使わないかも。
- 「声変わり」っていうんだよ。声の低さには個人差があるよ。
- (感想:どうして声変わりがあるか知らないことに気づいた。一緒に調べてみよう!)
Q:〇〇君/〇〇ちゃんといるとドキドキする。これってどんな気持ち?
A:
- その人に対してだけドキドキする?(→回答:うん。)もしかしたらその子のことを特別に思っているのかもしれないね。それは恋とかという名前で呼ぶこともあるよ。
- 素敵な気持ち!どこが好きだと思ったの?気持ち伝えてみたら?
Q:いつも異性と過ごしていて、変だよね?と言われた。
A:
- あなたは、おかしいと思ってる?
-「おかしくない」と思っているなら、そのままでOK
-「おかしい」と思っているなら、何で「おかしい」と思うの?→潜在意識が分かる - 変じゃないよ!何して遊んでいたの?と、好きな遊びを肯定してあげる。
「質問そのものや、話してくれたことへのポジティブな反応」「ごまかさない、曖昧にしない」「わからなかったらわからないと伝える」など、前回のイベントで出た意見と共通する意見が多く見られました。
また、「外国ではこうなんだよ」「楽器に例えると.. 」「本にこう書いてあった」など、わたしたちも知らなかったことをシェアしてくれた方もいらっしゃいました!
性教育について、まずは「知らない」ことを知ること。そして、みんなで真剣に、でも構えすぎず開かれた雰囲気の中で話し合うことが第一歩なのかなと感じました。
イベント全体を通して、チャットでも参加者のみなさんが積極的につぶやいてくれました。「本を楽しみにしています」「応援しています」などなど.. たくさん暖かい言葉をかけていただき本当に嬉しかったです。
わたしたち「I’s(アイズ)」のメンバーも楽しい時間を過ごすことができました。
参加してくださった皆様、Tsuda Outreach の皆様、本当にありがとうございました!
🎇講演会開催報告🎆
— Tsuda Outreach@NPO協業 (@OutreachTsuda) August 24, 2021
昨日は@genderequalcom さまをお迎えして第9回オンライン講演会を開催しました!
過去最高人数ご参加いただいたほか、全国各地、多くの世代の皆様に楽しんでいただけました👏
性教育がテーマで、なかなか難しい話題でしたが良い勉強になりました!#性教育#子育て#ジェンダー pic.twitter.com/YbAuuGtoHX
わたしたちアイズは、子ども向け性教育の辞書絵本の制作を進めています。
並行して、今回のようなイベントを積極的に開催し、みなさんとの対話を通じて作り上げていくプロダクトにしたいと考えています。イベントを開催させていただける学校関係などの方がいらっしゃいましたら、女子校、男子校、共学問いません。是非、下記SNSのDMまでご連絡ください!