【メンバーインタビューvol.2】子どもたちを取り巻く環境のジェンダーバイアスをなくしたい!加藤心渚


ジェンダーイコールメンバー:加藤心渚さん(高校3年生)

ジェンダー啓発活動に興味をもったきっかけは?

2019年11月3日開催「外国人ゲストから「ジェンダー平等」について学ぼう」
主催:ジェンダーイコール

高校1年生の冬、母親に誘われてNPO法人ジェンダーイコール主催のイベント「外国人ゲストから「ジェンダー平等」について学ぼう」に参加しました。
このイベントで、はじめて「ジェンダーバイアス」という言葉を知りました。
(ジェンダーバイアス:男女の役割についての固定観念)

自分が過去に経験したモヤモヤはジェンダーバイアスによるものだったんだということに初めて気づきました。
そこから、ジェンダーについて興味を持つようになり、ジェンダーイコールに参加しました。

過去に経験した「モヤモヤ」について教えてください

中学2年生の時に生徒会長に立候補しました。 その際、友だちや塾の先生、祖父母から、「女の子なんだから人の上に立つことはやめておいた方が良いよ」、「女の子だから目立たない方が良い」、「生徒会長なんて無理だよ」、「副会長でも良いんじゃない?」といった否定的な言葉をかけられました。肯定的な言葉であっても「女の子なのにがんばるね」・・・。
「女の子なんだから」、「女の子なのに」って何?
自分が女子だからという理由だけで、なんでこんなことを言われるんだろう?
非常にモヤモヤしました。

−− ここなさんの他にも立候補者はいましたか?

私以外にもう1人、男子候補者がいました。

−− 生徒会長にはここなさんが見事当選されました。選ばれた理由は何だと思いますか?

生徒会長は選挙で選出します。選挙に向けて候補者がスピーチをする機会があり、自分の意気込みを分かりやすく伝えるために、スライドや身振り手振りを使って様々な工夫をしました。また、中学1年生で副会長をしていたので、その実績も評価されたと思います。

−− 当選後、周りの反応はいかがでしたか?

選挙結果が出た時に、もう1人の候補者を応援していた人たちから「調子に乗るんじゃないよ」と言われたり、廊下ですれ違いざまに「◯◯の方が合っていたのに」などと言われました。生徒会長になってからの方が辛かったです。
でも、活動していくにつれ、選挙前に否定的だった友人たちが、当選後は応援してくれるようになりました。うれしかったです。

小学生の時の担任が「人前で話す楽しさ」を教えてくれた

−− ここなさんはなぜ生徒会に興味をもったのですか?

私は小学生時代は人見知りで、人前で話すのが苦手でした。
そんな私でしたが、5-6年時の担任の先生が私を学年委員に推薦してくれました。
学年委員を通じて人前で話す楽しさを知りました。
さらに先生は私の学年委員の活躍を見て「人をまとめることが向いているんじゃない?」とアドバイスをしてくださいました。それがきっかけで生徒会に興味を持ちました。
あの時の先生の言葉がなければ、今の自分はいないと思います。
私の背中を後押ししてくれた先生には心から感謝しています。

論文やスピーチを通じてジェンダー問題を発信中!

私の母親は保育士です。そのため、小学生の頃から何度も保育園のボランティアに参加していました。
以前、保育園へボランティアに訪れた際、ままごと遊びの中で当たり前のように女児が台所で料理をしている間に男児が机で待っている姿を見ました。また、男児がおんぶ紐で人形をおぶっていることに違和感を覚えた幼児たちがいました。その光景を目の当たりにし、幼児の頃からすでに「男は仕事、女は家事」という昔からの固定観念に従い、行動していることがわかりました。

なぜ幼児期ですでにこのような行動を取るのか?

私は、親や保育士など、身近な大人の無意識なジェンダーバイアスが起因していると考えています。

その考えをいろんな人に伝えたいと思い、2020年9月に「少年の主張埼玉県大会」、同年12月に「福澤諭吉記念第59回全国高等学校弁論大会」にエントリーして「保育環境とジェンダーの関係性」というテーマで発表しました。

福澤諭吉記念第59回全国高等学校弁論大会

上記は「福澤諭吉記念第59回全国高等学校弁論大会」でのスピーチです。
何度も練習を重ねたので、プレゼンに対する自信がつきました。

通っている高校ではみんなが応援してくれました。
授業でもジェンダーの研究発表会やジェンダーについての論文の時間を取ってくれるようになりました。
友人とジェンダーに関する相談や問題について話す機会が非常に増えました。

自分が行動したことで、明らかに周りの人たちに変化がありました。
これはとても価値のある経験だと思っています。
私は、これからもどんどんこのような大会にチャレンジしていきます。

弁論大会で感じた「ジェンダー問題」

審査員の方が年配者ばかりなのが気になりました。
さらに、「ジェンダーバイアスをなくすために、こんなにたくさんの工夫をしないといけないんですね」とか「大変ですね」など、どこか他人事のようなコメントが多かったのが印象的でした。
年代により、ジェンダー意識にかなりの違いがあるように思います。
公平な審査を実現するためにも、審査員の年代やジェンダーバランスを意識することは非常に重要だと感じています。

これからやってみたいこと

現在、高校生活最後の1年を過ごしています。高校生のうちに何か残したいと思い、ジェンダーイコールの高校生メンバー4人と8月にイベントを開催します。
本記事を読んでいただいたみなさまにもぜひご参加いただきたいです。
そして、来年大学に進学したら、幼児向けにジェンダーに関する絵本やパネルシアターを作って、保育園や幼稚園の子どもたちに直接発信していきたいと思っています。
いずれは起業したいとも考えていて、ジェンダーバイアスを無くすためのものづくり事業を実現したいです。

−− ここなさん、ありがとうございました!

インタビュアー:田渕 恵梨子(NPO法人ジェンダーイコール代表理事)

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