【セミナー登壇レポート】FSC®ジャパン主催のセミナーにてジェンダーに関する講演を行いました


2026年2月25日にFSCジャパンオンラインセミナーにて講演を行いました。

本セミナーは国際的な森林認証を運営するFSC (Forest Stewardship Council®、 森林管理協議会)の日本窓口であるFSCジャパンが責任ある森林管理をテーマで開催する定期的な勉強会となります。当日は当団体よりジェンダーに関する説明を行ったうえで、九州大学大学院農学研究院教授の佐藤宣子教授と三井物産フォレスト株式会社の細島彩起子さんと共にパネルディスカッションを実施しました。

今回は実際の研修概要について、イベントレポート形式でお届けします。

セミナー概要

  • タイトル:責任ある森林管理のための勉強会第22回「ジェンダー平等と多様性を考える」
  • 日時:2026年2月25日(水)13:30-15:30(120分)
  • 実施方法:オンライン
  • セミナープログラム
    • ジェンダー・バイアスに関する基礎知識(当団体)
    • 女性は森林を必要としている、林業は女性を必要としている(九州大学/佐藤宣子氏)
    • 三井物産の森で働いてきて感じたこと(三井物産フォレスト/細島彩起子氏)
    • パネルディスカッション

セミナー講師

室田 美鈴(むろた みすず)

【関心のあるテーマ】企業内に残るジェンダー格差の解消、企業や組織文化の改革

【活動歴】大企業での就労経験や夫の海外勤務への帯同を機に企業内に残る性別役割分担意識に違和感を持ち、2021年2月に参画。以降、企業向け事業の立ち上げや男性育休取得推進に向けた企画を実施中。

セミナー内容

ジェンダーバイアスに関する基礎知識

本セミナーの冒頭にてジェンダーに関する言葉の意味やアンコンシャスバイアスについてご説明を行いました。

  1. ジェンダー基礎知識
    • ジェンダーに関する言葉の意味(ジェンダー(Gender)/ジェンダーバイアス/ジェンダーギャップ/ジェンダーギャップ指数)
    • なぜ取り組む必要があるのか
  2. アンコンシャスバイアスとは
    • アンコンシャスバイアスとは
    • 日本語の特性としてアンコンシャスバイアスが生じやすい背景

今回のセミナーは参加者が多様であったため、初めてジェンダーについて知る方がいることも想定して丁寧に言葉の意味を説明しました。アンコンシャスバイアスとは誰しもが持っているものであり、持っていることが良い・悪いではなく、重要な意思決定を行う際に自身のバイアスを意識的に排除できるようにすることが重要であることを伝えました。さらに日本語はハイコンテクストであるという特性によって、アンコンシャスバイアスが生じやすいため、意図的に言語化することも重要であることも補足としてお伝えしました。

女性は森林を必要としている、林業は女性を必要としている

次に九州大学/佐藤教授より、ご自身のこれまでのキャリアや経験も踏まえて、日本林業におけるジェンダーの変遷についてお話いただきました。佐藤教授が九州大学林学科へ入学された当時(1980年)は林学分野の女子学生は非常に珍しく、長年男性中心の業界で研究・教育活動を続けてこられました。ご経験を踏まえて、海外と日本の林業分野の違いや日本の制度整備拡充の必要性について、ご説明がありました。

三井物産の森で働いてきて感じたこと

次に実際に林業の現場でキャリアを積んでいる三井物産フォレスト株式会社の細島さんより現場で働く中で感じてきたことをお話されました。働く現場で性差を強く感じた経験はあまりなく、むしろ林業従事者自体が社会ではマイノリティであるため、現場では性別よりも“個人”として見られる感覚があるとの率直な意見も共有されたり、実際は必ずしもそうではないが、世間的には林業は「3K」や女性に厳しい仕事というイメージが先行しているといったお話が印象的でした。一方で、転勤や緊急対応の多い働き方は、出産・育児・介護などのライフイベントとの両立に不安を感じる要素でもあり、実際にロールモデルとなる女性社員が少ないため、両立するイメージを持ちにくいという課題提起もされていました。

パネルディスカッション

各講演後にパネルディスカッションとして、実際に日本企業や林業の現場におけるジェンダーを取りまく環境について意見交換をさせていただきました。

  1. 林業の現場でのジェンダーギャップやアンコンシャスバイアスを感じた経験、仕事と家庭の両立でのハードルの高さについて
    • 出産・育児期にはペースダウンが避けられない場合もあるが、無理をせず、自分のペースやライフステージに応じた働き方を選択肢、周囲はそれを受容することが肝心
    • 制度整備はもちろん重要だが、それだけでは不十分。制度を整備した上で、それが活用できる組織風土を醸成することが最も重要である。柔軟な働き方を選択できる風土が作れれば女性だけでなく全員が働きやすい職場づくりが実現できる
  2. 私たちができることはなにか
    • 性別のみならず、世代などでも多様な人がいることが相談しやすさ、支えやすさ、安心感につながる
    • 誰もが何らかの側面でマイノリティであり、その経験が他者理解につながる
    • 足りない部分は“伸びしろ”と捉え、得意分野や支えを持つことが重要

ディスカッションの最後に当団体より、アンコンシャスバイアスを弱めるために意識したいことについて

  • 全員がバイアスを持っているということを自覚する
  • 自分がどんなバイアスを持っているかを知る(自己理解)
  • 「わからないことは恐れずに聞く」姿勢を持つ

という説明を行い、セミナーは閉会致しました。

参加者の声

セミナー当日は実際の林業の現場で起こっていることなど、別の講演者の方のさまざまなご経験を伺うことができて、私自身も大変勉強になりました。

  • セミナー当日は実際の林業の現場で起こっていることなど、別の講演者の方のさまざまなご経験を伺うことができて、私自身も大変勉強になりました。
  • FSC審査での男女平等に関する項目の審査方法はぜひ試してみたいと思いました。「差別がある」と申告されることはまずないので、データによる可視化・モニタリングを行うことで意識付けが促せるのではないかと思った

ありがとうございました!

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