パート主婦の減税拡大、配偶者特別控除を活用-
政府・与党はパート主婦が年収103万円を超えても働きやすくするために減税枠を拡大する検討に入った。
年収103万円以下の専業主婦世帯を対象にする配偶者控除の減税の仕組みは変えず、
年収103万円を超えたパート主婦世帯に適用している配偶者特別控除の減税枠を拡大する。2017年度税制改正での実現を目指す。
当初は配偶者控除をなくし共働き世帯にも控除を適用する夫婦控除の創設も検討したが、
専業主婦世帯からの反発を恐れて方針を変えた。
配偶者控除の制度は事実上、維持される。フルタイムで働く女性の世帯が抱く不公平感の課題も残る。
11月下旬から始まる与党の税制調査会で正式に議論を始める。特別控除を拡大することで、パート主婦が就労調整の目安と意識する「103万円の壁」を実質的に引き上げる。
103万円を超えても一定の年収まで配偶者控除と同様に38万円の所得控除額が受けられる案などを検討する。政府は最低賃金の引き上げに動いており、パート主婦が「103万円の壁」を意識したままだと、全体の就労時間が減ると判断した。
ただ企業の多くは配偶者手当の基準を年収103万円に置く。企業が手当の基準を変えなければ就労時間を増やす効果は限られる。
特別控除を広げれば税収は減る。現在、配偶者控除に年収制限はないが、年収が一定以上の世帯は適用から外して財源にすることを検討する。仮に妻の年収が150万円までの世帯に配偶者控除と同様に年間38万円の所得控除を適用すると、妻の年収が103万円から150万円の世帯は減税だ。
一方、配偶者控除の適用を夫の年収が1000万円以下の世帯に限れば、夫の年収が1000万円超で妻の年収が103万円以下の世帯は増税となる。
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASFS05H1S_V01C16A1MM8000/
—–この記事を読んでどう思いましたか?
税制改正のねらいは?
- えりこ
- 配偶者特別控除の廃止どころか逆に手厚くするという後進的な法案だね。税収は減る訳だし。この法案を進めた場合の政府のメリットが見えない。
「夫の年収が1,000万超で妻の年収が103万以下の世帯は増税となる」
ここが狙いなのかな?
しかし、こんな法案通してたら、低年収の正社員がやってらんねーって考えになりそうな気がするけど大丈夫なのかな? - くるみ
- 狙いのひとつはそれ(所得制限)だろうね。 高所得者の税金が絶対的に重くなるのはこれからある程度仕方ないと考えるしかないと思う。
- くるみ
- もう一つというか表向きメインの目的は、今まで103万未満になるように働いてたパート主婦を例えば150万働いてもいいやって思えるようにすることだよね。 そもそも働いた方が損するって構造自体が間違ってる。 こうやってどっかで線引きする以上どっかで歪みが起きるわけだから、こんな中途半端なことやらずに、配偶者控除受けてる世帯が『今までが得してただけで本来は納税すべき』って意識を持てるようにうまいこと説明して廃止したらいいんじゃないかなぁ。
世帯収入vs個人収入
- くるみ
- この配偶者控除問題については、個人的には収入を世帯単位でカウントするしくみがいまいちピンとこないかな。それぞれ働いて個人収入に応じた税金を納めればよくね?と思ってしまう。
なんか結局さ、パート主婦が収入を制限することで夫が減税になって得してるわけじゃん。他人事とはいえそこが納得いかないんだよね。 妻が働くときに、夫に許しを請うみたいな流れもここからきてるんだろうなぁ。気持ち悪いわ。 - えりこ
- 世帯でカウントする風習がいつからなのかはまだ調べれてないけど、恐らく高度経済成長期時代の体制としては都合が良かったんだろうね。 私も時代に合わせて個々のカウントにするべきだと思う。
国民1人1人が納税の意識を持つことって本当に大事だと思う。だから私も配偶者控除なんて廃止して、働けば税金が発生するしくみをつくるべきだと思う。その上で貧困層向けの救済措置を考えたら良いんじゃないかな? この政策は、納税意識を持たずに権利だけを主張するような団塊世代を増やすだけになる気がしてならない。 - えりこ
- まさか、フルタイムで働くママ向けの保育サービスに金がかかるから、パートの待遇を良くしておこう的な発想だったりして。 なーんか、深層部分にジェンダー差別を感じる。
- くるみ
- 保育サービスの件は、確かにそうだね。特に0歳児とかはめちゃくちゃ税金使わせて貰ってるだろうな。 子供は国の宝だから税金投入するのは当然とも考えられるけど、親としてはちゃんと納税者になるように育てなきゃってすごい思う。
ブラック化の恐れ
- ゆみ
- そもそもネイリストとかプロでも正社員扱いがあったりなかったりする職種からすると、103万以上働きたいけどオールラウンダーで朝も夜も働けないとやはりパート扱いになっちゃう。働きたくても職種によりそうなる場合はやっぱりあって…。
小さい会社は人も少ないし上はシフト入れたくても制限しないといけない。これにより上限上がると枷が外れて時間増やせるけど、、、。 人が少ないところはかなり使われるだけ使って時給はアップに繋がらなそう。 こわいわー。 - くるみ
-
例えばさ、制限150万だとしてさ、12月中旬くらいのタイミングで150万弱の所得があったとする。 でもクリスマスでお客さん10人やらなきゃってなったときに、その収入によって控除が受けられなくなって世帯収入的に損するからやりませんっていうようなもんよね。 すごく不自然な制度だと思う。 対象ギリギリの収入ラインにいる人たちはどういう考えなのか気になるなー。
それと上の例でいうと、給料貰っちゃうとライン超えちゃう、けど忙しいから働かなきゃとかでタダ働きとかブラックなことが起こり得るなと思ってしまった。 - ゆみ
- ブラック的なことしてるよー泣。休憩で調整したり。だからそこが嫌なんだよー。だったらじぶんでやりたい。になるわけさ。
あと調整のため急に休みになるとか。急に休みにされても…。
税金リテラシー問題
- くるみ
- 配偶者控除の対象者って年金とか国民保険とか払ってないんだよね?それで十分税負担減らしてる気がするんだけど。さらに控除ってやっぱいらなくない??
- えりこ
- サラリーマンの専業主婦妻は第3号被保険者っていう扱いになっていて、見た目は年金払っていないよう見えるけど、実際は国民年金を払っているのと同じ扱いにしてもらえている訳だよね。 私、これ大問題だと思ってる。
何が大問題かというと、専業主婦がその恩恵を理解していないという点。 本人達は仕組みを理解してないもんだから、ちょっと前、何らかの理由で扶養から外れた後に1号保険(国民年金)に切り替えせずにそのまま過ごしてしまってた人が大量にいて問題になってたよね。そもそも仕組みをちゃんと理解していたら、切り替えようという意識になると思う。仕事してる人は会社辞めたら年金切り替えないとって考えるよね。でも第3号の人はその意識になる人少ないんじゃないかと思う。全部夫任せ他人任せ。 そんな無知な人間を量産させる国の教育制度や社会構造は絶対見直すべきだと思う。 弱者を救う制度を無くすべきだとは思わないけど、恩恵を受けている立場の人は、それを当たり前だと思わず、仕組みをちゃんと理解するべきだと思う。自分の人生なんだから、国には自分でちゃんと考えることのできる人間を量産する教育制度を作ってほしいな。 - くるみ
- わたしみたいに新卒で大企業入ってそのまま働き続けてる人も、勝手に色々天引きされてるだけで済んじゃうからあまり税金のこと意識できてないかも、、、育休取ったりすると確定申告とか住民税自分で払ったりするからそれで少し調べたりしたけど。学校で税金のこと教えてくれたらいいのにねー。ほんとにみんな知っておくべきことだよね。
納める納めないの話に戻ると、サラリーマンの専業妻は年金納めなくてももらえて、自営業の妻は納めないといけないってものすごい不公平だと思うんだけど、そこは議論にならないのかね??記事にはフルで働く女からの不公平感って書いてあるけど、むしろそっちのほうが不公平感大きいのでは? - えりこ
- なるほど。サラリーマンも社会保険リテラシーが低いということだね。確かにそのとおりだ。 これも終身雇用が当たり前だった高度経済成長期時代は保険だの税金だの余計な心配はせずにただ働いていればそれで良かったし、国の思惑どおりのシステムだったんだろうね。 専業主婦のみならず、サラリーマンの納税意識改革も必要ということだね。
3号の件、そうだよ。超不公平感があるんだよ。このページに第3号がいかにお得か書いてあったよ。見てみて。 https://upin.jp/2774
『働き損』ラインについて考えてみる
- えりこ
- まとめると、
①サラリーマン夫かつ全く働いていない専業主婦・・・住民税なし、基礎年金タダでゲット
②サラリーマン夫かつ年収100万のパート勤務の専業主婦・・・所得税&住民税非課税、基礎年金タダでゲット ※住民税の課税所得は自治体によって差異あり
③サラリーマン夫かつ年収103万パート勤務の専業主婦・・・所得税非課税、基礎年金タダでゲット。住民税の支払いあり
④サラリーマン夫かつ年収103万超〜130万パート勤務の専業主婦・・・基礎年金タダでゲット。所得税、住民税の支払いあり
⑤年収130万超のあらゆる人々・・・年金、所得税、住民税の支払いあり
こんな感じかな? こうして見ると、④と⑤の境がかなり大きいね。
国民年金がひと月16,260円だから、年間で195,120円。④はこの負担無しで、⑤はこの負担ありという訳だね。 - くるみ
- なるほど。130万超えるか否かで20万の負担有無が変わるとなると、超えないようにしようって思うかもね。 じゃあ160万稼ごうってなると月間で25000円、時給千円なら6時間労働で月4日以上増やさないといけないって考えるとけっこうハードル高い。
- えりこ
- 確かにそう考えるとハードル高いね!130万超〜150万は超グレーゾーンだね。150万稼いで副業で30万の赤字だせば損益通算で収入を130万に戻せるけど、まあそこまでする人はなかなかいないだろうね。 少子化で働き手が減る中、この仕組みは超矛盾してるね。
- くるみ
- ほんとだね〜 gender=的にも、気軽に働け!とは言えない事情が見えてきたね。無責任な発言にならないよう、社会のしくみも勉強していかないとだね。
gender=的|「パート主婦の減税拡大、配偶者特別控除を活用」について。のまとめ
- 税金の仕組みを理解していない人が多い。納税の意識を持たせる教育が必要。
- 働き損を発生させる配偶者(特別)控除は廃止するべきでは?
- とはいえギリギリのラインにいる人が「壁」を超えて働くのはかなりハードルが高そう。